経営に活かす品質管理
「経営に活かす品質管理」は昨年5月に10回に亘り本稿に綴った。その年の7月、地元の商工会議所で同名のセミナーをやらせて貰い、今年のこの月には、千葉信用金庫さんが主催する「産学官千葉フォーラム」の特別講演として同様の話をさせていただいた。概ね好評であったと自負している。景気の上向きやここ20数年の我が国経済の相対的な低迷を受けての反省もあってか、社会が少しは「品質管理」に回帰している雰囲気はある。
売りたいためのブランド戦略も、商品開発も、ものづくり業界では当然ながら、ホテル経営や放送、出版業界においてさえ基本は品質管理なのだ。それは何かと言えば、製品やサービスの質を常に高度に維持してゆくための手段・方策である。歌舞伎の名優が、「稽古を一日休めば、衰えは自分に分かる。2日休めば舞台の相方に分かる。3日休めば観客に分かる。」と言っていたが、「天網恢恢疎にして漏らさず」で、いい加減な品質管理では、知らず知らず客離れが進む。偽装やごまかしもいずれ世間が知ることになる。
私のセミナーでは、品質管理のまとめ(経営に活かす品質管理)として、小規模企業にもできる品質管理手法を5点に絞っている。その1は、「経営の見える化」である。自社の業務をフロー図に表してみること。シンプル・イズ・ベストで、流れの複雑さや滞りがないかチェックする。事務処理などでは重複が良く見られるものだ。QC工程図に代表される個別プロセスの可視化もいろんな業界で見られるようになっている。「ホテルにおける予約からチェックアウトまでの品質保証の仕組み」というフロー図は、品質保証ガイドブックに個別プロセスの可視化事例として載っている。
その2は「データを取る、記録を残す」、勿論作業量はコストに跳ね返るから、選択の必要はある。データがあれば解析ができる。変化が見える。営業成績も顧客別や製品別に分けて眺めれば新たな発見がある。どこでもすでにやっていることのようで、継続は案外難しい。何らかの理由で中断してそのままになっていないだろうか。
その3は「源流管理」、製品開発では何を作るか、まずは市場の状況を俯瞰し、顧客のニーズやウォンツを求める。顧客に感動を与えるような製品開発が求められる。製造コストは設計で80%決まるといわれる。性能・安全・操作性など設計の役割は非常に大きい。原材料管理に関わる仕入れ先(調達先)管理など、自社の工程に入る前から良質を追求する必要がある。
その4は「教育」である。従業員教育と共にゴーイングコンサーン(永続企業)を目指すためには、後継者教育が最重要になる。人を育てることも企業の大きな社会的責務だと思う。最終5番目には「方針管理」を入れている。今の仕事だけで5年後、10年後の自社が世の中に存在できるか。今の仕事に関しても課題を抱えながらも、新たな製品開発や技術革新や経営革新にも挑戦する必要がある。それらを年度計画に重点課題として盛り込みPDCAを確実に廻しながら、前進してゆかねばならない。顧客(観客)の期待に応えるためにも。
「経営に活かす品質管理」は昨年5月に10回に亘り本稿に綴った。その年の7月、地元の商工会議所で同名のセミナーをやらせて貰い、今年のこの月には、千葉信用金庫さんが主催する「産学官千葉フォーラム」の特別講演として同様の話をさせていただいた。概ね好評であったと自負している。景気の上向きやここ20数年の我が国経済の相対的な低迷を受けての反省もあってか、社会が少しは「品質管理」に回帰している雰囲気はある。
売りたいためのブランド戦略も、商品開発も、ものづくり業界では当然ながら、ホテル経営や放送、出版業界においてさえ基本は品質管理なのだ。それは何かと言えば、製品やサービスの質を常に高度に維持してゆくための手段・方策である。歌舞伎の名優が、「稽古を一日休めば、衰えは自分に分かる。2日休めば舞台の相方に分かる。3日休めば観客に分かる。」と言っていたが、「天網恢恢疎にして漏らさず」で、いい加減な品質管理では、知らず知らず客離れが進む。偽装やごまかしもいずれ世間が知ることになる。
私のセミナーでは、品質管理のまとめ(経営に活かす品質管理)として、小規模企業にもできる品質管理手法を5点に絞っている。その1は、「経営の見える化」である。自社の業務をフロー図に表してみること。シンプル・イズ・ベストで、流れの複雑さや滞りがないかチェックする。事務処理などでは重複が良く見られるものだ。QC工程図に代表される個別プロセスの可視化もいろんな業界で見られるようになっている。「ホテルにおける予約からチェックアウトまでの品質保証の仕組み」というフロー図は、品質保証ガイドブックに個別プロセスの可視化事例として載っている。
その2は「データを取る、記録を残す」、勿論作業量はコストに跳ね返るから、選択の必要はある。データがあれば解析ができる。変化が見える。営業成績も顧客別や製品別に分けて眺めれば新たな発見がある。どこでもすでにやっていることのようで、継続は案外難しい。何らかの理由で中断してそのままになっていないだろうか。
その3は「源流管理」、製品開発では何を作るか、まずは市場の状況を俯瞰し、顧客のニーズやウォンツを求める。顧客に感動を与えるような製品開発が求められる。製造コストは設計で80%決まるといわれる。性能・安全・操作性など設計の役割は非常に大きい。原材料管理に関わる仕入れ先(調達先)管理など、自社の工程に入る前から良質を追求する必要がある。
その4は「教育」である。従業員教育と共にゴーイングコンサーン(永続企業)を目指すためには、後継者教育が最重要になる。人を育てることも企業の大きな社会的責務だと思う。最終5番目には「方針管理」を入れている。今の仕事だけで5年後、10年後の自社が世の中に存在できるか。今の仕事に関しても課題を抱えながらも、新たな製品開発や技術革新や経営革新にも挑戦する必要がある。それらを年度計画に重点課題として盛り込みPDCAを確実に廻しながら、前進してゆかねばならない。顧客(観客)の期待に応えるためにも。