JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

そら恐ろしいような

2008年11月05日 | a-c

世の中、小室哲哉とバラック・オバマの話題でもちきりです。
母などは「もういい」なんて言ってますが、資産100億からの転落、世界に大きな影響を与えるアメリカ大統領選、どちらも興味を誘うものには違いありませんから、母がいかに嘆いてもしかたがないでしょう。
「まぁまぁ、日本シリーズでも楽しんでてちょうだいよ、今日もジャイアンツが勝つといいね」
それにしても「100億を使い果たす」ってどんな感じなんでしょ?味わってみたいような、絶対に味わいたくないような・・・・・どちらにしても私には宝くじに当たる以上にあり得ない話ですので、どうでもいいんですけどね(笑)

そんな世の中の喧噪をよそに、今日の新聞で私が最も気になったのは「死後16年間凍結保存されていたマウスの細胞からクローンマウス誕生」とのニュースでした。

1962年に初クローンガエルが生まれて、1996年のドリー(哺乳類としては初のクローン羊)、その後はトントントンとクローン技術が発展してきたのは知ってましたけど、死んだ細胞からクローンが生まれるという「そら恐ろしい」ところまで、研究が進んでいたのですねぇ。
これで「マンモスはじめ絶滅動物の復活が可能になるかも」という、まさに映画『ジェラシック・パーク』を彷彿とさせるお話が現実味をおびてきたわけでしょ・・・・・・
ほんとにそれで良いんでしょうか?

今回実験に成功した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の若山照彦チームリーダーは
「多くの壁はあるが、今回の新しいクローン技術は絶滅動物復活の可能性を高める。それは進化学、生物学への大きな貢献になる」
なんておっしゃっています。
たしかに「絶滅した動物たちの生きた姿を見てみたい」との興味はありますけど、自然の摂理をこれ以上崩すことは新たな驚異を生み出す原因ともなりかねないし、かならず現れるであろう「新技術を悪用しよう」的な不貞な輩がどんな間違いを犯すか、私などは心配をしてしまうのですよ。

「旭山動物園の今度の目玉展示は、雪原をかっ歩するマンモスを間近で見られるマンモス館!」
てなうちは良いとして
「社長!しゃ・ちょ・う、今夜はクローン・マリリンがお相手しますから、ちょっと遊んでいって下さいよ」
とか、
「バブ、今度、クローン・モンクとクローン・コルトレーンでファイブスポットでの演奏再現をやるんだってよ。日本にも興業に来るらしいけど聴きに行く?」
なんて(これは、ちょっと嬉しいかも・・・・・・)
いやいや、少子化の折、優秀人材のクローンでこれを解決しようなんて・・・
あるいは母胎も機械化されて、生殖そのものが不必要になったり・・・

「あ~~~ん、それはいやダァ~~~」
「おまえは、アホか!」

私の妄想はともかく、一度手にしたもの(何度も引用しますが)例えば、風呂無しのアパートから風呂付きのアパートに移ったらもう風呂無しには戻れないみたいな、小室哲哉が財産を無くしたのもこの発展系みたいなものでしょうし、一度手に入れた新技術もしたり、確立してしまえば必ず手放せなくなります。これが悲劇を生むことは間々あるではないですか。
過去を見ても、技術の進歩には必ず『表』と『裏』が存在するわけで、安易な進歩が取り返しのつかない間違いにならぬよう慎重に研究を行って欲しいと思ったバブ君でありましたとさ。

さて、今日の一枚は、ジャズ・メッセンジャーズです。
多くの卒業生(笑)を排出してきたメッセンジャーズ、どのメンバー構成が好きかと訊かれれば、人それぞれでありましょう。つまり、それぞれにそれぞれの特徴と魅力を秘めているということ、それは、各時代においてアート・ブレーキーがいかに有能な人材をメンバーに迎え入れ続けたかの証でもあります。

が、メッセンジャーズの音楽的魅力は、その都度の音楽監督の手腕によるものが大で、それは初期のホレス・シルバーであり、彼がコンボを去ってベニー・ゴルゾンを迎えるまでの低迷期を見ても、音楽監督がいかにこのコンボを支えていたかが、よく分かります。

そんな音楽監督をゴルゾンの後に任されたのがウェイン・ショーターでした。
モードを取り入れたその手法は、確実にメッセンジャーズの色を変化させましたが、そこに柔軟なのもメッセンジャーズの良さで、これは、リーダー、ブレーキーが優柔不断だから?いえいえ、それこそがメッセンジャーズを長期に維持してきたブレーキーの懐の深さ、魅力なのだと思います。

今日の一枚は、ウェイン・ショーターがまさに中心的存在であることを実感できるライブ盤です。

同メンバーで二度目の来日をはたしたのは、この録音年の前年末から正月にかけて、12月31日にはファン10名を含む関係者とともに、新宿のキャロットで忘年会、メンバーはツイスト(時代ダァ)まで踊ったっていいますから、ノリノリだったのでしょう。銀ブラを楽しんだのは1月3日、「ON THE GINZA」なんて、ショーターも銀ブラがそんなに楽しかったんでしょうか?
まっ、そんな裏話も思いつつ、お聴きになってみて下さい。

UGETSU / JAZZ MESSENGERS
1963年6月16日録音
ART BLAKEY(ds) FREDDIE HUBBARD(tp) CEDAR WALTON(p) CURTIS FULLER(tb) WAYNE SHORTER(ts) REGGIE WORKMAN(b)

1.ONE BY ONE
2.UGETSU
3.TIME OFF
4.PING-PING
5.I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS
6.ON THE GINZA