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ハッピー介護トッシーのブログ。Webは「ハッピー介護みいつけた!」 https://happykaigo.jp/

なぜあなたのような方が介護のボランティアを・・・

2016年12月05日 | 感動

従兄のKさんは、96歳のお母さんが亡くなった時、通夜のあいさつでこう語った。

「息子の私が言うのも変ですが、母の亡くなり方は実にアッパレ!でした」と。

 

東京に住むKさん夫妻は、母親が一人で住む郷里へよく会いに来ていた。

国の官庁に勤めるKさんは、忙しい中、時間を作っては新幹線に乗って頻繁に母親を訪ねていたのだ。

 

やがて母親は、高齢者施設に入所することに。

高齢で一人住まいの母親を心配し、近所の皆さんにも迷惑をかけたくないから…との配慮から、高齢者施設での生活を選んだのだ。

 

その後もKさんは、忙しい中施設の母親を訪ね、家に連れて帰っては母親の好きなうどんを一緒に食べたりしていた。

Kさんとのそんな嬉しい日、母親はいつもお寺を訪ね、自慢の息子夫婦であることをお寺さんに嬉しそうに語っていたとか・・・。(注:お寺さんのお話です)

 

そんな母親が、先日、他界された。

その日の夜、状態が良くないとの電話を施設から受けたKさんは急いで最終の新幹線に飛び乗り、深夜近くになって施設の玄関に入った。

そこで出会った職員の方から、母が既に亡くなったことを初めて知らされたのだ。

「・・・・・・・・・」 

 

最近は寝ることが多くなった母親でも食欲は旺盛で、好きなうどんを好んで食べていたらしい。

その日も、好きなうどんを食べたいからとお願いし、嬉しそうに食べたという。

その数時間後、部屋を訪ねた職員が、その母親の呼吸が止まっていたことに気がついたのだ。

このことを称して、Kさんは「母はアッパレ!」と言ったのだろう。

 

 

通夜の夜、Kさんからいろいろな話を聞いた。

最近は、介護施設でボランティアをされているとか

今までの官僚生活とは全く別世界だったその介護施設でのボランティアを始めたKさんは、今までの仕事にはない全く別の充実感を覚えるようになったようだ。

利用者さんからの「ありがとう」や笑顔を見るようになったKさんは、その後介護ヘルパーの資格を取って、週3日、利用者さんを相手に充実した日々を過ごしておられるKさん。

そんな話を、ちょっとした感動を覚えながら聞かせていただいた。

 

Kさんが介護施設でボランティアをしている・・・。

官僚出身で、現役時代にはかなりの地位についていたKさん。

そんなKさんと介護ヘルパーの仕事が結びつかずとても驚いたが、すぐに分かったことがある。

そしてそのことを聞いてみた。

 

「Kさん、もしかしたら、遠くにいて自分で世話ができないというお母さんへの想いが、近くの介護施設でのボランティアになってるんじゃない?」

「介護施設の利用者さんが、お母さんとダブっているんでしょ」

 

それを頷きながら聞いていたKさんの目には、うっすらと涙が・・・。

そしてこう続けられた。

「長男として、一人で生活する母に十分なことができなかった。」

「もっともっとやらなければいけなかったと思う」と・・・。

 

「いやいや、もうお二人は十分にやられたと思いますよ」

「やってもやってもやり足らないと思うのが親孝行だそうですから・・・」

トッシーが言ったその言葉を聞いたKさんの表情に、ちょっとした変化が表れました。

そして、こうも言われました。

「その介護施設に行って履歴書を渡した時にね、それを見た担当者の方が、

『なぜあなたのような方がこういう仕事を?』と言われたんだよ」

 

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ご主人が他界された後の長い間一人で頑張り、96歳の先日突然天国に旅立たれたおばさんの、見事なまでのアッパレな逝き方。

そして、遠くに住みながらいつも母親のことを想って新幹線で頻繁に訪ね続けたKさんご夫妻もアッパレ!

更には、退職後にはそれまでの経歴にはまったく拘らず介護のボランティアをされているKさんも、実にアッパレ!アッパレ!でした。

 

 

いろいろと思い出いっぱいいただいたおばさんのご冥福をお祈りいたします。

そして、Kさんご夫妻のより充実した人生、アッパレ!な人生をお祈りいたします。

 

ついてる。ありがとうございます。感謝しています。トッシーで~す。

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