JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

救えるのは籠にあらず?

2008年12月08日 | d-f

今日は12月8日『事八日』(2月8日もこう呼びますが)、つまり正月という大行事を控え今日が事納め、もしくは正月の準備を始める事始め、と地域によって始まったり終わったりややこしい、「ここはひとつ、どちらもたてて『事八日』って事にしましょうや」と決まったのかどうかは分かりませんが、一つの区切りとされる日であります。

そんな『事八日』に現れるものといえば『妖怪』でして、関東あたりには一つ目小僧やミカワリ婆さんが出没するそうでありますし、地方によっては、疫病神が姿を見せるんだとか。
「嫁さんが妖怪で、俺が疫病神じゃ、我が家は一年中『事八日』だな」
そんなことぁ思っても言っちゃいけませんが・・・
妖怪やら疫病神から身を守るために今日は外出を控え,さらに防禦の手段として庭先や門口に目籠(竹などで編んだ目の荒い籠)を掲げたり,柊,唐辛子,ニンニクなどを門口に挿したり燃やしたりする必要があるそうですよ。

「はい、質問!」
「なんでしょ、えっ?ニンニクを炊けば家に住み着く妖怪も追い出せるのかって?えっ?そんくらいじゃ出て行きそうもないから、大イビキこいてる間に鼻に唐辛子突っ込んでやろうかって?・・・およしなさい、脅威がさらに拡大する恐れがありますから。」

ところで、現れるという妖怪、一つ目小僧はパッと映像まで頭に浮かびますが、ミカワリ婆さんとはどんな妖怪か?
「屑米も捨てないで団子にして食べなさい」と,多摩川の上流から下流の村々にシマツ(節約)の仕方を教えにきた婆、つまり「もったいない精神」を広めに来た現代でいうところのワンガリ・マータイ女史のような尊敬されるべき方だったわけで、そんなエコ婆を忌み嫌うのはちょっと失礼しちゃう気もしますが、どうも妖怪になってからは目が不自由になられたようで(笑)、エコ推進運動が目を盗む運動へと変化したらしいのですねぇ、
故に、一つ目小僧、ミカワリ婆さんともに、無いもの欲しさに目を盗みに来るというわけで、本物の目を取られちゃたまりませんから、偽物の目、目籠で欺くのであります。

ミカワリ婆さんではありませんが、善人が忌まわしい妖怪に変ってしまうことは間々あることで、あなたの隣におられる妖怪様も、もとはあなたにとって天使のような方でいらしたのでしょ?妖怪に変化させたのはあなた自身のせいなんじゃないですかぁ。
なにかで追っ払ったり、途中キラキラした場所に逃げ込もうてなことを考えずに、せめて今日くらいは日頃の労をねぎらい、サービスしてあげてはいかがでしょ。あなたを妖怪から救えるのは籠にあらず、あなた自身の行いかもしれませんよ。
ちなみに我が家はすでにあきらめてますけどね。(笑)

さて、今日の一枚は、ルー・ドナルドソンです。

ブルーノートが売り出したピアノトリオ、スリー・サウンズをバックに、スタンダードを気負い無くリラックスして吹くドナルドソンは、まさに「絶好調の季節」そんな感じです。

前年に「LOU TAKES OFF」で発進したドナルドソンは、「BLUES WALK」でソウルフルな自己のスタイルを確立して、ここでは新鋭スリー・サウンズをリードするあたりノリにノっていたのでしょうねぇ。
また、スリー・サウンズとの相性が良いんだよなぁこれが・・・これもアルフレット・ライオンの思惑通りといったところなのでしょうか?
ブルーノート・デビューの「MILT JACKSON」の録音時は、膝がかくかく震えたというドナルドソンが、自信を持ってリダーを勤める。
「ほら、私のメガネに狂いはないでしょ」って。
さらには
「ドナルドソンが良いのはもちろん、ほらスリー・サウンズもなかなかエエでしょ」って。
これに関しては、ただただ「その通り」と言うしかありませんよね。

ともかく、この時期のドナルドソンに文句を付ける気は全くありません。良いアルバムです。

LOU +3 / LOU DONALDSON
1959年2月18日録音
LOU DONALDSON(as) GENE HARRIS(p) ANDREW SIMPKINS(b) BILL DOWDY(ds)

1.THREE LITTLE WORDS
2.SMOOTH GROOVE
3.JUST FRIENDS
4.BLUE MOON
5.JUMP UP
6.DON'T TAKE YOUR LOVE FROM ME
7.CONFIRMATION