JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

ミイラ取りが

2007年02月11日 | p-r

夜になって急に冷えてきましたが、今日は休肝日と決めた私、この夜長をどう過ごしましょうか?

本をそこそこは読むようにしている私ですけど、最大の問題は保管場所をどうするかということです。
買い込んだ本の数と同等の数の本を処分すれば良い話、ところが貧乏性というかなんというか、棄てきれずにどんどん増えていってしまいます。
今日は一大決心の下、本の整理に取りかかりました。

まずは、古い本の整理であります。下手をすると学生時代、いやそれ以上昔の本まであったりして、こんなものは早く処分すべきなのでしょうが、何度かの整理を乗り越えて今ここにあるということは、なおさらに棄てきれなかったりする本ばかりなのです。

こんな本が出てきました。
クロード・ブラウン著、小松達也訳『ハーレムに生まれて』という、ハーレムに生まれ育った同氏の幼児期から二十二、三歳まのでの伝記で、黒人差別の中で人間がどう形成されていくのか、そしてハーレムという隔離された世界の中での出来事が、いかに想像に絶する世界だったのかを、私に教えてくれた本であります。

私がこの本を手にしたのは、おそらく高校生の頃だったと思います。ジャズを聴いて、アメリカの黒人文化に興味を持ったのがこの本を読んだきっかけであったのは確かで、始めて読んだときにはちょっとした衝撃を受け、二、三度読み返した覚えがあります。
ビリー・ホリデイ自伝『奇妙な果実』とともに、かなり影響を受けた本でもありました。

「いやぁ、これは処分できないでしょう」
ほらね、けっきょくは、古い銘酒辞典やら、熱帯魚の飼育マニュアルなど、10冊ほどしか処分出来ず、それどころか、整理も中途半端に、また『ハーレムに生まれて』を読み返し始めてしまいました。いわゆる『ミイラ取りがミイラ』ってやつですか。
でもこうして読んでいると、ハーレムというある意味アメリカの恥部と、現代日本の抱える問題に、状況は違っても類似点が幾つかあるように思えるのは、私だけでしょうか?

ジャズを聴きながら読んでいると時間も忘れてしまいます。
「今日は日曜日だよ~~!」の声で夕食当番にかき出されるまで読書は続きました。

さて、今日の一枚はソニー・ロリンズであります。
とか言いながら・・・・・
私の場合、セロニアス・モンクのある一面を聴ける一枚としての印象が強いアルバムです。

アルフレッド・ライオンという人は、ワンホーンが嫌いだったのでしょうか?ロリンズ、ホレス・シルバー、ポール・チェンバース、アート・ブレーキー、このカルテットでじゅうぶんのような気もしますが、ホーンをもう一本、J.J.ジョンソンを加えました。
もっとビックリは、スタジオにピアノが一台しかないのにモンクまで呼んでしまったことです。
こうなると、当然、曲によってピアノを替えるのかと思いきやさにあらず、「MISTERIOSO」では、二人がピアノを弾いてしまっているという、録音風景を思い浮かべるとちょっと信じられない光景が浮かんできます。
ライオンという人は凄い人ですよね。モンクもシルバーもただならぬ恩義を彼に感じていたのでしょう。

それでもって、この演奏がどうかというと、なんとも上出来なのであります。ロリンズはもちろん、J.J.のソロもご機嫌。モンク、シルバーも違和感を感じません。リズム・セッションは語る必要もないでしょう。

このアルバムに入っているモンクの二曲、モンク・ファンであるなら、けして聴き逃せない二曲だと思います。

SONNY ROLLINS Vol.2
1957年4月14日録音
SONNY ROLLINS(ts) J.J.JOHNSON(tb) THELONIOUS MONK[3,4], HORACE SILVER[4以外](p) PAUL CHAMBERS(b) ART BLAKEY(ds)
1.WHT DON'T I
2.WAIL MARCH
3.MISTERIOSO
4.REFLECTIONS
5.YOU STEPPED OUT OF A DREAM
6.POOR BUTTERFLY 

おまけ、
今週も料理当番でしたので、メニューのご紹介。
何故か「オージー・ビーフ」が安かったと買い込んであったので、霜無し肉のステーキであります。良くたたいたせいで、そこそこ柔らかく出来上がりました。(笑)



母は、ビーフが苦手なので、烏賊を炒めて添えてみました。