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「いのちをいただく」 店頭でこれほど涙が出た本は初めて!

2010年10月28日 | 本っていいな!
 いつもありがとうございます。toshiです。
 今日は、久しぶりに、本について書かせていただきます。
 といってもこの本、実は子供向けの絵本コーナーで見つけたものです。
 ところがどっこい、とんでもなく、スゴイ本なんです。

 ちょっと訳あって、書店で絵本を見てきました。
 なんとなく手に取ったこの本、それは子供向け・・・というだけでなく、60過ぎたオッサンが読んでも、とっても考えさせられた内容でした。
 前半は絵本形式になっていますが、後半はしっかり大人向けです。
 もしかしたら、絵本コーナーだけでなく、一般のコーナーにも置いてあるかもしれませんね。

 
 いのちをいただく
 
 
 坂本さんは、食肉加工センターに勤めています。
 牛を殺して、お肉にする仕事です。
 坂本さんはこの仕事がずっといやでした。
 
 牛を殺す人がいなければ、
 牛の肉をだれも食べられません。
 だから、大切な仕事だということは分かっています。
 でも、殺される牛と目が合うたびに
 仕事がいやになるのです。
 「いつかやめよう、いつかやめよう」
 と思いながら仕事をしていました。
 
 坂本さんの子どもは
 小学校3年生です。
 しのぶ君という男の子です。

 ある日、小学校から
 授業参観のお知らせがありました。
 これまでは、しのぶ君のお母さんが
 行っていたのですが、
 その日は用事があって、
 どうしても行けませんでした。
 そこで、坂本さんが
 授業参観に行くことになりました。

 いよいよ、参観日がやってきました。
 「しのぶは、ちゃんと手を挙げて発表できるやろか」
 坂本さんは、期待と少しの心配を抱きながら
 小学校の門をくぐりました。

 授業参観は、社会科の
 「いろんな仕事」 という授業でした。
 先生が子どもたち一人一人に
 「お父さん、お母さんの仕事を知っていますか?」
 「どんな仕事ですか?」 と尋ねていました。

 しのぶ君の番になりました。
 坂本さんはしのぶ君に、
 自分の仕事について
 あまり話したことがありませんでした。
 何と答えるのだろうと不安に思っていると、
 しのぶ君は、小さな声で言いました。

 「肉屋です。普通の肉屋です」

 坂本さんは
 「そうかぁ」 と
 つぶやきました。

 
 坂本さんが家で新聞を読んでいると
 しのぶ君が帰ってきました。

 「お父さんが仕事ばせんと、
 みんなが肉ば食べれんとやね」
 
 何で急に
 そんなことを言い出すのだろう、と
 坂本さんが不思議に思って聞き返すと、
 しのぶ君は学校の帰り際、
 担任の先生に呼び止められて
 こう言われたというのです。

 「坂本、何でお父さんの仕事ば
 普通の肉屋て言うたとや?」

 「ばってん、カッコわるかもん。
 1回、見たことがあるばってん、
 血のいっぱいついてからカッコわるかもん」

 「坂本、
 おまえのお父さんが仕事ばせんと、
 先生も 
 坂本も
 校長先生も
 会社の社長さんも
 肉ば食べられんとぞ。すごか仕事ぞ」

 しのぶ君はそこまで一気にしゃべり、
 最後に
 「お父さんの仕事はすごかやとね」
 と言いました。

 その言葉を聞いて、
 坂本さんは
 もう少し、
 仕事を続けようかなと思いました。
 
 ・・・・・・・つづく・・・・・・

                             「 いのちをいただく」
       
                                               文 内田美智子
                                               絵   諸江和美
                                               監修 佐藤剛史  より

 
 この続きは次回に・・・。
 何とか、明日にでも更新したいと思います。

 この本、絵本コーナーで読んでいてだんだんと涙が出そうになり、ついにはもう完全に涙が流れ出てしまいました。
 前半の絵本の部分だけ読んでレジに向かいましたが、その前に、ハンカチでしっかりと涙を拭くことが必要でした。
 目も赤かったと思います。
 レジの店員さんに、
 「この本、すごい本ですね。泣けました」 と話したところ、
 「ええ、良く売れてますよ」 とのこと。
 よかった!こういう本を読む人が多くて・・・。
 とっても嬉しい気持ち、とっても優しい気持ちで、書店を後にしました。

 今、これだけ書いてから、後半の部分にパラパラと目を通しましたが、うん、これはもう、完璧に大人向けの本でしたね。
 本の帯には、こんなことが書かれています。
 
 「私たちは食べ物を食べて生きている。生きることは食べること。すべての食べ物は命だ。肉も魚も野菜も米も、すべてが種を残そうとする生命体だ。
 人が生きることは、命を頂くこと。殺すこと。
 私たちの命は、多くの命に支えられている。それを実感したときに、食べ物のありがたみが分かる。食べ物を粗末にしてはならないと分かる」


 素晴らしい本に出会いました。 
 そして、素晴らしい人たちにも出会えました。
 今日もまた、ハッピーな一日でした。
 お読みくださり、ありがとうございまぁ~す。(toshi)
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