令和の未来年表
文藝春秋6月号の特集記事に<「令和」の未来年表>“この国の新しいかたち”がある。一寸先は闇、または光明。未来のことは誰にも分からない。中で比較的確度の高い予測が人口動態。別に元号が代わらなくても相当前からこの国の少子高齢化は重篤な状態にあり、今更ではあるが、作家・ジャーナリストの河合雅司氏のレポートには惨憺たる状況が描かれている。
令和元年すなわち今年、総人口1億2644万3000人。年間出生数94万4000人。来年には女性の2人に1人が50歳以上となる。運送業などのドライバーが11万人不足するに始まり、令和6年(2024年)には団塊世代がすべて75歳以上。国民の3人に1人が65歳以上の超・高齢者大国。高齢者人口が4000万人のピークを迎えるのは団塊ジュニア世代がすべて高齢者となる令和24年(2042年)。この年、わが国の人口は1億人を割ると予測されている。
人口数の減少や高齢化に伴い、2022年(令和4年)には一人暮らし、すなわち独居世帯が3分の1を超え、その10年後2033年(令和15年)には全国の住宅の3戸に1戸が空き家となる予測がある。当然労働力人口の減少で老人ホームなどのサービス施設は維持できなくなる。少子化の1因である生涯未婚率も男性の3分の1(現在、50歳以上の未婚率23.4%)、女性では5人に1人となる(2035年)という。
近未来予測で人口動態と共に確度が高いのが、「南海トラフ」「首都直下」地震の発生確率であるらしい。世界で発生する地震の10分の1が集中するといわれるこの国の、過去から現在に至る大地震発生の実績から、全国どこでも大地震に遭遇する恐れがあり、確率0%はどこにもないという。
特に太平洋沿岸地域は地震発生の確率が高く、「南海トラフ」すなわち駿河湾から九州日向灘にかけての海域で起こると予測されて巨大地震で、M8~M9クラス。その30年以内の発生確率は70~80%という。しかし、その対策は十分とは言えない。
首都直下型地震で想定される被害額は95兆円以上。マンションのエレベータは停止し、家庭の冷蔵庫の電源も停止。下水道寸断、道路、鉄道はマヒ。まさに国家存亡の危機に陥る恐れがある。
これら高齢化など人口問題や大地震対策に切り札はあるのか。鎌倉時代に2度の蒙古襲来に対峙した北條時宗や鎌倉武士。戦国時代の群雄割拠の時代にスペインなどの宣教師の仮面を被った侵略者の先兵を畏怖させた信長はじめ戦国武将。江戸時代、上杉家を救った上杉鷹山。江戸幕府の中興の祖と呼ばれる8代将軍吉宗。欧米諸国のアジア進出の中、唯一独立を守ったこの国。幕末の幕閣や勤王の志士。そしてロシアのアジアへの南下政策を食い止めた明治の元勲たち。さらに戦後の復興を成した昭和の政治家や実業家の論語と算盤の精神。万の神の国は数々の国難を切り抜けてきた。
特異な能力の持ち主が、政治家として登場し、その辣腕をふるうしかこの国の生き残る道はないように思える。
文藝春秋6月号の特集記事に<「令和」の未来年表>“この国の新しいかたち”がある。一寸先は闇、または光明。未来のことは誰にも分からない。中で比較的確度の高い予測が人口動態。別に元号が代わらなくても相当前からこの国の少子高齢化は重篤な状態にあり、今更ではあるが、作家・ジャーナリストの河合雅司氏のレポートには惨憺たる状況が描かれている。
令和元年すなわち今年、総人口1億2644万3000人。年間出生数94万4000人。来年には女性の2人に1人が50歳以上となる。運送業などのドライバーが11万人不足するに始まり、令和6年(2024年)には団塊世代がすべて75歳以上。国民の3人に1人が65歳以上の超・高齢者大国。高齢者人口が4000万人のピークを迎えるのは団塊ジュニア世代がすべて高齢者となる令和24年(2042年)。この年、わが国の人口は1億人を割ると予測されている。
人口数の減少や高齢化に伴い、2022年(令和4年)には一人暮らし、すなわち独居世帯が3分の1を超え、その10年後2033年(令和15年)には全国の住宅の3戸に1戸が空き家となる予測がある。当然労働力人口の減少で老人ホームなどのサービス施設は維持できなくなる。少子化の1因である生涯未婚率も男性の3分の1(現在、50歳以上の未婚率23.4%)、女性では5人に1人となる(2035年)という。
近未来予測で人口動態と共に確度が高いのが、「南海トラフ」「首都直下」地震の発生確率であるらしい。世界で発生する地震の10分の1が集中するといわれるこの国の、過去から現在に至る大地震発生の実績から、全国どこでも大地震に遭遇する恐れがあり、確率0%はどこにもないという。
特に太平洋沿岸地域は地震発生の確率が高く、「南海トラフ」すなわち駿河湾から九州日向灘にかけての海域で起こると予測されて巨大地震で、M8~M9クラス。その30年以内の発生確率は70~80%という。しかし、その対策は十分とは言えない。
首都直下型地震で想定される被害額は95兆円以上。マンションのエレベータは停止し、家庭の冷蔵庫の電源も停止。下水道寸断、道路、鉄道はマヒ。まさに国家存亡の危機に陥る恐れがある。
これら高齢化など人口問題や大地震対策に切り札はあるのか。鎌倉時代に2度の蒙古襲来に対峙した北條時宗や鎌倉武士。戦国時代の群雄割拠の時代にスペインなどの宣教師の仮面を被った侵略者の先兵を畏怖させた信長はじめ戦国武将。江戸時代、上杉家を救った上杉鷹山。江戸幕府の中興の祖と呼ばれる8代将軍吉宗。欧米諸国のアジア進出の中、唯一独立を守ったこの国。幕末の幕閣や勤王の志士。そしてロシアのアジアへの南下政策を食い止めた明治の元勲たち。さらに戦後の復興を成した昭和の政治家や実業家の論語と算盤の精神。万の神の国は数々の国難を切り抜けてきた。
特異な能力の持ち主が、政治家として登場し、その辣腕をふるうしかこの国の生き残る道はないように思える。