毎日のできごとの反省

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カタカナ英語よりろくでもないもの

2014-01-18 15:14:19 | 文化

 昔から、国語の文章中に、カタカナ英語が増えていることを憂うる声は多いし、正論なのであろう。だが小生には、それ以上気になる傾向がある。会社などの名前を本来の漢字や仮名ではなく、わざわざローマ字表記することである。

一番驚いたのは「MAMOR」という雑誌である。本屋にはミリタリーのコーナーにあったし、表紙を見れば軍事関係の雑誌であることは一見して分かる。よく見ると「防衛省編集協力」とあり、自衛隊の紹介をしている雑誌である。本のタイトルは「守る」なのである。

にもかかわらず編集関係者は、日本語表記ではだめでアルファベット表記にしなければ読者を惹きつけない、と考えたのであろう。日本の国防を考える本が、ローマ字表記風のタイトルになっている。これほどの皮肉はないと思うのである。この感覚は、アメリカ人が漢字をデザインした服をファッショナブルだとして着ているのとは、異なる。服に描かれた漢字は文字表記ではなく、模様に近いのである。これに対して「MAMOR」は「守る」の文字表記なのである。

対欧米戦争に負けた傷はこれほどに深く心に浸透しているとしか思われない。明治期に後に文部大臣となった森有礼が日本語を配して英語を国語化しようと提案していたのとも次元が違う。森は西欧との文明のギャップに驚き、追いつくために動転して錯乱した提案をしたのであるし、これに追従するものもいなかった。これに対し、日本語標記のローマ字化は、カッコイイものとして一般化していて反発する話は聞かない、根が深いものである。