今日の私の歌
『いつも歌っている
歌ですけれども、
今日のお客さんには
今日の私の歌を
聞いて欲しい。』 639/2000
これは、歌手の石川さゆりさん(1958- )の言葉。
彼女はずっとNHKの紅白歌合戦に出ているけれど、歌うのは「津軽海峡冬景色」か「天城越え」だけ、もう何年もその繰り返し。私なんかから見ていると、NHKは歌手を馬鹿にしているのかと思えてしまう。しかし彼女は都度、このような想いで歌われていたのだと知った次第である。彼女には、なかにし礼作詞の名曲「風の盆恋歌」もある。
昨年末は有楽町の国際フォーラムが会場になったことで、NHK紅白は、山内恵介さん(1983- )にフランク永井の「有楽町で逢いましょう」を歌わせている。山内さんには最近でもヒット曲があるのにも関わらずである。今回山内さんは、「いつも歌っている歌ですけれども・・・」とは思えなかったのではないか。
『俺は演技をするためにハリウッドへ来たんだ。
人気者になるためじゃない。』 744/2000
これは、アメリカの俳優ジェームズ・バイロン・ディーン(1931-1955)の言葉。24歳の若さで自動車事故で他界した伝説のスターだという。日本でも同世代の赤木圭一郎(1939-1961)が21歳の若さでやはり車の事故で亡くなった。1961年のことというが、その事故の話は記憶している。
一方長く映画、舞台、テレビ、歌謡曲の世界でも活躍した森繁久彌さん(1913-2009)は
『ボウフラが
人を刺すよな蚊になるまでは
泥水飲み飲み浮き沈み』 776/2000
の言葉を残されていたようだ。
長く芸能界に君臨したような俳優さんにも、世間には見えない苦労があったものであろう。
本稿の『言葉』は「人生を変える言葉2000」株式会社西東社2015年6月刊から引用しています