JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

文字に文化あり

2007年06月28日 | m-o

昨晩は予定どおり、ヤナイ珈琲さん、S君と『暑気払い?』です。って昨日今日と暑いのを良いことに、私だけが『暑気払い』にしようと決めただけなんですけどね。(笑)
ともかく、旨い鯛と鮪の刺身を肴に日本酒をいただき、その後は、スナックで爆唱(ハハハのハ)ふと気が付けばMさんまでも合流し、最後はいつものバーへ、と毎度のこととはいえ、タップリとアルコールを身体に吸わせてまいりました。

今日の夕方、アイスコーヒーの豆を買いにヤナイ珈琲にまわると、
「バブさん、午前中いっぱい死んでました。」
うむうむ、彼も充分吸わせたようでありました。
「奥様によくよく謝っておいてくださいね。」

話はコロッと変わってしまうのですが
私が落語好きというお話は、以前もしたかと思います。そこで、現在読んでいるこんな本を紹介しましょう。橘左近著「落語 -知れば知るほど-」です。

橘左近氏といえば、寄席文字書家であり、小学校の入学祝いにお父様からもらった「落語全集」(ご本人曰く、「本当は父自身が欲しかったんじゃないかと思います。」とおっしゃっていますけど)をきっかけに落語の魅力にとりつかれ、高校時代は週末に片道八時間半かけて寄席通い、東京にいれば好きなだけ落語が聞けると、それを理由に明治大学に入学したという、落語と寄席通いが全てといった人生をおくられてきた強者であります。

本の内容は、『落語の歴史』に始まり、『傑作選』、『落語名人列伝』と橘左近氏ならではのもの、楽しく読み進んでいます。
落語に興味のある方は、ぜひ一読あれ


これが橘左近氏の寄席文字です。

ところで、『ビラ字』から始まったあの独特の文字を、『寄席文字』と名付け、統一したのが橘右近氏、彼を家元とする『橘流寄席文字』は彼の弟子らにより、今も落語を支えているのであります。
歌舞伎は勘亭流、相撲は相撲文字、千杜札や提灯は江戸文字、落語は橘流寄席文字と、それぞれにそれぞれの意味を持つ文字が使われ、『寄席文字』には、筆太で、右肩上り、そして余白(隙間)をなるべく少なくすることで、「興行が常に伸び、空席を少なくするという縁起かつぎ」の意味が込められているのです。

こういった、それぞれに使われる文字に意味を持たせるなんてえのは、いかにも粋でよろしいじゃありませんか。
「文字に文化がある」これは日本人として誇るべき事、いつまでも残って欲しい日本文化だと思います。

さて、今日の一枚は、久しぶりのセロニアス・モンク、コロンビア移籍第2弾アルバムです。
モンクの魅力の一つに、独特のスイング感があると思いますけど、そういった意味でこのアルバムがそれを実感するにピッタリの一枚ではないでしょうか。(まぁ、このアルバムだけではありませんけどね。)
最初から最後まで、なんとなく楽しい気分で聴ける一枚として、私は重宝しています。

このモンク・カルテットが、もっとも良い演奏を聴かせてくれる次期を探れば、間違いなくこの次期であると思います。チャーリー・ラウズもよく馴染んで、曲目に新鮮さはないのに魅力ある演奏というのは、まさにそれを表しているのでしょう。

・・・・ここまで、このカルテットを持ち上げておきながら、私が最も好きなのは6曲目「DON'T BLAME ME」、ソロ・ピアノだったりして(笑)

今日は未発表曲を含むCD盤で紹介します。

CRISS-CROSS +3 / THELONIOUS MONK
1962年11月6日, 1963年2月26, 27, 28日, 3月29日録音
THELONIOUS MONK(p) CHARLIE ROUSE(ts) JOHN ORE(b) FRANKIE DUNLP(dr)

1.HACKENSACK
2.TEA FOR TWO
3.CRISS CROSS
4.ERONEL
5.RHYTHM-A-NING
6.DON'T BLAME ME
7.THINK OF ONE
8.CREPUSCULE WITH NELLIE
9.PANNONICA
10.COMING ON THE HUDSON
11.TEA FOR TWO
12.ERONEL