誰のための「成長」?

2013-03-24 13:52:09 | 塾あれこれ
朝日新聞のコラム(社外者担当)に
以下の趣旨のものがありました。

世間では、特にTPP賛成論では、ごく一般的な意見だ
と思います。
もちろんそれなりに分かるのですが、出発点が違うのか
視線の先にあるものが違うというか、ともかく古い!

リーマンショックや大震災を経験してそこから何を
学んでいるのか、はなはだ情けないご意見なのです。

旧来の安易な「進歩観」に依存しきっていますね。


3/22付朝日新聞・広島版朝刊。ペンネーム(H)さん
タイトルは「守るから生むへの転換」

安倍政権のTPP交渉参加表明を評価し
「経済大国の一角としてのポジションを保ち続けるには」
・・米国と連携し、かつアジアの成長を取り込む。
・・日本経済再生につながると期待したい」

反対派は国益を損なうというが、その国益とは何か、と
続けられます。
生産性の低い今の日本の農業を守ることが国益か?
ただ保護を続けるのは結局は衰退につながる、として

「TPPへの参加交渉は国益を守るのではなく
 国益を生みだすというスタンスを期待したい。
 守りからは何も生まれないし、成長にもつながらない」
と文を結んでおられます。

まず、最後で分かるように「成長」とは好いものだ
という思い込みからして、古いですね。

☆誰のための「成長」ですか?
☆成長を延々と続けようとした結果、今どうなっていますか?

たとえば成長が必要だといって原発であんな無責任をして
きました。
現在も、成長が必要だからやはり原発、と「のたまう」人は
フクシマを何と見ているのだろう?

☆これからも成長することが本当に良いのですか?
 エネルギーや環境の問題はどうするのですか

☆乱暴ですが、「成長」にはフクシマがつきものならば
 もう成長自体を見直さねばならないのではないですか。


成長があれば結局はみんなが潤うと言われます。

今の日本、成長論者には不満なのでしょうが、
もう十二分にリッチで幸せな国ではないですか?
これ以上「成長」?

今見えてきた課題は格差です。
閉塞感もそこから来る。

いずれ貧困層にも「成長」の効果が現れる、とは
格差を考えていない意見ですね。

成長が必要なのは勝ち組のほうです。
オタメゴカシで負け組にも富は回ると言いますが
回す富は「必要経費」であって、貧乏人が感謝する
スジのものではありません。

貧乏人抜きで成長して見ろ、ってこと。
それは不能。
人間社会とはそういうものです。

格差を誤魔化す成長に浮かれてはなりません。
もしかするともう限界かもしれないのだから。

これまでは「成長重視」で良かったのかもしれません。
しかしもう限界でしょう。

生き方の転換を迫られているのではないか、
そう思うのですが、いかがですか?


一気に変わるなんて不可能です。
私有財産は守らねばなりません。
お金持ちだって例外ではありません。

舵を切る先を見定めようというのです。

そして第一歩。


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