中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

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2023年 第27回

2023年03月28日 | ブログ
スパイ容疑

 26日北京で、日本の大手企業の中国法人幹部の男性が、スパイ容疑で拘束された。2019年に中国湖南省長沙市で拘束された50代の男性は、この度懲役12年の実刑判決を受けたというが、そのスパイ活動の内容は聞いていない。2014年中共の反スパイ法が施行されて以降少なくとも日本人16人が拘束されたという。

 問題は、そのような国といつまで経済交流を続けるのかということである。中国には日本大使館もあり、外務省の交渉ルートもある筈で、日本人を犯罪容疑で拘束するなら、外交ルートを通じて詳細を明らかにすべきであり、それが出来ないなら、しないなら国交を続けるべきではなく、中国にある日本企業はすべて早期に撤退すべきである。

 欧米や日本企業が中国に工場を作り、現地の中国人を採用し、製造技術、管理技術、経営手法など多くを与えることになり、中国は近年急速に技術力、経済力を拡大した。経済力は軍事力に直結し、わが国を標的にしたミサイルは1,900発という米国専門家の見解もある。

 これに対してわが国の歴代政権は何をしたのか。「自由で開かれたインド太平洋」構想など、単なる念仏のようなものを有難がっても、具体的な対抗手段がなければ、絵に描いた餅に過ぎない。

 3月27日の読売新聞朝刊によれば、中米の小国ホンジュラス共和国(人口1,000万人余)が台湾と断交し、26日に中国と国交を樹立したことを報じている。『祭英文政権が発足した2016年に22か国だった台湾と外交関係を持つ国は、13か国に減少した』

 何のことはない。半世紀前にわが国のやったことを、同じく国富のための手段にと右へ倣えをやっているに過ぎない。わが国など現在に至っても1万2,000社余りが中国に存在するという。恐るべきことと思う。

 1978年訪日した鄧小平は、敗戦後の短期間に高度経済成長を成したわが国の姿を目の当たりにし、新幹線に乗り、自身の改革開放政策に自信を深めた。松下電器(現Panasonic)も訪問し、松下幸之助に助力を乞うた。鄧小平は抜け目なく尖閣問題は棚上げしている。棚上げも何も尖閣諸島が中国領であったことなどなかった。その結果が現在の日本のビジネスマンの拉致に、尖閣の領土問題に繋がっているのだ。

 一人二人の従業員が拉致されても、それが工場幹部だったとしても、他の企業には知ったことではないのであろう。日本政府も一通りの遺憾砲の後は、国民への仔細報告はない。ゼロコロナ政策のごたごたもあり、一時期よりも日本企業の現地工場は減少したようだが、先述のようにまだ一万社以上が中国に存在するという。他社は騙され続けても、自社は大丈夫と高を括っているのだろうが、気づいた時は万事休すであろう。

 現在の中共のように正義も信義もない政権と付き合う必要などない。他国の人間を問答無用で、嫌疑を懸けて拉致するなど許される行為ではないではないか。一つの中国なら、歴史的にも台湾政権にこそ統一の資格がある。中共と手を切り、台湾と国交を回復すべきである。



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2023年 第26回

2023年03月25日 | ブログ
世界一

 WBCで日本チームが優勝した。野球の世界で三度目の世界一になったのだ。久しぶりに野球を観て感動した。それにしても今回も含め5大会で3度の優勝は、野球王国「ニッポン」と言える。

 わたくしなどが子供の頃には、日本でプロスポーツと言えば大相撲と野球くらいで、どちらも人気があった。仲間で集まれば相撲をとり、少しの空き地があればソフトボールに興じたものだった。いつの頃からか、プロ野球にも大相撲にも興味は薄れ、ナイター中継も観なくなった。そのうちテレビで野球中継が縮小された。WBCも王さんや原さんが監督で優勝した時も、今回ほどは観なかったように思う。

 今回は何かが違った。個人的にだけでなく、日本全体が違いを感じていたのではないか。テレビのWBC中継の視聴率は、日本のゲームすべて40%を超えた。瞬間視聴率では50%近くまで跳ね上がった。

 3年間もコロナで多くのイベントが縮小や中止されることが相次ぎ、東京オリンピックも無観客だったこともあり、国民の多くが皆で一緒に騒ぎたい衝動があったこともあろう。大谷選手はじめ、ダルビッシュ投手にラーズ・ヌートバー選手に吉田外野手(カブスの鈴木選手は負傷で欠場)とメジャーで活躍しているメンバーが増え、役者が揃っていたこと。特に大谷翔平選手の二刀流は、ベーブルースの成績を凌ぎ、ルックスや言動の爽やかさでも人気沸騰中である。日本球界からも完全試合のロッテ佐々木朗希選手に、最年少三冠王で日本人年間本塁打記録を塗り替えたヤクルトの村上選手と大物がいる。

 近年、多くの分野でグローバル化が浸透する中、同調圧力が強く、画一的で、とどちらかと言えば負のイメージで語られる日本人が、サッカー観戦でサポーターが、試合終了後スタジアムのゴミを拾って帰るなどの公衆道徳の高さが評価されるようになって来た。今回のWBC東京開催でも、食べ物がおいしいトイレが清潔。日本チームのベンチにはゴミが散らかっていない。選手の相手チームへの気遣いやリスペクトなどなど、海外の記者の目に留まり、印象に強く、記事として拡散して日本への好評価に繋がった。

 野球というスポーツはチーム9名で戦う、いわば団体試合で、一人一人にずば抜けた選手を9人集めれば勝てるようで、場合によってはそうはゆかない。今回の日本チームは選手の技量は勿論、そのチームワークが際立った。まさに全員野球。

 世界の中で、日本企業が一時期の隆盛さを欠いてきたのは、グローバル化という言葉に幻惑され、自国の良さを忘れていたことにある。新自由主義などを掲げる一時期国会議員でもあった経済学者が、「日本企業も賃上げすべきだなどというけれど、働かない従業員にも画一的に賃上げを行うのは問題だ」のような意見を吐く。働いていない従業員などわが国には居ない。「5S」に「見える化」、「小集団活動」に「改善提案活動」、われわれはチームで世界と戦って来たのだ。変な経済思想に溺れてこの国を数十年に渡り、低迷させたのはあなた方だったのだ。

 この度のWBCで、チームの、組織の、企業のあるべき姿を見た気がしたのは私だけだろうか。



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2023年 第25回

2023年03月22日 | ブログ
H3失敗

 『宇宙航空開発機構(JASXA)と三菱重工業が開発した新型ロケット「H3」の初号機打ち上げが失敗した。国際競争力を勝ち抜くべく技術の粋を集めたが、従来型と制御システムをほぼ変えていない2段目に不具合が生じた。・・・原因究明と巻き返しが急務だ。』(日経ビジネス2023.03.20号、時事深層)

 チャレンジに失敗はつきもので、困難に打ち勝って成功への道を目指せばいいのだが、先般の三菱重工業の旅客機事業撤退の報と重なり、「この会社は」と不安がよぎる。大企業の外からは見えにくい不都合に起因するものでなければ良いが。

 2015年に不適切会計から経営不振が発覚し、事実上解体した東芝のこともある。原子力発電関係での巨額損失が要因であろうが、当時私が購入した東芝ブランドを冠したメイドインチャイナのラジオの品質の余りの悪さから、毒素は会社全体に及んでいたと推測できる。

 戦後のわが国の高度経済成長をリードした重電三社、日立、東芝、三菱の超大企業の一角が21世紀に入り崩れ落ちているのである。

 先日のテレ東のカンブリア宮殿でやっていたが、「カネボウ」は、2007年解体され、主力の化粧品事業は花王の子会社として、薬品、生活用品、食品の三事業は「クラシエ」として再建されたという。

 有名な話で「日本航空(JAL)」も危なかった。上場企業の危険度ランキングなどもあるようだが、そもそもこの国「日本」そのものが危ない。「失われた・・年」が続きながら、それでも一部稼いでいる連中が、ヘボの政治家を操って、中共に貢ぎ続けた。

 10年も続いた黒田日銀総裁がようやく退任となるそうだが、日銀で株を買い、国債を買って支えた「アベノミクス」もこの頃はようやく真っ当に評価され、批判が噴出している。民主党政権の円高で傷んだ電器業界を円安誘導で持ち直させたが、時すでに遅く、少子高齢化は危険領域に突入した。すでに家庭も崩壊させていたのだ。

 小泉内閣で進めた「聖域なき構造改革」は、バブル崩壊で不良債権を抱え込んだ銀行などを救うため、已むなき劇薬であったが、その推進役の中心人物を、安倍政権でも使い続けた。はっきり言って、日本のトップがよく分からずに、経済政策を続けていたのではないかと思われる。

 そして、確かにこの間スポーツ・芸能の世界には優れた人材を輩出したが、科学技術など学問の分野に人々の関心や価値観が薄れ、衰退している。桁の違う海外プロスポーツ選手の報酬を聞いて、平均年俸400万円~500万円のサラリーマンに、普通の仕事に憧れは持ちにくい。一流大学を出た技術者であっても年俸1,000万円に到達するのは何歳になるのか。パート主婦の働きがあって成り立っている安い商品やサービスの恩恵は、彼女たちの低賃金で賄われているのだ。




 
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2023年 第24回

2023年03月19日 | ブログ
日韓首脳会談

 『尹政権が政策遂行力を持っている間だけの時限的な、うわべだけの「関係改善」にすぎない』という批判もあるが、外交において、自国に100%満足と言うのはなかなかないことであろうし、韓国では今回の徴用工問題の尹政権の妥協案には徹底抗戦の輩が多い中、日本側も不満はあっても将来を見越して、関係を前進させることに意義があろう。

 わが国が、朝鮮を併合(1910年)したのは、日露戦争に勝利したとはいえ、北のロシアの脅威がある中、政治体制の弱体な朝鮮を放置できなかったためであろう。しかもヨーロッパの植民地政策とは一線を画す形の対応「雑貨屋の帝国主義(司馬遼太郎)」であったことは事実であろうし、戦後、朝鮮戦争でさらに傷んだ韓国経済を立て直させた「漢江(ハンガン)の奇跡」を生んだ、日本からの3億ドルの無償提供資金と、引き続き行われた経済援助がある。しかし、「日本憎し」の米国の戦後の日韓分断政策で、「竹島は韓国領」という韓国人への間違った認識さえ与えた。領土問題は北方領土と同様、占領国側によっぽど大きな政変でもない限り、還ってくることはない。それならその覚悟で、当該国との友好にも限度を考慮すべきである。

 ロシアのプーチン大統領と、日本の当時の安倍首相の間で交わされた領土返還交渉に、どれだけの費用が掛かったか、我々には知る由もないが、かなりの国費を浪費したことは現実であろう。結果ロシアは、自国の憲法に領土は返還しないことを明記したようだ。プーチン大統領の一時の想いさえ封じ込めたのだ。

 私が中学生の頃、総理大臣となった池田勇人が欧州を歴訪し、当時のフランスのドゴールなどと会談した。後日、ドゴールは「日本からトランジスタラジオのセールスマンが来た」と言ったと聞いた。帰国して池田は、「軍事力の無い国は世界では真っ当に相手にしてくれない」のように悔しがったコメントを発したことを覚えている。

 その後も、平和憲法、非核三原則、防衛費はGDPの1%未満を続け、米ソ冷戦下では経済大国にのし上がったものの、外交下手は雁字搦めの制約の下、日本の宿痾であった。この国を守る意思さえ覚束ない野党議員が、国会議員の歳費で国費を浪費している。今回のガーシー参議院議員の問題など、そこから染み出した膿のようなものであろう。

 野党だけではない。ここまで来てまだ懲りない自民党の媚中議員、公明党も怪しい。怪しげな宗教団体に抱き着かれる議員たち。膿とは、人体に有害な黴菌類を、白血球が戦いの挙句の絡め殺した果ての両者の残骸であろう。国益に反する議員共は排斥する必要がある。与野党議員共にその覚悟を持って国政に参画し、外交問題に取り組むべきなのだ。

 今回、何をするか知れない北朝鮮の脅威と、中共の憚らぬ野心が少し日韓を近づけた。韓国の人々には、日韓間の本当の歴史を学んでほしいものだ。



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2023年 第23回

2023年03月16日 | ブログ
ソメイヨシノの開花

 3月14日に東京で、全国に先駆けてソメイヨシノの開花宣言があった。記録的な速さのようだ。私が転勤で、こちらに住まいするようになったのは、丁度40年前のこの時期。東京デズニーランドが開園した年だった。新しく配属になった職場の花見は、確か開園の2日前となる4月13日だったと思うが、夜桜見物の予定がほとんど開花しておらず、肌寒い中の花見となったと記憶している。

 この40年で、お隣の中国のGDPは1983年の603.42億元から2022年123,138.77億元と実に204倍に膨れ上がっている。インドや東南アジア諸国にブラジルなどの新興国も経済発展しており、世界全体の消費エネルギー量もこの間、2~3桁倍レベルで上昇したのではないか。温暖化止む無しである。

 こちらに来る前は、山口県の広島県との県境の町に住んでいた。岩国市の錦帯橋迄10kmくらいの距離だったか。入社当時は新車の自転車で何度も出掛けたが、錦帯橋周辺の川沿いや、川向うの吉川公園はこの時期桜の名所であり、橋の手前にある岩国観光ホテルからの桜は絶景であった。職場の花見の宴で1度だけホテル5階の大広間から錦帯橋を望んだことがあったのだ。故郷にも当然桜花はあったし、城山公園などには多くの桜があったと記憶するが、これほど1か所に植えられた場所は知らない。

 先人の知恵で、全国いたるところに花見の出来る公園がある。現代にもいろんな団体が、ボランティアで桜の植樹をしていることを耳にする。

 史実を調べたわけではないが、「東風吹かば、にほひおこせよ梅の花、主なしとも春な忘れそ」わが国では平安時代頃までは、桜より梅の花を愛でることが多かったそうだが、武士の勃興と共に、散り際の美しさを愛でて、「花は桜木、人は武士」となったそうだ。

 梅や桜の植樹で子孫に幸をもたらす先人もあれば、自由経済を逆手に取って、欲得の赴くままに、中共を太らせた欧米そして日本の政府や経済人。その恐るべき軍拡の脅威に今頃気づいて慌てている様は笑止だ。気づいて修正する企業や経済人はいい方で、未だに中共との交易を必須としている輩も多いようだ。

 そんな中、廃炉を進める、東京電力福島第一原発のある福島県双葉町に、名のある大企業でもない中堅企業が30億円を投資して新工場を建設し、4月に稼働させるという現実の物語(テレ東「ガイアの夜明け」)には驚くと共に、まさに後世に残る快挙だと感じた。

 双葉町は長く人の立ち入りが出来なかったため、町民は自宅を残して逃散している。今更帰宅しても仕事もない。そんな町に、大きなものづくりの工場が出来た。早速に地元の高校の卒業生などがその工場で働くという。中国に工場を作って儲けた資本家と、国内の本当に困っている地域に工場を建てることを着想した経営者とは雲泥の差である。まさに故郷の川岸や公園に、桜の苗を植え続けた先人の如くの実業家である。

 桜の季節に、本当に素晴らしい話を届けてくれたテレビ局に感謝である。



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2023年 第22回

2023年03月13日 | ブログ
WBC

 『ワールド・ベースボール・クラシック・インクが主催する、世界野球ソフトボール連盟公認の野球の世界一決定戦』今回予選リーグPOOL「A」~「D」計20か国が出場、予選リーグは、台湾、東京、アメリカの2か所の会場に分かれて行われているらしい。3月10日までに台湾、東京のカードは進行している。

 それにしても東京ドームは凄い盛り上がりで、コロナがほとんど収束していて本当に良かった。日本でも野球熱が再燃してきたような感じである。われわれ団塊世代がまだ若かった頃、長嶋、王、金田、稲尾、張本、野村、落合など往年の名選手の大活躍で、テレビは毎日野球中継で盛り上がっていたものだ。その後、選手が小粒になって、ナイター中継も縮小されていた。ただ、昨年のヤクルト村上選手の大活躍、またロッテの佐々木朗希投手の完全試合もあり、日本のプロ野球も復活した。勿論メジャーリーグで大活躍したイチロー選手や現在活躍中の二刀流大谷選手やダルビッシュ選手の活躍も大きい。いまや「二刀流」からまず宮本武蔵を思い浮かべる人は少数になったのではないか。

 特に今回のWBCでは「大谷」「ダルビュッシュ」「佐々木」という所が看板選手で、日本チームの第1戦から3戦の先発を任された。勿論、村神様は日本チームの主砲として4番に座った。村上選手と、人気若手女優広瀬すずさんとのCM(お正月を写そう2023)では、「今年はホームラン100本」というセリフまであったようだ。もっとも私は見ていない。神様は神社に付きもの、お正月といえば神社に初詣である。

 日本の人気スポーツランキング2022年では、1位:野球、2位:サッカー、3位:マラソン・駅伝、4位:ゴルフ、5位:大相撲、6位:テニス、7位:フィギュア・スピードスケート、8位:ラグビー、9位:バスケットボール、10位:バレーボールだったそうだ。  

 長嶋、王の時代ほどではないにせよ、野球人気は健在である。攻守が完全に分離されており、観ていて分かりやすいスポーツである。ただ、投手の投球を主審が判定する「ストライク」「ボール」については、主審の個人差、能力差等をなくすため、AI判定できないものか、と考えてしまう。1球の違いで勝負を分けることもあろう。余談ではある。

 今回、ドームでの大谷選手などのグッズの売れ行きの話を聞いても、高額の報酬を取る値打ちが十二分にあることが知れる。ただ、投げて打ってという野球能力の高さだけでなく、その雰囲気にファンは魅了されているのだ。



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2023年 第21回

2023年03月10日 | ブログ
東京五輪の闇(下)

 当時の丸川五輪大臣が、国会で「自分にもチェックできない経費があった」と答えたというが、担当大臣さえ知り得ない情報があるとすれば、それは官邸主導(官邸機密事項)ということではないのか。勿論「電通」という企業、そしてそこで働いた担当者。すなわち犯罪には実行犯が必要であるが、闇に隠れた黒幕と言われる人が居る場合も多い。暴力団か政治屋か。要は一般国民には持ち得ない暴力機能を持つか、国家権力を握る一握りの人々の画策による仕業がある。

 明るみに照らされるのは、五輪疑惑では「電通」で社長は責任を取って、一部給料をカットしたようだが、巨額の闇に消えた公金の多くが誰の懐に入ったのか。

 国葬問題で支持率を急落させた岸田総理は、一時期確かに憔悴した雰囲気があったが、その後、支持率が上がったわけでもないのに、晴れやかさが戻った感があった。菅前総理が、持論の反派閥政治を持ち出し、次期総理候補を挙げて「岸田降ろしの狼煙を上げた」などと馬鹿な一部マスコミが騒いで見せたが、岸田総理には、安倍-菅政権の急所を捉えた安堵感があったものと、私は診る。モリカケ・桜、黒塗り公文書。結局国民に納得のゆく説明がないまま裁判でさえ決着させている。すなわち不起訴相当事案としたのである。しかしそれらは自分たちの政権下だからできたことで、五輪の談合疑惑はそうはゆかないだろう。前総理もコロナの中、五輪を強行した渦中の人だ。

 政治と金の問題は有史以来の、為政者の多くの情けなさであるが、旧統一教会の問題はさらに悪質と感じる。何が美しい日本だ。選挙で活用して国政選挙を勝ち抜いた。大きな理念を実現するためには、政治家は多少の犠牲には目を瞑るものだ。そうしないと何も実現できない。というのが定番の言い訳で、政治ドラマにも登場する。都合の悪いことは司法さえ操って隠蔽する。刑事ドラマにも「上からの指示で、これ以上の捜査はできない」類のセリフは良く聞かれる。

 権力者は、可能な限りマスコミも支配する。もっともテレビの報道番組などに登場するコメンテーターは、単なる私利私欲で本物は少ない。さらに未だに辺野古反対、ミサイル基地反対など、現実を認識しない野党の政治屋にも困ったもので、この国の国民の生命財産を守る気持ちがあるのだろうか。どこかの国から政治資金を得ているとしか見えはしない。

 オリンピックという平和の祭典がお金まみれ、泥まみれにされた。さらに困ったことに、お上がいい加減だと、国民もだれる。最近の各種犯罪など、昔からあることのようで何かが違う。元々のこの国の人々に根ざしていた、幼い子供を守り、老人などを労わる心が消えているのだ。何でもありは近年の政治の在り様に起因する。当選しても登院しない議員。体が不自由で、政治活動など精力的に行えないような議員まで、これ見よがしに登場させる。関係者には批判し難いことを見越しているのだ。選挙システムを悪用する政治ゴロの仕業に見える。すべてここ十年余りにこの国に生じた違和感なのだ。



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2023年 第20回

2023年03月07日 | ブログ
東京五輪の闇(上)

 ネットのYAHOOニュースでお馴染みの案件で、その切り口で紹介しても仕方がないが、一応内容は押さえておく必要はある。

 『巨額の公金が使われた東京オリンピック。会場運営を担った大手広告代理店などが相次いで起訴された。TBSの報道特集では、組織委員会の元職員4人を取材し、そこで語られた費用が膨張した“からくり”を掴んだ。

 東京オリンピック・パラリンピックの運営業務をめぐる談合事件。 大会組織委員会の元次長や大手広告代理店・電通の幹部らが 次々と逮捕・起訴された。 競争入札が行われなかったこともあり費用が膨らみ、公金が組み込まれている大会費用は当初の7,340億円から約5倍の3兆6,800億円となった。4人の組織委員会元職員の出身母体は広告代理店、自治体、競技団体など。口々に語られたのは、費用が膨らんだ「からくり」。「素人組織ができることは、もう電通に頼ることしかない、正直言うと広告業界が麻痺しているのは間違いない。組織委員会側にノウハウが全くない。言いなりにならざるを得ない」。しかもこうした図式は本大会だけではない。招致の段階から代理店が深く関わっていた。

 リオデジャネイロオリンピックの閉会式で東京をPRするため、安倍晋三元総理をサプライズ登場させたあのシーン。 約8分間のセレモニーにかかった費用は11億2,000万円。このうち、8億円は東京都、つまり公金から支出された。交渉がほとんどできない状態。競争入札できる状態ではないから費用が言い値になってしまう。今回事件となった談合では、組織委員会の元次長・森泰夫被告と電通など7社の間で総額437億円の業務を対象に不正な受注調整が行われたとされる。

 丸川珠代 五輪担当大臣(当時)「東京都及び組織委員会が出しておられる経費、チェックを入れるわけですけれども、中には守秘義務がかかっていて、私どもも見せていただけない経費があることをご理解いただければと思います」と国会で答弁を行っていたという。

 過去の長野五輪の事例を見ても、会計検査院による検査等々には該当しないので、絶対に外部からの監査の目が入ることがないので大丈夫ですという認識で運用されていたという。

 さらに、会場運営費のほとんどを占める「人件費」が問題である。オリンピック会場への派遣スタッフを集めるよう依頼されるのは、多くの人材派遣会社である。オリンピックに関してはベースとなる金額がよくわからない上、間に何社入っていて、どのくらい抜いているのか分からない。多くの会場で組織委員会から委託を受けた広告代理店は再委託を繰り返し、必要な数のスタッフを確保することが行われた。関わった会社のすべてが「手数料」を得るため、人件費が高額になってしまうという。結果としては個人がもらえるギャランティーと、設定されているギャランティー(人件費)の間には5倍とか6倍にならざるを得ないという仕組みが出来上がる。

 単価を聞くと1人1日20万円で、4年間続いた。計算すると、1人あたりの人件費は4年間で1億9,200万円。10人だとすると19億円以上になる。その業務は連絡業務であったり、みんなのお茶を汲んだり程度だったという。』 



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2023年 第19回

2023年03月04日 | ブログ
分断

 世界の分断が進行しているという。欧米など先進国への新興国と呼ばれる国々の反目がある。白人国家は、昔、有色人種の国々を植民地化した。ひどいのになると、アフリカから大量に人々(黒人)を拉致し、自国の農園で働かせたりした。アフリカには「奴隷海岸」の名さえ残る。

 加害側は、昔の話で済むけれど、被害者側の恨みは続く。わが国も明治維新後急速に富国強兵政策を実現したため、名誉白人と称されて、植民地や国連委託統治国を従えたりした。しかし、その支配は白人統治と異なり経済的メリットはなかった(司馬遼太郎「この国のかたち1:雑貨屋の帝国主義」。朝鮮半島など自国と同質化を目指し、8つ目の帝国大学(ソウル大学)まで設立している。それでも同じ日本人同士でも、部落民差別が長く続いていたように、朝鮮人に対する蔑視の雰囲気はあったようだ。しかし、台湾や南洋諸島の委託統治を任された国々の人々から、今でも日本人に対する敬愛の念が残っていると聞くように、欧米人の植民地支配とは一線を画するものだ。

 日露戦争で当時のロシア帝国を破った(ロシアの大艦隊を壊滅させた)日本へは、トルコやフィンランドなど、それまでロシアに虐められてきた国家民からは、賞讃された。さらに太平洋戦争では、ヨーロッパ諸国に支配されていた東南アジアの国々を彼らから解放する。日本軍部の思惑はどうあれ、結果として東南アジアやインドの独立に貢献することになったことは事実であろう。

 今年のG7はわが国が議長国である。G7サミット(主要国首脳会議)とは、仏、米、英、独、日、伊、加の7か国で構成され、これに欧州理事会議長及び欧州委員会委員長が参加する。それでは、今回わが国の林外務大臣が欠席して問題視されているG20サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)とは、『フランス、アメリカ、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、EUに加え、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、韓国、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコの首脳が参加して毎年開催される国際会議とある』。

 すなわち、G7に人口大国の中国、インド、インドネシア、ブラジルなど、さらに領土大国ロシアが加わる。まさに地球全体に近い会議の場である。しかし、過去に世界で跋扈したポルトガルやスペインは入っていない。

 現在の分断は、ウクライナに武力侵攻したロシアに対して、今や経済大国として新興国への経済と軍事力の影響力を強める中共が、反欧米の旗頭として協調を強めている結果である。インドなども、中印紛争にロシア兵器の依存が近年増加していたこともあり、明確なロシア批判は出来にくい状況があったようだ。

 ロシアへの欧米と日本の経済制裁は、中国ともパイプラインでつながる資源国家にとっては、痛みは少ない。日本がロシアへの経済制裁を止めても、北方領土は現状では絶対的に還ってこないことは確かだ。戦争終結を含め、ロシア国内の政変に期待するしかないようだ。そして世界の分断は加速する。

 この分断を緩和し、「和」をもって収束に向かわせるのは、日本文化であり、わが国の今後の使命かもしれない。


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2023年 第18回

2023年03月01日 | ブログ
春のざわめき

 今年も春が来た。しかし遠く異国の地では未だに狂人による武力侵略が続き、冬の時が続いている。また南の島国でも、隣国の恫喝が続き、人々は春を満喫する気分ではなかろう。

 誰がこのような21世紀を想像しただろうか。ニクソンの訪中(1972年2月、51年前である)に浮足立ったわが国は、角栄政権発足後、拙速に台湾を捨てて中共と結んだ(50年前)。この国のひとつの不幸の始まりだったが、国内では列島改造論など儲け話が一杯あったから、欲得の塊の連中には好評で、彼ら(資本家とそれに従う政治屋)はますます力を付けた。

 東京の大田区などに多くあったものづくりの町工場は、より賃金の安い東北地方等に移り、さらに中国へ、東南アジアへとものづくりの拠点を移した。それで成功した経営者は名経営者として讃えられ、この国に「安いことはいいことだ」という新たな文化を生んだ。非正規社員という言葉が生まれ、主婦を中心とする雇用拡大は、女性の自立との掛声と相まって、政権の功績のひとつに数えられたりした。それによる少子化の進行など、何もしない担当大臣を次々と生んだに過ぎない。ものづくり(第二次産業)から第三次産業を中心とする産業構造の変化は、労働者の平均給与の伸びしろを奪い、ついに韓国にも抜かれた。

 ロシアの暴挙は、中共にとっても嬉しい話ではなかった。ヨーロッパへの一帯一路構想が頓挫する。本来西側をロシアとの共通の敵とする中共は、当面様子見を決め込み、ここ一年は中立の態度であったようだ。しかし、戦場と化したウクライナはすでに一帯一路構想の橋頭保としての価値を失っている現状からして、ロシアからの要請もあって、武器や弾薬のロシアへの供与を始めようとした。その情報を察知したバイデン大統領が激しく遮った。

 核弾頭ミサイルの数量とその性能において、米国に未だ到底追いついていない中共は、ロシアに核兵器の使用も押しとどめている。今、中露でNATOと全面戦争はできない。

 「時は中共に味方する」これは世界の識者の共通認識のようである。中共がこれまで通り、西側諸国の欲得の塊の連中から経済的恩恵を受け続けることができれば、2,30年後には米国のGDPを凌駕し、宇宙開発でさえ西側を抜きんじれば、世界制覇も夢ではない。

 中共は、臥薪嘗胆、米国の言い分に当面、見せかけだけでも従う他ない。ただでさえ、すでに中国国内の不動産バブルが弾け、厳しい経済情勢にあるそうだ。日米をはじめ資本主義諸国との交易と投資が途絶えれば、中共もこれまでのような経済発展と軍備拡大は縮小せざるを得ない。

 「台湾有事は、日本の有事」と言うが、当面は西侵で失敗したロシアの次の一手が恐い。有史以来の南下政策である。核シェルターも核ミサイルも持たない丸腰同然のわが国は、ロシアから見れば、垂涎の的である。対、中共で手薄になっている北海道(すでに中国人の不動産取得が進んでおり、道先案内人がいる)を取りに来る恐れがある。日米同盟で米軍を北海道にくぎ付けにし、その間に中共は台湾に侵攻する暗黙の中露共同シナリオの懸念である。ウクライナと比べ日本はヨーロッパのNATO軍からは遠い。しかも国民の多くは敵国への危機管理意識が低い。裸の赤子同然なのだ。



 
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