JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

有っても苦労、無くても苦労

2008年11月15日 | g-i

庶民感覚がなにかと話題になる昨今、何をもって庶民と呼ぶかは難しいわけでありまして、辞書で調べてみれば[一般の市民。社会的特権をもたないもろもろの人]なんだそうですが、どうにも実際にはお金を持っている持っていないが大きな目安になっているようにも思います。(その目安からすると私などまさに庶民の中の庶民となるわけですけど)
もしそれが庶民の目安であるとすれば、例えばバブル期には『一億総中流』の意識であった庶民が、確実に『下流』に落ち込んでいるわけで、基準がどんどん下がっていることは間違いありません。
地方に波及する景気低迷の荒波は、長く続いたとされるいざなぎ景気など知らぬ間に襲いかかる津波のごとく大きくなりつつあります。「このまま年を越せるだろうか」との不安を抱えた『地方庶民』の不安は、庶民意識さえも忘れさせる勢いです。
でも、そんな中でしたたかに生き抜くのもまた『庶民の力』でありますから、お互い頑張ってまいりましょう。

そんな庶民の夢といえば政府のほどこし『給付金』などでは毛頭無く、
「三億とは言わないから、せめて7000本の百万円でも当たらないかなぁ」
そう、25日に発売になる『年末ジャンボ宝くじ』でありましょうか。
かく言う私もここ何十年も買っていなかった『宝くじ』を今年は買ってみようかなんて思っているわけです。

ところで、岩手の一関で起きた「宝くじ当せん女性殺害事件」は、その後どうなったのでしょう?当選金二億円はやっぱりあの犯人が使い果たしたのでありましょうか?
「くわばら、くわばら、三億当たったら、俺は誰にも言わずに質素な生活を続けていくんだ」
あはは、これは庶民であるかぎり不可能なことでしょうねぇ、「誰にも言わない」は別としても、大金を持ち合わせない庶民にとって「質素な生活を続ける」ことは逆に不可能なことなんでありまして、小室哲哉とまでは言いませんが、大金は奈落に落ちる原因にもなりかねないわけです。
「だから、百万でいいって言ってんじゃん!」

江戸でははやくから、井の頭池を水源とする神田上水と、多摩川水系の水を引く玉川上水とで、井戸水道は発達しておりましたが、水質に関しては現代のようなわけにはいきません。湧いてくるボウフラを食べさすために鮒を放流していたなんて話もあるくらい、そこで必要になるのが安全な飲み水であります。
かといって江戸時代に「コンビニでミネラルウォーター」てなわけにはいきませんから、多摩川の上流でいい水を汲みこんで、これを桶で売り歩くという『水屋』という商売があったそうです。
ところがこの商売、たいした稼ぎにもならない上に、飲料水といえば毎日のことですから休むことすら出来ない、それはきつい商売だったそうで
「独り者で患いでもした日にゃどうしようもねぇ、かといって嫁を取るには金もねぇ・・・・あ~~あ、金せぇありゃぁなぁ、楽もできるだろうに」
本所に住むとある水屋がそんなことを思いながら、一攫千金の夢を込めて湯島天神の『千両冨』(現代のスーパージャンボ宝くじですな)を買いました。

「夢じゃあるめいか、千両冨、大富が当たっちまたぁ!!!」

さて、大金を手にした水屋
「これで苦労も無くなるってもんだい・・・・・・でも待てよ、俺が水屋を急に止めちまっちゃあ、お得意さんは飯も炊けなけりゃ、茶さえ飲めやしねぇ、代わりを見つけるまでは止めるわけにもいかねぇなぁ・・・・かといって大金を持ったまま商売もできやしねぇし・・・・」
長屋住まいの水屋、大金を隠すといってもそうそう場所があるわけもありません。仕方がないので畳をあげて根太板を剥がし、床下の丸太に五寸釘を打って、風呂敷に包んだ金をぶら下げました。
「これで一安心、よし商売に出掛けるか」
ところが、その商売中も金が気になって仕方がありません。早々に得意先に水を治めると急いで帰ってきます。
おもてから釣瓶棒で真っ暗な縁の下を探るとコツンと堅いものに当たる「あ~良かった」てなもんですな、さらに、心配は商売中ばかりじゃありません。夜中寝ていると
「てめぇ、富くじに当たりやがったろ!四の五の言わずに金を出せ!」
強盗に入られる夢ばかり見続けます。
すっかり寝不足の水屋は、毎朝、ぼんやりした顔で縁の下を突いては商売に出ていくんですから、「どっかおかしい」と思われるのは当然で、向かいに住む独り者が「あいつぁなにか隠してやがるな」てんで、根太板を剥がしまんまと大金を見つけそのまま盗んでドロン。

商売から帰った水屋は、いつものように釣瓶棒で縁の下を探りますが、コツンともソツンとも金にあたる感じがない、慌てて部屋にはいると根太板は剥がされ、金は綺麗サッパリ無くなっています。
「ああ、これで苦労が無くなった」

いやいや、長くなってしまいました。落語『水屋の冨』でありますが、まさにこれぞ庶民なのでありますねぇ、
「やっぱ、宝くじ買うの止めようかな」(笑)
庶民に大金は不釣り合い、せいぜい1万2千円で踊れってですか?
あ~あ、なんだか寂しいけど「有っても苦労、無くても苦労」自分に似合った金を無駄遣いせずに質素に暮らしなさい、ということなんでしょうね。
「そのとおり!あんたの酒代が一番の無駄だから!」
「・・・・・・・」

さて、今日の一枚は、バリー・ハリスです。
じつはこのアルバム、最近手に入れたCDでありまして、正直、過去にそれほど印象に残った一枚では無かったのだと思います。

ハリスのピアノは、派手でテクニックがあってというピアノではありませんし、ある意味「サブで活きる」的印象の強いピアノです。「そのハリスのソロってどうなの?」みたいな感覚があったのでしょう。

やはり聴いてみても、その印象は大きく変わることはありませんでした、ありませんでしたが、ヘンにハリスの暖かみは伝わってくる一枚であるようにも思えました。
彼のアルバムなら「AT THE JAZZ WORKSHOP」「PREMINADO」を聴くべきだとの思いは否定できませんし、胸を張って勧めする一枚でも無いかもしれません。
ただ、読書の友、茶飲みのBGM・・・・・・
やっぱ、ハリスは「ソロでもサブで活きる」ですかね。

LISTEN TO BARRY HARRIS.....
1961年7月4日録音
BARRY HARRIS(p)

1.THE LONDONDERRY AIR
2.MUTATTRA
3.LOUISE
4.BODY AND SOUL
5.ASCENSION
6.ANACHRONISM
7.I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS
8.TEENIE
9.SPHERE
10.DANCING IN THE DARK


4連休には(言い)訳がある

2008年11月14日 | s-u

いやいや、なんだかずいぶん久しぶりにブログを書いているような・・・・
ブログ開始以来、初の4連休を取らせていただいたのは、忙しい日々が続いたせいではありますが、一昨日は呑みに、昨日はなんと仕事を休んで(もちろん用事があってのことですけど)いたわけですから、連休の言い訳にはなりません。(笑)

特に昨日は、いかに用事があるとはいえパソコンに向かう時間が無かったわけではありません。では何をしていたのか?
いえね、じつは昨日、遊び道具が一つと本が一冊、同時に我が家に届いたのであります。紹介しましょう。

まずは、遊び道具から、『光テレビチューナー』です。
そうじゃなくても最近テレビをあまり見ない私が、いまさら多チャンネルのチューナーを手にすることなど考えてもいなかったのですが、取引先の方に2ヶ月間だけ無料視聴をして欲しいと頼まれたのでして
「ほんとに無料期間が切れる前に返却していいんでしょうねぇ」
それでもかまわないことをNTTにも確認の上「まっ、これもお付き合いお付き合い」と申し込んだのです。(以前にも言ったとおり、NTTの光を全く信用していない私ですから、返却は目に見えているんですけどね)

てなわけで、届いたチューナーをセッティング、どうせタダなら見ない手はないとあれこれいじりながら遊んでいました。
多チャンネルTVの内容はほぼスカパーと同じ、違うのはビデオサービスが使え、これも無料期間中の対象になっていること。こちらは、映画好きな私にはまぁまぁ使い勝手があるサービスなので、(有料のビデオも多くありますが)無料のうちにいろいろ見ておこうかと考えています。

昨日見たのは「シャレード」そうオードリー・ヘプバーンのあれです。
えっ?何でもっと新しいものを見ないのかって?
「だって、新しいものはやっぱりDVDのほうが映像も良いし、有料のものも多いんだもん。」(笑)

ともかく「シャレード」を久しぶりに見ましたが、なんとも「小粋なサスペンス」って言うんですか、お洒落な感じが良いですよねぇ
ジバンシーをさり気なく着こなす、何処かのただただブランドに群がるだれかさんとは大違いのいい女、オードリーがいい男のケリー・グラントと絡むからこそ、あれだけお洒落な雰囲気が漂うんでしょうが、ジェームズ・コバーン、ウォルター・マッソー、ジョージ・ケネディと脇を固める役者の顔ぶれにもあらためて驚いてしまいます。
普通に家で珈琲を飲みながら楽しむには「シャレード」くらいの、重くもなくサラッとしていてお洒落な映画というのはピッタリかもしれませんよね。
そんでもってまた、ヘンリー・マンシーニの音楽が良いんだなぁ・・・
楽しめました。

コルトレーン教信者(笑)の私が今一番欲しいジャズ本は、以前紹介したTHE JOHN COLTRANE Referenceなのでありますが、なにしろ高くて、しかも英文じゃねぇ・・・・購入は未だに躊躇しています。
そんな中、ベン・ラトリフ著、川嶋文丸訳「ジョン・コルトレーン 私は聖者になりたい」が発刊になり、とりあえずこちらは押さえておこうと思いましてね。昨日届いた本がそれです。

ベン・ラトリフなる人物は、あの偽物騒ぎでちょっと話題のニューヨーク・タイムスへ寄稿をするジャズ評論家なのだそうですが、私はよく存じ上げません。
マイケル・ブレッカーが亡くなった際には、こちらのような記事を寄稿されていますので、英語が堪能な方はお読みになってみて下さい。(私は最初からあきらめてます。笑)

「コルトレーン音楽の変遷」と「コルトレーンが与えた影響」という二部からなる同書は、ジャズ訳本にありがちな「ちと、難解?」的な表現は多いものの、私的には充分楽しめる内容の本だったように思います。
詳細はご自分の目で確かめられた方が良いと思いますのでここでは触れぬ事として、気になったのはフランク・ティベリが録音したというCD86枚分にも及ぶ1960年代初期のコルトレーンの演奏。この存在は聞いたことはあったのですが、2000年にヴァーヴがCD化しようとしたという事実をこの本で始めて知りました。
結局、音質的に問題があるということでお蔵入りになったそうですけど、16分にも及ぶ「BUT NOT FOR ME」や、こちらも15分という長い「GIANT STEPS」のライブ・バージョンなんて、多少音質が悪くとも聴いてみたいものだと思いません?
「ヴァーヴ、いいから出せよ!」
みたいな(笑)

ともかく昨日は、この二つのアイテムでブログを書いている暇など無かったという・・・
おっと、けしてこのままブログを閉鎖するつもりは全くありませんので
「4連休に心配をしていただいた皆さん、ご安心あれ」
「誰も心配してないし、期待もしてないから」
「・・・・・」

さて、今日の一枚は、流れから言えばコルトレーン、もしくはヘンリー・マンシーニに関係する、といきたいところですが、スタンリー・タレンタインの初リーダー盤です。(笑)

若干、タレンタイン独特なテナーを強調しすぎている感があるものの、悪くないアルバムだと思います。(まぁ偉そうに)
私としては豪快に吹きまくる「LET'S GROOVE」「SHERI」といったオリジナル曲も好きですよ、好きですけどしっとり聴かせる「TIME AFTER TIME」が良いかなぁ。

トミー・フラナガンとソニー・クラークの聴き比べという楽しみは、私としては期待以上とは思っていません。特にクラークに関しては、彼らしくないピアノにきこえてならないのですが、私の思い込みでしょうか?

ともかく、そうそうたるメンバーを引き連れての初リーダー盤、タレンタイン好きなら必聴の一枚には違いないと思います。

THE MAN / STANLEY TURRENTINE
1960年録音
STANLEY TURRENTINE(ts) SONNY CLARK[2,4,5,7](p) TOMMY FLANAGAN[1,3,6](p) GEORGE DUVIVIER(b) MAX ROACH(ds)

1.LET'S GROOVE
2.SHERI
3.STOLEN SWEETS
4.MILD IS THE MOOD
5.MINOR MOOD
6.TIME AFTER TIME
7.MY GIRL IS JUST ENOUGH WOMAN FOR ME


愛情印のハンドクリーム

2008年11月09日 | v-x

立冬を過ぎたらなんだか俄然寒くなってまいりまして、季節の移りが早まってきました。紅葉に時雨れ、いつしかこれが落葉へと変わり、枯れ葉舞い散る季節がすぐそこに迫っているようです。
散歩を済ませて帰宅直後は火照っていた体が、あっという間に冷えてくる、これもそんな季節のせいなのでしょうか?
「いや、違うね。そりぁ、歳のせいだと思うよ。」

それが歳のせいかどうかは別としても、最近特に感じるのは、皮膚の艶と言いますか、脂っ気といいますか、めっきり無くなってきたように思えてしかたありません。
Mさんのお店でレジ袋を広げようとしても、悲しいかな何度も指に水をつけないとダメだったり、そうそう、レコードの中袋、あれにレコードを入れようとするときも「あれ?あれ~~~?」みたいな(笑)
それでいて、鼻の頭とか額あたりはテカテカに光っているという、まさに「おやじ」を自覚せざる得ない今日この頃であります。

クリームやらローションやらには手をつけたことがなかった私ですが、今年の冬は少しケアーが必要なのでありましょうか?
アルコールで艶を出すてぇのは、無理でしょうかねぇ?
どなたか良い対策を知っている方、ぜひともご教授願いたいものです。(笑)

そういえば、小さい頃、風呂あがりに母が手にクリームを塗ってくれたことをかすかに覚えています。あれはいくつくらいの記憶なんだろ?
考えてみれば、昔の子供は一度家を飛び出すと何処で何をしているやら分かったもんじゃありませんでしたし、寒さ暑さなど関係無しに自然と戯れておりましたから手が荒れて当然だったわけで、あれはまさに『母の愛』ってやつですか。

「かぁちゃん、そういや昔、手にハンドクリーム塗ってくれてたよね?」
「あ~、塗ってやるとイヤだって言って、じゃあ自分で塗れって言うと塗らないし、けっきょく、ろくすっぽ塗ってねぇんでねぇがぁ」
あはは、所詮小さい頃の記憶なんてぇものは、自分の都合良いものに美化されているものです。

私は、我が子にクリームを塗ってあげましたよ。『父の愛』ですよ『父の愛』(笑)
我が家の子供たちは、父の良い影響(笑)を受けて二人ともちょっとしたアレルギーを持っておりまして。
息子は花粉症は基より幼少期にはアトピーで、塗り薬は欠かせぬ子供でしたし、娘は息子ほどではなかったものの、「砂アレルギー」なる奇妙奇天烈なアレルギーを持っておりまして、砂場で遊ぶと手のひらが「ひどいアトピー」みたいな状態になったのです。(時には軽い喘息のようにもなったりして)
かといって小さい子供に「砂場では遊ぶな」というのも無理な話ですから、小学校低学年くらいまでは手に塗り薬をつけるのがあたりまえになっていました。
あのちっちゃな手・・・可愛かったんですよねぇ(思い出して泣いてます....笑)

「子供たちよ、君らに優しくクリーム(薬)を塗ってあげたのは、母だけじゃないよ。父だって優しく優しく塗ってあげていたんだからね。」
あれ?何の話でしたっけ?

ともかく、小さいときもそうですが、歳を取ってくると思わぬ肌のトラブルがあるものです。
「冬を前にして、だれか、私のガサガサの手に、愛情印のハンドクリームなんぞを塗ってくれる、優しい方はおりませんでしょうか?」
広くここに公募いたします。(笑)

冗談はさておき、これだけ気温が下がってくると暖かなつまみとお酒が一番、そこで『料理当番、本日の一品』です。

母の茶飲み友達から柚子と柿とキウイ(全て露地物)のおっそわけ、となれば、自家製柚子ポン酢を作って鍋物です。『ハリハリ雪鍋』という名前を勝手につけたお得意鍋です。

具はいたってシンプルで、鱈と豆腐それに白菜、ネギ、大根おろしと水菜です。
昆布と鰹節でダシを取り、酒、塩、醤油で軽く味を付けます。そこへ、下塩で生臭みを取ってから、本塩、胡椒をして、片栗をつけ揚げた鱈をぶっ込み、一煮立ちしたらアクを軽く取って、白菜、ネギ、豆腐をぶっ込みます。それぞれの具材に火が通ったところで、たっぷりの大根おろしを乗せ、そのまた上に水菜をこちらもドサッと乗せて蓋をして、煮立ったら出来上がり。柚子ポン酢でいただけば、サッパリしてるけどほっかほか。
先日の残り物、烏賊の塩辛にも刻んだ柚子の皮を入れて・・・・・
いやぁ、酒が進む進む、美味しくいただきました。(笑)

さて、今日の一枚は、マル・ウォルドロンです。

私が高校生の頃、マルはソロとして何度か来日をし、なんと我が田舎にまでもやって来たことがありました。
当時、我が田舎にやって来る本場のジャズメンなんて皆無に等しい時代でしたから、私も勇んで聴きに行きましたが・・・・・
ソロっていうのがいけません。
いかに田舎とはいえ、そこそこ大きなホールで、正直、それほどメリハリもない(当時はそう感じたのです)演奏をダラダラやられても眠いだけで、ちっとも面白くなかったんです。(笑)

「そんな話をしておいて、ソロアルバムとはなんたることか」
って事ですが、今日みたいにちょっと酔っぱらった時に、照明を暗めにした部屋で一人こうして聴く分にはこのアルバムも悪くないんであります。
つまり、私が生で聴いたマルのソロピアノは、ずばりシチュエーション・ミスであったということでしょうか?
だけど
「う~~ん、でも、ヨーロッパに移ってからのマルはどうかなぁ?」
的感覚は払拭できずにはいるのですけどね。(笑)

まっ、いいや、たまにはマルのソロも良いでしょう。
ちなみに私はB面二曲目、シッシ・フォレスティーのために作ったワルツ「THREE FOR CICCI」がけっこう好みです。

そうそう、一曲目「ALL ALONE」は、映画「マンハッタンの哀愁」のテーマ曲でしたよね。
「あれ?どんな映画だったっけ?」
たしか、マンハッタンの酒場で出会った、妻に逃げられた元人気俳優と離婚したばかりの元外交官夫人が恋に落ちて・・・・みたいな話でしたよねぇ?
絶望の中の孤独を背負った大人の男女が出会うと、必然的に恋に落ちるんでありましょうか?
哀しいかな私にはそんな出会いがないなぁ、酒場には行ってんだけど・・・・・
「あのね、あんたは絶望の中の孤独も背負ってないし、そもそも、こういう話は美男美女に起こり得る話で、基本的にあんたじゃ無理だから」
「・・・・・・」

ちょっと、ネットで調べてみたら
思い出しました。主演は「死刑台のエレベーター」のモーリス・ロネだったんですよね。DVD化もされているようですから、今度仕入れて見直してみようかと思っています。今後の参考のためにも(笑)

ALL ALONE / MAL WALDRON
1966年3月1日録音
MAL WALDRON(p)

1.ALL ALONE
2.DUE TORRI
3.A VIEW OF S. LUCA
4.BLUE SUMMER
5.IF YOU THINK I'M LICKED
6.THREE FOR CICCI
7.MOSQUE RAID
8.WALTZ OF OBLIVIOUS


偽ブルー

2008年11月08日 | g-i

 ♪ 不幸せという名の猫がいる
   いつも私のそばにぴったり寄添っている
   不幸せという名の猫がいる
   だから私はいつも独りぼっちじゃない ♪

昨夜は自宅で烏賊の塩辛なんぞで日本酒を飲んでおりますと、よしゃいいのに浅川マキなんぞ聴き始めまして、

 ♪ う~~んそうね、気ままに暮らしていこうかな・・・・・・
   一人の夜はやっぱり長いけど また一人よ ん~~~私・・・・・・ ♪

私、昨夜はほんとに一人だったんでして
なんだかとっても寂しくなって、タクシーを呼んでしまいました。(笑)

「ママ 来ちゃったぁ~~」
「どうしちゃったのぉ?バブちゃん」
「一人で飲んでると泣いちゃいそうだから、ボクちゃん来たの・・・」(笑)

そんな夜もありますわな ねぇ

 ♪ 寂しさには名前がない ん~~~誰が言ったの
     なんにもいらない これからは
   ドアを開けたら朝の光が また一人よ ん~~~私 ♪

またまた、オンス?
そんな時、本来ならカウンターの隅でロックグラスの氷を鳴らしながら、「あ~~~」ってため息ついて、
「ママ いくら飲んでも今夜は酔えそうもないや」
なんて、その方が絵になるんでしょうけど
そこは私ですから
突然襲ってくる原因の分からないブルーを楽しんでいる自分がいるんですね。飲み始めればため息も出ないし、不思議といつもより味がよいように感じます。
結局は、他のお客さんやママとくだらないことを話して酔っぱらって、家に帰る頃には寂しさなんてどっかに行っちゃうんですから、なんとはかないブルーでありましょうか。

「う~~~ん、それは『偽ブルー』だね、たんに飲みに行きたいってだけだよ」
「やっぱり」(笑)

さて、今日の一枚は、ジョー・ハリオットです。
ジャマイカ生まれのアルト奏者ハリオットが、イギリス・コロンビアからリリースしたEP盤2枚を、ジャズランドがLP化した一枚ですが、オリジナルEP盤はもちろん聴いたことがありません。(笑)

ブルーな私をファンキーさが救ってくれる、そんな一枚なのでありまして・・・・あれ?酒でブルーはまぎれたんじゃ???まぁまぁ(笑)
ともかく、1960年頃、イギリスではこんな感じのハード・バップが流行ってたんでありますよ、流行ってたんでしょう、流行っていたんだと思いますよ。

一聴の価値はある一枚だと私は思います。

それにしても、ジャケットの女性、チョットいい女だよなぁ
「今晩あたり、またボクちゃんブルーになっちゃうから、癒していただけやせんでしょうか?」
「こらぁ~~!!」

SOUTHERN HORIZONS / JOE HARRIOTT
1959年5月5日[1,2,3,5], 1960年4月8,21日[4,6,7,8,9]録音
JOE HARRIOTT(as) HANK SHAW[1,2,3,5], SHAKE KEANE[4,6,7,8,9](tp) Coleridge Goode(b) Bobby Orr(ds) Frank Holder[4,6,7,8,9](bongo)

1.STILL GOOFIN'
2.COUNT TWELVE
3.SENOR BLUES
4.SOUTHERN HORIZONS
5.JUMPIN' WITH JOE
6.LIGGIN'
7.CARAVAN
8.YOU GO TO MY HEAD
9.TUESDAY MORNING SWING


IZA冬へ!

2008年11月07日 | m-o

菊の香や月夜ながらに冬に入る <子規>

今日は立冬、朝方まで降っていた雨も午前には上がり、午後には青空が顔を出しました。今晩は冬型が強まり、冬場乾燥地帯へと変身するこのあたりでは、お月さんが顔を出して、まさに子規の句のごとく立冬を感じ取れそうなそんな夜になりました。

今日は久しぶりに昔のジャズ喫茶の話でもしようかと思います。
いやね、今日、とあるお店で昼食を食べたんですが、店を出て階段を下りてきた瞬間に、鎌倉のジャズ喫茶「IZA」から小町通り出たその時を、ふと思い出してしまったのです。

私が始めて鎌倉は小町通りにあった「IZA」へ行ったのは、大学2年のときだったと思います。(横浜の石川町にあったのは、支店?姉妹店?ともかく鎌倉が本店)
たしかあの日は、鎌倉のとある寺院でお茶会が開かれ、我が大学の文化部連合会に招待状が届いたか何かで、何故か私がその招待状を手に入れた・・・そんな感じだったと思いますが、普段は公開にならない場所でのお茶会だと聞き、いそいそと出掛けたのでありました。
そう、それがちょうどこの季節だったのであります。だから、今日なんとなく同じ空気の臭いがしたんじゃないかなぁ・・・なんてね。

もちろん、一人でお茶会という柄でもありませんでしたから、当時お付き合いをしていた鎌倉在住の彼女と鎌倉駅前で待ち合わせ、ところが駅前に彼女の姿はなく、30分過ぎてもいっこうに現れません。
「なんだようぉ、すっぽかしかよぉ、お茶会に間に合わないジャン」
と、招待状の時間を見たら・・・・・あはは、私が待ち合わせ時間を二時間も早く間違っていたのでありました。
現代なら携帯でちょちょっと連絡して、彼女に早く来てもらうてな手もあるのでしょうけど、その時代ですから、
「さて、どうしようか?」
そこで思い立ったのが「IZA」だったのであります。

当時「IZA」は鎌倉駅前から小町通りを入ってすぐの右手にありました(ちっちゃなビルの3階だったかな?)から、迷うこともなく、一時間ちょっとの時間を潰すことが出来ました。
それ以来、鎌倉で彼女と逢うときには、少し早めに出掛けて「IZA」で一服してから、というのが定番になりましたっけ。(彼女を連れて行くことは全くありませんでしたけど)

それから、7、8年たってでしょうか、彼女とも辛い別れがあり(笑)、すでに二人とも子持ちになってからです。
突然彼女と電話で話をする機会があって(どちらが電話をしたのかは覚えてませんし、それ以降一度も連絡は取り合っていませんが)近況を話すうちに、私はふと、鎌倉が恋しくなってしまいました。
かといって「家族を連れて鎌倉に遊びに行く」という雰囲気でもなく、内緒で鎌倉に出掛けたことがありました。その時も「IZA」には行ったんですよねぇ・・・(あれ?この話は二回目かな?)

ジャズ喫茶「IZA」でかかっていたのは、オーソドックスなジャズだったように覚えています。アンプ類はマッキントッシュ、スピーカーはたぶんアルテックだったかな?左右のスピーカーの真ん中?違うか?ともかく、スポットに照らされた仏像が、じつに印象的でした。
こぢんまりとしたほの暗い店内は、何時間いても飽きずにいられる、まっ、当時のジャズ喫茶ではそれが普通であったかもしれませんが、古都鎌倉にふさわしいジャズ喫茶であったように思います。

一人で行って、一人で過ごせる癒しの場、そんなジャズ喫茶が懐かしく、何度も何度も言いますが、田舎にもそのな所を
「誰か、復活してくれ~~~~!!」

さて、今日の一枚は、セロニアス・モンクなんですが・・・・・・

何日か前にいただいたcocoa teaさんからの「ジミー・ヒースの参加したビッグ・バンド」みたいなコメントをきっかけに「ビッグ・バンドを少し聴いてみようか」みたいな思いになりまして。
ところが、そもそも私はビッグ・バンドをほとんど聴かない人ですから、所有アルバムがじつに乏しいのです。

今日のこのアルバムにしても、ビッグ・バンドというよりは、スモール・ビッグ・バンド?(なんじゃそりゃ)的編成ですよね。まっ、そこは大人の対応で、これも一つのビッグ・バンドということでお許し下さい。
私としては、アレンジをホール・オーバートンに任せた点にちと不満を持つ一枚です。できれば、モンク自身のアレンジでこの面子を楽しんでみたかった感はあります。

とはいえ、モンクはけして孤高の一匹狼で無かったことを、大所帯での彼の演奏を聴くととても良く感じ取れるように思えます。
デューク・エリントンを敬愛したモンク、彼がビッグ・バンドを率いたとき、その思いはどう活かされたのか?
アレンジは他人任せでも、その一端はこのアルバムからも聴き取れると私は思っています。

それにしても、サム・ジョーンズとドナルド・バードとフィル・ウッズの音が、やけに響いてくるなぁ・・・・(笑)

THE THELONIOUS MONK ORCHESTRA AT TOWN HALL
1959年2月28日録音
THELONIOUS MONK(p) DONALD BYRD(tp) EDDIE BERT(tb) ROBERT NORTHERN(french horn) PHIL WOODS(as) CHARLIE ROUSE(ts) PEPPER ADAMS(bs) SAM JONES(b) ART TAYLOR(ds)

1.THELONIOUS
2.FRIDAY THE 13TH
3.MONK'S MOOD
4.LITTLE ROOTIE TOOTIE
5.OFF MINOR
6.CREPUSCULE WITH NELLIE


そら恐ろしいような

2008年11月05日 | a-c

世の中、小室哲哉とバラック・オバマの話題でもちきりです。
母などは「もういい」なんて言ってますが、資産100億からの転落、世界に大きな影響を与えるアメリカ大統領選、どちらも興味を誘うものには違いありませんから、母がいかに嘆いてもしかたがないでしょう。
「まぁまぁ、日本シリーズでも楽しんでてちょうだいよ、今日もジャイアンツが勝つといいね」
それにしても「100億を使い果たす」ってどんな感じなんでしょ?味わってみたいような、絶対に味わいたくないような・・・・・どちらにしても私には宝くじに当たる以上にあり得ない話ですので、どうでもいいんですけどね(笑)

そんな世の中の喧噪をよそに、今日の新聞で私が最も気になったのは「死後16年間凍結保存されていたマウスの細胞からクローンマウス誕生」とのニュースでした。

1962年に初クローンガエルが生まれて、1996年のドリー(哺乳類としては初のクローン羊)、その後はトントントンとクローン技術が発展してきたのは知ってましたけど、死んだ細胞からクローンが生まれるという「そら恐ろしい」ところまで、研究が進んでいたのですねぇ。
これで「マンモスはじめ絶滅動物の復活が可能になるかも」という、まさに映画『ジェラシック・パーク』を彷彿とさせるお話が現実味をおびてきたわけでしょ・・・・・・
ほんとにそれで良いんでしょうか?

今回実験に成功した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の若山照彦チームリーダーは
「多くの壁はあるが、今回の新しいクローン技術は絶滅動物復活の可能性を高める。それは進化学、生物学への大きな貢献になる」
なんておっしゃっています。
たしかに「絶滅した動物たちの生きた姿を見てみたい」との興味はありますけど、自然の摂理をこれ以上崩すことは新たな驚異を生み出す原因ともなりかねないし、かならず現れるであろう「新技術を悪用しよう」的な不貞な輩がどんな間違いを犯すか、私などは心配をしてしまうのですよ。

「旭山動物園の今度の目玉展示は、雪原をかっ歩するマンモスを間近で見られるマンモス館!」
てなうちは良いとして
「社長!しゃ・ちょ・う、今夜はクローン・マリリンがお相手しますから、ちょっと遊んでいって下さいよ」
とか、
「バブ、今度、クローン・モンクとクローン・コルトレーンでファイブスポットでの演奏再現をやるんだってよ。日本にも興業に来るらしいけど聴きに行く?」
なんて(これは、ちょっと嬉しいかも・・・・・・)
いやいや、少子化の折、優秀人材のクローンでこれを解決しようなんて・・・
あるいは母胎も機械化されて、生殖そのものが不必要になったり・・・

「あ~~~ん、それはいやダァ~~~」
「おまえは、アホか!」

私の妄想はともかく、一度手にしたもの(何度も引用しますが)例えば、風呂無しのアパートから風呂付きのアパートに移ったらもう風呂無しには戻れないみたいな、小室哲哉が財産を無くしたのもこの発展系みたいなものでしょうし、一度手に入れた新技術もしたり、確立してしまえば必ず手放せなくなります。これが悲劇を生むことは間々あるではないですか。
過去を見ても、技術の進歩には必ず『表』と『裏』が存在するわけで、安易な進歩が取り返しのつかない間違いにならぬよう慎重に研究を行って欲しいと思ったバブ君でありましたとさ。

さて、今日の一枚は、ジャズ・メッセンジャーズです。
多くの卒業生(笑)を排出してきたメッセンジャーズ、どのメンバー構成が好きかと訊かれれば、人それぞれでありましょう。つまり、それぞれにそれぞれの特徴と魅力を秘めているということ、それは、各時代においてアート・ブレーキーがいかに有能な人材をメンバーに迎え入れ続けたかの証でもあります。

が、メッセンジャーズの音楽的魅力は、その都度の音楽監督の手腕によるものが大で、それは初期のホレス・シルバーであり、彼がコンボを去ってベニー・ゴルゾンを迎えるまでの低迷期を見ても、音楽監督がいかにこのコンボを支えていたかが、よく分かります。

そんな音楽監督をゴルゾンの後に任されたのがウェイン・ショーターでした。
モードを取り入れたその手法は、確実にメッセンジャーズの色を変化させましたが、そこに柔軟なのもメッセンジャーズの良さで、これは、リーダー、ブレーキーが優柔不断だから?いえいえ、それこそがメッセンジャーズを長期に維持してきたブレーキーの懐の深さ、魅力なのだと思います。

今日の一枚は、ウェイン・ショーターがまさに中心的存在であることを実感できるライブ盤です。

同メンバーで二度目の来日をはたしたのは、この録音年の前年末から正月にかけて、12月31日にはファン10名を含む関係者とともに、新宿のキャロットで忘年会、メンバーはツイスト(時代ダァ)まで踊ったっていいますから、ノリノリだったのでしょう。銀ブラを楽しんだのは1月3日、「ON THE GINZA」なんて、ショーターも銀ブラがそんなに楽しかったんでしょうか?
まっ、そんな裏話も思いつつ、お聴きになってみて下さい。

UGETSU / JAZZ MESSENGERS
1963年6月16日録音
ART BLAKEY(ds) FREDDIE HUBBARD(tp) CEDAR WALTON(p) CURTIS FULLER(tb) WAYNE SHORTER(ts) REGGIE WORKMAN(b)

1.ONE BY ONE
2.UGETSU
3.TIME OFF
4.PING-PING
5.I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS
6.ON THE GINZA


はい~~~?

2008年11月03日 | y-その他

太陽さんの力は凄い、曇り空の今日は我が趣味部屋がひんやりとしています。

二日連続のDVD話になってしまいますが、昨日『奇跡のシンフォニー』といっしょにレンタルしてきたのが『相棒』、そう水谷豊と寺脇康文主演の劇場版です。
家人はお出かけ、一人イソイソと珈琲をたて、それを飲みながらゆっくりと鑑賞することが出来ました。
私はこの『相棒』のテレビシリーズがあんがい好きで、逃さず観るというほどではないものの、けっこうな本数を観ています。

まずは、観ての感想を
まっ、劇場版だからさらに面白いかと訊かれれば、「さら」という言葉が適当だとは思いません。
そもそも、テレビシリーズがそこそこ面白いわけで「その域を大幅に超越した面白さ」なんてぇものを期待しちゃいけないわけです。たしかに多数の大物共演者、テレビでは不可能であろうスケールの大きさ、しかし、これは劇場版なら当然とも言えることですし、だから面白いとも限りません。

おっと、けなしているように聞こえます?
いえいえ、私は充分に楽しめましたよ。私が観たことのあるテレビシリーズでも、時々の社会背景を取り入れた話が多かったように思いますし(「正しい」「間違っている」は別としても)、ここでもその意図は充分に感じられます。それが物語に厚みを加え、考えさせてくれる面白味につながっていると私は思います。
だからこそ「テレビシリーズの延長上にある一事件」感を払拭できないし、それが、この手の映画のマイナス面だったりプラス面だったりすると、そういうことなんだと思います。

なんだか、わけの分からない感想になってしまいました。水谷豊紛する右京警部であれば「はい~~~?」と言われそうです。

私にとって水谷豊といえば、「アニキー~~」そう『傷だらけの天使』でありますねぇ、言っちゃなんですが、とんねるずがものまねする前から私はものまねをしてたんですから(笑)、そんくらい好きなドラマでした。牛乳瓶の蓋を口で開けようとしてこぼしちゃうなんてこともありましたねぇ・・・・・何もアキラが風邪で死ぬこたぁねぇだろう、なんてね。
あの頃はまだ下宿をする前で、テレビを見ていられたんです。水谷豊っていうと『熱中時代』って言う人もいますが、その頃私はすでにテレビ無し生活に突入しておりましたのでほとんど記憶がありません。せいぜい「カリフォルニア・コネクション」を歌として覚えているくらいでしょうか。
そういえば
「ランちゃんが、ランちゃんがぁ・・・・・」
と言って、水谷豊と伊藤欄の結婚に涙していた、静岡出身のキャンディーズ大好き人間SS君は、今ごろどうしているでしょうか(笑)

あはは、またしても話がとんでもない方向に行ってしまいました。まだまだ疲れが取れていないのでしょう。
いやいや、今晩もお手伝いが待っています、疲れたなんて言ってられませんね。
「よう~~し、可愛いお客さんが来るかもしんないし、がんばるどぉ!!」
「はい~~~?」
「・・・・だ・か・ら、可愛いちっちゃな子供が来るといいなぁって、ね」

さて、今日の一枚は、モンゴメリー三兄弟です。

今晩もおそらく、夜中に疲れた顔をして帰ってくる私、風呂にドップリ浸かって、キリンラガー500mlをゴックンゴックン一気に飲んで、趣味部屋の椅子にコテッと座るでしょ、ショットグラスにトクトクトクってハーパーを注いで・・・・

ほら、このアルバムなんて、そんな時にピッタリな一枚だと思いません?
THE MONTGOMERY BROTHERS のアルバムとしては、最もお気に入りの一枚です。
お約束しましょう、今晩はこのアルバムでハーパー5杯、いかせていただきます。(笑)

GROOVE YARD / THE MONTGOMERY BROTHERS
1961年1月3日録音
WES MONTGOMERY(g) BUDDY MONTGOMERY(p) MONK MONTGOMERY(b) BOBBY THOMAS (ds)

1.BOCK TO BOCK (BACK TO BACK)
2.GROOVE YARD
3.IF I SHOULD LOSE YOU
4.DELIRIUM
5.JUST FOR NOW
6.DOUJIE
7.HEART STRINGS
8.REMEMBER


私、疲れてます。

2008年11月02日 | g-i

少々お疲れモードで、好天気にもかかわらず何処へも出掛ける気が起きません。今晩も手伝いが待っていますし、ひとまずは体を休めることにしました。
とはいっても、一日中寝ていたんではなおさら怠さだけが残ってしまいますから、散歩を兼ねてレンタル屋さんまで、借りてきたのはブログ仲間けいさんお勧めの『奇跡のシンフォニー』であります。

なるほど、若干現代版おとぎ話的ところはあるものの、見終わって心安らぐ一本で、疲れた体にはうってつけの映画であったかもしれません。
主役のフレディ・ハイモア君、ジョニー・デップと共演した『チャーリーとチョコレート工場』ではなくて、その前、『ネバーランド』が、私には最近(「私にとっては」ということですよ。笑)の映画の中でじつに印象的な作品だったので、それから注目はしていたのですけど、良い感じですよねぇ。ただし、このまま名子役を続けていったら、将来的にマコーレー・カルキンのような挫折を味わってしまうんじゃないかなんてついつい思ってしまったりして、あはは、まさに老婆心でしょうね。

ともかく、音楽が主人公たちをこれほどまでのハッピーエンドまで導いてくれることは、現実にはあり得ないとは思いますが、「音楽には計り知れない力がある」とは、私も思うところですし、そう信じたいものです。

観ていない方には何の事やらサッパリですか?
でもまだDVD化されて間もないでしょうから、ストーリーその他は伏せておきましょう。

 ♪ 歩き疲れては 夜空と陸との 隙間にもぐり込んで
   草に埋もれては寝たのです 所かまわず寝たのです
   歩き疲れては 草に埋もれて寝たのです
   歩き疲れ寝たのですが 寝れないのです

           <二番略>

   そんなぼくの 生活の柄が 夏向きなのでしょうか
   寝たかと思うと 寝たかと思うと また冷気にからかわれて
   秋は 秋からは浮浪者のままでは眠れない
   秋は 秋からは浮浪者のままでは眠れない ♪

あはは、映画を見終わると感化されやすいのが私でして、かといってシンフォニーを奏でられるわけもなく、たんにギターを弾くハイモア君を見たことで、ギターを引っ張り出してくるという、単純さです。
しかも、体の疲れ、生活の疲れ(笑)から、ついつい口に出たのが高田渡の『生活の柄』だったわけで・・・・ほんと、近頃は眠れないんですよねぇ・・・・・
そういえば、NHKの高田渡を取り上げた特集かなんかで、しっかり「浮浪者」って言葉そのままに歌っている姿が放映されておりましたが、今はOKなのでしょうかねぇ?

この『生活の柄』は沖縄出身の詩人、山之口貘の作詞だったですよね。
書籍問屋の発送荷造人、暖房工事人、お灸関係に汲取屋、隅田川のダルマ船に乗っていたかと思えばニキビソバカスの薬の通信販売、貧乏のどん底で詩を書きつづけた山之口貘、あたたかい郷愁ある作品は、独特のものであります。

土の上には床がある
床の上には畳がある
畳の上にあるのが座蒲団でその上にあるのが楽といふ
楽の上にはなんにもないのであらうか
どうぞおしきなさいとすすめられて
楽に坐つたさびしさよ
土の世界をはるかにみおろしてゐるやうに
住み馴れぬ世界がさびしいよ

「座蒲団」という詩をソラで口に出来る私が怖い(笑)、他にも「数学」なんて詩も印象的でしたねぇ。

出身地の沖縄を思わせるこんな詩もありました。

「がじまるの木」
ぼくの生まれは琉球なのだが
そこには亜熱帯や熱帯の
いろんな植物が住んでいるのだ
がじまるの木もそのひとつで
年をとるほどながながと
気根を垂れている木なのだ
暴風なんぞにはつよい木なのだが
気だてのやさしさはまた格別で
木のぼりあそびにくるこどもらの
するがままに
身をまかせたりして
孫の守りでもしているような
隠居みたいな風情の木だ

そうそう、高田渡はじめ、佐渡山豊、大工哲弘、石垣勝治、嘉手苅林次なんかが参加した「「貘」詩人・山之口貘をうたう」なんてアルバムは、なかなか面白いものでした。

『奇跡のシンフォニー』高田渡になって、高田渡山之口貘になるとは・・・・・やっぱり私、そうとう疲れてます。(笑)

さて、今日の一枚は、そんな疲れているときに、じっくり聴いてみるにはいいかなぁなんて、ジミー・ヒースを選んでみました。
ジミーを取り上げるたびに言うことですが、ジミーはバリバリのテナー奏者という感じではありません。でも、落ち着きさがあって、疲れには心地よいテナーであると思うのです。
コルトレーンも影響を受けたというジミーを、あらためて聴き直しても良いかもしれませんよ。そして、そんな人には、このアルバムなんかが良いんじゃないかなぁなんてね。

ちなみに「FOR MINORS ONLY」は、チェット・ベイカーかアート・ファーマーの曲なんて思っている人がいたら、ジミーのオリジナルですから。

PICTURE OF HEATH / JIMMY HEATH
1975年9月22日録音
JIMMY HEATH(ts) BARRY HARRIS(p) SAM JONES(b) BILLY HIGGINS(ds)

1.FOR MINORS ONLY
2. BODY AND SOUL
3.PICTURE OF HEATH
4.BRUH' SLIM
5.ALL MEMBERS
6.C.T.A.


我が家の元帥

2008年11月01日 | d-f

ここ二週間ばかりありがたいことに忙しく毎日を過ごしています。というのも週に3回ほどのお手伝いであったはずのMさんのお店が、人手不足も合間って5回以上の週が続き、今日からもまた5日連続のヘルプという「どっちが本職じゃい」状態、まっ無償ボランティアでもないので、小遣い稼ぎだと思って頑張ってはおりますが、なにせ若くはありませんから、疲れから体調を崩すなどということが無いよう気を付けたいと思っています。

更新がいくぶん怠慢になっている言い訳はこのくらいにして、本題です。(笑)
みなさんのお宅では暖房器具をもう出されました?
ここ数日間は朝晩もめっきり気温が下がり、我が家では毎朝
「朝起きると、寒くて・・・・だれかさんみたいに布団に入ったまま新聞読める人はいいけどね」
てな愚痴を聞かされておりました。

「○○、○○~~~~」
一週間の内、最もゆっくり出来る土曜の午前中、しかも、朝7時、
「物置の鍵開けといたし掃除機も出しといたから、ストーブ出しといて!」
「はぁ????!!!!!」
何度も言いますが、朝の7時ですよ、し・ち・じ
こっちっとら、一杯ひっかけて眠りについたのは午前2時過ぎ、しかも、午後からはMさんのお店のヘルプですよ。そんなヤツをたたき起こして暖房器具を出せとは、地獄の仕置き、閻魔大王の再来としか思えません。

それでも魔王に逆らえるわけもなく、ファンヒーター2台、ストーブ2台の計4台の暖房器具を物置から引っ張り出し、フィルター掃除から拭き掃除まで・・・・・
「報告いたします!無事、設置完了いたしました!」
「よろしい!で、燃焼状況に異常はないか!?」
「・・・・・・・・・・!?」

「な~に~まさか出しただけで、灯油も入れてないのではあるまいなぁ~~~~、暖かくなってからでは大変だと思い、朝早くに命令した親心がきさまにはわからんのかぁ~~~~!!」
「はっ!ハハ~~~申し訳ございません。直ちに燃料補給、ならびに燃焼試験を行わせていただきま~~す。」
私ゃ、旧日本軍の二等兵かいって話ですよ。
「なに言ってんの?こんなに優しくしてもらってるのに、元帥以上の扱いでしょ」
我が家では、元帥が二等兵以下の階級であることを知ったバブ君でありました。

ともかく、暖房器具は大きな故障もなく、今年もなんとか活躍しそうです。
一つ嬉しいのは、故障はなくとも近く1台買い換えを行う予定で、これは我が趣味部屋で使用していた最も古いストーブがところてん式にお払い箱になるということ、
「こっちのストーブ、二階に持ってっちゃって、いいの??????????」
もちろん、新品は趣味部屋には望めませんが、点火にマッチを使わなくて済むストーブがやって来ます。


旧趣味部屋ストーブをご覧になりたい方は
こちらをどうぞ(笑)

「灯油高いんだから、考えて使ってね!」
もちろん、使用に際しては「我が家の元帥」の立場を忘れてはいけませんがね。(とほほ)

さて、今日の一枚は、ジョン・ファディスの初単独リーダー・アルバムです。
22歳とは思えない落ち着きが感じられるファディアス、まっ、それがなければこれだけのベテランをバックにレコーディングは出来なかったのでしょうけどね。

アップテンポの「BE BOP」、それに「SAMBA DE ORPHUS」も良いけど、私はB面一曲目「ROUND MIDNIGHT」がなかなかの名演だと思っています。
「BE BOP」あたりは、どうしてもディジー・ガレスピーが重なったりするイメージがあるんですよね。でも、らしさも随所に出ているから許せるのでありますが。(私に許されてもなんてこたぁありませんけど...笑)

さほど目立ちませんけど、ケニー・バロンの存在は大きいアルバムではないでしょうか。主役を立てつつも存在感を出す、こういうのって「スゲー!」と思っちゃったりもするんですよねぇ。そして、またまた出ましたよ、サド・メルつながりでしょうが、私のジョージ・ムラーツちゃん(笑)。バック良ければ主役は踊る、まさにそんな一枚でもあると思います。

てなわけで、私はついついB面を中心に聴いてしまう一枚です。

YOUNGBLOOD / JON FADDIS
1976年1月8,9日録音
JON FADDIS(tp) KENNY BARON(p) GEORGE MRAZ(b) MICKEY ROKER(ds)

1.HERE TIS
2.GERSHWIN PRELUDE #2
3.ROUND MIDNIGHT
4.BE BOP
5.SAMBA DE ORPHEUS