JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

SO WHAT じゃ済まないよ

2007年06月24日 | d-f

先日報告したとおり、「KIND OF BLUE」を何日間かかけ聴き込んで、『ジャズ四方山話』を書き始めました。
「よし、これでよかんべ」
と、送信を始めると
・・・・・・・・・・!?
何故か転送途中で止まってしまいます。
「おいおい、これは"SO WHAT"ってわけにはいかないよ。」
いろいろやってみても、やっぱり結果は同じ。
「え~ん、せっかく久しぶりの更新なのに・・・・・・」

しかたがありません、本意ではないのですが、更新内容の一部をブログの記事として公開させていただく事にしました。
内容は、自分の頭にある「KIND OF BLUE」の知識等を、真っさらに戻して、改めて聴き込んだ感想文みたいなものです。

<私感のみのカインド・オブ・ブルー>
ここ何日間で「KIND OF BLUE」を何度聴いたことでしょう。それでまず思ったのは、何度聴いても飽きない事です。それが全てを語っているようにも思えるのですが・・・・・(笑)
ともかくは、一曲一曲をじっくりと聴いてみましょうか。

まずは「SO WHAT」ですね。
リズム・セッションのみで静かに始まる出だし、ポール・チェンバースのベースが引っ張るかたちでテーマへと移っていきます。あいかわらずチェンバースのベースには自信がうかがえますし、この静かな出だしに強いインパクトを与えてくれます。
 続いて、マイルスの理解しきって吹き上げる(言い出しっぺですから当然ですが)完全なまでのソロ、これにコルトレーンのソロが続きますが、何度か聴いていると、少々迷いを感じて吹き始めているようにも思えます。マイルスのソロと比べると出だしに勢いを感じないような・・・、ですから、かなりリズム・セッションが引っ張っていく感じも(出だしだけの話ですよ)。それに比べ、キャノンボールのソロは、わかんなくてもいいから行っちゃうよ的(?)、それに併せてリズム・セッションもいくぶんテンションが上がり気味です、これをエバンスが押さえている。そんな感じでしょうか。

二曲目は「FREDDIE FREELOADER」ですか。
この曲は、完全に他の曲と曲調からして異なりますよね。これはピアノがエバンスではなくウイントン・ケリーだからという、単純なものではないと思います。マイルスの張りも違うし、コルトレーンも「SO WHAT」とは全く違う自信を感じるように思います。もっとも一番生き生きしているのはキャノンボールでしょうけど。 一つ思うのは、ピアノという楽器が手数だけで存在感が増すというものではないんだということです。話は全く違いますが、モンクにマイルスが「自分のバックでは弾かないでくれ」といった理由が、ちょっとだけわかったりするような。

三曲目「BLUE IN GREEN」
私は、この曲にマイルスとエバンス、二人の愛の語らいみたいな感覚を覚えます(ちょっと気持ち悪いですけど 笑)。マイルスのソロに続くエバンスのソロ、二人のやり取りがとてもいい。これに割ってはいるコルトレーン、もう迷いは消えてますね。それでもコルトレーンのソロは短く、「誰にも邪魔させない」といったようなエバンスとマイルスの語らいが続きます。

次は「ALL BLUES」ですか。
ここでは、キャノンボールにいくぶんの迷いを私は感じます。それは続くコルトレーンのソロに迫力を感じるという裏返しなのかもしれません。ここでのコルトレーンはいかにもらしい演奏だと感じます。マイルスのテーマの裏にキャノンボールとコルトレーンが重なり合いますが、なんともそれぞれの個性を感じさせながらマッチングしてしまう、これもマイルスの力なのでしょうかね。

ラスト「FLAMENCO SKETCHES」
一番の変貌はキャノンボールではないでしょうか。「SO WHAT」と聴き比べると、彼の演奏が明らかに違うように思えます。落ち着きがあるというか、これは曲調だけの問題では無いでしょう。

さて、全体を聴いたとき思うのは、リズム・セッションの確実性、エバンスはもとより、チェンバース、ジミー・コブの存在が、非常に大きなアルバムであることを改めて実感しました。
それと、面白いと思ったのは、よく聴き込むと、録音順がわかるということです。
例えば、マイルス、エバンス以外のメンバーが「FREDDIE FREELOADER」で、「この程度なら、なんとかなるかなぁ」なんて思ったのが「SO WHAT」で、「おいおい、俺ついて行んかなぁ」みたいな感じに変わったんだろうなぁ、みたいな。
たった二日の録音なのですから、それほど変化があるわけもないとも思うのですけど、メンバーそれぞれの心の動きというか、変化というか、確実に聴き取れます。つまり、録音をしながらも、このメンバー達は成長を続けていたのかもしれない、とも思えるわけです。

さぁ、文章では全てを表すことは出来ません。はたして、サラな心で『名盤』を聴き直した私の私感が、上手く伝わったでしょうか?
一つ大きな結論を言うとすれば、私にジャズの批評家は無理だという事でありますね。

以上、本日更新予定の『ジャズ四方山話』の一部でした。
あ~あ、何とか転送をしなくちゃなぁ・・・・・・・

さて、当然今日の一枚は、このアルバムということになります。
見てのとおり、LPの紙ジャケはかなり傷みが来ています。(それだけ聴いてきた証でもあるわけですが)
私は、LP1枚、CD2枚(内1枚は、間違った速度でレコーディングされたと言われるものを調整したリイシュー盤です。)を所有していますが、これ以上LPの状況が悪くならないよう、大切に扱っていきたいと思っています。

KIND OF BLUE / MILES DAVIS
1959年3月2日, 4月22日録音
MILES DAVIS(tp) CANNONBALL ADDERLEY(as) JOHN COLTRANE(ts) WYNTON KELLY[2], BILL EVANS(p) PAUL CAMBERS(b) JIMMY COBB(ds)

1.SO WHAT
2.FREDDIE FREELOADER
3.BLUE IN GREEN
4.ALL BLUES
5.FLAMENCO SKETCHES

おまけ、
『料理当番、本日の一品』
昨日、今日と暑い日が続きましたので、「豚しゃぶの野菜いっぱい巻」でサッパリと

豚しゃぶで巻いたのは、豆カイワレ、人参、長ネギ、キュウリ、大葉。タレは、大根おろしに、生姜のおろし汁、酢、レモン酢、醤油。