JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

ばあちゃんに完敗

2007年02月17日 | m-o

今朝、朝食を食べていると、
「あっ!もうすぐお茶が無くなるなぁ・・・今日は土曜日だから明日はお茶屋さん休みだし・・あ~あ、無くなる無くなる。」と母
これはつまり、私に買ってこいというシグナルなわけで、
「わかったわかった、散歩のついでに買ってくるから。すなおに買ってきてくれって頼めばいいジャン」

ということで、午後一番にいつもとは違うコースで散歩へと出かけました。お茶屋さんまでは、私の足で片道20分程の道のり、キャノンボール・アダレイの「CANNONBALL'S BOSSA NOVA」を聴きながら歩けば、少々汗ばむほどの日差しも心地よく感じられます。
「あら?今日は車じゃないの?」 お茶屋さんのお母さんは歩いてきた私が不思議そう
「たまには、少し歩いた方が良いと思って」
梅昆布茶をいただきながら、しばしの世間話です。

そんななかで、
常連のお客様だそうなのですが、なんと片道5、6キロはあろうかという道のりを、必ず歩いて買いに来られる、86歳のおばあちゃんがいると言うではありませんか。
しかも、その道のりというのが起伏がそうとうある道で、私が歩いたとしても息を切らしそうなコースなのです。

「あのおばあちゃんは、毎日欠かさず歩いてるんだねぇ、だって背筋なんかピンとしちゃってさぁ、とっても80過ぎには見えないもん。」

帰り道にはダラダラの坂道が待っています・・・・・・だけどね、そんな話を聞いちゃったら、負けてらんないじゃないですか。
「よし、俺だって!」
遠回りをしてしまいました。そこから1時間、あてもなく住宅地内をさまよってきたのであります。

でも、ダメですねぇ。家にたどり着いたら、もう何だか疲れちゃって(笑)
これじゃ、私の体力は80過ぎのばあちゃん以下ということになってしまうわけで・・・面目ない。
「よし、せめて週末のロング散歩は、これからも続けていこう。」
心で誓った私でした。


散歩の途中で、春の香りもゲット!

花の写真も撮れました。

さて、今日2月17日はセロニアス・モンクの命日であります。
モンクが亡くなったのは1982年。2月5日に脳卒中で倒れ、意識が戻らないまま、17日、ニカ夫人の家で愛妻ネリーの腕に抱かれ、旅だったのでありました。

彼が観客の前で最後にピアノを弾いたのはその6年前、1976年の7月4日のこと。
ニューヨークのピアノ・バー「ブラッドリーズ」にバリー・ハリスが出演していたときです。そこに突然ブラッと(ブラッドリーズだけに、なんちゃって)姿をみせたモンク、ここで2、3曲弾いたのだそうであります。そして、そのまま夜の闇に消えて行った彼、これがピアノを弾くモンクを観られた最後の時ということになりました。
隠退生活中はピアノに向かうこともなく、精神的にも肉体的にもポロボロの状態であったそうですけど、愛妻ネリーは最後までモンクを支えていきました。
そうして死を迎えられたモンクは、とても幸せな人だったのかもしれませんね。

ということで、今日の一枚はモンクなのですけど、正直このアルバムが出来がよいかと訊かれると、胸を張って「はい!」とは答えにくいところがありまして。
ともかく、録音があまりおよろしくありません。どうにもこもった感じのステレオ録音なのであります。むしろ、パリでのモノラル録音のほうが良い感じ、
えっ?ならそっちを紹介しろって?
でもね、ソロの「BODY AND SOUL」が、なんとも私は好きなんです。
なんとも深いというか、モンクだなぁというか・・・・ともかく、この1曲だけでも聴いてみて下さい。

THELONIOUS MONK IN ITALY
1961年4月21日録音
THELONIOUS MONK(p) CHARLIE ROUSE(ts) JOHN ORE(b) BILLY HIGGINS(ds)
1.JACKIE-ING
2.EPISTROPHY
3.BODY AND SOUL
4.STRAIGHT, NO CHASER
5.BEMSHA SWING
6.SAN FRANCISCO HOLIDAY
7.CREPESCULE WITH NELLIE
8.RHYTHM-A-NING


夜遊びも大概に

2007年02月16日 | d-f

春もしばし足踏み、昨日今日と寒さが舞い戻ってまいりした。
そんな寒空の下、昨晩はS君と定例(???)の飲み会でした。
最近S君は「遅くまで飲むのは疲れる」などと年寄り臭いことを言うもので、
「今日も11時前を目安にしよう」



まずは行きつけの寿司屋さん、塩辛、アサリとブリかまでビールと日本酒をいただき、ヒラメのにぎりでお腹を落ち着かせまして、
「そういえば、K君が俺のためにバランタインの21年をボトルで入れてくれたんだっけ」とS君がほざいたので、いざそのお店へ

たしかにバランタインはクセもなく、美味しいお酒であります。まして21年ものは口当たりもまろやか、「シングルモルトもいいけど、ブレンデットもいいやねぇ」てなくだらない話から世相まで、オヤジ二人のバカ話を肴にクイクイ量も時間も過ぎていきました。
「おやおや、もう10時まわっちゃったねぇ、そろそろS君は門限かな?」
てなことを言った瞬間でありました。
♪チャッチャッチャーチャ チャッチャッチャーチャ・・・・(「YOU BE SO NICE TO COME HOME TO」のメロディーのつもり)♪
私の携帯であります。

さて、改めてこれ以降の予定を整理しておきますと、『S君は門限も近いので(笑)ここらで代行運転を頼んでご帰宅、私はクセのある酒も飲みたいので、いつものバーで軽くひっかけてから12時前には帰る。』というものでありました。

「あららら、Mさんから電話だ、S君ちょっと替わりに出てみてよ」
すると
「いやいや、俺はだめですよ・・ブツブツブツブツ。バブ君なら大丈夫じゃないっすかねぇ・・ブツブツブツブツ」
「うん?俺なら大丈夫・・・・・って、なんの話?」

なんと、Mさんがその時間から飲みに付き合えと言うのです。しかも場所は今いるところとは別の繁華街。
「大丈夫大丈夫、代行とばして行けばそんなかかんないから」って
あんたは行かないんでしょうが!

けっきょくは以降の私の予定は根底から崩れ、エンドレスの飲み会へと突入したのでありました。
でもね、今日は先日のように『ずる休み』はしなかったですよ。
「今晩は早寝しようっと」

昨晩の飲酒状況
生ビール中ジョッキ1杯、日本酒4合ほど、
バランタイン・ロック4杯、
焼酎水割り4杯、ターキー・ストレート1杯、
その後、焼酎何杯だろう?・・・・・・・あ~あ

さて、今日の一枚は昨夜の私のごとく、ヘロヘロマイルスであります。
ジャンキーもジャンキー、大ジャンキー時のマイルスの演奏を、皆さんはどう思われますか?
この時期(1951年1月)のマイルスといえば、住むアパートもなく、ミュージシャン仲間の部屋に転がり込んだり、複数の売春婦のヒモであったりしたわけで、そんな状態でまともな演奏をすることには無理があるだろうとは思いませんか?

1月17日、マイルスは、久しぶりにレコーディングに忙しい一日でした。
まずは、チャーリー・パーカーのレコーディングに参加(「SWEDISH SCHNAPPS」)、つづいてこのアルバムのレコーディング、さらにソニー・ロリンズ、MJQの三人にそのまま付き合い、ピアニストとしてレコーディングに参加(「SONNY ROLLINS WITH THE MODERN JAZZ QUARTET」)。

最後の参加は、レコーディングの後、ロリンズと薬を買いに行くのが目的だったようにも思えますけどね。なんだか全て片手間感が拭えないんですよ私としては。

友人T君のように、「逆に不安定なマイルスが好きだ」と言う人もいますが、「DIG」ほどの集中力をこのアルバムには私は感じないのです。
ともかく、ジャンキー仲間ロリンズとの初共演アルバムです。

じつはこのアルバム、ジャケ買いに等しい(もちろん中身は聴いておりましたが)部分があって、プレスティッジ7022からこの7025までのジャケ・デザインが、気になって気になって
どういう意図がそこにはあったのか?だれか、わかる方がいたらぜひ教えていただきたいくらいです。

MILES DAVIS AND HORNS
1951年1月17日[1-4]1953年2月19日録音[5-8]
MILES DAVIS(tp)
SONNY ROLLINS(ts) BENNIE GREEN(tb) JOHN LEWIS(p) PERCY HEATH(b) ROY HAYNES(ds)[1-4]
AL COHN, ZOOT SIMS(ts) SONNY TRUITT(tb) JOHN LEWIS(p) LEONARD GASKIN(b) KENNY CLARKE(ds)[5-8]
1.MORPHEUS
2.DOWN
3.BLUE ROOM
4.WHISPERING
5.TASTY PUDDING
6.WILLIE THE WAILER
7.FLOPPY
8.FOR ADULTS ONLY


ふたりだけの言葉

2007年02月14日 | a-c

人生でいちばん楽しい瞬間は、誰にもわからないふたりだけの言葉で、誰にもわからないふたりだけの秘密や楽しみを、ともに語り合っているときである。

と言ったのはゲーテでしたか。
今日はバレンタインデーでありますね。そこかしこにふたりだけの言葉で語り合う男女がいらっしゃるのかもしれません。
「こんちくしょう、上手いことやりやがって」
と、やっかみを覚えた歳も早遠い昔、いまや子供のままごとを見守る良き父のような心境で、ただただ代の喧噪を見守る私ですが、

「何言ってんの、バブさんだってまだまだ、一花も二花も咲かせられるわよ」
「そうか、ほんじゃそう言ってくれる○○ちゃんでも口説いちゃおうかなぁ」
「いやいや、何処かにはいるという話で・・・・大丈夫、バブさんにはバブさんの魅力があるから」
って、何の慰めにもならない言葉をかけられながら『義理以下チョコ』をいただくのであります。

かといって本音を言えば、歳だから全てをあきらめているということもなく、「忍ぶ恋をしてみたい」てな妄想も時に浮かべるわけで

「あなたとこうして逢えるのも、これが最後かもしれません。」
「バブさんのお立場はじゅうじゅうわかっておりますが、せめて今宵は・・・」
春の嵐が、まるで『遣らずの雨』のごとく窓を打つ。
  ・・・・・・どうする、どうするのよバブちゃん

なんかのCMじゃないんだから(笑)

こうゆう妄想に登場する女性は、不思議と若い娘さんではありませんね。なんとも色香を漂わせる大人の女性と相場は決まっております。ここに一つ、男の『甘えん坊』さが出ているのでしょう。
男性たれば、若いピチピチ女性のほうが当然良いに決まっているわけですけど、そういった女性には一種の恐怖感があったりして。
この歳になると、もちろん自分を差し置いてですが、「わかって欲しい」願望が男にはあるのでしょうね、包まれる優しさと自分をたててくれる謙虚さを求めてしまう。若すぎる女性には少々無理な願望かと思ってしまうのかもしれません。

えっ?「そんなのはてめえだけだ」ってですか?
すいません、身の回りに無い者を望む、これは真理でしょ?
「なんだって!」・・・節分も過ぎたのに鬼の声が聞こえます。

昔はふたりだけの言葉で語り合っていたのに、いつかその言葉すら忘れ、あれほど時間が早く流れていた語らいの時も、まだ終わらないのかとおっくうさが先に立つ、
バレンタインデー、妄想に耽るのも良いけれど、忘れた言葉を思い出してみるのも一興かもしれません。

さて、今日の一枚は・・・私には、めずらし~~~いボーカルもの、クリス・コナーのアルバムであります。

初めてのキスを拒んだとき 君はやさしく微笑んでいたよね
そして、心を許してくれて 二人の腕を絡め合ったときは
君の瞳に光が輝いていたよ

賢い人は「恋の夢など長くは続かない」なんて言うけど
それは間違ってると思う、僕は君だけに夢中だから

コール・ポーターの名曲「I CONCENTRATE ON YOU(あなたに夢中)」であります。男性が女性に対する想いを歌ったものですから、バレンタインには合わないのかも・・・
でも、もともとは女性だけが、愛を告白する日ではなかったわけで、良しとしましょう。

楽しい夜をお過ごしのあなた、どうぞこのアルバムでも聴きながら、好きなだけ語らってくださいよ、ヘンだ。(やっぱり、この歳になってもやっかみはありますね・・笑)
でも、よくよく考えてみれば、そんな奴らが、こんなブログを読んでるわきゃあありませんから、けっきょくは私が寂しい自分を暴露しているだけということですか、悲しい。

THIS IS CHRIS / CHRIS CONNOR
1955年4月録音
CHRIS CONNOR(vo) KAL WINDING, J.J.JOHNSON(tb) HERBIE MANN(fl) JOE PUMA(g) RALPH SHARON(p) MILT HINTON(b) SIE JOHNSON(ds)
1.BLAME IT ON MY YOUTH
2.IT'S ALL RIGHT WITH ME
3.SOMEONE TO WATCH OVER ME
4.TROUBLE IS A MAN
5.ALL THIS AND HEAVEN TOO
6.THE THRILL IS GONE
7.I CONCENTRATE ON YOU
8.ALL DRESSED UP WITH A BROKEN HEART
9.FROM THIS MOMENT ON
10.RIDIN' HIGH

追伸、
先日紹介しました我が行きつけの珈琲屋さん「ヤナイコーヒー」の素敵なご夫婦が、ブログを開設されました。
「自家焙煎 ヤナイコーヒー」という、そのまんまのタイトル・ブログですけど、「試行錯誤でこれから楽しいブログになれば」とおっしゃるお二人、みなさんもよろしければ覗きに行って、アドバイスなどしていただければ幸いです。よろしくお願いします。


ちょうしこいた私

2007年02月13日 | j-l

いやはや、昨晩は自宅で飲みすぎという、私でありました。
日本酒を6合ほどいただいた後、趣味部屋に移動し、レコードを聴きながら、ブログ更新をしながら、ハーパーをストレートで5杯ほど、さらに喉が渇いたと(そりゃまあ、日本酒にストレートのバーボンですから、あたりまえと言えばあたりまえなのですが)缶ビールを冷蔵庫から取り出しました。(ビールをチェイサーがわりというのは、よくあるパターンなんですけどね)

この写真を見て、何処かおかしいことにお気づきでしょうか?
えっ?「350ミリリットル缶で止めただけ偉い」ってですか?
そうじゃなくて、缶の下の方に穴が開いているのがわかります?

何年ぐらい前になるでしょうか、我が友人がアメリカ留学から帰って間もない頃だったと思います。アメリカ土産と一本のビデオテープをもって我が家を訪ねてきました。
その時、持ってきたビデオが「シュア・シング(THE SURE THING)」という映画。
監督は「恋人たちの予感」や「スタンド・バイ・ミー」のロブ・ライナー、主演は「理想の恋人」や「マルコヴィッチの穴」なんかに出ていたジョン・キューザックという、『青春ラブコメ』であります。

ご覧になったことがある方はおわかりだと思いますが、この映画の中でウォルター(ジョン・キューザック)君がとんでもない缶ビールの飲み方を披露していたわけで、途中、ヒロインのアリソン(ダフニ・ズーニガ)に、タオルをぐるぐる巻きにしてこの飲み方を伝授する場面があって、その時のダフニ・ズーニガがへんに可愛くて・・・・って、そうじゃなくて、問題はそのビールの飲み方なのです。

ちなみに皆さんは350ミリリットルの缶ビールを、どのくらいの速さで飲み干す自信がありますか?
なんと、このウォルター君流飲み方でいくと、5秒??遅くとも10秒あれば飲み干せると思います。

さぁ、その方法とは
準備するもの、①よく冷えた缶ビール ②ボールペン(書けなくなることを覚悟して)以上、
まず、左手に缶ビールを寝かせて持ち、右手でボールペンをものを刺すごとく握ります。
次に寝かせたビール缶の底近くにボールペンを突き刺します。(吹き出しに注意!)
このボールペンをグリグリと廻して、穴を自分の口の大きさに合うよう広げます。
肝心なのはここからですよ。
ボールペンを置き、右手を缶の栓にセット、口を穴に押し当てたら、そのまま栓を開く(完全に開かなくても大丈夫)と同時に缶を縦にします。
ドバーーー!ビールは容赦なく口の中に押し込まれてきますので、口から吹き出さないように飲み干してください。10秒以内、間違いなしです。
ちなみに飲み終えた後、必ずゲップが出ますので、それに併せて缶を握りつぶすと
「爽快~~~~!」

一時、この飲み方がマイ・ブームで、ことあるたびにやっておりましたが、なにぶんあっという間にビールが無くなってしまうので、年齢も考え最近は封印をしていたのであります。
それがアータ、ちょうしこいて、昨夜やっちゃったんですよ、これを
バカですよねぇ~~~、どうしようもないですよねぇ~~~、
芸として誰かに見せるならまだしも、誰が見ているわけでもないのにこんなもったいない飲み方をして、そのぶん今日に取っておけばいいのに・・・(って、そこじゃないだろ反省が必要なのは!)

そこの若い人、けしてこんな馬鹿オヤジにはならないようにね、私も反面教師として今後も努力してまいります。(笑)

さて、今日の一枚は、その「シュア・シング」を我が家に持ち込んだ友人が大好きだったアルバムをチョイスしました。どこかしこで、『ジャズ喫茶』の超人気盤との紹介を受けるこのアルバム、私のバイト先ではそれほどでもなかったように思いますが、確かに他店では頻繁にかかっていた一枚だったと思います。
なかなか手に入りにくいアルバムであったことも、人気の一因だったのかなぁ?

1971年にチャールス・トリヴァーとスタンリー・カウエルが主宰するStrata Eastからの4番目の作品として発売されたこのアルバムは、トリオの再版等あったものの、個別の盤の版権が演奏者持ちだったとか、契約が再版を許さないとか言われつつ、ひじょうに手に入りにくい一枚であったと思います。
(今は、CDが出ているようです。「Licensed from Sandra Jordan」とのクレジットが入っていたとの記事を何処かで拝見しました。やはりマスター・テープは奥様が所蔵なさっていたのですね。)
私は六本木か上野だったかで入手したはずです。(すいません定かではありません。)

前にも、そんなアルバムがあると言ったことがあったと思いますが、このアルバムも私的にはA面しか聴かないアルバムでして、だからといって別にB面が悪いというわけじゃないんですよ。
ただ、私の場合「VIENNA」を聴くためにこのアルバムを聴く、みたいなところがあるんです。それほどこの曲がずば抜けているように思うのは私だけでしょうかねぇ?

ともかく、今日は飲み過ぎに注意しながら、B面までじっくり聴いてみることにします。

CLIFFORD JORDAN IN THE WORLD
1969年録音
CLIFFORD JORDAN(ts) JULIAN PRIESTER(tb) DON CHERRY[1,2], KENNY DORHAM[3,4](tp) WYNTON KELLY(p) WILBUR WARE[1,3], RICHARD DAVIS(b) ALBERT "TOOTIE" HEATH[1,2], ED BLACKWELL,[3,4], ROY HAYNES[3,4](ds)
1.VIENNA
2.DOUG'S PRELUDE
3.OUAGOUDOUGOU
4.872


手前肴

2007年02月12日 | s-u

昨日休肝日を敢行した私(エッヘン)、今日は酒の進む肴を所望いたしました。
「かってに自分で作れば」
う~ん、「据え膳を望んでいたら、我が家では酒の肴を期待できない。」との鉄則が破られることはありません。
ならばと、二晩連続の料理当番を買って出ました。
「ようし、そこまで言うなら、つまみオンリーで作ってやる!」

まずは先日の『メヒカリ』、干物ばかりをここで紹介してもシャーナイと、唐揚げを作ってみました。
・・・・・作ったと言うほどのものでもありませんね。
干物をそのまま片栗粉まぶして揚げても良いのですが(内臓は取ってくださいはねますので)、唐揚げはできれば生の『メヒカリ』をご使用になったほうが良いかもしれません。
まずは、面倒でも鱗と内臓を取って、塩をします。しばらく置いて水気を取り、片栗をまぶして揚げてください、美味しい『メヒカリの唐揚げ』の完成です。レモンをサッと搾って温かいうちにどうぞ。

二品目は、烏賊と里芋と大根の煮付け。レシピを言うまでもないとは思いますが、大根、里芋は下煮をしてから煮つけます。烏賊は最後にね、堅くなっちゃうから。
本当は、烏賊のコロ(腑)を入れると美味しいのですけど、母が苦手なもので今日はあきらめました。

最後に春菊のごま和え、この三品で・・・・へへへへへへへ6合いただきました。
後は、趣味部屋でレコードでも聴きながら、バーボン・タイムですねぇ(ウキウキ)

えっ?誰ですか、「バブは単純で良いねぇ」なんて言う人は・・・ヘンだ、いいんです単純でも美味しく飲めれば。

さて、今日の一枚はアート・テイラーです。
テーラーズ・ウェイラーズとは、ニューヨークで短期間活動したグループ、なかなかグルービーで楽しいアルバムだと思います。プレスティッジお得意のオールスターものとは、グループとして活動したという意味で一線を画すアルバムかもしれません。
ちなみに、2曲目「C.T.A.」はコルトレーンのワン・ホーン、「INTERPLAY FOR 2 TRUMPETS AND 2 TENORS」のCDボーナスとして収録されたりもしていますよね。

TAYLORS WAILERS / ART TAYLOR
1957年2月25日,3月22日録音
ART TAYLOR(ds) DONALD BYRD(tp) CHARLIE ROUSE, JOHN COLTRANE(ts) JACKIE McLEAN(as) WENDELL MARSHALL, PAUL CHAMBERS(b)
1.BATLAND
2.C.T.A.
3.EXHIBIT A
4.CUBANO CHANT
5.OFF MINOR
6.WELL, YOU NEEDN'T


ミイラ取りが

2007年02月11日 | p-r

夜になって急に冷えてきましたが、今日は休肝日と決めた私、この夜長をどう過ごしましょうか?

本をそこそこは読むようにしている私ですけど、最大の問題は保管場所をどうするかということです。
買い込んだ本の数と同等の数の本を処分すれば良い話、ところが貧乏性というかなんというか、棄てきれずにどんどん増えていってしまいます。
今日は一大決心の下、本の整理に取りかかりました。

まずは、古い本の整理であります。下手をすると学生時代、いやそれ以上昔の本まであったりして、こんなものは早く処分すべきなのでしょうが、何度かの整理を乗り越えて今ここにあるということは、なおさらに棄てきれなかったりする本ばかりなのです。

こんな本が出てきました。
クロード・ブラウン著、小松達也訳『ハーレムに生まれて』という、ハーレムに生まれ育った同氏の幼児期から二十二、三歳まのでの伝記で、黒人差別の中で人間がどう形成されていくのか、そしてハーレムという隔離された世界の中での出来事が、いかに想像に絶する世界だったのかを、私に教えてくれた本であります。

私がこの本を手にしたのは、おそらく高校生の頃だったと思います。ジャズを聴いて、アメリカの黒人文化に興味を持ったのがこの本を読んだきっかけであったのは確かで、始めて読んだときにはちょっとした衝撃を受け、二、三度読み返した覚えがあります。
ビリー・ホリデイ自伝『奇妙な果実』とともに、かなり影響を受けた本でもありました。

「いやぁ、これは処分できないでしょう」
ほらね、けっきょくは、古い銘酒辞典やら、熱帯魚の飼育マニュアルなど、10冊ほどしか処分出来ず、それどころか、整理も中途半端に、また『ハーレムに生まれて』を読み返し始めてしまいました。いわゆる『ミイラ取りがミイラ』ってやつですか。
でもこうして読んでいると、ハーレムというある意味アメリカの恥部と、現代日本の抱える問題に、状況は違っても類似点が幾つかあるように思えるのは、私だけでしょうか?

ジャズを聴きながら読んでいると時間も忘れてしまいます。
「今日は日曜日だよ~~!」の声で夕食当番にかき出されるまで読書は続きました。

さて、今日の一枚はソニー・ロリンズであります。
とか言いながら・・・・・
私の場合、セロニアス・モンクのある一面を聴ける一枚としての印象が強いアルバムです。

アルフレッド・ライオンという人は、ワンホーンが嫌いだったのでしょうか?ロリンズ、ホレス・シルバー、ポール・チェンバース、アート・ブレーキー、このカルテットでじゅうぶんのような気もしますが、ホーンをもう一本、J.J.ジョンソンを加えました。
もっとビックリは、スタジオにピアノが一台しかないのにモンクまで呼んでしまったことです。
こうなると、当然、曲によってピアノを替えるのかと思いきやさにあらず、「MISTERIOSO」では、二人がピアノを弾いてしまっているという、録音風景を思い浮かべるとちょっと信じられない光景が浮かんできます。
ライオンという人は凄い人ですよね。モンクもシルバーもただならぬ恩義を彼に感じていたのでしょう。

それでもって、この演奏がどうかというと、なんとも上出来なのであります。ロリンズはもちろん、J.J.のソロもご機嫌。モンク、シルバーも違和感を感じません。リズム・セッションは語る必要もないでしょう。

このアルバムに入っているモンクの二曲、モンク・ファンであるなら、けして聴き逃せない二曲だと思います。

SONNY ROLLINS Vol.2
1957年4月14日録音
SONNY ROLLINS(ts) J.J.JOHNSON(tb) THELONIOUS MONK[3,4], HORACE SILVER[4以外](p) PAUL CHAMBERS(b) ART BLAKEY(ds)
1.WHT DON'T I
2.WAIL MARCH
3.MISTERIOSO
4.REFLECTIONS
5.YOU STEPPED OUT OF A DREAM
6.POOR BUTTERFLY 

おまけ、
今週も料理当番でしたので、メニューのご紹介。
何故か「オージー・ビーフ」が安かったと買い込んであったので、霜無し肉のステーキであります。良くたたいたせいで、そこそこ柔らかく出来上がりました。(笑)



母は、ビーフが苦手なので、烏賊を炒めて添えてみました。


そなたの声は鶯か?

2007年02月10日 | a-c

今日は「昼頃には晴れますよぉ」の予報だったのに、とても青空とは呼べない空模様、それでも明日は気温が下がると聞けば、恒例の散歩は行くしかありません。

  梅は咲いたか桜はまだかいな、柳なよなよ風しだい、
  山吹ゃ浮気で色ばっかり、しょんがいな

さすがに桜はまだでしょうけど、梅はそろそろ見頃かと、『二月の花札』を期待して出かけてみれば、なんと圧巻の菜の花がここぞとばかりに咲いておりました。

もちろん梅も咲いてはおりましたが、先日も写真を載せましたので今日はおあずけ、黄色い花で我慢してください。

一方の鶯はと・・・こちらも、今年の暖かさに助けられ、鳴きの練習も順調なようであります。
運動公園の近くを歩いていると可愛い女性のアナウンス、
「おうおう、こちらの鶯も、いい声だ」
なんとも爽やかな若き声は、春を呼ぶ麗しき響きがありますねぇ、
えっ?いくつまでが若き声かって?
何をおっしゃいますか、女性だって年齢を重ねれば、こんどは鳴く鶯じゃなくて、鳴かせる魅力に溢れるではありませんか。このぉ、男泣かせ!

くだらないことはさておき、一歩一歩春は近づきつつある気配です。

さて、今日の一枚ですが、レコードで買おうと心に決めていたのが、けっきょくCDのボーナストラック付きで買ってしまったという、私的にはひじょうに不本意な一枚であります。(しかもジャケ・デザインはぜんぜん別物だし)

元々は、トランディション・レーベルが「BYRD JAZZ」というアルバム名で、ドナルド・バードをリーダーとして出したものです。これが版権を売り渡したデルマークが、「YUSEF」としてユテフ・ラティーフをリダー、あるいはバードをリーダーとして「FIRST FLIGHT」として再発しました。
その後、オリジナル・ジャケットから、トランディションの文字を消した同デザインのものも再発されましたが、なんと私は買わずじまい。
もちろん、トランディションのオリジナル盤など手に入れようとはもうとう思いませんでしたけど、再発盤のいずれかを買おうと思っていたのであります。

このアルバムは実質バードの初リーダー・アルバムということになります。
デトロイトでのライブ演奏、当然デトロイト出身の三人ということで、会場のすごい熱気が伝わってきます。そしてそれにつられた三人の、乗りの良い若いハード・バップはなかなか魅力的、「DANCING IN THE DARK」なんて、それはもうライブ感たっぷりです。

というわけで、残念ながら今日はCDでの紹介です。

COMPLETE RECORDINGS / DONALD BYRD WITH YUSEF LATEEF & BARRY HARRIS
1955年8月録音
DONALD BYRD(tp) YUSEF LATEEF(ts) BARRY HARRIS(p) ALVIN JACKSON(b) FRANK GRANT(ds) BARDARD McKINNEY(eup)
[Donald Byrd(tp) Hank Mobley(ts),Horace Silver(p),Doug Watkins(b),Art Blakey (ds) 8,9]
1.BLUES
2.TORTION LEVEL
3.WOODY 'N YOU
4.DANCING IN THE DARK
5.PARISIAN THOROUGHFARE
6.YUSEF
7.SHAW 'NUFF
[8.Everything Happens to Me]
[9.Hank's Other Tune (The Late Show)]

追伸、
8,9曲目はトランジション盤「バーズ・アイ・ビュー」からの曲です。


バブ・オン・ステージ

2007年02月09日 | p-r

今日は昨日の『ずる休み』を受け、遊んで帰るわけにも行かず素直に帰宅しました。テレビで天気予報など見ていたら、
「来週あたりには一度、寒の戻りがありそうです。」との予報士の言葉に
「何処の寒に戻るんじゃい!」と突っ込みを一人入れたりして。
だって、今日も暖かかったでしょ、いよいよ今シーズンはこのあたりでも雪の顔を見ずに終わりそうなんですから。

たまにですが、知り合いからDVDやらCDやらが廻ってくることがあります。本日廻ってきたのは、なんと高田渡の「ごあいさつ」と、泉谷しげるの「GOLDEN☆BEST」。
「まったく、こんなもん廻しやがって!」
こんなの聴いたら、絶対今晩はホコリをかぶったギターを持ち出して歌うに決まってるじゃないですか。

 ♪ 白雪姫のぉ~~ 毒リンゴ・・・・・ ♪

泉谷の「白雪姫の毒リンゴ」から始まって、高田渡の「自転車にのって」あたりになったら、ギター無しでも歌い始めておりました。

高田渡を聴いて、気の利いた肴にバーボンも無いだろうと、日本酒を趣味部屋に持ち込み、冷蔵庫に何故かあったチーかまを、昔、大船駅のホームのスタンドでいつもやっていたように、かぶりつきながら日本酒・・・・洒落た酒器も合わないので、ここは茶碗酒で「ク゛ピー!」であります。
「カー!うめぇ~~~!」

「よう~~し」
始まっちゃいました。ギターを引っ張り出して、『バブ・オン・ステージ』開演です。

 ♪ 値上げは ぜんぜん考えぬ  年内 値上げは考えぬ
   当分 値上げはありえない  極力 値上げはおさえたい
   いまのところ 値上げはみおくりたい  すぐに 値上げを認めない
   ・・・・・・・・・ ♪

観客のいない『バブ・オン・ステージ』も寂しいものですが、そんなことはお構いなし、いつのまにやらボルテージも上がって絶好調!

「うるさいよ!」

我がステージは、いつもこの一言で終演を迎えます。(笑)

さて、今日の一枚は、下手なギターで終わっては目覚めが悪いので、ジミー・レイニーを選んでみました。
レイニーといえば、スタン・ゲッツやバディ・スチュワート、ズート・シムズらと共演を思い浮かべます。おなじアパートにはタル・ファーロウ、サル・サルヴァドールなどが住んでいて、ジョニー・スミスやジョン・コリンズも遊びに来ていたそうですから、お互い刺激をしあいながら技術を磨いていったのでしょう。
ギターのリー・コニッツなんても言われる彼、そのクールな演奏は、他に一線を置くユニークさをもっています。
このアルバムは彼の初リーダー作ですが、私はA面のカルテットでの、クールなソロがお気に入りです。

A / JIMMY RANEY
1954年5月28日[1-4], 1955年3月8日[5-12]録音
JIMMY RANEY(g)
HALL OVERTON(p) TEDDY KOTICK(b) ART MARDIGAN(ds) JOHN WILSON(tp)
1.MINOR
2.SOME OTHER SPRING
3.DOUBLE IMAGE
4.ON THE SQUARE
5.SPRING IS HERE
6.ONE MORE FOR THE MODE
7.WHAT'S NEW
8.TOMORROW, FAIRLY CLOUDY
9.A FORRY DAY
10.SOMEONE TO WATCH OVER ME
11.CROSS YOUR HEART
12.TOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS


じつは『ずる休み』

2007年02月08日 | m-o

今日は少々体調が優れず、差し迫った仕事もないので、有休を・・・・・・
ごめんなさい、嘘です。
たしかに少々風邪気味ではあるのですが、昨晩10時を廻ってからMさんと飲みに出かけちゃいまして、それでも帰宅時間は1時半ぐらいでしたし、なにより「飲んだ次の日には仕事は休まない」が原則の私としては、今日も通常どおり出勤するつもりでおりました。ところが、バカですよね自家用車をMさんのお店に置いたまま帰宅したので、今朝になって早くに取りに行くのが面倒になってしまったという・・・まぁ、頻繁にあることでもないので、今回だけは勘弁してやってください。

ということで、少々風邪気味とはいえ、一日自宅で寝ている状況でもなく、ならばと、徒歩でMさんのお店に向かいました。(おいおい、体調不良で休んでる人が、ホイホイ出歩いていいのかい?・・・・まぁまぁまぁまぁ)
途中、そろそろ我が家の珈琲豆が底をつきそうだったので、いつもの珈琲屋さんに立ち寄ると。
「バブさん、ちょっと時間あります? いやね、この前バブさんのブログ見たんですよ。それでね、じつは私も今度ブログを立ち上げようと思うんで、訊きたいことがあって」
「あらま、こんなブログど素人に訊いても、何の役にも立たないかもしれませんけど、ずる休みの一日、時間はたっぷりありますよ。」


この写真は昨年12月に撮影したものです。

話の内容は、どういう文章を載せたらいいのか、写真はどう載せるのか、更新はたいへんじゃないか、等々のご質問でありました。
「あまり、深く考えないで、気軽に始めるのが一番だと思いますよ。しょせん素人が書く文章ですし、どっかの教諭だか変態だかわかんない(余談ですが、昨日やっと逮捕されましたね)、あんな内容のものじゃなくて、常識内の内容であれば、上手い下手もないでしょ。素直に書いちゃったもん勝ち的なものですから、ともかくまずは始めてみることですよ。」
「それじゃ、いよいよ始めてみますよ。」
「開設したら、私のブログにでもコメント入れてください。私なりに宣伝しますから(笑)」

また一人、ブログ仲間が増えそうです。開設後は紹介しますので、皆さんもぜひ覗いてやってみてください。そして、お近くの方は美味しい自家焙煎の珈琲が沢山ありますから、買いに行ってやって下さい。(気が早いかな?)

その後は、平日の休みをいいことに、図書館、本屋と楽しみ、ツタヤでDVDまで借りて帰ってまいりました。
              - 仕事さぼってそんなことしていていいのかい? -

とりあえず、こんなDVDを借りてきてしまいました。

さて、今日の一枚はジャンキー、マクリーン絶好期の一枚です。
この頃のアルバムで、一番印象的なのは「4,5&6」でしょうか、でもその一ヶ月後に録音されたこのアルバムもまた、なかなかなものでありますよ。

PAL(相棒)とは、もちろんビル・ハードマンのこと。二人はミンガス・グループ在籍中に意気投合しました。そして同時にグループを離れるわけですけど、ミンガスとマクリーンがどうにも合わなかったらしいですね。「ミンガスのところからやっと離れられたよ」みたいな感じを何処かに聴き取れると思うのは考えすぎでしょうか。

この後、二人はジャズ・メッセンジャーズの一員へとなっていくわけですけど、この頃のマクリーンは良くも悪くもムラがありますよね。それは、精神的ものだったのか(ミンガスに追い込まれていたとか)、薬のせいだったのか。
このアルバムの中でも、その傾向は変わらないと思います。ただ、逆にそれが良い味というか、いかにもマクリーンと思わせるフレーズを生み出す要因であるようにも思えます。
一方のハードマンですが、正直、私はどうにも煮え切らないトランペットのように感じてなりません。これも好みの問題ですが、もう少しハリがあっても良いかなぁ、なんてね。
そんな中でも、「IT COULD HAPPEN TO YOU」のソロなんかは叙情的で、彼のトランペットが生きた一曲だとは思います。

JACKIE'S PAL / JACKIE McLEAN
1956年8月31日録音
JACKIE McLEAN(as) BILL HARDMAN(tp) MAL WALDRON(p) PAUL CHAMBERS(b) PHILLY JOE JONES(ds)
1.SWEET DOLL
2.JUST FOR MARTY
3.DEE'S DILEMMA
4.SUBLUES
5.STEEPLECHASE
6.IT COULD HAPPEN TO YOU

追伸、
いつも思うことなんですけど、この時期のチェンバースとフィリー・ジョーの忙しさといったら半端じゃないですよね。マイルスのグループのレギュラーとしてはもちろん、あらゆるところで二人の名を目にします。アル中、チェンバースとジャンキー、フィリー・ジョー、大もての二人がくつろぎの時間を得るには、酒と薬が不可欠だったのかもしれません。

おまけ、
買いに行ってと紹介しているくせに、所在も何にも明かさないというのはひどいかもしれません。
お店の名前は『ヤナイコーヒー商会』、地図付きのタウンページはこちらから、
素敵なご夫婦が、日夜旨い珈琲を追求し続ける(笑)優良店です。お近くの方はぜひご利用下さい。


柳沢バブ陳謝

2007年02月07日 | a-c

先日、「女性の話は小さい話がどんどん膨らんで、あらぬところまで波及する」的な発言をいたしましたが、何処かの大臣のごとく失言であったと深く反省しております。
というのも・・・・、

今日行きつけの喫茶店で昼食を食べていた時のこと、同席のお客さんとしばしのジャズ談義とあいなりました。その中で
「コルトレーンは、ブロードウェイを観に行って感激したから『マイ・フェイヴァレット・シングス』を演奏しようと思ったのかねぇ?」と彼
「いやいや、『ジャズ・ギャラリー』かどこかで演奏している時に、どっかのオッサンが楽譜をもってきたらしいですよ。」

御存じ、「マイ・フェイヴァレット・シングス」はミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の挿入歌でありますが、ブロードウェイでの初演は1959年11月16日、コルトレーンがアルバム「MY FAVORITE THINGS」を録音したのは翌年10月ですから、とうぜんブロードウェイを観てと考えるのもわからなくはありません。
でも実際は、売り込み屋がコルトレーンのところに楽譜を持ち込んだというのが真相のようで、現代と違い、ブロードウェイ・ミュージカルの評判がすぐに全米に広がるという時代ではありませんから、同アルバムがヒットしたあとで、映画「サウンド・オブ・ミュージック」が公開になったときには、「あれ?この曲はコルトレーンの曲じゃなかったの?」と多くの人が思ったということであります。

「そうするとさぁ、『マイ・フェイヴァレット・シングス』の著作権料はどうしたんだろうね?」
「えっ?レコードの販売元で支払ったんじゃないですか」
「そんじゃ、ライブでそこらじゅうで演奏した分は?」
「それは、ライブ主催者が払ったとか・・・」

私だって音楽著作権協会の人間でもないし、弁護士でもないしねぇ、そんなに詳しくわかるわけもありません。
ともかく、そんな話から今度は『著作権』の話に

「著作権て、何年有効なの?」と彼
「え~と・・日本だと50年だっけ、マスター?」
「俺もそのへんは詳しくないなぁ」とマスターが答えたので、
「あれ、だってマスターの店だって支払ってるでしょ、著作権料」というと
「何?喫茶店のBGMにも著作権料ってかかんの?」と彼がビックリ
「それはそうなんだけどね、うちは有線使ってるから、有線会社で支払ってるわけよ」
すかさず私が
「またまた、CDだってかけてんジャン」
「・・・・・・」
「なになにCDかけても、別にかかっちゃうの???」とさらに彼はビックリ

そこで、何年か前にあった新潟のジャズ喫茶「スワン」の著作権料請求問題の話が始まりました。(このお話は後ほどとして)

「いやぁ、複雑なんだねぇ著作権て」

私自身、何年か前にアマチュア・バンドのコンサート運営の手伝いをしたことがありましたが、その際も著作権料に関しては、曲申請をしたために演奏曲目をあらかじめ提出してもらったりたいへんでした。(コンサートの場合、一括申請も可能なようですけどけっこう金額ははるんですよ。)

「そうそう、例えば、チャーリー・パーカーがジョージ・ガーシュインの曲を演奏しているとかいうものなら、全く著作権料は発生しないはずですよ。っていうか、パーカーの曲はスタンダードのコード進行だけ拝借して、メロディーを乗せた、ある意味彼のオリジナルが多いから、ボーカルものでも無いかぎりは著作権には引っかからないかもしんないなぁ、とりあえず日本国内では」と私が言うと
「なんでなんで?」と彼、
「だって、死んでから50年以上たってるもん」
「なになに、じゃ仮にネット上で流したらどうなんのよ?」
「世界発信だからねぇ・・・・どうなんだろマスター?」
すると、マスターが
「海外発信のエッチ画像は堂々とネット上に流れこんでんだから、問題ないんじゃないの」
「おいおい、それはぜんぜん違うから」
あらあら、話がまたまたずれていく・・・・

ほらね、話がどんどんいらぬ方に一人歩きしていくのは、女性だけじゃないんですよ。先日の私の発言は、かくも不用意なものでありました。改めて、お詫び申し上げます。

さて、今日の一枚は「MY FAVORITE THINGS」といきたいところだったのですが、以前に紹介済みですので、同アルバムに行き着く前、自己のオリジナル・バンドのメンバー集めに悩んでいた時期のアルバムにしてみました。

共演ドン・チェリーと聞くだけで、顔をしかめられる方もいます。しかも「コルトレーンのアルバムの中でこれがとても良い」という方にもあまりお目にかかったことはありません。
たしかに、前後の「GIANT STEPS」「MY FAVORITE THINGS」と比較すると、探り探りしながらの演奏に聞こえるのは確かですし、初のソプラノ・サックスも自信をもって吹いているとはちと言えません。ドン・チェリーの名前が先にきてもよいほど、自信みなぎるドン・チェリーの演奏が光る一枚だと思います。
オーネット・コールマンのグループが「ファイブスポット」で脚光を浴びる中、コルトレーンは時間があるかぎり彼らの演奏を聴きに出かけていたといいます。
コールマンに「君から受けた授業料だ」と30ドルを添えて手紙を送ったとか、ともかくこの時期、コールマンとコルトレーンは仲良く音楽論を語り合う間柄であったことは確かです。
そのコルトレーンがお頭抜きのオーネット・コールマン・グループとどう渡り合い、コールマンの曲をどう演奏するのか?
そして、突然、彗星のごとく現れたコールマンと、当時それでもなお、確実な評価を得ていなかった努力の人コルトレーン、この二人の違いを確認する一つの材料として、このアルバムは貴重な一枚であると私は思っています。

THE AVANT-GARDE / JOHN COLTRANE & DON CHERRY
1960年6月28日, 7月8日録音
JOHN COLTRANE(ts,ss) DON CHERRY(tp) CHARLIE HADEN[1,3] PERCY HEATH[2,4,5](b) ED BLACKWELL(ds)
1.CHERRYCO
2.FOCUS ON SANITY
3.THE BLESSING
4.THE INVISIBLE
5.BEMSHA SWING