中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

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時事散歩Ⅹ 第10回

2022年09月28日 | ブログ
知床遊覧船事故の教訓を新たに

 遊覧船の船長さんのご遺体が見つかったこと。フィアンセと同乗し、プロポーズを遊覧船で受ける筈だった当時21歳の女性がロシア領で見つかっていたが、そのご遺体がこの度日本側に引き渡され帰ってこられたこと。などで、4月の知床遊覧船の悲劇が再び報道され、悲しみと怒りが新たになっている。

 9月19日号の日経ビジネスにも、全体テーマが「出直し観光立国」であったこともあってか、「敗軍の将、兵を語る」に、当該事故の関係機関である、知床斜里町観光協会会長の反省文を掲載していた。

 私事であるが、私は18歳で、工業高校卒業と同時に石油化学専業メーカーに就職した。そこでは1.5か月間の高卒新入社員を集めた座学の教育の後、製造現場に配属された。そこでも1か月の座学を中心に研修があって、三交代の現場に入った。石油化学の工場は、可燃性液体、ガスを大量に扱い、しかも高圧(超高圧もある)・高温(極低温の装置もある)での取り扱いも多いため、安全管理が最重要となる。

 その後の現場での危険な実体験も含め、5年間ではあったが安全管理、安全意識は叩き込まれた感がある。

 最近、70歳も過ぎて、診断士協会の新人向け支部研修で、「工場診断」というテーマで講師を務めたが、まず工場における「安全管理」を説いたことは言うまでもない。

 中小診断士向けセミナーというと、それなりに専門性の高い講座が求められることもあろうが、私は常に「基礎的」な話を中心に据える。「そんな話は知っているよ」と物足らなく感じる受講生も多かろうが、皆さん知っているつもりで実は本当のところは身に付いていないことが多いのではないかと思っている。

 国も「観光立国」を唱える前に、観光地の安全対策を総点検するべきだろう。もっとも私などが若いころは、道路整備が十分行き渡っておらず、観光バスが路肩を踏み外す転落事故など結構あった。当時からすれば観光道路は整備され、道路の表示板等の整備も進んだと思う。それにしても、世界遺産に登録された場所を観光する遊覧船が、非常時緊急連絡に携帯電話を使用することが許可され、しかもその観光ルートは電波の域外のエリアも多かったように聞くと、観光地は「安全管理」以前の状態だと思ってしまう。

 企業の安全管理も確かに、しっかりした利益を出していない状態では不十分になりがちで、何といっても利益優先となるところに落とし穴がある。

 救命胴衣など確保していても、海水温2℃とか3℃の海に放り込まれて、人間は何分持つのだろう。3歳児も居たという。その恐怖はいかばかりだったかと思う。膨らませ型プラ製の救命艇などの備え付けはできないのだろうか。

 SOSが緊急事態発生と同時に近くの海上保安庁に届いたとしても、ヘリコブターで1時間以上かかるという場所であったという。しかし、個人で山に登って遭難したのとはわけが違う。地元観光協会と観光関連企業経営者、海上保安庁、地元警察合同の定期的な「安全管理」に関する会合を設け、安全管理の改善を皆で学んでほしいと思う。



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時事散歩Ⅹ 第9回

2022年09月25日 | ブログ
経団連は中共の犬となるな

 9月23日(金) の読売新聞経済面に『「日中経済関係深化で一致」経団連会長ら李首相と会談』との記事があった。以下、そのまま引用する。

 『日本の経済界首脳らが22日、中国の李克強首相とオンラインで会談した。米中対立が続き、日中の外交関係が冷え込む中、貿易や投資の促進などで経済関係を深めていく方針で一致した。

 日本からは経団連の十倉雅和会長や日中経済協会の宗岡正二会長らが参加した。経団連や日中経協などは1975年以降は毎年、訪中代表団を派遣してきた。2019年9月を最後にコロナ禍を理由に見送られており、李首相との会談はそれ以来となる。

 李首相は会談で、日中国交正常化からの50年を振り返り、「中日両国は近隣同士として、二つの経済大国として共通利益がある。共通の目標は関係を安定化させることだ」と強調。両国関係の安定が地域や世界の安定につながるとの考えを示した。日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など15か国が参加する地域包括経済連携(RCEP)の重要性を指摘し、日本やカナダなど11か国が加盟するCPTPP(TPP11)などについても「議論することができる」と語った。

 一方、十倉氏は「日本と中国は極めて重要なパートナーだ」と強調。日中両国を取り巻く国際情勢は不安定さを増しているとし、「両国首脳同士を含むハイレベルな対話などは、共通する課題の解決に向けた協力を拡大、進化させ、互いの国益にも資する」と早期の首脳会談を求めた。

 宗岡氏は、コロナ禍でも日中両国の経済協力は発展を続けていると指摘し、「新型コロナウイルスの早期収束と両国間の往来再開をもって、直接北京でお会いできる日が来ることを楽しみにしている」と期待を述べた。・・・』

 この会談は、1週間前に中国側から打診があり、急遽開催されたという。ロシアのウクライナ侵攻がロシア側にもダメージが大きく、習近平さえプーチンを見限りそうな事態であり、一方コロナで躓いた中共も大きく経済成長を低下させている。中共にとってみれば、苦しき時の神頼みならぬ、相も変わらぬ、お人好しの日本頼みである。

 尖閣周辺では自国の軍船を遊弋させ、中華民国(台湾)への脅しの軍事訓練では、わが国の排他的経済水域(EEZ)内にミサイルを撃ち込みながら、安全保障と経済は別ですからみたいな顔をして、詫びの一声さえもなく、さらに日中交易で利を得ようとする態度が見え見えである。米国や英国に加えてドイツさえ、中共の危険性にようやく本腰を入れて取り組みを始めたところ。十倉氏も宗岡氏も、「ワンワン」と中共ごときに尻尾を振っている時ではなかろう。

 GDP2%の防衛費も結構だけれど、これまで通りの日中経済交流を続けておれば、さらに中共は軍事大国化し、列島は取り込まれてしまう。経団連はそこまでの危険予知をして、ものを言っているのだろうか。中共との経済協力は徐々であっても、低下させてゆくべきだ。わが国は自由と民主主義の価値観を共有する国々との経済協力の深化で、十分である。 




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時事散歩Ⅹ 第8回

2022年09月22日 | ブログ
少子化

 この問題は、勿論わが国だけの問題ではなく、お隣の韓国などもっと酷いようだし、中国なども一人っ子政策の後遺症で、人口減少が始まっているそうだ。

 ただ、世界全体ではまだ人口は増加しており、今年11月に80億人に到達するらしい。世界人口は2030年に約85億人、2050年には97億人に増える見込みという。2080年代中に約104億人でピークに達し、2100年までそのレベルに留まると予測されているそうだ。

 少子化は先進国の問題であるのだが、環境問題、食料問題、エネルギー問題などすべて人口増にリンクしており、人口減少は好ましい現象にさえ思えるのだが、個別の国家にすれば、それは国力の低下につながることで、看過できない問題なのだ。

 わが国など、100歳以上の老人が最近9万人を超えたとあり、少子化は高齢者の割合を持続的に高め、年金生活者ばかり増え、また医療費の増大にも直結する。長寿は喜んでばかりはいられない。幼児から老人までバランスの良い人口ピラミットが求められるのだ。

 少子化の原因としては、まず若者に結婚願望が低下していること。近年有名人同士の結婚での醜い破局が喧伝され、結婚生活への憧れを削いでいるように見える。加えて、従前は結婚すれば女性は家庭に入り、家事と子育てに専念するのが普通とされた。経済成長と共に、一家に複数台のテレビと冷蔵庫に乗用車と来て、大消費時代の到来がある。亭主の賃上げが少ないとなれば、若い子持ちの主婦も働かざるを得ない。女性からすれば結婚しても夫婦共稼ぎで、今の仕事に加え、家事に子育ての負担が増大するばかりだ。昔、出光興産などは、「奥様は外で働くようなことはしないで欲しい」と従業員に通達していたそうな。妻が家庭で夫を支えることが、社の業績向上にもつながると考えていたのだ。現代に至っても男性に家事や育児の分担を求めても不十分になることは目に見えている。

 安倍政権で雇用が増えたではないかとの国葬反対者へのアピールもあるが、何のことはない、支払い能力のある大企業さえ、賃上げを渋り、奥様も働かざるを得なくし、非正規社員ばかり増えたのだ。企業側は低賃金で働いてくれる人が増えて大助かりである。

 共稼ぎ夫婦は子供ができれば、保育園が必須で、その不足に不満を訴える主婦の訴えがアピールされたりした。保育園に通う幼児はといえば、通園バスに置き去りにされ、熱中症でなくなる事件まで発生する。本来ならまだ母親に伴われて外出する年齢で、高齢園長の運転する通園バスに乗せられて、普通、乗客が誰であれ、すべて降りた後は、忘れ物などないか車内を見分してから、運転者も降りる基本中の基本の作業をやっていないことによる事件であった。人出不足でボケ老人に幼児の世話を任せざるを得ない状況なのだ。少子化の中で、このように幼ない命が失われる世の中にしてしまったことは、雇用を拡大したなどといかにも政治力のようにアピールしても、見方を変えれば悪い社会へ誘ってさえいるようにも見えてしまうのである。

 歴代少子化対策相はどんな仕事をしてきたのか。掛け声だけで、肩書は大臣でも全く成果を残していない大臣ばかり量産したに過ぎない。もっと多方面から考察し、国民が皆で力を合わせられるような仕組みを整えることこそ政治家に求められている。



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時事散歩Ⅹ 第7回

2022年09月19日 | ブログ
岸田内閣支持率急落

 コロナ、ロシアのウクライナ侵攻だけでも大変なのに、安倍元首相が選挙応援演説中に狙撃されるという、近年稀な政治家要人へのテロが発生。そのテロの原因として、旧統一教会問題が急浮上、安倍元総理の国葬決定が大失敗で、就任以来50%以上を無難にキープしていた内閣支持率を急激に低下させている。

 国葬で目論んだと思われる弔問外交も、訪日メンバーに期待したほどの大物の出席が望めないようで、国葬の意義が益々希薄となってきた感がある。元々「国葬」に値する人物ではない方の国葬はいただけない。岸田総理は分かっていながら、長期政権への思惑から私情が出て、麻生さんの言葉くらいで信念を曲げるから失敗する。小笠原、沖縄の本土復帰を実現し、ノーベル平和賞の佐藤栄作さんでも国葬にはなっていないのだ。

 8月の第二次岸田内閣の組閣も、派閥均衡の制約もある中、過去の経験者登用で実践力を誇示しているが、目立ったのは河野デジタル大臣くらいである。

 過去の内閣の成功例をみると、総理自身の実力、人柄、人気に加えて補佐役に能力の高い人を登用している。中曽根内閣が好例で、角栄派の後藤田正治氏を官房長官として登用したことが成功した。後藤田さんには、その下に佐々淳行氏がいた。池田勇人には影の官房長官といわれた名秘書、伊藤昌哉氏がいた。勿論各位毀誉褒貶はあろうが、骨太の日本人達だった。

 岸田さんは、官房長官に安倍派の松野さんを登用している。松野さんも悪くはないが、なぜ自派閥の小野寺五典元防衛大臣あたりを据えないのかと思う。彼は衆院選小選挙区で8割以上の支持を集める貴重な議員でもある。幹事長の茂木さんは東大出であり、派閥も率いている(竹下派継承)が、物足りない。大体最近の東大出の議員大臣さえ、若いころには頭も良かったのだろうが、政治家として物足りない。中曽根時代の後藤田さんのようなキレ物感がない。私の推す小野寺さんも東大卒だが、今の大臣連中より格上の雰囲気がする。幹事長には党内へのカンフル剤として、石破さんあたりを引っ張ってくる(本人が受けるかどうかは知らない)と、また党内に緊張感が生まれる。

 防衛大臣は、浜田幸一さんのご子息(靖一氏)だから良い。真相は分からないが、「親中」、「親中」と言われる林方正さんは、財務大臣くらいにまわして、外務大臣には中谷元氏、長島明久氏(二階派なのが難)、国民民主党ではあるが、前原誠司氏など反中政治家の登用が必要である。自民党は公明党との連立は止めて、国民民主党か維新と連立することをお勧めする。大体創価学会の固定票を頼る足腰の弱い議員ばかりでは心もとない。宗教票は駄目。安倍さんの失敗も一次内閣で参院選に敗れ、別の宗教票も取り込むことを考えたのではないか。

 河野デジタル相の対中思想は見えていない。しかし、上から目線の中共には河野さんあたりの突っ張りが必要である。外務大臣に河野大臣の線もある。兎に角、中共の領海侵犯対策は必須であり、日本国総理大臣は、組閣後は総理を筆頭に全大臣で靖国参拝するくらいの気概がないと、未来は何も拓けない。

 組織は、要は人事で決まる。どのような人物を育成し、登用し大車輪に活躍させるか、それがトップに立つことの醍醐味である。



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時事散歩Ⅹ 第6回

2022年09月16日 | ブログ
旧統一教会と国葬

 選挙の路上応援演説中に、銃弾に倒れた元首相の悲劇は、確かに支持者にとっては「国葬」で見送りたいとの想いが生じたのは不思議ではない。とはいって長く総理大臣を務めた(議院内閣制においては個人への国民の支持が長く継続したことと同列ではない)ことくらいしか目に見えた功績はなく、外交がどうのと言われるけれど、外交機密費、官房機密費などを配って歩いただけのように見えていた。その見返りとして、北方領土は小さな島一つ帰らず、拉致被害者一人も帰還させることはできていない。尖閣周辺では中共の軍船の領海侵犯が常態化した。

 「地球儀を俯瞰した外交」と評されるが、国内政治を国会で突かれ出すと、海外に出掛けるように見えたものだった。

 われわれ一般国民には、使ったお金の出所やその額は全く分からないが、国会で現在立憲民主党の野田元総理が、安倍政権当時、外交の投資/効果について質問していたのを聞きかじった程度だ。ロシアのプーチン大統領に、相当の額を貢いだという噂さえ立った。

 岸田現総理も当初、国葬は考えてなかったと思う。ただ、安倍派の連中を抑えるには「国葬」もありかなと思ったところに、大宏池会構想に必須の麻生元総理が安倍氏に近かったことで、一挙に「国葬」に舵を切ってしまったようだ。

 どんなに丁寧に説明しても、もともと在任期間中の際立った功績があるわけではなく、森友、加計学園問題に桜を見る会の不始末。関連しての国会答弁の嘘。さらに3年前の参院戦の広島選挙区に、自民党内の政敵を落とすために新人候補を立てて、一億五千万円を党から出した。このため当該選挙区の県議などに多くの選挙違反者を出した。

 ここらあたりのことは多くの国民も知っていることで、これでも十分「国葬」反対の理由づけになろうが、決定的な反対理由が旧統一教会というカルト集団との関わりが知れ渡ったことだろう。ネットの「国葬」反対は80%近くまで膨れ上がっている。

 旧統一教会はここ10年くらい、ほとんどマスコミに取り上げられることはなかった。霊感商法だ、多額のお布施と称する献金の徴収など、詐欺まがいの行動は、従前随分社会問題となった。旧統一教会では、その反省から、政治家に取り入り、マスコミや警察を封じ込めたそうだ。ここ10年くらい信者などに逮捕者を出していない(悪いことをしていないということではない)という。

 似非ジャーナリストなど、選挙の応援に旧統一教会の信者が紛れ込んでも、政治家には認知できないという子供だましの論法を、公共の電波を使って繰り返しているが、カルト集団との付き合いの問題点は、単なる選挙の応援に留まらないところだ。

 事後必ず接触してくる。じわじわと見返りを要求するようになる。そのことの予防策として、公党ではカルト集団との一切の付き合いを禁止しようというのである。

 しかも旧統一教会一派は、反日国家である韓国の宗教団体である。右翼と称する政治家が反日国家の宗教団体と関りを持つとはどういうことか。ある時は右翼で保守派を取り込み、中共との友好促進で財界にいい顔をする。しかし、天の裁きは峻厳である。





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時事散歩Ⅹ 第5回

2022年09月13日 | ブログ
アベノミクスへの批判

 経済人からようやく、政府の経済政策に対する「歯に衣着せぬ」批判が聞かれるようになった。日経ビジネス2022.09.12号の巻頭記事「有訓無訓」にオリックス・シニア・チェアマンの宮内義彦氏(1935- )が述べている(このままでは日本経済は「失われた40年に」に)ことに同感である。恐らく多くの経済人が思っていて、誰もが正面切って言い難かったことだろうと推測する。

 総理退任後も自民党最大派閥を率いて「アベノミクス」継続を、現内閣に強く要請していた御仁が居たことによるものと思わっれる。

 以下、宮内氏の「有訓無訓」の一部をそのまま転記させていただく。

 『デフレ経済から脱却すべく、政府・日銀が2000年前後に金融緩和政策をとりはじめてから約20年がたちました。最近になってインフレ率がようやく政府目標の2%を超えましたが、食料とエネルギーの価格上昇が要因です。経済の好循環によってインフレ率を高めるという本来のあるべき姿からは程遠いのが実情で、持続性は間違いなくありません。

 約20年にもわたって効果が出ていないにもかかわらず、政府は一向に金融緩和政策を改めようとはしません。・・・

 失敗しているのは金融政策だけではありません。財政政策もしかりです。財政出動により国主導で資金需要を作り出さないといけない局面が続いているのに、政府は「財政健全至上主義」にとらわれ、中途半端です。国の経済がおかしくなっているにもかかわらず、財政の健全性を心配するというのでは、主客転倒もいいところです。

 政府による規制緩和も全くもって不十分です。本来は経済構造がガラッと変わるくらいの大胆な規制緩和を実行し、産業界を活性化せねばなりません。しかし、残念ながら既得権者からの反発を押し切ってでも規制緩和を断行しようという気概を持つ政治リーダーが現れませんでした。・・・』

 オリックスの宮内氏については、小泉内閣における総合規制改革の一環で、製造業における労働者派遣事業の解禁を答申したこと、その後、非正規社員の増加や「派遣切り」が問題となる。また日本郵政の「かんぽの宿」オリックス子会社への譲渡に、疑惑が出るなどの経歴もあり、ここで言っていることは当然だとしても、改革のやり方によっては新たな疑惑を産む恐れもある。

 ここでは政府の経済政策の転換の必要性のみ語られ、具体的な改革案は述べられていない。ただ、「失われる40年」及び、行き過ぎと思われる円安(実力?)の現状からの脱却が必要なことは言うまでもない。

 とは言え、今の老害(森元首相、二階元幹事長、麻生元首相)と反日韓国のカルトに汚染されるような自民党政権下、さらに野党を含めた日本の国会議員のレベルで、改革が可能なのか大いに心配なことに変わりはない。将棋界に現れた藤井五冠のようなその道の英才が、日本の政界にも必要である。世襲も叩き上げも、現状大いに寸足らずばかりである。



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時事散歩Ⅹ 第4回

2022年09月10日 | ブログ
科学技術低下の懸念

 アメリカ大リーグで活躍する大谷選手はじめ、多くのスポーツ競技で日本人の活躍がある。戦後復興と高度経済成長の恩恵として、庶民の家庭でも子供たちに好きなスポーツをお金を掛けてもやらせることができる。

 それはそれで結構なことだが、反面子供たちの価値観がスポーツや芸能に向かい、われわれの世代からみると「勉強」に対する価値観が低下しているようで、大きな危惧を感じる。それは、日本人の科学論文が世界で引用される件数の低下、大学の博士課程への進学率の低下などに表れているようだ。目に見えぬ程度にじわじわと国力の低下につながってゆく。

 プロスポーツの世界で、希少ではあるが、世界的プレーヤーとなれば数十億の年俸を掴む。

一方ノーベル賞を取っても収入面では到底敵わないであろう。一国の総理に上り詰めたところで、「よっしゃ、よっしゃ」と不正な集金力を発揮できなければ、上級公務員である。お金ではなく、個人の価値観が重要で、結局「人生お金では測れない」ことは事実であろうが、個人の価値観の低俗化は、国家全体ではゆるゆるとその力を低下させる。

 まずわが国の政治家の学識レベルが、最近とみに低下しているように見える。政治家は頭は悪くてもいい、体力である」と半世紀前のわが国の与党の重鎮は放言していたが、まだ自身への謙遜もあったように感じていた。この頃は本当に頭が悪い人々の集団に見えてしまう。世襲だけで十分通用するのだ。江戸時代並みである。

 欧米では、政府高官など、政治の世界で上に行く人は、多くは博士号くらい取っている方が多いように感じるが、どうもわが国では博士号への価値観が薄く、政治家の箔にはならないらしい。

 われわれ団塊世代ではまだ、クラスの級長など、成績の良い人の中から選ばれたものだが、息子の世代では、まったく異なる価値観で選出されるようだった。私どもの時代は、皆でリーダーを育てようとする雰囲気があったものだ。その目に見えぬ空気感こそ重要である。軍事力を増強して祖国防衛と言うけれど、われわれの父親の時代では、あれほど日の丸崇拝で、その結果廃墟となりながら、正月や祝日には家の玄関に日の丸の国旗を立てていたものだ。この頃では、私の住む団地(千軒余)で国旗掲揚をしているのは知る限り、わが家くらいだ。頭でっかちの革新政党という魂の無い連中が、愛国心は危険だと国民に思い込ませたのだ。

 何でも100%は要らない。せめて半数以上の家々が、正月や主だった祝日に国旗を立てるようであれば、そのような国を近隣の独裁国家も侵略しようなどとは思わない。

 ロシアのウクライナ侵攻が始まった頃、多数の市民が犠牲になることを阻止するため、「ウクライナの大統領はさっさと降伏した方が良い」ような意見が、この国の有識者からも出ていた。しかし、「命」は存在すれば、そのことで価値がある場合と、そうでない場合もあることを、真に学問をしていない人には分からない。法律を丸暗記できる能力は、学識を高める基礎的能力ではあるが、教養を担保する能力ではない。

 教養は、本当に基礎的な学問を地道に学び、好きな本を一杯読むことで陶冶される。多くの優れた先人の知恵と技術を学ぶことで蓄えられる。勉強を、学ぶことが好きになるような環境を提供することこそ、本来の政治の役割ではないか。



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時事散歩Ⅹ 第3回

2022年09月07日 | ブログ
国葬元総理の負の遺産

 中共がロシアのウクライナ侵攻のようなやり方で、仮に台湾を取ったとしても、台湾のインフラや工場が破壊され、台湾の人々の恨みは末代続き、採算が取れない。しかも資源で経済を維持しているロシアと異なり、世界各国との貿易で経済が成り立っている今の中共では、世界からの投資や交易が大きく崩れ、中国国内は大恐慌と成りかねない。

 だから中共の台湾への軍事侵攻の可能性は低いと思うが、米国は中共を刺激して、その軍事演習でわが国に脅しを掛けて、武器弾薬を大いに買わせようとしているようにも見える。今は亡き元総理は、辞任後も存在感を維持するため、「台湾有事は日本の有事だ」で、わが国の軍事費をGDPの2%にせよとか、自分の政権では中共の機嫌を損ねないように、言わなかったようなことを派手に言っていた。勿論、国力に自衛力は必須であり、いかなる侵略に対しても、一国で戦える軍事力の整備は重要である。それはロシアのウクライナ侵攻があって必要になったわけではない。自身の政権の時に進めれば良かった。それにしても、あのような国に今や日本から1万2000社が進出しているという。有事にはすべて人質となる公算が高い。防衛費増強の前にそもそものリスク管理がなっていない。

 アベノミクスで株価が上昇したように考えている投資家もおろうが、何で不況下に株価が上がったか、日銀が日本株を買い支えていたのだ。今や総額55兆円という。これも負の遺産のひとつである。売却すれば株価の大暴落につながる。

 消費税を5%から10%まで上げたことを、安倍政権の功として捉えている人もいるようだが、働く人の90%がサラリーマンのわが国では、納税がすべて雇用者の管理によって年末調整で決済され、所得税の取りこぼしが欧米に比べ非常に少ない。そもそも消費税など必要ないのだ。消費税増税は年金制度維持のためと説明しているが、「すべて大企業への減税の為」とは、共産党の言っている通りではないか。大企業は内部留保を溜め込み、国民の貧富の差の拡大を促した。

 小泉政権では消費税増税を行わなかった。これには企業側、銀行などからも批判が強かった。小泉総理の靖国参拝も中共に大不評で、日本の経済団体からクレームがあった。「中共と仕事がやり難いので靖国参拝を止めて欲しい」というものであった。安倍政権になってまず中国を訪問し日中友好を取り戻した。と、これも安倍政権の成果と評価している能天気の人もいるが、2010年に中国のGDPはわが国に追いつき、その後10年で中国のGDPは3倍に膨れ上がった。その間、日本のGDPは横ばい。わが国の経済はこの10年ほとんど停滞していたのだ。中共と付き合って搾り取られたと考えるのが普通であろう。中共大好きの財界人にも責任は大きい。目先の自社の儲けのために、経営者の保身のために、「国家100年の計」をないがしろにしたのは、政治家だけの責任ではないが、これもアベノミクスの失敗のひとつであろう。

 そもそも軍備の元は経済力である。中共と経済的つながりを強め、その経済力の拡大を支援してきたのが、欧米そしてわが国である。日中友好が国際的な安全保障を大幅に低下させた。実は米国トランプ前大統領のとった対中経済政策が正解であろう。過去を反省し、今後中共への投資は極力抑え、かの国からの留学生など受け入れるべきではない。 



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時事散歩Ⅹ 第2回

2022年09月04日 | ブログ
責任

 先日、元内閣総理大臣銃撃事件発生から1か月以上たって、警察庁長官と奈良県警本部長の引責辞任が発表された。すかさず、警察庁長官に対して、「退職金(8000万円)がっぽり」、「優雅な天下り先生活」と引責辞任であっても処遇に通常の辞職と変わりないような報道がある。庶民からは別次元の話だ。

 一方、4月に起こった知床遊覧船の事故では、乗客乗員26名が、海水温2℃とか3℃という荒海に放り込まれ、全員死亡または行方不明となった。こちらの事故は、所管の国土交通省の大臣が責任を取って辞めるべきだったと思うが、8月の改造内閣でも当大臣は再任されている。

 一般の企業に対しては、その取引企業が与信管理や品質監査の名目で監査し、財務状況や製品品質などを検証する。公共交通機関などに対しては、利用者個人で監査はできないため、所轄の行政機関が、その運航の安全性などをチェックする仕組みが出来ている。

 知床遊覧船事故(2022.04.23)で許せないと思ったのは、遊覧船の無線機が故障していたため、携帯電話で連絡する申請に、電波の域外でないという企業側の言い分をそのまま信じて許可したことがある。当日のテレビニュースで、船が危険な状態になっても連絡が途切れ途切れであったことを不審に思ったものだったが、無線機が故障していたのだ。勿論この事故は、遊覧船運行会社が最も悪いのだろうが、監査して状況を把握しながら、現場現物で確認もせず許可した行政機関の責任は甚大である。海上保安庁の救助活動が大幅に遅れた最大の原因と思われる。

 行政機関が誰も責任を取らず、再発防止が徹底するだろうか。1人の犠牲者のために数十億円(公称2.5億円、一説には100億円以上とも)使って国葬を行うなら、知床事故の犠牲者遺族に、せめて国土交通省から慰謝料一人1億円ずつくらい配る方がベターではなかろうか。再発防止にも却って効果的と思う。

 児童相談所などの責任の有様も分からない。問題が指摘されながら児童に対して適切な保護処置を取らず、いじめ殺される事件は続発する。手を掛けた人物は傷害致死で数年の刑期で済んでしまうのではないか。近所では子供の悲鳴が聞こえたなどあっても、近隣住民は関係行政機関に連絡するくらいで、他人の家庭に踏み込めない。行政は把握しながら事件となってからでないと手出ししないことが多い。

 町の教育委員会などもそうだったが、地元の小中学校の校長を務めたような人が、定年後教育長になったりする。それはそれで適任者もあろうが、所謂天下りであり、自身の人生を賭けた仕事ではなくなっている。児童相談所のことは全く知らないが、そのような人事があるなら、単に無難に、高給かどうかも知らないけれど、任期期間を目立たぬように生き抜くことだけを考えていたなら、せめて事故あるときは責任を取って速やかに辞任すべきではないか。

 スポーツの世界では、すぐに「侍ニッポン」が出てくるが、責任を取って自ら腹を切るような武士はこの国からは消えた。



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時事散歩Ⅹ 第1回

2022年09月01日 | ブログ
天網恢恢疎にして漏らさず

 悪い行いに対する警句である。毀誉褒貶は政治家なら仕方がないが、国家を踏み台に自身の利権に執着すると、結局自分で掘った穴に落ちることになる。

 「売り家と唐様で書く三代目」というのもある。克己努力で築き上げた初代の繁栄も三代目くらいになると、生まれた時から裕福で、習い事は達者でも中身が薄い人間となっており、祖父が築いた栄華を崩壊させる。ただ政治家一族は、取り巻きが「軽くてパーがいい」と利用できるだけ利用し続けるから、世襲議員はまだ少し長続きするようになってきたようだ。

 それにしても党の要職に在りながら、「特定の宗教団体との関わりのどこがいけないか判らない」が顰蹙を買い、改造内閣にも入れて貰えなかった議員も、祖父と父親は総理総裁を務めた政治家一族だ。

 「軽くてパー」の政治家を利用するのは、選挙区の利益吾に誘導の取り巻き連中だけではないのが怖いところ。カルト協会などが忍び寄る。別にこちらから頼んだわけでもなく、信教の自由は保障されているわけで、それくらいの付き合いならいいだろうと考える程度の知能指数の政治家が多いことが、この度大々的に露見した。これによくテレビに出て稼ぎまくっている似非政治評論家氏なども、「政治家は票を確保するためなら、当該集団の会合へのメッセージくらい皆出していますよ」と言っていた。次に同じテレビの番組に出た時は、「この問題は、自民党では相当深刻に受け止めていますよ」と変わった。政治ジャーナリストを名乗り、それでテレビの出演料さえ貰っている人が、その程度だから、この国の政治家のレベルがどんどん劣化するのも仕方がない。出演させるテレビ局、MCのレベルが低い。

 右翼系と思われる雑誌など、目を付けた政治家は亡くなって後も活用する。私などから見るとどうしても右翼(保守)には見えない方をさも同朋のように褒め続ける。国民に一定数の支持と同情もあり、雑誌の売上に貢献することを見込んでの記事作りでであろう。右翼(保守)とは愛国心が必須条件である。反日の韓国で生まれたカルト集団に選挙の支援をさせ、日本の信者から多額の金を巻き上げ、韓国に送金し、カルト本部はそれを欧米にばらまく図式があったように聞く。右翼(保守)が聞いてあきれる。

 信教の自由であっても、これらがなぜいけないか。最大の問題は民主主義の根幹を揺るがしていること。「言論の自由を暴力が奪うことがあってはならない、テロは民主主義の敵である」政治家共は、わかったようなことを言っているけれど、民主主義の敵は政治家の中にこそ多くいる。実は民主主義を担保する根幹は国家に「三権分立」が確立されていることである。カルト集団が、自分たちの詐欺的行為の取り締まりに、選挙等で面倒をみた政治家に司法(警察の捜査)への目こぼしを依頼する。民がいくら泣いても喚いても国家権力(警察)は動いてくれない構図ができる。ならば個人は死刑覚悟で復讐するしかないではないか。立法・行政府から司法の最前線への介入(刑事もののテレビドラマでも日常茶飯事である)があることは、この国には三権分立が担保されていないことになる。

 戦前のわが国のクーデターの実行部隊は貧しい地方出身の将兵であった。妹が身売りされるような現状で、政治家が財界と結託し富を差配する。やむに已まれぬ憤怒が、軍隊上層部の勢力争いに利用された。結果、太平洋戦争で日本軍は惨敗する。この国を廃墟にした。



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