毎日のできごとの反省

 毎日、見たこと、聞いたこと、考えたこと、好きなことを書きます。
歴史、政治、プラモ、イラストなどです。

あなたも好きな、大本営発表

2007-10-03 16:38:56 | Weblog

 ある新聞に、こんな記事が載った。沖縄における教科書検定への講義集会に、11万人集まったと発表された。ところが会場の面積は2万5千平方メートル。そんなに集まるはずがない、実は関係者の話では最大限で4万3千人程度。相変わらず大本営発表同様のうそを報道しているというのだ。

 11万人も集まると1m四方の中に4.4人というすしずめ状態で物理的に不可能。まして空からの写真では空き地もあったというからますますいんちき。4万3千人でも相当きつい。

 当事者発表というのはかくもインチキなのである。大本営発表を批判するものが大本営発表と同じうそをつく。あなたもイベントの主催者になって御覧なさい。何らかの方法で水増しをするのですよ。後楽園ドームの巨人戦の入りはいつでも満員御礼。

 ところが実数を発表することになったら、とたんにがた減り。世の中に大本営発表を、愚かだと笑える人はいないのです。確かにNHKのニュースでは、主催者発表といっているから、言っていることは嘘ではありませんと、いいわけしますか。

 戦争中のニュースでも新聞ラジオは「大本営発表」と断っていたのです。大本営発表だって、日本軍が撃沈した船の数を数えれば相手の保有量の10倍100倍になるのですから、常識の力で嘘はわかります。

 平方メートル当たりいくらで判断すれば、NHKも朝日新聞も主催者の嘘はわかります。マスコミは主催者の嘘を知っていて報道しているのです。こんな不健全なのジャーナリストのくずではありませんか。批判することを放棄したジャーナリスト。

 戦争協力だから大本営発表の嘘は許せないが、検定批判は正しいから仕方ないとおっしゃる方へ。当時戦争協力は世間で正しいとされたのです。だから正しいというのは自己絶対化です。検定批判は正しいから嘘をついてもよい、というのは、自分は正しいからお前も同じ意見になれという、思想の自由の否定です。

 アメリカは戦時中でも不利な戦闘の結果も正直に発表したという嘘を信じているあなた。江藤淳の「閉ざされた言語空間」を読んで御覧なさい。米軍こそ徹底した検閲の基準を決めて厳格にアメリカのマスコミをコントロールしていたのですぜ。

 日本のように場当たりではなく、戦争遂行に有利なように情報操作を徹底していたのです。日本の大本営発表の弊害は嘘を国民に知らせていたからではありません。

 大本営発表の戦果を陸海軍がそのまま信じて、その情報で作戦計画を立てていたことです。嘘の戦果で相手を評価していたら、勝てるチャンスがなくなるではありませんか。繰り返しますが、あなたも大本営発表はするのです。