JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

感謝して呑みます

2007年12月29日 | a-c

昨夜から今朝にかけてはかなりの雨が降っていましたが、日中は曇り空、なにしろ暖かいのにはビックリしてしまいました。明日からは強い冬型の気圧配置でグッと寒くなるそうですから、年末も年末ここに来て風邪もひいていられませんし、新年早々というのもいただけません。お互い注意いたしましょうね。

休み初日は、掃除やら父の墓参り(母のたっての願いで)やら料理の仕込やら、そこそこ忙しい一日でした。
二時ごろになって
「もう買い忘れはないよね?」
「????????」
あたしに訊かれてもねぇ
「だって料理は全部やるんでしょ」
「・・・・・・・」
けっきょくは何品かの買い出しへ行かされました。まぁ、休み中にキレると私にとっては致命傷になる珈琲と酒も心配な量でしたので、買いに行かなければいけなかったんですけどね。

「バブさん、今日は何を仕込んだんですか?」
たまにブログも覗いていただいている「ヤナイ珈琲」の奥様も、私が正月料理を作る役回りであることはよくご存じで
「今日は黒豆と巻いてない伊達巻き風卵焼きぐらいかなぁ、明日、明後日が本番ですから」
「バブさんだからキッチリと作るんでしょうねぇ」
てなお世辞までいただいてしまいました。

私が自分で料理をする最大の理由は何だと思います?
第一は「食べたいものだけを揃えられる」から
だって、例えば重箱入りのお節料理を高い金を出して頼んだら、中には嫌いなものが入っていて、それだけが残っちゃうなんてことがあるじゃないですか。
第二に「好きな味付けに出来る」から
何たって既製品はあくまで既製の味でしょ、極端に不味いものは無いにしても、変に甘かったり減塩だったり、好みの味は自分で出すのが一番でしょ。仮に味付けに失敗しても、自分で作れば責任もって食べちゃいますしね。(笑)
第三に「酒の肴系を多く揃えられる」から
私にとっての『お節』は、神様に捧げる料理でも客をもてなす料理でもなく、たんに三ヶ日美味しく飲める肴であるわけですから、既製品ではねぇ(笑)

既製品を買われるお宅も、三の重までキッチリ作り上げるお宅も、否定するわけじゃありませんよ。
黒豆、数の子、田作り、たたき牛蒡、きんとん、伊達巻き、煮しめ、昆布巻き、紅白なます、とそれぞれの意味と願いを子供たちに語り聞かせる。そんな素敵な元旦があればベストだと思いますし、本来の「節句に捧げる供物」としての伝統を守るのも素敵なことだと思います。
そんな家庭なら「親殺し子殺し」みたいなことは起きないでしょうしね。

我が家では、重揃えの『お節』は作りませんし、そういった素敵な家庭を今から作るにはちと遅すぎますけど、神様に捧げる供物を、一年間健康で幸せに暮らせるようにと願いを込めて、そして先人が作り上げてきた福を呼ぶ知恵を受け継ぐつもり、感謝しながら食べなくちゃいけませんよね。

「ようし、元旦は感謝と願いを込めて、真っさらな心に魂を吹き込むごとく、オレの若水、お酒をいただきましょう!!」
「やっぱりそれかい」

さて、今日の一枚は、アンソニー・ブラクストンです。
1965年にムハール・リチャード・エイブラムスによって設立されたAACM(The Association For The Advancement Of Creative Musician)、このシカゴに生まれた前衛ジャズ集団はシカゴに旋風を巻き起こすわけですが、そんなAACMに参加したブラクストン、その時代の「3 COMPOSITONS OF NEW JAZZ」と並ぶ傑作と言われる一枚です。

ブラクストンは「もっともっと聴き込むと私は絶対にのめり込んだジャズメンだったのではないか」と思っています。ただ残念ながら聴き込みが足りず未だのめり込んではいませんけど。(笑)
ともかく「3 COMPOSITONS OF NEW JAZZ」は別としても、今日のアルバムには衝撃を受けました。
今、全曲をぶっ続けで聴く元気はないかもしれませんが、アルト一本でこれほどの表現が可能であることには何度聴いても感心するばかり、「TO ARTIST MURRAY DE PILLARS」なんてたまらない一曲です。
もちろん前曲、前編即興演奏ではありますが、感情だけに押し流されないコントロールされた表現は素晴らしいもので、前衛が苦手だという方にもぜひ一度聴いてみてもらいたい一枚でもあります。
年末年始の面白くもないTVをみているより、こんなアルバムをじっくり聴いてみるのも良いと思いますよ。(面白くないと思っているのは私だけかな...笑)

FOR ALTO
1968~69年録音
ANTHONY BRAXTON(as)

1.DEDICATED TO MULTI-INSTRUMENTALIST JACK GELL
2.TO COMPOSER JOHN CAGE To Composer
3.TO ARTIST MURRAY DE PILLARS
4.TO PIANIST CECIL TAYLOR
5.DEDICATED TO ANN AND PETER ALLEN
6.DEDICATED TO SUSAN AXELROD
7.TO MY FRIEND KENNY McKENNY
8.DEDICATED TO MULTI-INSTRUMENTALIST LEROY JENKINS

おまけ、

先ほど風呂にはいると、湯船にプカプカ柚子が浮かんでおりまして、
「お~~い、今日って冬至だっけ?」
もちろん、すでに冬至など過ぎているのは知ってるんですよ。
「えっ?冬至のわけないでしょ!」
何だか知りませんがいっぱい柚子をいただいたのだそうで
「別に冬至以外は柚子湯にしちゃいけないって法律ないでしょ!」
そりゃそんな法律があったら困ってしまいますが、なにも今夜みたいに暖かい晩にしなくてもねぇ・・・・・
「うるさい!」