JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

私、疲れてます。

2008年11月02日 | g-i

少々お疲れモードで、好天気にもかかわらず何処へも出掛ける気が起きません。今晩も手伝いが待っていますし、ひとまずは体を休めることにしました。
とはいっても、一日中寝ていたんではなおさら怠さだけが残ってしまいますから、散歩を兼ねてレンタル屋さんまで、借りてきたのはブログ仲間けいさんお勧めの『奇跡のシンフォニー』であります。

なるほど、若干現代版おとぎ話的ところはあるものの、見終わって心安らぐ一本で、疲れた体にはうってつけの映画であったかもしれません。
主役のフレディ・ハイモア君、ジョニー・デップと共演した『チャーリーとチョコレート工場』ではなくて、その前、『ネバーランド』が、私には最近(「私にとっては」ということですよ。笑)の映画の中でじつに印象的な作品だったので、それから注目はしていたのですけど、良い感じですよねぇ。ただし、このまま名子役を続けていったら、将来的にマコーレー・カルキンのような挫折を味わってしまうんじゃないかなんてついつい思ってしまったりして、あはは、まさに老婆心でしょうね。

ともかく、音楽が主人公たちをこれほどまでのハッピーエンドまで導いてくれることは、現実にはあり得ないとは思いますが、「音楽には計り知れない力がある」とは、私も思うところですし、そう信じたいものです。

観ていない方には何の事やらサッパリですか?
でもまだDVD化されて間もないでしょうから、ストーリーその他は伏せておきましょう。

 ♪ 歩き疲れては 夜空と陸との 隙間にもぐり込んで
   草に埋もれては寝たのです 所かまわず寝たのです
   歩き疲れては 草に埋もれて寝たのです
   歩き疲れ寝たのですが 寝れないのです

           <二番略>

   そんなぼくの 生活の柄が 夏向きなのでしょうか
   寝たかと思うと 寝たかと思うと また冷気にからかわれて
   秋は 秋からは浮浪者のままでは眠れない
   秋は 秋からは浮浪者のままでは眠れない ♪

あはは、映画を見終わると感化されやすいのが私でして、かといってシンフォニーを奏でられるわけもなく、たんにギターを弾くハイモア君を見たことで、ギターを引っ張り出してくるという、単純さです。
しかも、体の疲れ、生活の疲れ(笑)から、ついつい口に出たのが高田渡の『生活の柄』だったわけで・・・・ほんと、近頃は眠れないんですよねぇ・・・・・
そういえば、NHKの高田渡を取り上げた特集かなんかで、しっかり「浮浪者」って言葉そのままに歌っている姿が放映されておりましたが、今はOKなのでしょうかねぇ?

この『生活の柄』は沖縄出身の詩人、山之口貘の作詞だったですよね。
書籍問屋の発送荷造人、暖房工事人、お灸関係に汲取屋、隅田川のダルマ船に乗っていたかと思えばニキビソバカスの薬の通信販売、貧乏のどん底で詩を書きつづけた山之口貘、あたたかい郷愁ある作品は、独特のものであります。

土の上には床がある
床の上には畳がある
畳の上にあるのが座蒲団でその上にあるのが楽といふ
楽の上にはなんにもないのであらうか
どうぞおしきなさいとすすめられて
楽に坐つたさびしさよ
土の世界をはるかにみおろしてゐるやうに
住み馴れぬ世界がさびしいよ

「座蒲団」という詩をソラで口に出来る私が怖い(笑)、他にも「数学」なんて詩も印象的でしたねぇ。

出身地の沖縄を思わせるこんな詩もありました。

「がじまるの木」
ぼくの生まれは琉球なのだが
そこには亜熱帯や熱帯の
いろんな植物が住んでいるのだ
がじまるの木もそのひとつで
年をとるほどながながと
気根を垂れている木なのだ
暴風なんぞにはつよい木なのだが
気だてのやさしさはまた格別で
木のぼりあそびにくるこどもらの
するがままに
身をまかせたりして
孫の守りでもしているような
隠居みたいな風情の木だ

そうそう、高田渡はじめ、佐渡山豊、大工哲弘、石垣勝治、嘉手苅林次なんかが参加した「「貘」詩人・山之口貘をうたう」なんてアルバムは、なかなか面白いものでした。

『奇跡のシンフォニー』高田渡になって、高田渡山之口貘になるとは・・・・・やっぱり私、そうとう疲れてます。(笑)

さて、今日の一枚は、そんな疲れているときに、じっくり聴いてみるにはいいかなぁなんて、ジミー・ヒースを選んでみました。
ジミーを取り上げるたびに言うことですが、ジミーはバリバリのテナー奏者という感じではありません。でも、落ち着きさがあって、疲れには心地よいテナーであると思うのです。
コルトレーンも影響を受けたというジミーを、あらためて聴き直しても良いかもしれませんよ。そして、そんな人には、このアルバムなんかが良いんじゃないかなぁなんてね。

ちなみに「FOR MINORS ONLY」は、チェット・ベイカーかアート・ファーマーの曲なんて思っている人がいたら、ジミーのオリジナルですから。

PICTURE OF HEATH / JIMMY HEATH
1975年9月22日録音
JIMMY HEATH(ts) BARRY HARRIS(p) SAM JONES(b) BILLY HIGGINS(ds)

1.FOR MINORS ONLY
2. BODY AND SOUL
3.PICTURE OF HEATH
4.BRUH' SLIM
5.ALL MEMBERS
6.C.T.A.



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4 コメント

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おひさしぶりです。 (cocoa tea)
2008-11-03 01:10:11
J.ヒースのbig bandが聴きたいのですが、
なかなかCDが手に入りません。

彼のbandについてご存知でしたら、
是非教えてください。
返信する
cocoa teaさん (バブ)
2008-11-03 16:19:41
cocoa teaさん、こちらこそご無沙汰して、失礼をしています。

ジミー・ヒースとビッグ・バンドというと、私の頭に浮かんでくるのはどうしてもディジー・ガレスピー楽団というじつに古いイメージしかなくて、たしかコルトレーンと同時期に籍を置いていたように記憶しています。
キャピタルの「STRICTLY BE BOP」というアルバム(これは入手困難かと・・・)、あるいは、私は実際に聴いておりませんが、ボックスCD「THE DIZZY GILLESPIE STORY 1939-1950」のディスク4に収められている中には、音源があるはずだと思います。

また、後に結成されたDIZZY GILLESPIE ALUMNI ALL-STARS(ガレスピー楽団出身の猛者が集まっちゃったぁみたいな)というビッグ・バンドでは数枚のCDをリリースしています(「THINGS TO COME」等)ので、こちらの方がジミー・ヒースを意識して聴けるかとは思います。
なにしろ先のビッグ・バンドでは、どれがコルトレーンでどれがジミーかを聴き分けるのもかなり困難ですし、二人ともアルト吹いてますから(笑)

こんな情報でよろしかったでしょうか?
返信する
いつもながら・・・ (cocoa tea)
2008-11-05 02:45:52
いろいろとありがとうございます。
ディジーのバンドは、Mantecaぐらいしか知らなかったのですが、そこにJ.ヒースやコルトレーンが居たとは・・・驚きです。
その上、Altoを吹いていたとは・・・それもコルトレーンも?!
またしても驚きです。

毎年L.A.で行われているBIGBANDのフェスティバルでは、
今年ディジーBANDのAfro Cubanが再現されたようで、
重なった話題だけに何だかとても嬉しい気分になりました。

いつもありがとうございます!!
返信する
cocoa teaさん (バブ)
2008-11-05 17:58:23
ビッグ・バンドに関してはじつに弱い私ですから、この程度の話で申し訳ないと思っています。

考えてみれば、私の大好きなジャズ・ミュージシャンたちほとんどが、若かりし頃はビック・バンドに所属していたわけですから、もう少しビッグ・バンド・ジャズにも興味を持つべきでしょうね。

私のこれからの課題です。(笑)
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