辞め塾通信⑨「待つ」

2013-08-31 18:16:22 | 辞め塾通信
月報を止めてブログにしたのは同じ事を書かなくて
済むと思ったからです。

長いお付き合いの保護者の方には十年ほど
という方が何人もおられます。

同じことばかり書いてるのでは申し訳ありません。


と思ったら、逆に最近ブログを読んでいただく方は
私の何年も前の記事をさかのぼって下さるのも
滅多にないことでしょう。

前、書いたからというつもりも不十分なのですね。


塾に入って間もないころ、出張を命じられ、勉強会に
赴いたことがあります。

その時塾長から「京都の○○先生が来ておられる筈だ。
お話を聞きなさい」と言われました。

井の頭公園を参加者が歩くチャンスに恵まれ
道すがら、その先生の傍へ行き
「何かお話を。山口塾長に命じられました」

「一生懸命のつもりで生徒を居残りさせていないか?
 プライドが傷つくばかりで子供の力にならない」

など何点か教えて頂きました。


しかし、分かっていてもなかなか十分なことはできません。

正解のすぐ手前まできており、あと1分もかからない計算だけ
そこで塾の時間切れ。
「あと一息だからマルにしてから帰ろうかね」

ところがそこから時間が掛かっちゃう・・


がらっと違う話ですが、今の塾を自宅で始めた頃です。
勉強がとてもとても苦手な子がいました。
(今は立派な社会人)
「できれば私立中学に行きたい。」

公立の小学校で特別扱いをされることが大変に苦痛
だったそうです。
中学でもそれでは、だったのかな。

その子にだけ副担任の先生がつきっきりで
教えるのだそうです。

学校側は、熱心に親切で。

しかしその子の勉強意欲を削いでいたのですね。
イジメなんてことにも繋がり易いことです。

さて、勉強は・・
たいへんでしたねえ、その子もよく頑張りました。


別の中学生。

この子は小学校から通塾してくれましたが
目標は高校受験。
何としてでも地元の普通科に。

波が大きい子でした。
分からない問題、と当人が思うと動けないのです。

少しずつリードしますね。

最後まで教えてやって「分かった?やり方を覚えてね」
というのはよくないと考えますから
相手との距離をとりながら少しずつ進めます。

それにしても時間が掛かる。
サボっているのか、理解できないのか?

・・・私自身が内心
「ええ?ここまでやって、次へ行けないの?ちょっとー」
と思うこともありました。

普通科どころか・・・

突っつかないで、離れて見守ります。

その間、他の生徒とのやりとり。
その子に視線を送ると良くありません。

忘れかけたころ「出来ました」

{はい、完璧にできています}

時間がかかる、だけの生徒だったのです。

もし途中で「おまえなあ」と嘴を入れてたら
大きな邪魔をしていたことになります。
上記のつきっきりの先生みたいにね。


いつも時間が超掛かるのではありません。
別に難しくも何ともない問題です。
これなら、ささっと出来るレベル、という中に、
何かその子にとっての大きな問題がある。。。

ペーパーテストは時間との勝負です。

我々はついそればかりを気にし、
早く正確に!
本人が解決したいことを邪魔してしまいます。
これが重なると成績が伸びなくなるのですね。


しかし、待つのはつらい、
たった一言教えれば済むのに。
えんえん、えんえん・・・、また延々

でもね、待ってあげなければならないのです。

京都の先生、生きておいでなら
「やっと分かりましたか」と呆れられるでしょうね。


けっこう恥ずかしい話ですが、ま、辞め塾ですから。


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