新たな確かな保守政党が必要である
総裁選が終わり、テレビの報道番組では関係者の奇妙な発言が聞こえる。
今回、安倍陣営の元締めを務めたという甘利元経済産業大臣は、議員と地方党員の票数の隔たり、認識の乖離が念頭にあったのだろうけれど、石破さんのことを『近くで専門家として石破さんを評価できるのは国会議員です。国会議員が見ていると政策論でも、もうちょっとこうやればいいのに、と思う事がたくさんあるわけです。例えば地方が大事ですと言うが、じゃあ、どうやるんですか。地方が大事だったら、石破さん、あなたは鳴り物入りで地方創生担当相を2年やりましたよね。やったとしたら、地方がまだ駄目なんですよ、駄目なんですよ、だけで終わっちゃうとあなたが担当相だったでしょ、と言われちゃう訳ですよ』のように発言をしていた。
これにフムフムと頷く連中も居たかもしれないが、実は石破さんはいろいろ提言もしていたそうで、著書などにも書いているそうだ。いずれにせよ、どなたが地方創生大臣を2年やったからといって地方だけで、経済興隆が成せるわけではなかろう。国の根本方針を変えねば難しい問題である。担当大臣をやったからこそ国の仕組みを変えなくてはとの問題意識を持つことは当然である。
大阪維新の会を立ち上げて、大阪府知事、大阪市長なども歴任した橋下徹氏は、安倍シンパであることは知っている。国政選挙で勝っている現役総理に対抗して総裁選に立候補した石破陣営を揶揄する自民党党内の声に同調する形で、「そもそも昨年の衆議院選挙で自民党は圧倒的支持を受けた。安倍政権は信任されている。今回の総裁選挙はそもそも必要がなかった。無駄な労力だ」という趣旨の発言をしていた。
橋下氏は現役弁護士でしょう。まあ最近の弁護士の人間的質の低下は著しいからそんなものでしょうけれど、自民党の総裁選挙は党内規定で決まっていることで、衆議院選挙の時期や勝敗に左右されるという規定はないだろう。しかも今回の選挙は、現役任期中にお手盛りで3年2期の総裁任期を3年3期に伸ばしたものだ。その2期の任期が切れればあらためて総裁選挙を行うのは当然である。それを否定することは、法律でも組織のルールも無視していいよと言っているに等しい。キャスターは「そういう考え方もある」と言う風に受け流していたが、考え方の問題ではなく、間違ったことを言っているのだ。法律家として失格の発言である。
最近の大企業の品質問題の多くも、組織の中にこのような人物が居ることで起こるのではなかろうか。「検査する」という社内規定があっても、ご都合主義でやらなくてもいいんだとする風潮を生じさせるものだ。
総裁任期中の衆議院選挙結果に基づくなら、自民党の総裁選挙規定をそのように変えることが先決である。しかし国政選挙と党内の選挙は本来別物である。しかも党員は税金以外に会費を納めて党員となって総裁選挙権を得ている。
因みに1年前の衆議院議員選挙の比例区の自民党の獲得票数は全投票数の33%であったそうな。それで国民全体の明確な安倍内閣支持と言えるのかどうか。多数政党のある中での小選挙区制では、半数以上の票数は要らない。他候補より1票でも多ければ得票率は関係なく当選できる。自民党圧勝は小選挙区制のお陰で生じた現象であり、党員一人一人の長年の地元とのつながりもあってのことで、総理総裁信任とは要素が異なるものだ。
自民党は長年の一党支配からその組織力は、共産党や公明党に近いように診る。政治主導の合言葉で高級官僚の人事権も握った政権は、彼らの忖度を活用して力を増大した。議員に対しても小委選挙区の公認権を党幹部が握ることで、締め付けが容易だ。今回石破さん支援の議員は、もし公認を得られなくても当選できる実力がある議員ばかりだったという説もある。
自民党の組織力に対抗できるような新たな政党を一から作るのは至難の業とは思うけれど、真の保守、人間として正しい保守の人材を集結して、現在の国家国民よりも自分が国会議員であること、首相・大臣であることを優先する職業政治家の集団と堕した自民党に代わる政党が欲しいものであり必要である。
蛇足ながら、私は9条をはじめ憲法改正は絶対必要と考えているが、安倍首相の9条加憲案なら国民投票で反対票を投じるつもりだ。真の保守なら、そうするだろう。
総裁選が終わり、テレビの報道番組では関係者の奇妙な発言が聞こえる。
今回、安倍陣営の元締めを務めたという甘利元経済産業大臣は、議員と地方党員の票数の隔たり、認識の乖離が念頭にあったのだろうけれど、石破さんのことを『近くで専門家として石破さんを評価できるのは国会議員です。国会議員が見ていると政策論でも、もうちょっとこうやればいいのに、と思う事がたくさんあるわけです。例えば地方が大事ですと言うが、じゃあ、どうやるんですか。地方が大事だったら、石破さん、あなたは鳴り物入りで地方創生担当相を2年やりましたよね。やったとしたら、地方がまだ駄目なんですよ、駄目なんですよ、だけで終わっちゃうとあなたが担当相だったでしょ、と言われちゃう訳ですよ』のように発言をしていた。
これにフムフムと頷く連中も居たかもしれないが、実は石破さんはいろいろ提言もしていたそうで、著書などにも書いているそうだ。いずれにせよ、どなたが地方創生大臣を2年やったからといって地方だけで、経済興隆が成せるわけではなかろう。国の根本方針を変えねば難しい問題である。担当大臣をやったからこそ国の仕組みを変えなくてはとの問題意識を持つことは当然である。
大阪維新の会を立ち上げて、大阪府知事、大阪市長なども歴任した橋下徹氏は、安倍シンパであることは知っている。国政選挙で勝っている現役総理に対抗して総裁選に立候補した石破陣営を揶揄する自民党党内の声に同調する形で、「そもそも昨年の衆議院選挙で自民党は圧倒的支持を受けた。安倍政権は信任されている。今回の総裁選挙はそもそも必要がなかった。無駄な労力だ」という趣旨の発言をしていた。
橋下氏は現役弁護士でしょう。まあ最近の弁護士の人間的質の低下は著しいからそんなものでしょうけれど、自民党の総裁選挙は党内規定で決まっていることで、衆議院選挙の時期や勝敗に左右されるという規定はないだろう。しかも今回の選挙は、現役任期中にお手盛りで3年2期の総裁任期を3年3期に伸ばしたものだ。その2期の任期が切れればあらためて総裁選挙を行うのは当然である。それを否定することは、法律でも組織のルールも無視していいよと言っているに等しい。キャスターは「そういう考え方もある」と言う風に受け流していたが、考え方の問題ではなく、間違ったことを言っているのだ。法律家として失格の発言である。
最近の大企業の品質問題の多くも、組織の中にこのような人物が居ることで起こるのではなかろうか。「検査する」という社内規定があっても、ご都合主義でやらなくてもいいんだとする風潮を生じさせるものだ。
総裁任期中の衆議院選挙結果に基づくなら、自民党の総裁選挙規定をそのように変えることが先決である。しかし国政選挙と党内の選挙は本来別物である。しかも党員は税金以外に会費を納めて党員となって総裁選挙権を得ている。
因みに1年前の衆議院議員選挙の比例区の自民党の獲得票数は全投票数の33%であったそうな。それで国民全体の明確な安倍内閣支持と言えるのかどうか。多数政党のある中での小選挙区制では、半数以上の票数は要らない。他候補より1票でも多ければ得票率は関係なく当選できる。自民党圧勝は小選挙区制のお陰で生じた現象であり、党員一人一人の長年の地元とのつながりもあってのことで、総理総裁信任とは要素が異なるものだ。
自民党は長年の一党支配からその組織力は、共産党や公明党に近いように診る。政治主導の合言葉で高級官僚の人事権も握った政権は、彼らの忖度を活用して力を増大した。議員に対しても小委選挙区の公認権を党幹部が握ることで、締め付けが容易だ。今回石破さん支援の議員は、もし公認を得られなくても当選できる実力がある議員ばかりだったという説もある。
自民党の組織力に対抗できるような新たな政党を一から作るのは至難の業とは思うけれど、真の保守、人間として正しい保守の人材を集結して、現在の国家国民よりも自分が国会議員であること、首相・大臣であることを優先する職業政治家の集団と堕した自民党に代わる政党が欲しいものであり必要である。
蛇足ながら、私は9条をはじめ憲法改正は絶対必要と考えているが、安倍首相の9条加憲案なら国民投票で反対票を投じるつもりだ。真の保守なら、そうするだろう。