JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

近うて近きもの

2008年12月27日 | g-i

大荒れの地域の方には申し訳ないほど空は晴れわたり、風はいくぶん強いものの昨日ほどではないようです。それでも寒さは一丁前で、昨夜はシーツをボアに替えました。

前々から「嫌なニュースや暗いニュースばかりで・・・」とぼやいていたのに、最近はさらに酷さを増して、新聞を読んでいてもため息ばかりが出てきます。
そんな中、謎多き事件?事故?といえば、話題の『飯島愛さんの死』でしょうか。
じつに不謹慎ですが、私としては自殺であろうと事故であろうとどうでもいい話で、「一週間もの間、誰も彼女の死に気付かなかった」という点にそら恐ろしさを感じます。
飯島さんがそうだという事ではなく、仮に自宅で自殺をしたとしても長期間気付かれずにいてしまう人が、今の世の中にどれほどいるのかと考えるとじつに怖いのです。
いや、自殺だけじゃありませんよ。突然死、餓死、老衰、事故、へたすりゃ強盗か何かに襲われて殺されても発見されない、てなことだってあるわけでしょ
世の中この不景気で益々治安が悪化することは容易に想像できますし、病院にすら行けない人たちや、一人暮らしの老人、いやいや老人に限らず若者までも孤独に死を迎え長期間発見されないなんて事が多発しそうで・・・・・いやですねぇ

学生時代、「俺はきちんと年に二回、実家に帰ってるよ。暮れと正月に」なんてふざけたこと言ってましたが、せめて親兄弟とだけでも近況を知らせあう事がこれからは必要になるのかもしれません。
でも、これがなかなか上手くいかんのですなぁ
かの清少納言が『枕草子』の中でこんな事言ってました。

近うて遠きもの 宮のまへ(え)の祭思はぬ。はらから 親族の中。鞍馬のつづらをりといふ道。十二月(しわす)のつごもりの日、正月(むつき)のついたちの日のほど。

つまり、近く思われるのに遠いものは、親族の仲、大晦日と元日は一日違いであるものの一年離れた日でもある、上手いこと言いますねぇ
若い頃の私と実家との関係などまさにこれでありましたし、昨今の近所付き合いなんてぇのも、まさに「近うて遠きもの」なのでありましょう。
でも、こんな世の中だからなおさらに、人間同士のお付き合いは「近うて近きもの」にしていかなければイカンのだと思いますよね。
誰にも知られず死を迎える、これを良しとする人もいるかもしれませんが、今どき猫でさえ飼い主にみとられるんですから、せめて人間らしい死を迎えられるようになりたいものだと思います。そのためにも「近うて近きもの」を大切にしていきましょうよ。

さて、今日の一枚は、デクスター・ゴードンです。
いやいや、べつにこんだけ不景気で犯罪も増えれば、いずれ日本にもいたるところにゴッサム・シティが生まれるかもしれない・・・てな意図で選んだのでは無いわけでして(笑)
でも、できるならゴッサム・シティ化してから現れるヒーロー・バットマンではなく、その前にそうならないようにしてくれるヒーローが待望されているのでありますよ。(バッド(Bad)指導者はいらないというか・・・・・・)

おっと話がそれました。
ヨーロッパで長く活動していたゴードンとっさぁんも、映画「ラウンド・ミッドナイト」よろしく、アメリカが恋しくなったのでしょうね、70年代に入って帰国をはたします。
復帰先はコロンビア、今日のアルバムはそのコロンビアでの最終録音となる一枚です。

私にとっては比較的新しい一枚(笑)なのですが、ほとんど私は聴くことのないジョージ・ベンソンとの共演がミソでしょうか。
でも、そこはベテラン、ゴードンとっさぁん、相手がベンソンだろうと弁当だろうとなんも変わりません。そこがこの人の魅力なんですよねぇ。(笑)
そのあたりを「HI-FLY」あたりで堪能なさってみてはいかがでしょうか。
ちなみに、アート・ブレーキーが異様に張り切ってます。

GOTHAM CITY / DEXTER GORDON
1980年8月11[1,4],12[2,3]日録音
DEXTER GORDON(ts) CEDAR WALTON(p) PERCY HEATH(b) ART BLAKEY(ds)
WOODY SHAW(tp)[2,3] GEORGE BENSON(g)[1,4]

1.HI-FLY
2.A NIGHTINGALE SANG IN BERKELEY SQUARE
3.THE BLUES WALK
4.GOTHAM CITY