JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

我が家の雛姫

2007年02月06日 | g-i

前回お話ししたように、昨日は一日、漁港近くでの仕事だったのですが、夕方4時頃でしょうか、ふと、その日に読んだ新聞の地方面を思い出しました。

「そういえば、あの新聞記事の場所は、この近くだったよなぁ・・・S君に訊けば場所がわかるかな?」
ということで、S君に電話をすると、
「あぁぁ、新聞に載ってたなぁ・・・たぶん○○漁港の近くだと思うよ」
とのこと、私がその時いた場所からは車でものの10分ほどの漁港です。

ほんの少し、仕事をさぼって見に行っちゃいました。

『つるし雛』の由来はもっとも有名な伊豆稲取地区のものを参考にしていただくとして、規模は小さいものの、手芸やパッチワークを趣味とされる奥様方が、先生とともに作り、この地区の軒先などに飾られた『つるし雛』も、本場に負けない素朴で素敵なものでありました。



全くの私事ですが、我が家のお姫様(はははは、娘ですよ)の生年月日は、平成3年3月3日なのでありまして、お雛様には格別な想いがあります。
姫の見た目は、おかめかお多福かといった風貌ではありますが、父としてはアルト・サックスに打ち込む可愛い娘、「女は見た目じゃないぞ、愛嬌愛嬌」と育てたかいあって、じつに気持ちだけは良い娘に育ったと思っています。(ほとんど親バカの世界ですけど)

そんな姫ももうすぐ16歳、早生まれですから、今年は同学年生のほとんどが『セブンティーン』の年であります。まさに青春まっただ中、自分の同い年だった頃を思い出すと心配で心配で、
最近はテナー・サックスも始め、益々音楽の世界に没頭しているようではありますけど、変なものに没頭したり、「マジギレ」しちゃったり、人様に迷惑をかけたりしないだろうか?と何も出来ないくせに考えてしまうのが親父であります。
『つるし雛』を眺めているうちに、いらぬ事まで考えてしまいました。(笑)

「さてさて、変なことは考えずに、姫への誕生日の献上品をそろそろ考えなくちゃいけないなぁ」

さて、今日の一枚はデクスター・ゴードンです。
彼のサックスの音色に、なんとなく「お父さんぽさ」を感じてしまう私です。どっしりとしたというか、一本筋の通ったというか、気骨というか、父として私にもっとも不足した部分を全て供えている響きにきこえます。

ブルーノート復帰後、最初のワン・ホーン・アルバム。
カリフォルニアにいたデックスは、アルフレッド・ライオンから「ぜひ、ニューヨークに出てきて欲しい」との招きを受けました。デックス親父は気軽な旅行気分でこれに応じたのかもしれません。
「ニューヨーク5泊6日ご招待!」この間にライオンが用意したのは、2回の全く違うセッションです。一つは新進気鋭のフレディ・ハバードとの共演(4077「DOIN' ALLRIGHT」)、もう一つはケニー・ドリュー、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズという最高のリズムセッションをデックスのワンホーンに用意するというものでした。

そういった背景を考えると、この二枚のジャケットが意味深に思えます。まずは、観光気分でニューヨークを楽しんでいるデックス、そして、「もう少しニューヨークにいようかなぁ」なんて、カリフォルニアに電話をしているデックス・・・・みたいな。

その後、ニューヨークに本格復帰したデックス、ところが、このセッションでバックを勤めたドリューとともにヨーロッパに移り住んでしまうというのも、なんだかちょっと面白い気もしますよね。

ともかく、彼の豪快なワン・ホーン・セッションは、ブランクが逆に彼の大きさにつながったことを実感できる一枚だと思います。

DEXTER CALLING / DEXTER GORDON
1961年5月9日録音
DEXTER GORDON(ts) KENNY DREW(p) PAUL CHAMBERS(b) PHILLY JOE JONES(ds)
1.SOUL SISTER
2.MODAL MOOD
3.I WANT MORE
4.END OF A LOVE AFFAIR
5.CLEAR THE DEX
6.ERNIE'S TUNE
7.SMILE

おまけ、
映画「ラウンド・ミッドナイト」で演奏されていた「SOCIETY RED」は、「DOIN' ALLRIGHT」を聴いたクリント・イーストウッドが、自ら選曲したそうでありますよ。さても、アカデミー賞で「硫黄島からの手紙」がどう評価されるのか?こちらもまた楽しみです。