JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

私やっぱりテレビっ子

2009年09月25日 | a-c

今日はまさに秋晴れ、気持ちが良いもんです。秋にしては少々暑いようにも思いますが、これもご愛敬でしょう。
残念だったのはその秋空も昨日からで、私にとって貴重な完全休日だった連休最終日は、曇り空だったことです。まっ、墓参り以外は一歩も家を出なかった私には曇りでも晴れでも関係なかったっちゃなかったんですけどね。(笑)

では、その貴重な完全休日にブログの更新もせず私が何をしていたのか、
あら珍しやテレビにかじりついておりました。
えっ?何を見ていたかって?
そりゃア~タ、野球ですよ野球。
いやぁジャイアンツのV3、原君頑張ってくれましたよぉまったく。
根っからのジャイアンツファン(正確に言えばそれ以外知らない)の母は、地上波での野球中継の激減に日々悶々としておりましたが、しっかり優勝の瞬間は見られたと大喜びで、
「原はいい監督になったぁ」
と、感激しておりました。
昨今の群雄割拠、戦国時代のようなプロ野球の世界でV3とは、たいしたものだと私も思います。とにもかくにも優勝おめでとうございます。
あとは日本一を奪還していただければ、我が母も気持ちの良いオフシーズンを迎えられると思いますので、「よろしくたのんまっせ、原君」

連休最終日は、母の感激に便乗して、いつもより多めの晩酌を済ますと、次に見始めたのは、じつは野球中継の裏で延々と放送されていた二代目、桂 枝雀の落語を特集したNHK『落語 桂枝雀の世界』でありました。しっかり録画しておいたんですねぇ。
昭和52年の『軒づけ』にはじまり『天神山』『風邪うどん』『上燗屋』『鉄砲勇助』『宿替え』『こぶ弁慶』『貧乏神』『時うどん』、ざっと9席をたっぷり聴かせていただきまして、気が付けばブログの更新すら忘れてしまっていたと、そいうわけです。(笑)

そこまで釘付けになった枝雀落語ですが、じつをいいますと、私は今までそれほど聴いた落語家では無いんでありまして・・・・それは上方落語に対する一種の偏見からなのか?いやいや、おそらくは上方落語をほとんど高座で見る機会が無かったからかもしれません。
ともかく、これだけまとめて桂枝雀の落語を聴いたのは初めての経験なんです。

番組中の対談で林家正蔵が、「西の枝雀師匠には桂米朝師匠、東の立川談志師匠には柳家小さん師匠という人間国宝の師匠を持つ二人、しっかりした古典の裏打ちを持ったればこそ、ある意味、それを崩していっても、あれだけの落語ができるんだろう」てなこと言っておりましたが、談志と枝雀ではスタイルが全く違いますよね。つまりそれは師匠の対比ともいえるのでありましょうか?

落語に限らず、どんな芸でも、いや、スポーツでも芸術でも、ともかく何にしても、基礎があってこそのそれってぇことには納得します。
パッと見子供の絵のような絵画にとんでもなく高い評価なんかがついてますと、「これくらいならオレでも描けんじゃねぇ・・」なんて、大きな勘違いをする、あれです。
絵画どころじゃありませんよ、バリバリのフリー・ジャズなんか聴くってぇと
「なんだいこりゃ、ただブーカブーカ吹いてるだけじゃねぇか、こんなんならオレッチだって・・・」
できるもんならやってみろ、でありますよね。

話を戻しましょ。
二代目、桂 枝雀といえば、最期は自宅での首つり自殺というショッキングなものでありました。
うつ病発症は枝雀を襲名する前、桂小米の時代であったそうですが、何事に対しても正面からストイックなまでにそれを突き詰める、そんな方だったのでありましょう。まさに彼の芸にはそのあたりが滲み出ているようにも思えます。
「だからこその境地」う~~ん、これもまた天才たらん姿なのでありましょうか?
私などは、なんとなく、バド・パウエルやフィニアス・ニーボーンJr.を頭に浮かべてしまいます。

イチロウではありませんが、漫然と日々を過ごす天才なんてぇ者は、この世にいないのでありましょう。
つくづく凡人で良かったなぁ・・・・いや、天才になるほどの精神力を持ち合わせない自分を恥じるべきでしょうね。

と、そんなことを思いつつも、枝雀落語でおおいに笑った連休最終日でした。
あれ?「テレビはあんまり見ないんですよ」と言っていたはずなのに・・・・ひょっとして私って、テレビっ子?

さて、今日の一枚は、フィニアス・ニューボーンJr.です。
話の流れから発病後のフィニアスと限定したので、ハワード・マギーの「MAGGIE'S BACK IN TOWN」も考えたのですが、やはり、大好きな「HARLEM BLUES」と同録のこのアルバムを選びました。

そんな言い方をすると最初に「HARLEM BLUES」ありき、のように思われるかもしれませんが、この時の録音は全15曲、うち8曲がアルバム化され、後にお蔵入りとなっていた7曲が日本だけでアルバム化されたのが「HARLEM BLUES」ですから、この時の録音をもとに作られた正式アルバムは、今日のこの一枚ということになります。

それにしても、エルビン・ジョーンズ、レイ・ブラウンという両雄を向こうに回し、何故にこれだけの演奏を入退院を繰り返す男ができたのか?
じつにブルージーな表題曲「PLEASE SEND ME SOMEONE TO LOVE」なんて、私ゃもうメロメロでございます。(笑)
エリントンナンバーの「COME SUNDAY」も良いし・・・・・・ともかく、調子の良いときのファニアスはいい。(ハートマークを入れたいところですが、絵文字はどうも...笑)

一家に一台、いや、一家にこの日の録音盤二枚は、必需品でありますよ。

PLEASE SEND ME SOMEONE TO LOVE / PHINEAS NEWBORN JR.
1969年2月12,13日録音
PHINEAS NEWBORN Jr.(p) RAY BROWN(b) ELVIN JONES(ds)

1.PLEASE SEND ME SOMEONE TO LOVE
2.ROUGH RIDIN'
3.COME SUNDAY
4.BRENTWOOD BLUES
5.HERE'S REAL GONE GUY
6.BLACK COFFEE
7.LITTLE NILES
8.STAY ON IT


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2 コメント

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Unknown (Coffee Winds)
2009-09-26 23:57:42
こんばんは♪

フィニアス・ニューボーンJrは、ロイ・ヘインズの「ウィ・スリー」というアルバムで最初に聴きました。
エルビンといい、ヘインズといい、どちらもドラマーがきっちり締めている感じです。その中でこれだけの演奏が出来るのですから、ただ者ではありませんね。
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Coffee Windsさん (バブ)
2009-09-27 21:41:33
フィニアスのピアノはじつに私好みで、「もっと多くの演奏を残してくれれば」といつも思ってしまうミュージシャンです。
しかもバド同様、調子の悪いときには、ハズレの演奏もあったりしますしね。(笑)

「WE THREE」のロイ・ヘインズは輝いてますよね。リーダーということもあるのでしょうが、ロイが、マックス・ローチ、ケニー・クラークに勝るとも劣らぬドラマーであることを実感できる一枚だと思います。
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