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統計(学)のすすめ8

2010年06月22日 | Weblog
推定と検定

 財務・会計でもそのスキルを大別すると、財務諸表を作るまでと、そのデータを元にして経営分析を行うことに分けられるように、統計においてもデータを取るとことと、そのデータを解析することに分けることができると考えられる。推定や検定は後者に属する。

 前者の場合、大がかりな国勢調査のようなことから、製造業の現場で日常的に行われるサンプリングまでさまざまである。そしてそれらの作業も単純ではない。前回述べた母集団から、その一部を抜き取って全体を推測するにしても、アンケートをすべての家庭に留め置きして、必要事項を確実に記入して貰うこともしかりである。

 現場のサンプリングなど、例えば公害関連で、煙突から排出されているガスの組成を、また海や河川水質調査のためのサンプリングにしても、それぞれの全体像を確実に少量のサンプルに反映させるために、高度なテクニックを必要とし、理論的なやり方が規定されている。そのデータの積み重ねが統計となり、変化をデータによって把握できる。正確にデータが取られておれば、財務会計でもそうだけれど、後はコンピュータがやってくれる世の中だ。だからこそ、なぜそうなるかも知っておきたい。

 統計でいう「推定」とは、先の内閣支持率調査などが当てはまる。膨大な母集団の一部を抽出し、そのデータによって全体を推定しているのである。母数に関して予見なしに、その値はいくらくらいであろうかを知ろうとする。これが重量や寸法のようなデータであれば、母集団の平均値や分散までを推定値として計算することになる。

 一方検定とは、母数に関してすでに何らかの予想を持っており、これを仮説という形で提示して、その真偽をサンプルデータに基づいて検証するもので、統計的品質管理でよく使われる手法といえる。

 例えば、新しい機械を導入する場合、新しい機械で作った部品の寸法が、これまでの機械で作った部品の寸法やそのバラツキに有意差があるかどうかを検証する必要がある。有意差があれば、新しい機械の導入を見合わせるか、有意差が認められなくなるまで、機械の調整を必要とする。統計はあらゆるところで役立っている。

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