A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

『音ほぐし』ジョセフ・ハマー/.es(ドットエス)/Reizen(冷泉)@喫茶茶会記 2014.9.27(sat)

2014年09月29日 00時27分59秒 | 素晴らしき変態音楽


音ほぐし|Oto-hogushi
Joseph Hammer/.es/Reizen

1972年より活動を続ける、アメリカ西海岸のユル~い前衛音楽共同体「LAFMS」(Los Angeles Free Music Society) より、稀代のオープンリール・テープ・マニピュレーター Joseph Hammerが来日します。今年、Art into Lifeより新作ソロ「Roadless Travel」をリリースしたばかりです。
大阪のGallery Nomartを基点に活動する、サックスとピアノの気鋭のインプロヴィゼーション・ユニット、.es [ドットエス]を東京にお招きします。PSF RecordsからのCD作品「Void」のリリースも記憶に新しいです。
[謝辞] 今回、様々にご協力をいただいた坂口卓也さんの御厚意に心より謝意を表します。



8月の羅府夢衆展に続き、LAFMSのメンバーである音楽家ジョセフ・ハマーの来日ツアー。若きドローンギタリストReizen(冷泉)が企画するイベント「音ほぐし」でジョセフの東京公演が開催された。当初ジョセフとCarl Stone(カール・ストーン)によるユニットLubaoの出演が予定されたが、カールが帰省先で急病のため帰国出来なくなり、急遽Reizenが出演することになった。また、大阪の即興ユニット.es(ドットエス)の2度目の東京ライヴでもある。
羅府夢衆(LAFMS)展@神宮前TOKI ART SPACE 2014.8.23(sat)

●Reizen

(写真の撮影・掲載については主催者の許可を得ています。以下同)

大正浪漫の香り漂う茶会記は若い観客や音楽関係者で盛況。サウンドアーティストのHiroki SasajimaがDJを担当し、環境音的な音響を流す。アンティークな室内に異次元空間を創造する。Reizenは床に座り込んでSGを弾く。いつものように照明を極端に落としプレイが見えないので、必然的に聴覚が鋭くなる。一音だけで何処まで演奏を続けられるのかに挑戦するかのような、終わりの予測出来ないドローン音の放射は、判断力の低下と共に精神の闇を照らし出す。

●.es


以前書いたように橋本孝之(as)が東京在住になったので、彼の演奏に触れる機会は増えたが、Sara(pf)が大阪在住なので、.esとしてのライヴは滅多に観れない。それだけに今回のライヴは貴重。PAを一切使わず、サックスとピアノの生音だけで奏でるストイックな演奏スタイルは、.esの原点に還るかのよう。PAを使っていないのに、サックスの音が止んだ後にふわっとした残響が聴こえて、魔法にかかったような気分になる。後で確認したら、Saraがピアノのペダルの操作で、ピアノ線をサックスの音に共鳴させているという。まさにこの二人の間でしか成し得ないミラクル空間だった。



●Joseph Hammer


オープンリールデッキを使う音響アーティストは少なくないが、磁気テープと録音・再生ヘッドの軋轢と時間差を駆使したライヴ(生)パフォーマンスはジョセフの専売特許のようなもの。異なる音源を無作為にコラージュし、目紛しいカットアップがループする演奏は、Reizenのドローン同様に、確固たる意志の力にコントロールされた卓越した音空間で部屋を満たす。音楽ではなく音そのものに心の中を切り刻まれる心地がして、狂気の淵を覗き込んだ。二度と戻れなくなる危険があるので20数分で終了したのは神の情けかもしれない。



反復と
切断と
修復で鳴る音

Joseph Hammer 追加公演
10.9(木)
Art Space Bar Buena
\2,000
時間調整中
JJoseph Hammer
Hiroshi Hasegawa (Astro, CCCC)
Haruhisa Tanaka
Hakobune (Takahiro Yorifuji)
Joseph Hammer + Atsushi Reizen


コメント
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