中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

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2019日本の問題 その10

2018年12月28日 | ブログ
2島返還+α

 2018年すなわち今年の9月12日、極東ロシア、ウラジオストク市で行われた「東方経済フォーラム」でロシアのプーチン大統領から唐突に「日露平和条約を締結しよう。ただこの場ではなく、年末までに。いかなる前提条件を付けずにやろう」という提案がされた。

 日本はこれまで、北方4島が返還されて日露平和条約があった。ところが安倍首相は、「私とプーチン大統領で、領土問題を解決し日露平和条約を締結する」と前のめりだ。プーチン大統領は、1956年の「平和条約締結後に北方領土の色丹島と歯舞群島の引き渡しをうたった」日ソ共同宣言を持ち出して、ここから再交渉のスタート的なニュアンスで安倍首相に迫ったように見える。

 「領土問題を解決する」という言葉を聞くと普通の日本人は4島が返還されると同義に解釈するが、プーチン大統領や安倍首相の言うのは、4島の帰属を決めましょうということ。それは、1956年の日ソ共同宣言に基づき歯舞・色丹は日本領とするかもしれないが、国後・択捉はロシア領とすることを確約することの公算が強い。要は、島の返還に関わらず、それぞれの島の帰属をはっきりさせて日露平和条約を結びましょうということ。

 菅官房長官は、「政府の4島一括返還の方針に変わりはない」と言ってはいるが、どこかのタイミングで、0より2の方が現実的でしょうと修正しそうな匂いがする。

 早速、元外務官僚で、日ソ交渉に当たっていた佐藤優氏や、やはり北方4島返還交渉に詳しい鈴木宗男氏などは、この機会に2島返還+αで手を打った方が得策であるような発言をしている。一方小泉元総理は「4島でなければ駄目だ」と言っている。

 +αとは何か。ひとつに国後・択捉での共同経済活動の推進があるようだ。この場合、活動に日本の規則を適用することで、ロシアの管轄の中に穴を開けることになるからプラスだということらしい。しかし、それは日本側の勝手な目論みで、交渉過程でどうなるか分かったものではない。また、ロシア側からすれば帰属確定は、国後・択捉に関して今後一切日本から領土交渉で煩わされることはないと考えるであろう。取り敢えず2島、残りの2島は交渉継続というようなシナリオはロシア側には一切ない気がする。

 それでも、歯舞・色丹の返還だけで取り敢えず平和条約締結を締結することの意義は、お互いの国の領土の承認がある。日本側のメリットは尖閣諸島をロシアが日本領と認めることで中国の言い掛かりを封じることができる。見返りに日本はクリミアをロシア領として認めることになるらしい。中国の軍拡に対して日露で対抗できれば、脅威は薄らぐ感じはしなくもないが、ロシアが対中国で日本の味方をする保障はない。

 平和条約によって経済協力が活発になれば、日本には中東に依存する石油系エネルギー調達が多極化することで安定し、ロシア側には北極海ルートの海運に宗谷海峡や津軽海峡を利用できるメリットがあるという。

 ロシア国民には一度手に入れた領土を手放すことに強い抵抗感があり、日本国民には4島返還に拘りが強い。ここらあたりの心証に、以前プーチン大統領が持ち出した「引き分け」論の根拠がある。

 問題は日本国民に面積で7%の2島返還で納得させる方策として、来年の参議院選に2島返還に信を問う解散総選挙をぶつける案があること。2島返還に日本の有識者が言うような+αが本当にあるものかも分からないまま、到底政権など担えない野党連合軍との勝負となる総選挙は安倍首相のレガシー作りに手を貸すだけの気がしてならないのだけれど。




本稿は文藝春秋刊「2019年の論点100」特別企画。池上彰×佐藤優「2019年日本が直面する重要課題」を一部参考にしています。


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2019日本の問題 その9

2018年12月25日 | ブログ


 今年の漢字で一番権威がありそうな清水寺貫主の揮毫した一字は「災」。まさに自然災害多発の1年だった。

 半年前の大阪北部地震の被災地には、未だブルーシートの住宅が多く残るという。災害が多くて復旧工事が間に合わないのだ。2016年の熊本地震の震度7に続き、今年は北海道でも震度7を記録する大地震があった。豪雨災害は西日本を中心に全国に広がった。

 私どもが子供の頃は、気温30℃が真夏の証明だった。今や気温40℃が国内各地で記録され、熱波は熱中症を多発させている。そんな中2年後の夏は東京でオリンピックだ。

 世界的な温暖化は衰えを見せず、海水温の上昇は台風やハリケーンを大型化し、豪雨被害を甚大にする。北極海の氷が解けて、南極の氷河も減少しているという。今世紀末までに海水面は1m程度の上昇が予想されている。海水面の上昇は海水温の上昇による膨張が大きいという。海氷であれば溶けても海水上昇に繋がらないが、南極の氷河は真水だから海水面を上げる。

 現状でも南太平洋の島々で、満潮時に海水に覆われる部分が増加して不安が高まっているところがあるが、わが国でもゼロメートル地帯は結構あり、さらなる高潮被害などが増大する懸念は大きい。

 今年は、台風の猛烈な風雨が印象的であった。車が空を舞う。「空飛ぶタイヤ」という小説があり映画化もされたが、車ごと飛ぶのである。猛烈な風がタンカーを関空への連絡橋にぶっつけた。

 さらに温暖化による海水温の上昇は、日本近海においてもその生態系に大きな変化を来しているそうだ。サンゴ礁が北上し、海藻が駆逐され、従来獲れていた魚が取れなくなる。温暖化は高山植物などにもその生態域に影響が出ているそうだ。

 わが国は少子化と騒いでいるが、この半世紀で世界には20億人も人が増えた。途上国の経済発展もあって、そのエネルギー発散量たるや、地球の気温を上げ続けるであろう。トータルのエネルギー消費量の増大は止めることは出来ない。今後とも温暖化は進み、気候変動は悪化の方向であることは間違いないであろう。

 さらに先進諸国は、その生活に利便性を生み出す数々の建造物が耐用年数を超えようとしている。ダムや橋脚、堤防や道路、トンネルに水道管や下水管。風水害対策に新たな投資を必要とする上に、過去の建造物のメンテナンスに費用が掛かる。それらは住民の生活と命がかかっている。

 温暖化による海水温の上昇は、海水面から水蒸気量の増大によって豪雨だけでなく、これからの季節は豪雪にも対策が必要となる。温暖化で例えばマイナス50℃の寒気団の襲来は少なくなっても、水は0℃で凍るからマイナス40℃の寒気団の襲来で十分、そこに水蒸気が充満しておれば豪雪となる。

 フィリピンプレートがユーラシアプレートに沈み込む南海トラフにおける東南海大地震の確率は、ここ30年の間に70-80%であるという。この地震と伴う津波による被害は発生後20年間で140兆円とも試算があるそうだ。

 国土防衛など安全保障に年金・医療・介護など社会保障費は膨らみ続けている。本来オリンピックだ万博だと浮かれている時ではないのかも知れない。




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2019日本の問題 その8

2018年12月22日 | ブログ
密約

 沖縄返還の際の日米の密約が問題になったりしたが、外交交渉には交渉過程でつぶさに公表できないことは多々あってしようがない。日露領土交渉に関して「次の質問をどうぞ」と繰り返した河野外務大臣の記者会見対応も、表現は兎も角仕方がないところはある。

 しかし、日中友好40周年で北京を訪問し、習近平と握手した安倍首相が一帯一路に結構踏み込んだ協力を約束したようだが、これには密約が危惧され問題である。安倍首相の提案は一帯一路を無害化するものとのご高説がある(12月18日読売朝刊、北岡伸一氏)が、中国がわが国の提案を履行することなど、これまでの中国の有り様から考えられないではないか。北岡氏のご高説は単に政権ヨイショで国民を欺くものに映る。

 中国は、共産党一党独裁国家であり、今ほどの経済力も軍事力も無い時代からチベットやウイグルを蹂躙し、勢力圏に収めた。1970年代頃からは、わが国尖閣諸島を中国固有の領土だと勝手な宣伝を始め、嘘も百万回つき通せば本当になるとして、自国の核心的利益だと嘯きこれを日本の領土と認めていない。そのような国のプロジェクトにお墨付きを与えるような約束を行う現政権は全く能天気と言わざるを得ない。

 現代はグローバル化と言われるように、大企業や宗教団体はじめ各種組織・団体は国境という垣根を越えて、国家間の外交上の利害よりも自組織・団体の利益を優先するようになった。この傾向は米国企業などがわが国に先んじた。すなわち多国籍企業の出現である。商売の相手国が共産党独裁であろうが、人権無視の独裁国家であろうが、商売になるならお構いなしの風潮が世界に蔓延した。その結果、中国は国際法や特許法など知的財産権を無視し、模倣や侵害を堂々と繰り返し、サイバー攻撃やスパイ行為で他国企業の技術を盗み取り放題の違法行為を国家ぐるみで行い膨張してきたと言われる。

 しかし、ここに来てようやく、中国を放置できなくなったと強く認識する人々が立ち上がり始めた。大英帝国時代に世界の富をかき集め、今もその権益を失いたくない連中である。米国ファーストはすなわち、ドルを基軸通貨とすることで維持できる既得権者たちファーストである。米ソ冷戦時代から、西側諸国と呼ばれた国々の元締めたちである。だとしても、自由と人権を尊重する民主主義は、現代においてはベターな政体だ。すなわち共産党独裁国家などとは比べようもない政治体制なのだ。わが国もその価値観を欧米諸国と共有する。

 しかし、未だ日本の現政権はそれほどの緊迫感を持って対中国外交を考えていないようだ。経団連などその支持母体が、未だ商売優先主義を変えていないからだ。与党自民党に寄り添う公明党も宗徒を増やす算段には中国の14億の民は魅力的なのであろう。

 安倍政権は、米国トランプ対策に戦闘機はじめ武器・軍事装備の購入で、米国の軍需産業を潤しトランプに尻尾を振るフリをする。国内の中国脅威論者の顔も立つ。

 習近平との密約が、中国企業の日本の水道事業等への投資でなければ良いが。日本は新たに34万人もの外国人を受け入れるとしたが、ベトナム人の次に中国人が入っていた。すでに国内に100万人も居る中国人をこれ以上受け入れてどうするの。習近平は日本を通じて米国や欧州の最先端技術の匂いだけでも引き続き持って帰るための技能者を新たに送り込むための約束を安倍首相と交わしたのではないか。2法案の成立を急ぎに急いだことから透ける大きな疑念である。




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2019日本の問題 その7

2018年12月19日 | ブログ
(続)自虐史観を振り巻く連中

 現在の北朝鮮の有り様を見て、国民は幸せそうだとは誰も思わないだろう。ロシアの施政下でロシア革命(1917年)後半島全体が共産主義化しておれば、韓国の戦後の発展はなかった。

 見かけ上の帝国主義で、朝鮮半島はわが国の植民地となっていたが、ヨーロッパ諸国のアジア、アフリカの植民地政策と異なり、朝鮮半島から搾取する物もなく、『当時の日本の産業界に過剰な商品などなかった。朝鮮に売ったのは英国綿のタオルや日本酒、その他の日用雑貨がおもなものだった』*註4)。インフラ整備や朝鮮人の生活向上のために膨大な投資を必要としただけだ。

 司馬遼太郎氏は、「この国のかたち」の中でそんな朝鮮併合を雑貨屋の帝国主義と揶揄し、実質には帝国主義でもなかったと論じている。

 しかるに、そんな韓国や中国のプロパガンダに乗って、最近の日本で首相まで務めた人物が韓国に行って慰安婦像の前で土下座して謝って見せたり、中国の南京虐殺記念館を訪れ、30万もの中国人が日本兵に殺されたとする、実際にはほとんどなかった悪行を肯定する発言をする。愚かな人たちだ。まさにスペインと同様、将来「日本人を悪く言っている奴、そいつは日本人だ」と言われるまでにこの国を凋落させたいのだろうか。

 民主党政権で中国大使まで務めた実業家も、自虐史観を振り巻く連中の一人だ。大市場に見える中国の幻影に惑わされ、ここで商売するには、中国共産党の気に入る話が必要なのだと悟ったのか。リベラルなどと名のつく政治家や左寄りの学者にも自虐史観の好きなのが多い。政治家の場合右寄りの議員との差別化ニッチ戦略で自身の議席を確保する算段に見える。学者は何のため。恐らく子供の頃からの自身の醜い学力競争主義に疲れた心の隙間に侵入したこの国の有り様が、脳細胞で化学変化しただけのモノであろう。

 それにしても、韓国での徴用工裁判では、検察は70年以上前のどのような真実を証拠として主張しているのか。弁護側はその論拠を十分に質す弁論を展開したのだろうか。最高裁(韓国大法院)判決というもの自体が眉唾ものに感じる。プロパガンダに活用する裁判など三権分立でも何でもないし。

 このような裁判がもし認められるなら、世界各国数限りなく被害届は出てくる。第二次世界大戦まで遡らなくとも、韓国軍も関与したベトナム戦争、朝鮮戦争時においてはどうだったのか。竹島を不法占拠しているだけでも日韓関係に致命的な背信であるものを。

 韓国や中国のプロパガンダは、兎に角日本を貶めることが目的である。日本もそろそろ、やられたらやり返す。「倍返し!」が必要である。



*註4)司馬遼太郎「この国のかたち」一巻の3.“雑貨屋”の帝国主義、文藝春秋刊
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2019日本の問題 その6

2018年12月16日 | ブログ
自虐史観を振り巻く連中

 16世紀から17世紀にかけて、スペインにとっては黄金の世紀と呼ばれるほどの繁栄を見せたという。その後のイギリスが太陽の沈まぬほどに植民地を抱えたが、その先駆を成すものだった。メキシコ以南のアメリカ大陸の多くがスペインとポルトガルによって征服され、古代文明を誇った国々が亡んだことは有名である。当時スペインはオランダまで植民地にしていたのだ。

 日本が織田信長の時代にフランシスコ・ザビエルが来日していたことは知られるが、彼はキリスト教の宣教師であり僧兵で、スペイン王から派遣された領土侵略の尖兵であったと言われている。

 スペイン帝国の侵略の手口は、まず宣教師を送り込み、布教しながら現地の状況を探り、脆弱な国であれば牙を剥いたのである。流石のザビエルも織田信長をはじめとする日本の戦国大名の勇猛果敢さと文化の高さに、なかなか本領発揮できなかったものであろう。

 しかし、一部大名やその奥方はじめ、秀吉の参謀黒田官兵衛まで宗徒に加えていたというから危うかった。明智光秀の娘ガラシャのキリスト教への帰依はよく知られるが、本能寺の変の原因に信長がキリスト教を封じようとしたためという解釈まででてくるほどだ。

 しかし、スペインは勃興してきた英国に向けて侵攻し、その無敵艦隊が英仏海峡で行われたアルマダの海戦(1588年)で敗れたため、凋落を始める。それにしても現代、スペインに往年の面影は薄い。スペインが衰退していったのは、英国とオランダの徹底したプロパガンダが原因という。徳川時代のわが国においても、オランダのスペイン叩きは激しかったそうだ。スペインの侵略時の土民への虐殺等の暴挙や植民地政策を徹底的に吹聴したわけだ。スペイン人たちは近い先祖の贖罪に苦しみ、やがて自虐史観を持つようになる。「スペイン人の悪口を言っている奴、そいつはスペイン人だ」と言われるまでになっていたと言われる。

 戦後70数年も経て、中国や韓国が、国連までも使って日本の戦前の有り様を批判するのは何のためか。歴史認識の違いなどという解釈がまかり通っているが、そのような甘いものではなかろう。敵は徹底して日本叩きのプロパガンダを仕掛け続けているのだ。

 現在の日本にあって、例えば韓国の徴用工裁判を受けて、自民党有力議員は「国際法的に無効だが、わが国が独立国であった朝鮮を併合した事実も認識しなくてはならない」などとコメントしたというが、一体誰に向かって言っているのか不明である。戦前の日本の有り様に僅かでも責任を持てるのは、いまや90歳半ば以上の老人だけだ。韓国併合時(1910年)の日本人はその年に生まれた赤ん坊が108歳となる。

 併合とは、聞こえが悪いが、日露戦争で大きな犠牲を払いながらわが国は辛うじて満州や半島からロシアを駆逐した。しかし、大ロシアは健在であり、常に満州から朝鮮半島、さらに日本列島までへの覇権を狙っている。わが国にとって朝鮮半島は、ロシアの脅威からの最後の砦であった。あの時代、わが国に力がなければ朝鮮半島はロシアの手に落ちていただけだ。(続)

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2019日本の問題 その5

2018年12月13日 | ブログ
迷惑行為の横行

 高速道でのあおり運転の末、追い越し車線に車を停めさせられたことで、トラックに追突されて両親が子供たちの目の前でなくなった事件の公判が、連日報道番組の恰好の標的になっていたけれど、公道であおり運転をしただけで本来厳罰にしなければならないものである。
四の五言わせずに二人殺せば死刑なのだから、準じて厳罰にすればいいものである(求刑懲役23年)。

 車は便利で現代社会になくてはならないものだが、大きな破壊力を持つ凶器ともなるものでもある。それを操る者には相応の責任があることは当然である。しかし、人の世は産業優先、経済優先で、目に余る無謀運転も事故に至らなければ反則切符で終わりにすることが多かった。

 最近では一般道を280[km/Hr]という新幹線並みの猛烈なスピードで走行した様を自身でユーチューブに投稿して、「折角スピードの出る車を買ったのだから」と嘯いていた人物がいたけれど、大甘のこの国にしてこのような人物が出現する。

 酔っ払い一人に警官他数名で取り囲み押しくらまんじゅう擬きをやっている画像をテレビでも見たし、実際にも街でも見かけた。酔っ払いが周囲の人々に危害を与える恐れがあれば警告し、従わねば即刻公務執行妨害で手錠して一旦留置すれば一人の警官でも解決できる。給料の高い公務員を酔っ払いごときに延べ何時間使役すれば気が済むのだろうか。

 前述のあおり運転加害者は、高速でスピード違反車両を追跡していたパトカーにまで付き纏い、「パトカーがスピード違反していいのか」とクレームをつけたことがあったそうだが、警察もなめられたもので、民主警察は結構だけれど暴徒や迷惑行為に対しては毅然とした対応がなければ、一般庶民は安心して暮らせない。そんな都度の現場裁量は警察官にあっていい。

 ごみ屋敷、近所まで届く騒音をまき散らす輩、ゴミ出しのルールを無視する輩、押し売りや白タク行為、ぼったくりバーに付き纏いやストーカー行為、スパムメール等、事件になるまでは放置される。どうもこの国では、加害者側の自由や人権は確保するが、迷惑を受ける側の自由や人権は易々と奪う。

 「痴漢は犯罪です」とは駅で見かけるが、万引き*註3)は窃盗行為でこれも立派な重犯罪である。ゲーム感覚、生活のため、また出来心であろうが、その行為は、子供、老人であっても厳罰に処すべき所業である。万引き被害は、零細小売業にとっては死活問題なのだ。

 今年の渋谷ハロインの器物破損の騒動には、地元商店街の世話役さんは相当怒っていたが、防犯ビデオの普及が犯人たちを割り出した。

 破れ窓理論やハインリッヒの法則を持ち出すまでもなく、小さな犯罪行為や小さな不安全行為を放置することで大きな犯罪や事故につながる。

 細かいマナー違反をことさら過大に誹謗して、ぎすぎすした社会も困るけれど、必ずものには限度があり、「ごめんなさい」「失礼!」で済むことと、許容しがたい問題の区切りを子供の頃から教え込んでおく必要もある。


*註3)2015年万引被害額1兆円とのデータもある。



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2019日本の問題 その4

2018年12月10日 | ブログ
ナチスの3S

 この季節はプロ野球がオフになったことで通常より大分少ないが、新聞(一般紙)を広げるとやたらスポーツ面の占める割合が多いことが気に成らないか。

 そのスポーツが健全に行われているのなら、「健全なる精神は健全な肉体に宿る」ことが真実ならそれも良かろう。しかし、現実はパラハラのオンパレードで不祥事続き。金欲主義がまかり通っている。2018年どれだけのスポーツ団体が世間の批判に晒されたことか。2017年に始まった大相撲モンゴル会の集団リンチは、その頂点にある横綱が主導した。今年は遂に被害者力士の親方が、不祥事を隠蔽しなかったどころか協会に逆らったことで放免されて一件落着させた。

 相撲協会は税金を免除される公益財団法人の筈。それなのに政府の対応は鈍く、改善指導が甘い。政財界のOBクラスで構成される横綱審議委員も物事の本質を捉えているとは見えなかった。

 相撲協会内の不祥事は、モンゴル勢や大砂嵐の件に代表されるように外国人力士の割合が多いという。外国人労働者枠の拡大が進んでいる現代、相撲界はその縮図ではないのかと危惧される。

 そして日大アメフト部の事件、監督の日常的なパラハラも暴露された。レスリング界の国民栄誉賞アスリートを巻き込んだパラハラ。ボクシングの奈良判定。アジア大会遠征先でのバスケ選手の買春事件。女子体操選手へのコーチの暴力から、協会の女性実力者の企業との癒着やパラハラも晒された。

 しかし、その後女子テニスの英雄が現れ、二刀流大谷選手の活躍がメジャーで評価されると、スポーツ万歳のオンパレードに変わった。人の噂も45日で、スポーツ界のどこがどう改善されたのか、その効果の確認などマスコミは関心がないようだ。

 ナチスの3Sとは、『Screen(スクリーン=映画)、Sport(スポーツ=プロスポーツ)、Sex(セックス=性産業)を用いて大衆の関心を政治に向けさせないようにする愚民政策であり、そのような政策があったとの主張である。』(ウィキペディア)

 国民の知の衰退を促し、政権が好きなような運営を行おうとする遠大な構想は、一時期流行った「ゆとり教育」なるものにも見られた。女性への行き過ぎた性の解放、闇の性産業の横行なども3Sの一角である。大陸からの訪日客が増えて、若い女性に梅毒が急増*註2)し、九州ではエイズの罹患者も増えているそうだ。

 安倍政権の3SにおけるScreenとは、政権のテレビ界への圧力が言われる。ワイドショーは政権政策批判を押さえているように感じる昨今である。確かに過去の民主党への政権交代時のような醜い政権批判は論外だが、地味な番組になろうとも、政権批判になろうとも、国民の幸せ、国家100年の計に関わることは、堂々と論戦する政治番組がもっとあっていい筈である。



*註2)東京都の2006年梅毒の患者数は男性85人、女性27人だったのに対して約10年後の2017年では男性1229人(14.5倍)、女性559人(20.7倍)


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2019日本の問題 その3

2018年12月07日 | ブログ
水道事業民営化

 見えにくい所で、国民の命と健康について重大な懸念を生じる法案が国会で通りそうだ(12月6日成立?)と知り驚いた。思えば海外から労働者を受け入れる法案も、国民に十分周知されないまま国会多数の自民党案が進行中である。国会審議に使われた現状認識のデータはどうも改ざんされたものだったようで、野党は怒っていたが政権側は圧倒的多数を武器に馬耳東風である。選挙で一部地方選挙を除けば勝続けているから痛くも痒くもない。

 どうも最近、万事がそうである。よく国民に説明のないまま、自分たちは選挙で信任されているのだから。われわれは実行する政治を行う。みなさん批判ばかりで、有効な代替案はありますか。とのカエルの面にションベンの体。

 過去の郵政民営化の時は徹底的に揉めた。この時は与党内にも反対者多数で、参議院で否決され、当時の小泉首相は、それなら国民の声を聞こうではないかと、衆議院を解散した。参議院の否決で衆議院の解散はないだろうという批判もあり、刺客候補が話題に成ったりしたが、国民は小泉首相を支持した。

 ただ、国会も世間も騒いだだけに、郵政民営化法案は誰もが関心を持って理解を深めた。この点が、同じように法案を進めるにも小泉氏と安倍氏のやり方は大きく異なる。

 郵政民営化にも問題はあったのかも知れないが、水道事業のように国民の生命、健康に直接関わる問題ではない。水道事業が地方自治体の財政を圧迫しているとしても、民間にやらせる(正確にはやらせることが出来る)などもっての他だと思うが、衆院で僅か8時間の審議で通過したというから恐ろしい。

 以前から北海道の原野を中国資本が買い占めているとのことを書いた。北海道に限らず、日本の奥地は概ね飲料水の重要な水源でもある。ここを外国、特に敵国*註1)である中国、ロシア、韓国資本に抑えられることは、日本の国体の死を意味する。民営化によって、外国資本を通じて敵国の手に渡ればどうなるか。安倍政権はそういう際のリスクを十分考慮して法案を進めているのだろうか。

 安倍政権ではこの度の内閣改造など粗造もいいところ。新しい五輪相はIT関係の大臣も兼ねてサイバーテロ対策なども担当しているらしいが、その知識は十分に不十分のようだ。国会の答弁は民主党政権時の大臣たちを髣髴とさせる。民主党と自民党が似てきたことを「朱に交われば赤くなる」と本稿「自民党総裁選2018」の初っ端に書いたけれど、ここでもそれが立証されている。安倍首相にとって、どうも大臣など誰でもいいと考えている節がある。大臣は時の首相が任命するが、その国会議員は国民が選ぶ。本当にこんな内閣でこの国は大丈夫なのか。国民にも選んだ責任があることの自覚が必要である。

 水道事業は、地域独占で一般の消費財のように国民に選択権はない。民営化の後の究極の不幸な結末として、赤い国の資本で赤い国の従業員が運営する飲料水を国民は安心して飲めるだろうか。悪夢となる。



*註1)中国は、尖閣諸島を自国の固有の領土だと主張し、領海・領空侵犯を繰り返しており、ロシアは北方4島を、韓国は竹島を不当に占拠している。よって3国は敵国である。
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2019日本の問題 その2

2018年12月04日 | ブログ
指導者層のモラルの退廃

 日産・ルノーグループのゴーン会長逮捕のニュースは、産業界だけでなく国民否世界に大きな衝撃を与えている。

 未だゴーン容疑者の犯罪行為の全体像は明確になっていないようだが、自身への報酬を長年半額程度に抑えて有価証券収支報告書に記載していたことをはじめ、自身や親族の住宅などを会社経費で賄っていたなど公私混同著しく、日産の取締役連中も我慢の域を超えたものであろう。司法取引があったのではないかとの説もある。

 公私混同はどこかの前都知事もやっていたけれど、政治家も実業家も世間を甘く見て、分からなければと、やってはいけないことに対する歯止めが効かなくなることが多い。組織の中で1強などと言われるような人物は要注意である。裏でどれだけ溜めこんでいることか。しかし、取り巻きは怖いから口を継ぐむ。世間に知られず生涯を終えたとしても、地獄の閻魔さまはお見通しで死後まで幸せとはいかないものを。

 昔のカネボウの粉飾決算やら、最近では東芝でもあった。有名な大企業のガバナンスについては都度厳しく糾弾されるのだけれど、後を絶たない。政治家の不正も同様。国家の指導者層にモラルの退廃が激しいのだ。勿論今に始まったことではなく、石川五右衛門を釜茹での刑に処しても、盗人は永劫になくならないごとく。今年のNHK大河でも明治維新後の長州(山口県)の有力者の不正が描かれたが、結局彼らは能力を買われて政権に復帰している。その伝統はこの国の現代に続いている。

 ゴーン容疑者については、フランス大使が2度も拘置所を訪れたり、フランス大統領が本件で安倍首相に話し合いを求めたりと、ゴーン資金はフランスの政界にも流れていたことを匂わせる。ルノーという戦後にフランスに国営化された企業の名誉にも関わることとの建前もある。政治の駆け引きも加え、裁判で「無罪」を勝ち取ればいいとの思惑もあろう。

 それにしてもこの国に限らないけれど、先に述べた通り今に始まったことでもないけれど、国家指導者層(政治家、官僚、実業家、学者、医師、弁護士などなど)のモラルの退廃が著しく感じる。大企業の経営者にしてもゴーン容疑者と50歩100歩とまではゆかなくとも10歩100歩くらいは同類ではないのか。

 庶民は消費税増税、中間層への所得税増額、社会保険料の乗率上昇などで家計のやり繰りに腐心する中、結局結婚も出来ず、子供を育てる経済力も持てない層が増え、子供が出来てみれば、親からの虐待あり、学校でのいじめあり、子供貧困も増えているという現実がある。

 一見豊かなこの国で、富みが集中し、庶民に回り難くなっている。既得権を握った者どもが、企業経営者は米国を見習いお手盛り、過ぎた節税に脱税、時の政権と結託して甘い蜜を吸い続けているのではないのか。文化の違いでゴーン氏に恥の意識はなかろうが、日本の指導者層には恥を知って欲しいものだ。






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2019日本の問題 その1

2018年12月01日 | ブログ
平成最後の政権

 日露平和条約が先か、歯舞、色丹の日本への引き渡しが先になるのか。引き渡たされても主権はロシアのままということはないのか。それにしても歯舞、色丹の面積は北方4島全体の7%に過ぎないと聞くが、それでは「引き分け」でも何でもないし。

 そもそも日露平和条約なるものを締結したとして、日本側に何かメリットがあるのか。北方4島は日ソ不可侵条約をソ連が一方的に破棄し、しかも日本が連合国側に降伏して後に侵攻して占領したもの。ソ連(現、ロシア)との条約などあって無い様なものではないのか。

 安倍政権下、韓国との間に結んだ従軍慰安婦に関する合意はすでに踏みにじられた。中国と日中友好40周年などと、安倍総理はいそいそと北京を訪れ、一帯一路への踏み込んだ協力を約束したような話も聞くが、ようやく米国が中国潰しに取り掛かったところで、日本が中国を助けてどうするのか。

 二言目には「全力で」と言うけれど、結局拉致問題も進展はない。もっとも韓国と北朝鮮の策略に乗って、その解決に数兆円規模の円をドル建てで差し出す羽目になるのではと心配していた。泥棒に追い銭である。お金の問題ではなく、人権に関わる事だ。中東で囚われの身であったジャーナリストも結局第三国を通じてお金で解放されたようだから、長年に渡る拉致被害者にお金を積んでも仕方はない。北朝鮮には、併合していた過去の清算も済んでいないことも言い訳に使われるであろう。

 安倍首相は「外交の天才」との発言をテレビでしていた著名な学者さんも居られたが、どこが外交の天才なのか。就任前のトランプさんに会いに行き、世界の指導者の中でいち早く友人関係になった。一緒にゴルフをする仲になった。そのことを評価する向きもあるが、それで日本の国益が増大したわけではない。訪中や中国の一帯一路への協力について、事前に友人のトランプ大統領と内容についてしっかり打ち合わせはしたのだろうか。APECの前にペンス副大統領が来日して安倍首相と対談したが、ペンスさんはストレートに安倍首相の中国外交の問題を指摘したのではないか。肝心の意思疎通をしっかりしないと友人の意味はない。

 それでも安倍政権への支持率は50%を超えた(最新の読売新聞調べ)ようだが、日本国民の民意も落ちたもので、今が良ければ孫の世代はどうなってもいいのだろうか。自民党の中の1強で、対抗しうるライバルが居ない中、東京オリンピック招致もそうだけれど、大阪万博誘致の際にも一役買って、国民への印象操作は忘れない。それらは橋下さんが、野党にマーケティング力を付けろと進言している通り、単なる人気取りテクニックであり、心底この国を愛し、この国の将来を見据えているのではなく、今自分の立ち位置をもっともよくするために何が効果的かの算段としか見えはしない。

 こんな政権で平成が終わりそうだ。繰り返した大震災に2度のサリン事件、バブル崩壊後の銀行の七転八倒は自業自得だったけれど、リーマンショック、消費税の導入。庶民にとってあまりいい事のなかった平成には相応しいのかしれない。




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