JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

偽・偽・ギ~~っときしむ音

2007年12月12日 | p-r

いやぁ、まさに年末、私など普段と何も変わらぬ生活のはずなのですが、不思議と気ぜわしくなるのは、気持ちのせいか?はたまた世間様のせいか?
そんな師走の今日は「いい(1)字(2)いち(1)字(2)」の漢字の日、清水寺「奥の院」舞台で森貫主が発表した『今年の漢字』は『偽』だそうで、私は「『偽』『嘘』かな」なんて思っていたので、まさに大正解であったわけですけど、今年を表す字がこんな字であることは寂しいかぎりです。

たしかに、前々から薄々気が付いていたものの、世の中これほどまでに『偽』で懲り固められていたのかと痛感した一年ではありましたよね。
食品の様々な偽装、スポーツ界の疑惑、機器不具合の隠蔽、農水省、防衛省を始めとする政官業の癒着疑惑、警察の偽装調書、等々はもちろん、信じていた国にさえ嘘をつかれる始末。謝罪会見も見飽きるほどでウンザリであります。

それにしても、船場吉兆の謝罪会見もマンガのようでしたが、昨日の町村官房長官の会見も「なんたるっちゃ!」でありました。「選挙公約は簡素化したものだ」はひどい。
せめて「選挙公約は偽装公約でした」とマンガのような謝罪会見を行った方がまだマシかもしれません。

選挙時の公約がその程度のものなら、選挙演説の後で進行役が「只今の演説内容はおおむね略されておりますので、全てを信じてただいては困ります。」とでも言っていただくとか。
大枚かけて作った選挙公約の冊子等々にも「注)ここでの公約内容は略式公約ですので、全てを信じないように。」との注意書きを入れていただきたい、一文入れても費用は変わらないでしょ?
っていうか、そんな無用のものを作るんだったら選挙費用の無駄遣いですから廃止されるべきかな。
あれ?ひょっとして始めから「どうせてめぇら信じちゃいねぇだろう」ってですか?いやいや「信じるてめぇらがアホだ」でしょう。(笑)

まぁ、「トップが嘘つきなら、全てが嘘をつく」
私も他人のことは言えませんが、嘘つきが嘘つきを責め立てても、嘘しか出てこない。
偽・偽・偽・偽・偽~~~~ときしむ音ばかり聞こえてきます。
・・・・・・・・・・それでいいのか日本!でありますよね。

 仁言(じんげん)は仁声(じんせい)の人に入ることの深きにしかざるなり

「ことばをもって仁道を説く感化力は、自らの仁道を実践して得た名声、自然に及ぼす感化の深さにはかなうわけはない」という教えでありますが、逆に言えば実践が不可能なことばほど無意味なものは無いとも取れるわけで、ことばの力でのし上がる政治家先生には肝に銘じていただきたいものです。

さて、今日の一枚は、ソニー・ロリンズです。
ロリンズがリヴァーサイドに残したリーダー・アルバムは2枚、「THE SOUND OF SONNY」と今日の一枚です。

特に今日のアルバムは、お得意のピアノレスであるとともに、「プロパガンダの原点を高らかに歌い上げた」てな感じで話題作となりました。もちろんこれはA面の「THE FREEDOM SUITE」(自由組曲)という、緩徐楽章まで持つクラシック風の構成で作られた組曲に由来するわけですが、この時期、大なり小なり黒人ミュージシャンが人種問題に何らかのメッセージを発することは大きな流れであったわけで、ロリンズがそれを主張することに何ら不思議はないわけです。
逆にそういった流れの中で新たなジャズの表現が生まれてきたわけですから、若干フリーがかったここでのロリンズも、ある意味、一つの転換期を迎えつつあったと言っても良いのかも知れません。

別にそんな意向をふまえてではないのですが、私はほとんどB面を聴くことがありません。
B面の出来が悪いということではないんですよ。でも、A面と聴き比べるとどうしても「おまけ」感覚が抜けないというか・・・・

ピアノレスでありながら、ぶ厚い世界観を醸し出す。まさにロリンズの世界です。

FREEDOM SUITE / SONNY ROLLINS
1958年2月27日[B面 2~5], 3月7日[1]録音
SONNY ROLLINS(ts) OSCAR PETTIFORD(b) MAX ROACH(ds)

1.THE FREEDOM SUITE
2.SOMEDAY I'LL FIND YOU
3.WILL YOU STILL BE MINE ?
4.TILL THERE WAS YOU
5.SHADOW WALTZ