『トゥルー・グリット』

2011-03-24 20:30:20 | 塾あれこれ
コーエン兄弟の『トゥルー・グリット』を見ました。
父親の仇をうつべく旅に出る少女、という西部劇です。

まず誰でもが納得できる出来あがりでしょう。
上手いですねえ!

ティム・バートンは私が好きな監督ですが
コーエン兄弟もなかなかです。
ただこちらは余り劇場では見ていません。

TバートンのほうはJデップとの関係もあり
結構見ていますが、実は・・

ティム・バートンはカミサンが好きではありません。

カミサン、コーエン兄弟はもっと好みません。
暴力系があると好きになれないようです。
そこで劇場にまで足を運ばないのですが
今回は万人受けするものということで、やっと
付き合ってもらえました。
(この前劇場に行ったのがなんと『バーバー』)

にやり、とさせる笑いがこの映画にもあります。
また「映画的記憶」を刺激される=ツウなら喜ぶ画面とか
いろいろありそうです。


アメリカ文化にはスーパーリアリズムを好む部分が
ありますね。
まるで写真そっくりの絵画とか。

それを映画に持ち込むと暴力表現もリアルになり
拒否反応が出る人もいるわけです。

私は「つくりもの」と思っているので余り堪えません。

また米文化には「力こそ正しい」「自分で守れ」という
精神もあり、それなりに立派なのですが
情緒に弱い我々にはちょっときついところもあります。

また、歴史の違いで、例えばホラ話への許容度の違いとか
細かな部分の慣れなどで、カミサンが、いかにも
アメリカらしい映画にのりきれないのかなあ。


今時、なぜ西部劇なんだ?という意見もあろうと思いますが
そういう(ひょーろん家)の見方はしないで
画面に溶け込めるかどうか、楽しめばよいのです。

俳優も上手いし、脚本もしっかりしています。
何より画面が素晴らしい、演出の細やかさ、充実感
また、カット繋ぎの気持ちのよいこと
映画音楽の入れ方もお手本みたいだし・・・

この映画一本で評論が一冊できそうです。

私が好きな山田宏一さんならどういうだろう?
「満天の星を描きたくてこの映画を作った」
彼ならばこう言うのではないでしょうか。

ここが美しいから、後日譚が生きるのですよね。

「後日」がなければこの映画は半分死んでしまうとも
言えるでしょう。


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