JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

知らずばあちゃん VS シッタカブリッコ

2007年12月09日 | a-c

風は冷たいものの空は青空、まずまずの日曜日であります。
「今日は何処へも出かけないんでしょ?」
「・・・・・・・なんで??????????」
「年末近いんだから、やることいっぱいあるんだよ」
「・・・・・・・・・・!? あっそういえば・・・・・」
「そういえば何?」
「・・・・・・いえ、何でもありません。」

  本日のお仕事
  1.障子の張り替え
  2.窓拭き
  3.側溝掃除
  4.夕飯作り

あ~~~~ん、一日家の仕事だよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
忙しく一日が終わってしまいました。会社の仕事の方が楽だったかもしんない。(トホホホホ)

そこで、今週は早くも『料理当番、本日の一品』

まずは貝柱のベーコン巻きとエリンギ、山芋を焼いたものに、卵のしろみ餡をかけた「中華とも洋食ともとれない焼きもの」(長い名前..笑)です。
具はそれぞれをソテー、餡は鶏ガラスープにオイスターソース、塩、醤油で味を付け、しろみを混ぜ入れ、とろみをつけて三つ葉を散らしました。

こちらは、以前も紹介した「漬け鮪の山かけ漬け黄身添え」
ちょっとカッコつけて薔薇っぽく盛ろうかなどと考えたのですが失敗でした。

夕食を食べながら、テレビの影響か何の影響か、突然母が
「イスラム教っちゃ、どういう宗教なんだろなぁ?」
などと、のたまったのです。
これは、単純にイスラム教を知りたいという意味ではなく「テロを起こすイスラム教っていうのはとんでもないヤカラだ」という意味合いが強いように思いました。
「う~~~ん、その間違った考えは改めたほうがいいよ。」

『イスラム教徒=テロリスト』という考えは、一部のアメリカ人だけでなく、母のような知らずばあちゃんにも多く見られるものなのでしょうか?
だとすれば、母だけでも考えを改めさせなければいけない・・・・(なんじゃそりゃ)

酔いも手伝って、シッタカブリッコのバブちゃんが、イスラム教の起源から講義を始めてしまったのです。(母は「しまった!」と思ったでしょうねぇ)

「いいかい、そもそもイスラム教もキリスト教もユダヤ教も、信じる神は同じであって、同じじゃないわけだ(なんだ???)
何故、中東でそれらの宗教が互いに対立するかと言えば、まず、イスラムとユダヤはともにアブラハムの子孫であって、ともにカナンの地を、つまり今でいうパレスチナあたりだけど、ここを全てアブラハムの子孫の地とすることを、神に約束してもらったわけよ、ね。
ユダヤ教では『トーラー』、これは旧約聖書とほぼ同じなんだけど、これを聖典として、キリスト教では『新・旧約聖書』を聖典、イスラム教では『新・旧約聖書』も聖典としながら、新約は全部じゃないんだけど、それより上に『コーラン』『ハディース』の二つを置いてるわけだ。・・・・・・・・」
そんな話から始まってアルカイダまで、ザッと1時間半・・・・・酒はボトル三分の一。

迷惑だったのは母ですよね。
・・・・でもしかたがない、話をふったのは、あ・な・たですから(大笑)

「まぁ、そんなことで、だからけして『イスラム教徒=テロリスト』では無いんだからね。分かった?」
「ぜんぜん、わがんね」

さて、今日の一枚は、アーメッド・アブダル-マリクです。
話の流れで、この名前を聞けば、なんとな~~くイメージは分かりますよね?

ただ、紹介しておいて「これがジャズか?」と訊かれれば、ちょっとだけ、いやかなり首を傾けるかな、エヘ(なんちゃって)。
それでもリヴァーサイド・レーベルですし、ジョニー・グリフィンも参加してますし・・・・・狙いは中東音楽とジャズの融合みたいな・・・・・

まだ未聴でこれから聴いてみようという方、聴いた瞬間に「何だよ中東のわけわかんねぇ音楽じゃん」となっても責任は負いません。
でもね、でもです、ジャズとしてはかなりの珍盤ではありますが、2曲目「ISMA'S」のグリフィンの入り方なんか、ちょっと面白いんですよ。
始めから珍盤だと認識して聴くと、これはこれで楽しさもあると思うのですが。

楽器の説明はジャケットに写っているのが、ウード(oud)というもちろんアラブ楽器。
テナーサックス、ベース、ドラム、バイオリン、タンバリンこれは分かりますよね。
カヌーン(kannon)とダルブッカ(duf)、分かんないですよね。いちおう写真を下に載せておきます。

JAZZ SAHARA / AHMED ABUL-MALIK
1958年10月録音
AHMED ABUL-MALIK(b,oud) JOHNNY GRIFFIN(ts) NAIM KARACOND(vln) JACK GHANAIM(kannon) BIAL ABDURRAHMAN(duf) SAM GILL(b,oud) AL HAREWOOD(ds)

1.YA ANNAS
2.ISMA'S
3.EL HARIS
4.FARAN' ALAIYANA


ウード

左がカヌーン、右がダルブッカ


それを言っちゃぁおしめいよ

2007年12月08日 | s-u

人間、歳をとるごとに、一方で涙もろく、一方で怒りっぽくなっていくのはしかたのないこと、子供帰りの始まりでもあります。
たしかに私もすでにその歳に足を踏み入れつつあることは認めるものの、今日の新聞なんか読んでいると怒りがこみ上げてくるのは歳のせいだけとも思えません。

暫定(名詞) かりに・(一時的に)決めること。「-処置(ソチ)・-的に」

私は『広辞苑』のような立派な辞書を持っておりませんので、三省堂の国語辞典を引いてみましたが、これは完全に間違っていますね。
暫定税率を今後10年維持しても『暫定』だとお偉い政治家先生がおっしゃるのだから、これはもう全ての辞書・辞典の書き換えをしてもらうしかない、文科省も沖縄戦の自決問題にいらぬちょっかい出す前に、国語の授業で『暫定』の意味が変更になったことを真っ先に教えるべく指導を行うべきかもしれません。(笑)

地方の疲弊が毎日のように紙面を賑わせ、その対策のためにも道路財源は必要だなどという目先の論争で、本当に地方が改善されるとでも思っているのなら、私は政治家先生に何の期待も持てません。
海外に視察研修と称して観光に出かけられる暇があったら、お国入りなどともて囃され花束なんか受け取ってる暇があったら、地方の最低賃金で(もちろん貯蓄も使わず)、市営住宅にでも入って、その地方の冬を半年間過ごす『地方体験研修』でもやられたらいかがでしょうか?
強盗や人殺しや孤独死や未医療の実態を、身を持って体験されてはいかがでしょうか?
高速料金の値下げで理解を求める?
ふざけんじゃありませんよ。値下げになったって高速なんかもったいなくて使えないのが庶民なんですから。

あ~~~~怒りが!!!!
「なに新聞読みながら、一人で怒ってんのよ。怒ったってどうしようもないんだから」
それを言っちゃぁ、おしめいよ・・・・・しかたない、まぁ今日のところはこんなもんにしといてやらぁ!」

そんなこんなで怒りをとりあえず珈琲で冷まし、朝日新聞の別紙『be』を見れば、『愛の旅人 男の子を男にした狂気』と題された記事が、
映画『卒業』の有名なシーン、そうダスティン・ホフマン扮するベンが、窓をたたきながら「エレーン!」と叫ぶ、あの教会を訊ねたという記事です。

『卒業』といえば、公開から40年といいますから、私は初回上映期に観たのでは無いとは思いますが、それでも私や私より少し上の年代の方は必ずやご覧になった映画ではないでしょうか。
自分が進むべき道を見つけられず、将来に不安を持つ青年ベンジャミン。父親の仕事仲間ロビンソンの奥様がそんな彼を誘惑するんですよね。私の大好きなアン・バンクロフトでした。おもわずサイモン&ガーファンクルの「Mrs.ROBINSON」が頭の中で流れます。
その誘惑に、一度は逃れようとするものの、魅力的な年上の女の誘惑に世間知らずの男の子が勝てるわけもなく、ズルズルと関係を持ってしまう。
そこにロビンソンの娘エレーンが現れるわけで・・・『明日に向かって撃て』のキャサリン・ロスも良かったけど、ここでのキャサリンがやっぱり良いかなぁ
最後の満足そうなベンの顔と、不安を隠しきれないエレーンの顔が、いかにも男と女を表しているようで興味深かったですね。
その後二人はどうなったのか? ・・・・おそらくダメになったんだろうな(笑)

監督マイク・ニコルズがこの映画のテーマに考えていたのは「狂気を通じて自分を救う男の子」だったのだそうで、ベンは花嫁を奪うという狂気で「男」になった、つまり世間の常識に逆らい、人間として自立したということらしく、ある意味それは現在の若者に最も欠ける感覚かもしれません。

いずれにしても、しばらくぶりに『卒業』を観たくなりました。私の豊富な(笑)ライブラリーにたしかあったと思いますので、改めて観てみよう。

2階に上がり、ガラスの前に立った。祭壇まではかなり遠い。ガラスをわるくらいの力でたたかないと、音は祭壇まで伝わらないことがわかった。

記事はこんなふうに締めくくってありますけど、これもまた「それを言っちゃぁ、おしめいよ」でありますね。(笑)

さて、今日の一枚は、ホレス・シルバー、昨日に引き続いてのブルーノート盤です。

バロネス・パノニカ・ド・ケーニッヒスワルテル、別に『寿限無』を語ろうというわけではなく、ご存じジャズ界最大のパトロン、ニカ夫人のことです。
チャーリー・パーカーが死を迎えたのも彼女のアパート、セロニアス・モンクも彼女に頼りっきり、ジジ・グライス、バリー・ハリスets.ets. 彼女のやっかいにならなかったジャズメンの方が少なかったんじゃないかというくらい(これは大げさですが)、モンクのVTR「STRAIGHT NO CHASER」の中でも彼女の姿を見ることができますよね。

これは私の勝手な思い込みなのですが、『卒業』のミセス・ロビンソン、性格・行動は全く違いますけど、アン・バンクロフトのあの雰囲気がニカ夫人とちょっとダブってしまうのです。

それでね、ジャズ・メッセンジャーズを多いにバックアップした彼女への、感謝を込めて作られたシルバーの曲「NICA'S DREAM」の入ったこのアルバムを選んだのであります。
「だったら本家コロンビア盤の「THE JAZZ MESSENGERS」にすりゃいいだろう」とも言われそうですが、そちらは以前にも紹介したアルバムですし、この曲に関してはこちらの方がお気に入りだったりするものですからね。

ドラムがルイス・ヘイズからロイ・ブルックスに替わったシルバー・クインテットにとって、ある意味このアルバムが試し打ちだったのか?
いやいや、試し打ちと称しては失礼、以前にも増してまとまった演奏を見せつけてくれます。
そして、この後『ヴィレッジ・ゲイト』での熱狂ライブ盤「DOIN' THE THING」へと突入するのでありますが、そのお話は・・・あれ?以前にしたかな?

HORACE-SCOPE / HORACE SILVER
1960年7月8,9日録音
HORACE SILVER(p) BLUE MITCHELL(tp) JUNIOR COOK(ts) GENE TAYLOR(b) ROY BROOKS(ds)

1.STROLLIN'
2.WHERE YOU AT ?
3.WITHOUT YOU
4.HORACE-SCOPE
5.YEAH !
6.ME AND MY BABY
7.NICA'S DREAM

おまけ、
ニカ夫人に捧げられた数多くの曲はご存じかと思いますが、ニカ夫人が描いた絵をご存じでしょうか?

バド・パウエルの「A PORTRAIT OF THELONIOUS」のジャケットを飾るあの絵、あれが、バロネス・パノニカ・ド・ケーニッヒスワルテル作の絵画であります。
(う~~~ん、はたして何を描いたものなのだろうか??????)


小春日和の白日夢

2007年12月07日 | g-i

今日は二十四節気の一つ『大雪』、雪国では降った雪がいよいよ根雪になるという日ですが、昨日にも増しての小春日和、公園の駐車場で昼食を済ませると、車内の暖かさに睡魔が!!!!!! 30分ほど昼寝をしてしまいました。(笑)

驚いたのは、その30分の間に夢まで見てしまったことです。
それも、なんだかとて~~~も甘い夢でありまして・・・・・・

何かのテレビCMが頭にあったのか、『大雪』が頭にあったのか、とんでもなく美しい雪女が私を誘うのですねぇ、雪女といえば、殺されてもかまわないほどの美しさ、一夜の契りのために死すらいとわぬほどの女です。
ともかく、私の頭の中で思い描く最大限の美女に、夢の中とはいえ誘われたのでありますから、いやな夢のわけがありません。残念だったのは、あと30分の延長が無かったこと、死なずに現世へ戻ってまいりました。(笑)
「バブさん、そうとうの欲求不満ですよ、それ」
とは、社の後輩。
「うるせぇなぁ、そうだよ、どうせおれは欲求不満のか・た・ま・り!!」

 ひとの世の遊びをせんと雪女郎 - 長谷川双魚 -

白い布をかぶり、抜けるような白い肌、恐怖すら感じるほどの美しさ・・・・・
雪女はある意味、女性の真の怖さをあらわす象徴でもあります。
そんなことはなから承知しているくせに「ゾクゾク感がたまんねぇ」なんちゃって、惚れてしまう男は滑稽の何ものでもありませんねぇ。でもしかたがない、それが男というものです。(笑)
あ~あ、それにしても、夢の世界じゃなくて現実の世界で、そんないい女に誘われてみたいなぁ~~~~
「ば~~~か!!」
あはははは、そうだよね、そんな女に誘われるような男なら、昼寝で雪女の夢を見もることも無いだろうし・・・・何だか暖かくて良い一日だったのに・・・・ブルーな気持ち・・・「AM I BLUE ?」てな感じ

♪ あたしがブルーになってるかって?
  あたしが落ち込んでいるかって?
  この涙を見ればわかるでしょ!
  あたしがブルーなら、あんただって同じはず。
  あのひとはあたしを捨てて出ていった。
  だからブルーじゃないわけないでしょ!! ♪

って、これもちょっと違うか。(大笑)

さて、ということで今日の一枚は、グラント・グリーンです。
ちょっと展開的に「AM I BLUE ?」に持ってくるには無理がありましが、今日はサッカーも見ずに、ビリー・ホリデイを聴きながら一杯やってまして、同曲が耳に入ってきてしまいました。

もともとは、映画「オン・ウイズ・ア・ショウ !」のために書き下ろされたこの曲、切れかかった女の歌なのに、なんともかったるそうで、それでいて甘えたところがあって、ビリーのそんな歌は魅力的です。
それでも、あえてグリーンをもってくるところが、へそ曲がりな私らしいでしょ(笑)

数多く残るブルーノートのグリーン、そんな中で今日のアルバムはさほど名前が挙がる一枚ではありません。
おそらく、私が「グリーンのアルバムは何が良い?」と訊かれても、このアルバムは紹介しないでしょう。
「ゴスペル調で、シンプルなのに味がある」といったグリーンの魅力はじゅうぶん出ていると思いますが、今ひとつインパクトに欠けるアルバムだからでしょうか。
それでも、「AM I BLUE」(何故か?マークが付かないのですが)は、ビリーともまた違った魅力を持っていると思います。

今晩はグリーンで同曲を聴き直しながら、また一杯、飲んじゃいま~~~す。
雪女が酌に来てくんねぇかなぁ・・・・・・・・・・!?
おっと、それから、私のはかなりガタがきてますけど、このジャケットがとても好きです。

AM I BLUE / GRANT GREEN
1963年5月
GRANT GREEN(g) JOHNNY COLES(tp) JOE HENDERSON(ts) BIG JOHN PATTON(org) BEN DIXON(ds)

1.AM I BLUE
2.TAKE THESE CHAINS FROM MY HEART
3.I WANNA BE LOVED
4.SWEET SLUMBER
5.FOR ALL WE KNOW


悩める父にアドバイスを

2007年12月06日 | a-c

二,三日続いた寒さも今日は一休み、小春日和に恵まれましたが、私ときたら昨晩の酒が午前中いっぱい抜けずにボーッとしておりました。(若い気をして翌日仕事にもかかわらず3時まで飲んでしまった私が悪いんです・・・反省してます。)

  雪はふるふる
  夜の街を
  サンタ・クロスの
  うしろかげ。

  わが家の門を
  通り過ぎ
  いずくの児(こ)をば
  訪(と)うならむ。

  路の灯に
  すかし見る
  背なの袋の
  まろやかに。

  われには遠き
  幸福(しあわせ)の
  そのすがたにも
  似たるかな。

  雪はふるふる
  冬の夜の
  夢よりさめし
  わがうれし。

なんだ突然?という感じですけど、西條八十の「クリスマスの夜にうたえる貧しき児の歌」という詩です。
早いものでクリスマスまでもう半月、例年のごとく娘に贈るプレゼントを何にするかで苦悩しております。

最近は音大入学を考えたりもしているようで、進ませてあげたい気持ちは充分にあるのですが、どうにも資金が付いて行きそうもなく、違う進路も考えてみて欲しいとも言っています。ただ彼女のことなのでまた高校受験の時のように隠し球を忍ばせてはいまいかとの心配もあるのですけどね。

おっと、そうじゃなくて、とりあえずは「クリスマス・プレゼント」を何にするかであります。
高校二年生の女の子が、父親からもらって嬉しいものって何でしょうかねぇ????
今まではサックスのCDを贈っていましたけど、そろそろ私の選んだCDなど聴いてくれそうも無くなってますし・・・・・
だって、先日帰郷した際に
「お父さん、とりあえず私はジャズには転向しないから」
とキッパリ

ここで、改めてご説明しますが、我が娘は父の影響で(ここが大切なところ..笑)サックスを始め、高校も自ら音楽専攻学科のある高校を探してきて入学、今に至っているわけです。
その、しつこいですが私の影響で始めたサックスにもかかわらず・・・・・・・・ジャズをやる気は無い・・・なんて・・・言うんですよ・・・・オヨヨヨヨヨヨヨヨ

てなわけで、プレゼントを何にするか、そうとうに困っています。
どなたか女性の方、我が愛しの君へのプレゼントを何にしたらよいか、アドバイスを頂けないでしょうか。

さて、今日の一枚は、ディブ・ブルーベックのディズニー音楽集です。
いやね、昔、娘が小さかった頃、このアルバムを聴いたんで・す・よ・・・(涙)

ディズニー映画からジャズのスタンダードになった曲は数多くありますよね。それは美しいメロディーの曲が多いからでしょう。
ここでも「星に願いを」を始め、美しいディズニー・ソングが収められています。
ブルーベックはもちろんなのですが、ポール・ディスモンドのアルトが良いですよねぇ・・・・

一曲目の「ALICE IN WONDERLAND」じつはアニメは観たことがないのですが、大好きな曲です。
まぁ、一番聴くのはビル・エバンスの「SUNDAY AT THE VILLAGE VANGUARD」のこの曲かもしれませんけど(笑)
ほんと、美しい曲ですよねぇ・・・・・

あ~あ、もう一度これを聴いて「ジャズもやってみようかな」なんて言ってくれないでしょうか?

DAVE DIGS DISNEY / DAVE BRUBECK
1957年6月29,30日8月3日録音
DAVE BRUBECK(p) PAUL DESMOND(as) NORMAN BATES(b) JOE MORELLO(ds)

1.ALICE IN WONDERLAND (不思議の国のアリス)
2.GIVE A LITTLE WHISTLE (ピノキオ)
3.HEIGH-HO (白雪姫)
4.WHEN YOU WISH UPON A STAR (ピノキオ)
5.SOME DAY MY PRINCE WILL COME (白雪姫)
6.ONE SONG (白雪姫)

追伸、
先日、東京に住む友人と電話で話していたら、お父さんが皮膚のただれが治らないと地元(今私が住んでいるところ)医院に行ったところ、「皮膚癌の恐れもあるので市内では検査できないから、東京か他の都市で検査を受けて下さい。」と言われ、わざわざ東京の病院まで検査に行かれたそうです。
「バブ、どうして地方の人間は、検査一つするにも都市部の人より金がかかってしまうんだろうね?」
まさに、電車賃と宿泊費が無い人間は検査さえ受けられない・・・・

ちなみに、我が地域には、もう一年以上こんな看板が掲げられた病院跡ビルがあります。
桝添さん、頑張って下さいねぇ。
幸いにも友人のお父さんは皮膚癌では無かったそうです。


私はチーカマなんです!

2007年12月04日 | y-その他

太陽が出たり曇ったり、午前中にはチラッとみぞれなど降ってみたりして、まったく忙しい空模様でした。これはまさに冬の兆し、自宅ではけして靴下をはかなかった私が、今年は入浴ギリギリまで靴下を脱がないというのは、昨年より確実に老化が進んでしまったということなのでしょうか?底冷えする寒さもさることながら、心の片隅に吹くなにやら乾いた冷たい風に、なおさらの寒さを感じてしまいます。(笑)

珍しく帰宅が遅くなり車に乗ったのは10時過ぎ、益々冷え込んできました。
「あ~~~~日本酒飲みてぇ~~~~」
今晩、自宅に日本酒がないことは分かっています、分かっていますがないとなるとなおさら飲みたくなるもので
「う~~ん、コンビニで買ってこうかなぁ」

何処かで飲んで帰ろうと思わなかったことは・・・偉いでしょ(笑)
かといって、コンビニで一升瓶も無いだろうし、四合瓶でも良かったのですが、
ワンカップを買ってきてしまいました。何年ぶりでしょ、知らぬ間に純米酒のワンカップもあったんですねぇ。じつに久しぶりのワンカップです。

一時、我が家のコップは全てワンカップ(もちろん一人住まいの時ですよ)なんて頃もありました。
酒がワンカップとなれば・・・・・つまみはチーカマです。チーカマじゃなくちゃいけないんです。
以前にここでも話したことですが、ワンカップとかコップのモッキリを、酒屋の裏に併設された立ち飲み屋(今流行のアレとは全く違う立ち飲み屋です。)で飲むとき、大船駅のホームの中にあったスタンドで最終電車を待つとき、どちらで飲むときもつまみは目の前にぶら下がったチーカマだったんです、わ・た・し・は!
なんだかとても寂しい思い出の味ですけど、ちょっとノスタルジックに浸っています。

今日もこのチーカマ(あの頃のチーカマはこんなに大きくなかったですけど...笑)一本で、ワンカップ二杯を飲み干し、あとはバーボン・ストレートをつまみ無しで少々いただけば、布団の中はホンワリ暖かくて・・・・・・・晩飯なんかいらないもん。(大笑)

さて、今日の一枚は、ポール・ウイナーズの3枚目のアルバムです。
ワンカップ二本を飲み干し、つまみはもういらないのですが、なんだかとても良い気分で、この気分を維持しながら楽しくバーボンを飲み出すのには何が良いか、考えたわけですね。
それで、ポッと目に止まったのがこのアルバムです。

私にとって、ポール・ウイナーズは、申し訳ありませんがじつに軽い存在です。
力を入れずに気軽に聴けて、気分を害することは絶対にない。大当たりだとは思わないけど、安心して聴いていられる、しかも邪魔らならない・・・・今聴くのにはピッタリなんです。

星野ジャパンのせいで「自宅で飲み過ぎ」が、二日も続いてしまいましたので(すぐ人のせいにする・・)、今日は飲み過ぎないように、片面を聴き終えたら寝ようと思います。
おやすみなさい。

POLL WINNERS THREE !
1979年11月2日録音
BARNEY KESSEL(g) RAY BROWN(b) SHELLY MANNE(ds)
1.SOFT WINDS
2.CRISIS
3.THREE LITTLE RHUMBA
4.EASY LIVING
5.IT'S ALL RIGHT WITH ME
6.MACK THE KNIFE
7.RAINCHECK
8.MINOR MYSTERY
9.I'M AFRAID THE MASQUERADE IS OVER
10.I HEARE MUSIC


火事じゃないけど燃えました

2007年12月03日 | d-f

バンザ~~イ! バンザ~~イ!
いやいやいやいや、興奮しましたねぇ、胃が痛くなるほど集中しましたねぇ・・・
えっ何がってですか?
そりぁあ~た、星野ジャパンですよ、星野ジャパン。
昨日設定した『地デジ』で、昨日今日としっかり最後まで観戦してしまいました。(何だ、否定派とか言って見てんじゃん.......まあまあ、せっかくつないだんだから綺麗な方が良いでしょ。笑)

昨晩の日韓戦は、最近、お仲間のブログを覗くだけで足跡を残していなかったものですからコメントしまくろうか、なんて思っていたのですがダメでしたねぇ、何も出来ませんでした、シビレました。瞬間最高視聴率は、関東で36.7%、関西ではなんと43.5%だったそうですから、驚異的です。

そして、今晩の日台戦、逆転されたときは唸ってしまいましたが、7回の攻撃、凄い!
つないでつないでつないで・・・「これが日本の野球だ!」と知りもしないくせに叫んでしまいました。(笑)
ともかくいい試合を観させていただきました。昨晩もボトル半分ほど飲んでしまいましたが、残り半分も無くなりそうです。
「ありがとう!星野ジャパン!!!美酒だぁ~~~~~~!!!!!!」

最近、死者まで出す火事が頻発しております。野球の応援で熱くなるのは良いですが、火事で熱くなっちゃいけません。
火の用心、さっしゃりましょう
最近は「さっしゃりましょう」までは言わないのかな?
それでも自治会等々でパトロールをしている地域も多いそうで、ご苦労なことです。
このあたりでは年寄りが多いせいもあって、寒い宵のパトロールはちとキツイので行ってはおりませんが、消防団の車が鐘を鳴らして警戒を呼びかけています。
いづれにしても、火事は他にも被害を与えかねません。お互い充分に注していきましょう。

「喜んで飲み過ぎて、寝タバコなんてしないでよ!!!」
「ふぁ~~~~い」

さて、今日の一枚は、久しぶりのエリック・ドルフィーです。
ドルフィーに関しては今まで何度となく熱く語ってきましたので、火事になっても困りますから今回は軽く(笑)

この時のドルフィーは、7月にブッカー・リトルとの双頭バンドで「ファイブスポット」の客をブイブイ言わせた後、翌月にマックス・ローチの「PERCUSSION BITTER SWEET」に参加して、再度リトルとジャズ・ギャラーに出演、そして単身ヨーロッパへ出かけたのは、8月末でした。
ドルフィーにとっては二度目のヨーロッパということになります。(生涯では死を迎えたその時を含め4度行ってますよね。)
ドルフィーはどうしてヨーロッパが好きだったのか?
アメリカよりヨーロッパの方が彼を受け入れる土壌があったとも言えますが、単純にアメリカでは金にならなかったからではあります。それにしても前年初リーダー・アルバム「OUTWARD BOUND」録音以来、多くのアルバムに参加していますよね・・・・・それでも手元に入るお金は微々たるものだったということなのでしょう。

この2回目の訪欧の間、テレビ出演を始め数多くのライブ活動を行ったわけですが、その間の録音は、当初プレスティッジの「IN EUROPE」3枚だけがアルバム化され、それ以外は後に「発掘音源」として発売されたものばかりです。
今日の一枚もとうぜん、熱心なジャズ・ファンであったホルスト・ウェーバーによって発掘アルバム化されたものです。

この時の訪欧は単身赴任(笑)でしたので、ほとんどがヨーロッパのミュージシャンとの共演でありました。(「IN EUROPE」がそうですよね)ところがこのライブでは、ピアノのペプシ・オウル以外はアメリカからの移住組で行われたのです。
バックが誰であろうと、この当時のドルフィーは、頑固なスタイルを持っていましたので「そんなの関係ねぇ」と言ってしまえばそれまでですが、全体としていくぶん違いがあるかなとも感じます。
「IN EUROPE Vol.1」の「OLEO」など聴くと、バックが「悪くはないけど、けして上手いとは・・・」てな感じを受けませんか?
はたして、本ちゃんのレコーディングへの前哨戦のようなこのライブではどうか?
録音状態はおちますが、ぜひともご自身の耳で確かめていただきたい。
それとそれと私の大好きなバスクラ・ソロ「GOD BLESS THE CHILD」馬のいななく響き、「IN EUROPE」のそれとの聴き比べもいいですよね?

ドルフィーが最も乗っていたこの時期、一曲でも多くの演奏を聴きたいとのファンの心理からすれば、さらに隠れたヨーロッパの音源が世に出る日があるのではないかと期待もしています。

ぼくの演奏を非難する者が多いといっても別におどろかないね。むしろそれが当たり前じゃないかとも考えるんだ。馬がいななくような音をたてる。すると、なんという音を出すんだといって怒りだす。よくわかるよ。けれど、ぼくが求めているものが、こうした音のなかにあるんだからしかたがない。感じたことや気持ちのなかにあること以外に何が表現できるだろう。~エリック・ドルフィー~

BERLIN CONCERTS / ERIC DOLPHY
1961年8月30日録音
ERIC DOLPHY(fl,b-cl,as) BENNY BAILY(tp) PEPSI AUER(p) GEORGE JOYNER(b) BUSTER SMITH(dr)

1.HOT HOUSE
2.WHEN LIGHTS ARE LOW
3.GEEWEE
4.GOD BLESS THE CHILD
5.HI-FLY
6.THE MEETING
7.I'LL REMEMBER APRIL


剛君にほだされて

2007年12月02日 | a-c

ちょっと大きめのボリュームでレイ・ブライアントの「GOTTA TRAVEL ON」なんかかけて、煙草に火を着け、陽光を浴びながら軽く背伸びをする・・・・ここで優しい言葉とともにモーニング・コーヒーでも出てくれば完璧なのでありますが、無い物ねだりはよして、ともかく、酒で狂いがちの体内時計のリセット・・・・
気持ちの良い休日の朝です。
今年最後の月12月は、小春日和に恵まれた週末でスタートしました。

そうそう、遅ればせながら昨日12月1日より、我が地域におきましても『地デジ』の試験放送が始まりまして、『地デジ』否定論者の私としてはいささか不本意ではありますが、「剛君にほだされて」我が家で唯一『地デジ』を受信できるTVで試しながら、『地デジ』の臨時説明会であります。

「なによ、時間表示してんじゃん」
「だから、正確な秒表示までは不可能なんだって・・・・つまり、秒針のある時計を地デジの時計で合わせることは出来ないわけよ。」
「○○、今度は東京放送は入んないのかい?」
現在、我が地区では東北でありながら関東向けのキー局放送を受信できるのでありまして
「基本的には地方局だけになると思うけど、全地域で本放送が始まってみないと分かんないね」
データ放送、番組表、相互通信、等々をザッと説明して、
「ちなみに、このTVではフルハイビジョンの再生はできないから」
「・・・・・・??????」
しかたなく、ハイビジョン放送の信号状況と再生機器の説明をザッと・・・

少ない電波帯で多くの情報を送れるものの、それを何処まで再生するかは再生機器の能力に係わる、てな話を母などにしたところで分かるわけもなく
「何でもいい、テレビが見られれば」と母
これがまさに本音、大方の意見ではないでしょうかね。電波帯の有効活用等、デジタル化のメリットは充分承知しておりますが、わざわざ金をかけて急ぎやるべき事なのか?私は未だ疑問に思っております。

我が家に初めて白黒テレビがやって来たとき、私はまだ小さくて良くは覚えていませんが、大騒ぎだったことは記憶の片隅に残っています。
しばらくして、端に『カラー』と入った番組が始まると憎たらしくて、やっとカラーテレビに変わった時にも感動しました。
『地デジ』を初めてフルハイビジョンで見たら、同じような感動があるのかなぁ????
ヘタをすると、操作がリモコンに変わったときより感動が薄かったりして(笑)
良い所だけ目の前にぶら下げられ、踊らされているようにも思えるのは、私だけでしょうか?
まぁ、決まってしまったことを今更とやかく言ってもしかたがないわけで、
「問題は、他のテレビをどうするかだよなぁ・・・」

「はい!先生」
「ん?なんだね?」
「2011年に本放送が始まると、アナログの受信機は全く必要なくなるんですよね。」
「そうですが」
「ということは、今売っているテレビやDVDレコーダーにはアナログ・チューナーが付いているわけじゃないですか、それが付いてないものになればその分安くなんの?」
「・・・・?????」
どうなんでしょ?誰か教えて?(仮に安くなっても微々たるもんでしょうけどね...笑)

さて、今日の一枚は、オーネット・コールマンの初リーダー・アルバムです。
まさか、これをキャノンボール・アダレーの同名アルバムと間違えて買ったという人はいないと思いますが、!マークが四つ付くと同じアルトでも全く違うことは分かっていただけると思います。(笑)
コールマンというと、フリー・ジャズの象徴的イメージとして捉えられがちですけど、このアルバムを聴くかぎり、いくぶん印象が変わるかも知れません。
と言っても、そこはコールマン、ドン・チェリーのフロントですから、「ハード・バップ!」みたいで無いことは想像でますよね。

興味深いのは、このアルバムがコンテンポラリーというウエスト・コーストの老舗から出ている点です。
コールマンがビー・ウィー・クレントンのバンドに加わり、初めてロサンゼルスに出てきたのは1950年でした。苦しい生活に一度はくじけ、フォートワースに戻ったりもしましたが、再度決意をし、ご存じエレベーター・ボーイや皿洗いをしながら独学で音理を学んでいきました。
ロサンゼルス→コンテンポラリーというのは、一見ごく普通に思われるかもしれませんが、すでにドン・チェリー、エド・ブラックウェル、チェリー・ヘイデン、ビリー・ヒギンズ、後に加わったボビー・ブラットフォード、ジョン・カーターらと、実験的試みを行い始めていた時期であり、いくぶん保守的とも取れるコンテンポラリーでレコーディング出来たのは、レッド・ミッチェルと知り合い、コンテンポラリーのレスター・ケーニッヒに引き合わせてもらったおかげに他なりません。

このアルバムが、ある意味コールマンらしからぬ内容になったのは、実験的試みがまだまだ発展途上(嫌いな方には発展と言うべきかどうか分かりませんが)にあったことも影響しているでしょうし、そういった背景や、初レコーディングの緊張、なによりオーソドックスなウォルター・ノリスのピアノ(後に変化しますけど)が入った時点で、決定されたものだったのかもしれません。

ともあれ、そういったことを思いながらこのアルバムを聴くと、それなりの楽しみが生まれてきますし、私などは2曲目「THE BLESSING」を、ジョン・コルトレーン、ドン・チェリーの共演盤「THE AVANT-GARDE」での同曲と聴き比べるてな楽しみもあって、そこそこ気に入っている一枚になっています。

SUMETHING ELSE !!!! / ORNETTE COLEMAN
1958年2月10, 22日, 3月24日録音
ORNETTE COLEMAN(as) DON CHERRY(cor) WALTER NORRIS(p) DON PAYNE(b) BILLY HIGGINS(ds)

1.INVISIBLE
2.THE BLESSING
3.JAYNE
4.CHIPPIE
5.THE DISGUISE
6.ANGEL VOICE
7.ALPHA
8.WHEN WILL THE BLUES LEAVE ?
9.THE SPHINX

おまけ、
午後になって母が、「近所の茶飲み友達が、今日息子さんのところから帰ってくるんだけど、一人暮らしだし、夕食の準備もたいへんだろうから家に呼びたい」と言い出しました。そこで『料理当番、本日の一品』

ご飯組にはこんなんを用意しました。
簡単鶏と茄子の煮込みに、ハッシュドポテト、トマト、グラタン添えサラダを、ワン・プレートに(本当は鯵を焼く予定でいたのですが、鯵の数が足りなかったので)

私はもちろんオチャケ用のシメ鯖ならぬシメ鯵です。
鯵を三枚におろし、塩をしたら1時間、塩をおとして、昆布酢に2時間、最後に皮をむいて出来上がりです。


黒門町と呼ばれた男

2007年12月01日 | m-o

今日は昨日よりさらに青空が拡がり、まさに小春日和。
散歩にはもってこいの陽気でしたが、昨晩10時過ぎからMさんといつものバーで2時過ぎまでやっつけ、今朝起きたのも9時、さらには「明日家に来て、ネット接続やってくんないかなぁ」というMさんからの依頼もあり、本日の散歩は中止となってしまいました。

というわけで顔を洗い、早々にMさんのお宅へ。
「あら、はやぇ~~」(笑)
とりあえずは役目を果たし、パソコン脇の棚をふと見ると『ザ・ベリーベスト・オブ落語』なるCDボックスを発見。
「あれ、Mさんも落語好きなんでしたっけ?」
「あ~~~そっか、バブさんも好きだったんだよね」
「どれどれ・・・あっ文楽、しばらく聴いてないんですよねぇ・・・」
「いいよ、貸してやるよ」

あはははは、おもわぬ戦利品です。
「え~と、志ん生、圓生、可楽に柳好、柳技、金馬、三木助に正蔵、馬生、小さんに文楽かぁ」
全部聴くのに幾日かかるでしょう「楽しみ楽しみ」

「さっそく、久しぶりの桂文楽からいこうかな」
五代目古今亭志ん生と八代目桂文楽とは、その芸風から李白と杜甫にもたとえられ、昭和落語界のまさに大看板でありました。
「よっ、黒門町!」
真面目で融通の利かない不器用さが、志ん生、圓生に比べ得意ネタが少なかったにもかかわらず「洗練の極み」とまで言わしめた噺を生み出す・・・じつに玄人受けする噺家さんであります。
『明烏』、『愛宕山』、『酢豆腐』といい噺が三題。できれば『鰻の幇間』も聴きたいところ・・・・・まっしかたないですね。(笑)

絶品と言われた食芸は、映像がないと楽しめませんが、音声だけでも姿が見えてくるようで、楽しませていただきました。

そういえば・・・・・
『酢豆腐』を聴き終え、思い出したのが二,三日前に母が言っていたことです。
「○○(私です)、『ちりとてちん』って、落語の題名だったんだな」
『ちりとてちん』とは母が毎日欠かさず見ているNHKの朝ドラです。
「ああ、長崎名物『ちりとてちん』ね」
「??????」
「だから、腐った豆腐を『長崎名物ちりとてちん』って言って、知ったかぶりに喰わせるって噺でしょ。」
せっかく、共通の話題があったと話を振ってくれた母に、冷たい言い方をしてしまいました。

江戸では『酢豆腐』、これが転じて上方では『ちりとてちん』という噺になったわけで、小さんの十八番でしたねぇ。
冷たく言った罪滅ぼしに、明日、母に文楽の『酢豆腐』を聴かせてあげようと思っています。

知ったかぶりの嫌われ者の若旦那、腐った豆腐を前にして
若旦那、これがなんだかご存じで
もちりんです、通人好みのこの逸品、よくぞご入手・・・・
てなこと言って、これは『酢豆腐』だとしょうし、一口。
若旦那、たんとお召し上がりくざいやし
いや、『酢豆腐』は一口に限りやす

いいねぇ、文楽は・・・・・あたしゃ一口と言わず、古今亭志ん朝の『酢豆腐』もいただきたくなっちゃったぁ。(笑)

さて、今日の一枚は、ロニー・マシューズです。
昨日の話ではありませんが、このアルバム、ジャケットがかなり悲惨な状態になっています。これは、知らぬ間にけっこう聴いていたということでもあるわけです。

聴いていてじつに気持ちの良くなる一枚だと思います。
私はだんぜんマシューズのオリジナル3曲のA面を聴くことが多いのですが、3曲目「THE ORIENT」のピアノ・ソロが凄い。

フレディ・ハーバードがジャズ・メッセンジャーズの一員として初来日したのは、この年のはずです。そして翌年、メッセンジャーズを離れ、自己グループを組むわけですが、そこにマシューズが加わっていたのは、ここでの共演が多少影響していたのでしょうか?
このアルバムを聴いた後、ハバードのグループによる初レコーディング「BREAKING POINT」を聴いてみるのも一興でしょうか。「えっ!?何でこんな前衛的になっちゃったの????」みたいなね(笑)
ちなみに、この2枚のアルバムの間にハバードが参加した、エリック・ドルフィーの「OUT TO LUNCH」あたりにその答えが隠されているかもしれません。

ともかく、名盤とは言わなくとも、もう少し評価が高くても良いんじゃないかなぁ・・なんて思う一枚です。

DOIN' THE THANG! / RONNIE MATHEWS
1963年12月17日録音
RONNIE MATHEWS(p) FREDDIE HUBBARD(tp) CHARLES DAVIS(bs) EDDIE KHAN(b) Al Heath(ds)

1.THE THANG
2.ICHI BAN
3.THE ORIENT
4.LET'S GET DOWN
5.PRELUDE TO A KISS
6.1239-A