中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

経営のこと、政治のこと、社会のこと、趣味のこと、人生のこと

今の世の中を見てみれば その40

2020年12月28日 | ブログ
ビジネスモデルの根幹

 コロナ禍にあっても増収増益という企業はあるようだ。ひとつは最近急成長の「ワークマン」。作業服のお店と思っていたが、違ってきたらしい。「ワークマン+(プラス)」や「ワークマン女子」などと新事業を展開。安さだけでなく、ファッション性や機能性を高め、従来とは異なる顧客層を獲得している。

 もうひとつ、創業以来33年増収増益を続ける「ニトリ」。北海道で家具屋を始めた似鳥氏が、安さを追求して家具の問屋を介さない商法で値下げを図ったが、業界の抵抗で仕入れ先がなくなり、自前で海外工場を持つに至る。ただ、安いだけでは多くの顧客を得ることは難しい。ワークマンと同様、商品にこれまでにない機能性を付加することで、価格以上の価値を生み出す取り組みが成功の秘訣だった。

 ただ、両社に共通する懸念材料は、海外工場と言って結局メインは中国となること。ニトリなど帝人とタイアップして上海郊外に研究所を設けているようだが、他社に真似されるどころか、中国には日本の著作権など通用しないことを知らないのだろうかと思ってしまう。

 苦労して新商品を開発しても3年~5年もすれば他社でさえ同じような製品を作ってくる。昔家電製品の雄、松下電器(現、パナソニック)の松下幸之助氏は、「ウチは東京にソニーという研究所を持っている」という冗談を言っていたというが、中国相手では冗談では済まない。今や、工業製品に留まらず、いちごや牛肉も無断で苗や種牛の精子を持ち去って自前で生産する。

 日本企業が安くて良い物を作りたいと思うビジネスモデルの中核が、大抵中国の工場で作ることになるのは頂けない。勿論中国プラスワンとしてベトナム、タイなどへの進出ももう数十年前から盛んであり、国内回帰を志向する企業もなくはないが、ワークマンにしても、自分たちが「希望するコストと品質で」となると中国で工場探しをしたようだ。それだけ、中国の世界の工場としての実績があり、生産技術が上がっているのだ。「日本国内で作られた製品ですから安心です」。は過去のものになりつつある。

 日本で対応できる工場がどんどん減っているのだ。中国はそれを見越して安価に受注しているように診る。一部の商品を除いて日本のデフレが止まらない。にも拘わらず、日本で安価品を作れる工場はなくなってゆく。対応できる職人が減少しているのだ。

 ワークマンもニトリも商品に顧客が求める機能性を付加するために研究開発費を投資すれば、油揚げはトンビならぬ中国が持ってゆく構図が出来上がっているのではないか。

 気が付けば、「安く作る」とは麻薬のようなもので、ものづくり日本を蝕み、すでに家電製品、いずれ車も、ユニクロやワークマンの機能性カジュアル衣料も、ニトリの家具もビジネスモデルからその製法迄、中国に召し上げられてしまうのではなかろうか。

 「安くて良品」ということは、われわれ消費者にとってはありがたいことだが、それを日本国内で作る努力を今からでもやらねば、この国の凋落の底が抜けるように思う。すべてここ数十年のこの国の、政治の貧困による不作為が為したことのように思う。


本稿は一部、テレ東「カンブリヤ宮殿」12月17日、24日放送を参考にしています。




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今の世の中を見てみれば その39

2020年12月25日 | ブログ
不起訴

 桜を見る会の前夜祭のホテルの料金を安倍後援会が補填しながら、選挙資金収支報告書に記載がなかった問題。どうも結局秘書の一存でやったことで、安倍当時の首相にも補填はなかったと報告しており、秘書を信じた安倍首相の国会答弁は、結果的に嘘の答弁となった。その数118回という。

 従って、当の秘書は一応起訴されるが、秘書の言葉を信じたという安倍前首相は不起訴となるそうだ。この秘書に責任を全面的に転嫁する手法は、ずっと続く自由民主党のお家芸で、否、政治家の性と言えるものだ。

 甘利氏(現、自由民主党税制調査会会長)の2016年の斡旋利得罪の疑いも、結局不起訴となり、甘利氏はその後、無罪であったかのような顔で復活した。検察の手を止めたのは当時の安倍政権であったろうから、その後甘利氏は安倍さんにとってポチのような存在となった。安倍さんが嫌いな慶應の後輩である石破さんの悪口を垂れ流していたことから推測するのである。

 今回は首相退陣後であり、現役の時ほどの権力は無かろうが、検察の上層部にまだ伝手は残っていたのであろう。検察も情けないものだ。

 それにしても「桜を見る会」は、政府主催であるから要は税金で運営される。そこに首相だからといって自前の交通費、宿泊費個人負担とはいえ、地元選挙民を大挙して招待するというのは、それだけで十分選挙違反と思うのだけれど、いや民主党政権の時も数は違え、首相等の地元選挙民を招待していたことで、安倍政権が特別なことを始めたわけではないそうだ。それにしても、芸能人を侍らせて悦に入る安倍総理(当時)の姿は、見て気持ちの良いものではない。単なる馬鹿面下げた面々が国民無視で、これ見よがし遊んでいるだけ。

 世界の司法は知らないけれど、一般人の犯罪に対する検察判断も日本「不起訴」は掃いて捨てるほど多いと感じる。要は起訴した以上「有罪」を取らねば検察の沽券に関わるとの思い込みによるものか、なるべく時間の掛る「裁判」そのものを回避したい思惑からか、「不起訴」のオンパレードのように感じる。

 特に政治家に関する案件で「不起訴」となれば、甘利氏に限らず、「無罪」放免と同等の扱いで公民権を失うこともなければ、「人の噂も45日」止まりとなり、本人からも罪の意識は消える。

 今は野党だから、好きに安倍氏や菅氏を味噌糞に批判している小沢元自民党幹事長なども最たるもので、現在の媚中の頭目二階氏の向こうを張る媚中派の頭目であり、疑惑のオンパレードながら、こちらも「不起訴」で逃げ延びた。

 馬鹿なマスコミは、小沢氏を「剛腕」などと持ち上げていたが、今は二階氏を「鋭い政局勘、政敵とも話の出来る老獪さ、すべてを飲み込んでしまう怪物幹事長」などと持ち上げる。何のことは無い。自由民主党代議士はじめほとんどの政治家が、あの程度の人物に牛耳られる単に馬鹿ばかりになっているだけ話ではないのか。



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今の世の中を見てみれば その38

2020年12月22日 | ブログ
中国漁船の違法操業

 『中国漁船の日本海での違法操業によるスルメイカの乱獲が、イカの街・函館に影を落としている。国立研究開発法人水産研究・教育機構は、中国漁船が毎年15万トン漁獲していると推計。日本漁船による昨年度の漁獲量の10倍以上に当たる。函館港での水揚げは近年急減し、終盤を迎えた今季も過去最低水準の不漁で、専門家は「津軽海峡へ北上するイカが先取りされている」と指摘する。・・・日本の排他的経済水域(EEZ)内にある大和堆では、中国漁船の違法操業が急増しており、水産庁の漁業取締船が退去警告した隻数は今年1~11月で4177隻と、昨年1年間の3・7倍に達した。500~千トン級の大型漁船もあり、引き網などで大量に漁獲しているとされる。』北海道新聞YAHOOニュース12月20日

 日本の排他的経済水域での中国漁船の違法操業は、数年前小笠原諸島でのサンゴの乱獲があった。この時は海上保安庁の警備艇が拿捕して、一艇ずつ日本の港まで曳航して処置していたようだったが、敵は、到底手におえる数ではなかった。

 韓国は違法中国漁船に発砲するようなこともあるようだが、日本ではホースで散水するくらいだから、舐められても仕方ない。戦艦大和を有していた頃の日本ならばと思ってしまう。

 このような状況の中でも、日本政府はまだまだ日中友好の旗を降ろす覚悟などない。何といっても与党自由民主党の幹事長殿が媚中の頭目なのだから、自民党議員の多くも何も言えない。総理大臣とてその傀儡だから輪をかけて同じことだ。国家の体を成していない。

 これが逆ならどうなるか。日本の漁船が中国の排他的経済水域を犯して漁をすれば、船長以下命の保証はないのではないか。

 戦後わが国の漁船は、韓国にさえ勝手に引いた李承晩ラインに脅かされた。多くの漁船が拿捕され、命を奪われた船長もおられたように聞く。北の北方四島周辺では当時ソ連の警備艇に、どれだけの船が拿捕されたか。今もロシアの警備隊は日本の海上保安庁のように甘くはなかろう。

 戦後75年。中国の台頭で列島周辺はさらに不穏となった。習近平に恐れを成し、国賓でお招きしたいと遜った総理大臣が居た。その政権を引き継ぎますと現政権は発足した。幹事長殿の掌の上で操り人形は、中国相手にまともな外交さえできはしない。

 未だ、戦後米国から与えられた憲法を後生大事とする立憲民主党が野党の筆頭だ。隣国に舐められるのも道理である。やられたらやり返す。このままだと日本人の魂が真底腐ってしまう。



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今の世の中を見てみれば その37

2020年12月19日 | ブログ
中共との決別

 この国の経済界、学者も含めて所謂知識層と呼ばれる人たちの価値観は、偏に豊かな生活を送れることであるらしい。あれだけ中共が無謀な行動をし、中共の要人が無礼な暴言を吐こうが、誰一人正面切って異議を発する者はいない。二言目には中国とは輸出も輸入も一番多い関係だから、中国抜きにして豊かな生活が送れません。従って「好き嫌いは別にして、かの国を理解する必要がある」と宣う。

 この21世紀は過去の悲惨な戦争の反省から、「法と秩序」を国家間で共有することで、国際連合があり、自由貿易も国家間の信用の下に成り立っている筈である。

 中共は違う。未だに軍事力と経済力を楯に弱小国、弱小民族を従わせようとしている。人権問題などで、北京オリンピックの前くらいまでは、ヨーロッパ諸国は中国に異議を挟み、西洋の人権活動家は積極的に中国を批判していた。

 ところが、経済的にEUの力が落ち、米国の力も落ちて、中共ばかり膨張している現代では、自国経済の中共依存が高まり、中共批判は封印された。今やその中共を正面から批判するのはトランプ大統領くらいとなっていた。コロナがあり、ヨーロッパ諸国もようやく中共への嫌悪感を露わにし始めたが、経済的縛りには抗しえないのが現実のようだ。日本政府や日本の財界も未だに人権など建前主義で、米中の狭間でうまく立ち回ろうとしている感がある。

 確かに過去の日米経済戦争の実績から米国も油断はならないとする向きはある。しかしわが国にとって米国は唯一の同盟国なのだ。腹を括ってここは一緒に中共に立ち向かう必要がある。オーストラリアは先陣を切って中共批判で、「牛肉を買わない」など脅しを掛けられていたが、牛肉需要は自由主義諸国にも十分あるわけで、「なら売ってやらないよ」で良いのだ。

 兎に角中共との交易は最小限にする必要がある。それで日本の経済力が削がれても、独裁国家に支配されるよりましである。とは考えない人も多くいる。豊かに暮らせれば国家の体制などどうでもよい。いちいち国の政治に文句言ってもしようがない。「独裁者が居ればその方に任せましょうという」という輩で、現在の中国本土にはそのような人間が溢れている。西洋人に虐げられた歴史があり、それも分からぬことではない。

 しかし、立ち返って、人間の幸せは経済が一番ではない筈だ。勿論「お金」国家の経済は非常に重要ではあるけれど、それはあくまで、人生にとっても国家にとっても手段であって究極の目的ではないことをあらためて知るべきであろう。政治家も財界人も、国家のリーダー層は哲学を取り戻すべきなのである。



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今の世の中を見てみれば その36

2020年12月16日 | ブログ
政権末期

 末期かどうか。まだ始まって4か月目だけれど、日本学術会議の人事に介入し、悪手には「待った」(訂正)という手があるけれど、権威に傷がつくと思ってかそのまま。自信がない人は弱みを見せまいと悪あがきするから、どんどん落ちてゆく。「Go Toキャンペーン」もほとんどの国民が一旦やめるべきだと思っているのに、5月の連休明けまでとか6月までとか継続のバルーンを上げる。陰で糸引く人の存在は見え見えなのだが、本人共々安倍政権で観光立国構想を推進した者同士で、幹事長殿は全国旅行業協会の会長であるから、どうしても止めたくはない。(14日、政府は年末から年始にかけて2週間停止を決めた)

 国民の多くは、別に旅行そのものをすべて停止しろと言っているわけではなく、税金を投与してまで国民を旅行に誘うことはないだろうと言っている。怪しげな数値を持ち出して、今回のGo Toキャンペーンで感染した人は非常に少なく、これを止めたからといって感染拡大が収まるわけではないなどと言い訳がましい。(せめて3か月くらい停めないと)

 しかし、実際には鹿児島県や沖縄県周辺の離島などにも感染者が出ていたようで、それは島民以外が入り込んだ痕跡だと思われる。加えて、そもそも国がキャンペーンまでやって移動を奨励すれば、普通の生活面でも緩みが出ることは避けられない。神戸大学の岩田健太郎教授が文藝春秋新年号で指摘されている通りである。

 「国民のための政治」菅総理の就任時のモットーはすでに付け焼刃であったことが露見し、内閣不支持率が支持率を上回る国勢調査結果(毎日新聞)も出ている。

 「やると言ったらやる男」菅総理という評判はあったけれど、すでに72歳。単に年寄りの頑固さが出ているだけか。利権には逆らえないお人柄なのか。まさに「半沢直樹」のドラマのように、幹事長殿は、GoTo2週間停めただけで「俺が総理にしてやったのを忘れたか」状態。

 衆院選挙は総理交代で、支持率の高い早い時期に実施するべきとの自民党内の意見があったが、「時すでに遅し」で、政権が野党に転ぶまでには行かないだろうが、当落線上の自民党議員は首筋が涼しくなっているのではないか。いろんな選挙区で、野党がそれこそ自民党の問題議員へ刺客を立てれば、自民党は大幅に議席を失うのではないか。その空気感が充満すれば、菅総理の命運も尽きる。学術会議を干された学者さんたちなど、刺客代議士有力候補ではないか。

 麻生派、細田(安倍)派、竹下派に岸田派が加われば、二階派と菅グループの連合など露と消える。麻生派と岸田派の宏池会の復活もある。安倍氏からの禅譲を期待しておとなしくしていた岸田氏にとっても安倍氏や菅氏、二階氏に倍返しの機会が訪れる。

 昔、岸総理が安保で退陣した後、「寛容と忍耐」「所得倍増」の池田総理(宏池会生みの親)誕生でこの国はまとまりを取り戻した。二階傀儡の安倍、菅時代をリセットすべき時である。



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今の世の中を見てみれば その35

2020年12月13日 | ブログ
続、リセットした米国、しなかった日本

 米国の民主党と2009年に日本で政権を取った日本の民主党は雰囲気的に似たところがあって、今回バイデンさんが大統領に当選しても、何をやってくれるのか具体的な方向性は見えない。要は大統領選の主題が単なる「反トランプ」であり、コロナ政策の不作為を問うもので、新たなビジョンは明確ではなかった。

 日本の民主党の政権奪取も、「反自民」、「政権交代」、「一度替えてみよう」。要は手段の目的化である。そんなことで世の中良くなるわけなどない。最悪であったのが1人26000円の子供手当や高速道路の無料化案。鳩山氏は財源の組み換えで捻出可能とし、事業仕分けを人前で行って見せた。「コンクリートから人へ」というのもあった。税金とは所得の再配分の原資と見ていたようだ。勿論その要素もあろうが、個人ではできない国家の防衛、インフラ整備、教育等に充てるのが本来である。

 子供手当などの「ばらまき」は新手の選挙民への買収工作に見えた。しかも寄せ集めのガラクタ人材で、グループ(出身母体)毎に国家観も主義主張も異なる。「寄せ集め政党で国家が運営できるわけなどない」と見えていたから政権交代に反対していたが、周辺の経営者も公認会計士も税理士も中小企業診断士も、ほとんどは一度変えてみればいいんだと主張して政権交代は成った。

 いつも思うのは、「裸の王様」という物語(エピソード)。忖度に目が曇り本当の姿が見えなくなる見事な例証。安倍政権の後半は取り巻きが皆そうだった。見えなくても自分たちが潤っているからいいんだと思う、国民不在の政治家の在り様が情けなかった。それは現在も続いている。リセットすべき時にそれを怠ったのだ。コロナ感染拡大に後手が続く。

 中共の脅威がそこまで来ているのに、多くの日本の外交や経済の有識者は、「米国一辺倒では危うい」と言う。最大の貿易相手国である中国の機嫌も取りながら経済をまわし、生き延びて行こうと言う。

 現状維持で10年、20年を過ぎれば、中国の経済力軍事力は膨大となり、米国でさえ凌ぐことになり兼ねない。世界の自由主義国は、苦しくなっても中国との交易を抑え、力を合わせ、中国の強大化を阻止する必要がある。それがトランプ大統領の仕掛けた対中貿易戦争であった。

 ドイツのメルケルなどスピーチは上手く、論理的な頭はいいようだが、地政学、軍事的・覇権的人類の行動学など分かっていない。中国に自国の車を売ることにしか関心はない。日本の財界連中も同様に戦後教育で軍事学など履修していないから赤ん坊程度の認識しかないようだ。

 米国がしてはいけないリセットを行い、リセットしなくてはいけない日本や欧州は日和見である。危機は迫っている。




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今の世の中を見てみれば その34

2020年12月10日 | ブログ
リセットした米国、しなかった日本

 国内外に問題が多い場合、国家の指導者を変えてみる、すなわち政見交代を行うことが必要である。米国はトランプ大統領によって明らかに経済は良くなった。やりたい放題の中共への悪質ぶりを世間にさらし、貿易面でも対立軸を明確にした。技術の詐取やロビー活動、スパイ行動への取り締まりなど、オバマ政権とは異なり明確に中共を敵視した。

 ところがコロナで躓いた。甘く見た。その影響で今回の大統領選では、女性票が逃げたという。本来リセットすべきでないところだったが、感染症対策という国民の生命に関わる評価で指導者が変わる公算が高くなった。

 一方、3年間、3代の民主党政権の体たらくの後に登場した第二次安倍政権が、円高、株安状況をドラスチックに好転させたことで、長期政権となり、首相本人の知性や教養、国家観などどうでもよくて、自民党有力者にとって都合が良ければそれでいいという、非常に狭い了見で国家指導者が選ばれ続けることとなり、要は経済先行で親中・媚中路線が重視され、本来リセットすべきところをリセットしなかった。

 先に行われた東京都知事選挙なども同じ構図ではないが、豊洲問題などで、あれだけ無意味な騒動を繰り広げ、本人の学歴詐称は、関係者の確度の高いと思われる証言もあった知事を、都民は更迭しなかったばかりか、知事選で驚くような票与えた。

 そのつけは、いずれ国民が都民がすべて払わねばならない。都民は自業自得だけれど、内閣総理大臣の選挙権は一般国民にはなく、ごくごく一部の自民党員の意向で決まる。中国共産党の仕組みと変わらなくさえ見えてくる。そうは言って、それまで総理に相応しい人の世論調査で、けっして上位になかった人が、自民党有力派閥の支持が強いと知るや、堰を切ったように国民の支持率も急増した不思議は何なのだろうと思う。日本人の自主性の乏しい日和見主義がこのところ顕著になっているのだ。日本民族の明らかな衰退を示すものではないか。

 前の総理のように有力政治家の血筋でもない、田舎の百姓の出身者が、長く嘘つき総理の下で悪戦苦闘しながら、その権勢欲を密かに滾らせていたのであろう。個人の努力で、氏育ちに関わらず国のトップにさえ成れるというのは、それはそれで素晴らしいことかも知れないが、反面、国家を代表する総理大臣には、政治家としての現場経験、実務能力もさることながら、人品骨柄、深淵なる教養を望むのは不都合であろうか。もっとも個々の政治家の知性・教養レベルを推し量る普遍的なものさしは存在しない。



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今の世の中を見てみれば その33

2020年12月07日 | ブログ
ブレーン政治の危うさ

 菅政権の怪しいブレーンとして、竹中平蔵氏の他にも小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長が取り沙汰されている。日本は先進国諸国と比べて労働生産性が低い。それは日本には多くの中小企業があり、国は中小企業基本法に則って、中小企業を保護しているが、中小企業は生産性が低いところが多い。従って今後の国の成長には、脆弱な中小企業を切り捨てる必要がある。デービッド・アトキンソン氏の持論であるらしい。

 しかし、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な三段論法で中小企業の再編を政権主導で行うことには違和感がある。日本は自由主義社会であり、競争に敗れた企業は自ずと市場から退場する。その原則に委ねるのではなく、政策として企業の再編を促すという発想はお隣の反社会的国家を真似たものではないか。

 竹中氏は文藝春秋11月号の「東京を政府直轄地にせよ」に、『すでにビジネモデルが破綻している企業には、これを機に市場から退出してもらう。そして退出した企業の労働者を、優秀な企業が吸収していけば、経済の強化を進めることが可能です。』これが言っている通りであれば、多くの人は「そうだね」と同感するかもしれない。事実私が中小企業診断士になり「企業再生」の研究会を通じて、県の中小企業再生支援協議会と付き合いがあった頃、十数年前の話であるが、「行政が倒産した企業を支援して再生させようと尽力するのは、技術力があり、ブランドや資産が残されており、失くすには惜しく、また再生する可能性が高い企業の場合であるように聞いた」

 潰れる企業に税金は使えないとの発想で、それはそれなりに説得力があった。しかし、その後小規模企業の経営者の高齢化が顕在化し、技術もブランドもある企業が、後継者不在で市場から退場する企業が出てきたため、政府は小規模企業の持続化給付金制度などを新設して、可能な限り生き残れるように配慮した。そして企業の後継者問題が中小企業の最重要課題として浮上したのだ。

 民主党政権下、その目玉政策である「事業仕分け」による無駄の排除の論点からすれば、企業労働者は唯物的な存在でしかなかったであろう。自民党はもっと巧妙に労働者を派遣採用で縛り、既得権者は高笑いを続けた。現在の菅政権のブレーンも「改革」を旗印に自分たち以外の国民は数で数える存在でしかないのだろう。排除された企業の労働者が、優良企業に救われたとして、企業での立場や処遇が前と同じとはいかない。「それは仕方がないよ」とブレーン達は言うだろう。

 このような課題に政府が立ち向かう際、必要なことは国民への徹底した情報公開(説明)であり、実施した場合の善悪を事前に十分検討すべきである。けっして「改革」を錦の御旗にしてはならない「改革」には改善も改悪もある。




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今の世の中を見てみれば その32

2020年12月04日 | ブログ
新自由主義への警鐘

 文藝春秋11月号に菅政権のブレーンという竹中平蔵氏が「東京を政府直轄地にせよ」と猛っていたが、12月号では、数学者の藤原正彦先生が「亡国の改革至上主義」を謳い、学者でも政治家でも実業家でもない疑惑の人物としてその竹中平蔵氏を痛罵している。

 竹中氏は小泉政権で、銀行の不良債権処理や郵政民営化の実現に貢献した。一方労働者派遣法を改正し、製造業にも派遣労働者が解禁され、派遣労働者は一挙に170万人増加したが、2008年のリーマンショック後に派遣労働者は150万人急減したそうだ。藤原先生はそのことからも、派遣法改正が景気の調整弁とするためのものだったとしている。ショック後の2019年までに非正規社員が650万人も増えたのである。

 当時私は、小泉改革を支持しており、郵政民営化は、福田派であった小泉氏の郵政利権に強みを持つ旧田中派つぶしと見ていた。派遣労働の緩和も不良債権処理という、国家的に膨らんだ経済問題を解決に導くための必要悪と考えていた。

 ところが、企業の人件費削減で固定費低減の施策にぴったりと嵌ったため、不良債権問題が解消して後にも政府も財界も元に戻すことをしなかった。歴代内閣の不作為であるが、一度改革としたことを元に戻すのは変えるより大変なのであろう。不都合は小泉-竹中の新自由主義政策の責任とした。

 小泉氏は首相退任後政界から去ったが、竹中氏は安倍政権においても政権に巣くい、菅新総理とは小泉内閣の総務省からの縁でさらに政権への影響力を強めているようだ。

 派遣労働者が増えることは、特に大企業などでは収益向上に貢献する。だから良いことのように考えるのは、実は思慮が浅い。企業は人を育てる所でもある。松下幸之助氏は「人質管理」の重要性を説いたが、企業組織はそこで働くすべての人々の能力の総和で業績も大きく影響されることは当然である。国家レベルで考えても国民の能力の総和が国力を左右する。

 だから明治維新以降、新政府は「教育」に力を注いだ。大企業には優秀な人材が数多いるからその他大勢は派遣で十分と考える経営者は失格である。組織にはどうしても階層が生まれるが、どの階層にも軸となる人材が必要であり、それは必ずしも門閥や学歴に依存しない人材であることも多い。

 私には新自由主義などと、目先のそろばん勘定だけで企業経営を進める人間の根性は疑わしいと思う。未だ中国、中国という経営者たちがそうだ。「ローマは1日にして成らず」と聞くが、国家は悠久の歴史の中で育まれてきたもので、江戸時代の藩政の中でも優れた藩は多くの文化を生み人材を輩出した。100年後も日本が日本であるために、邪な人材は政財界から放逐する必要があるのだ。



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今の世の中を見てみれば その31

2020年12月01日 | ブログ
菅政権の素顔

 菅政権が日本学術会議の人事に介入し、新会員6人の任命を拒否した事件は、拒否理由の明確な説明はないままうやむやになろうとしている。学術会議の問題点についてあることないこと吹聴され、問題点のすり替えが行われた挙句、未だ何の解決にも至っていない。

 安倍政権当時のモリカケ、桜の顛末と同様にである。安倍政権での官房長官が政権を奪取して、安倍政権の踏襲を宣言しているのだから、そんなものではある。

 どうも、学術会議の件は前政権の置き土産的なところがあって、菅さんはよく考えずに周囲の段取りに委ねたのではないかと思われる節もある。答弁の中で「推薦人リストを見ていない」とかの発言もあった。一方騒動を起こし目障りな学術会議を葬っても、勝算は我にありと踏んでいたという確信犯との憶測もある。私見であるが、今回は、安倍前首相の仕掛けた罠に落ちた感があって、ゆえに「桜」の再燃は、官邸からマスコミに情報を漏らしているような話が出ている。目には目を。「倍返しだ」はドラマの話だけではないと見えるのだ。

 二階勢力に対抗する麻生、細田、竹下3派の勢力争いもある。二階の勝手にはさせないと麻生副総理側は、菅を次回の総裁選で葬って、安倍政権復活のもくろみも囁かれる中、桜再燃で安倍復活は難しくなった説もある。どっちもどっちで、要は自由民主党はこの国を十分に背負える「義」すなわち正義を失っているということ。国民の幸せよりも自分たちの権力維持、金づるを手放したくないだけ。要は経済最優先で媚中に染まっているだけ。

 それにしても「桜を見る会」の件は、ホテルの前夜祭の収支報告云々は選挙違反の重罪に関わることではあるが、首相の選挙区の人間が「桜を見る会」に大挙して参加していた時点で政権の私物化である。招待状が高値で売り買いされていたということや、半ぐれや詐欺師が招待されていたこと、普通のただの芸能人が大勢参加しているのはなぜか。マスコミの権力監視能力の低下は著しい。当時の官房長官も同罪である。

 招待者名簿は「シュレッダーに掛けた」で済ますところは、どう考えても民主国家とは言えない。不都合な報道をするテレビ局には脅しをかけてメディア支配を進める。それでも若者はじめ多くの国民が与党支持というより、野党議員を支持できないと考えているのだから仕方がない。最近では自民党にすり寄る野党議員も多いようで、しかも二階氏を頼るのが多い。いかに野党議員に政治家としての信念が乏しかったが見える。

 近年この国では「反社勢力は徹底追放」の施策が徹底する。われわれが行政機関やそれに準ずるところから仕事を貰うにも、反社組織とのつながりがないことの条件がある。それはそれで当然でもあるが、政権が国家権力をバックに反社勢力のような恫喝をマスコミ向けに堂々とやる。世界的に見て、まさに反社会的国家と見える中国とは友好を謳う。言ってることとやることが全く違うのが、安倍政権に始まりそれを継承する現在の菅政権ではないか。



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