A Challenge To Fate

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【豪州ロック浪漫派】ザ・チャーチ~南半球のサイケデリック・ロック交響楽

2014年09月14日 00時23分45秒 | ロッケンロール万歳!


オーストラリアのロックというとどんなイメージを持つだろう。ビージーズのコーラス、AC/DCのハードロック、エア・サプライのAOR、INXSのダンスロック、SPKのノイズ/インダストリアル、ニック・ケイヴ(ザ・バースデイ・パーティ)のヤサグレロック。他にもメン・アット・ワーク、ミッドナイト・オイル、クラウデッド・ハウス、ジョン・バトラー・トリオなど世界的ヒットを放ったバンドが思い浮かぶ。当然ながら特定のジャンルやスタイルに限定されることはない。

筆者にとっては、どこかワイルドで古風なイメージがある。それは約30年前に訪れたウィーンで知り合ったオーストラリアからのバックパッカーの兄弟の朴訥として垢抜けない印象のせいかもしれない。中世の教会の静かな楼閣に響くオーストラリア訛を思い出す。そんな気のいい田舎者の青年たちをとても気に入っていている。



80年代初頭、ネオサイケや60'sリバイバルに呼応する動きはオーストラリアにもあった。元々ワイルドなガレージロックが多かったローカルシーンから、世界的に知られるバンドも登場した。その代表格がザ・チャーチだった。



1980年シドニーで結成。全盛期のメンバーはスティーヴ・キルビー(vo,b)、マーティー・ウィルソン=パイパー(g)、ピーター・コップス(g)、リチャード・プルーグ(ds)。

ニュー・ウェイヴ、ネオ・サイケデリックな作風で人気を得た。1988年のスタジオアルバム『スターフィッシュ』及び、シングル曲「アンダー・ザ・ミルキーウェイ」(この曲で1989年度のオーストラリアン・ミュージック・アウォーズの年間ベスト・シングル賞を受賞)が全米チャートTop40位に入り成功を収めたが、その後は商業的な成功から遠ざかり、1990年代に幾度かのメンバーチェンジを行って現在の布陣となった(ドラマーのティム・ポウルス以外は結成時からのメンバー)。日本での正規盤リリースは、1990年の『黄金の午後』(Gold Afternoon Fix)以降途絶えており、輸入盤のみ彼らのCDを購入することが可能である。----wikiediaより

上 Richard Ploog/Peter Kopps ・下 Marty Wilson=Piper/Steve Kilbey



オーストラリアのバンドは、パンクのThe SaintsおよびメンバーのEd Kuepperが結成したLaughing Clownsや、The Birthday Partyを好んでいた。音楽誌のレビューで興味を持ち1984年に購入したザ・チャーチの4thアルバム『Remote Lauxury』(1984)を聴いて、緻密なプロダクションと練り上げられたメロディに一気に惚れ込んだ。それまでのオーストラリアの垢抜けない荒くれ者の印象を払拭する繊細な感性が素晴らしかった。86年の『Heyday』は絢爛なジャケットを含め彼らの最高傑作だと思う。






88年『スターフィッシュ』で本格的に全米デビュー。シングル「アンダー・ザ・ミルキー・ウェイ」がTop40ヒット。派手さのない実直な曲だが、前年全米No.1ヒットになったU2「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」の余波を買ってラジオヒットとなったのではないかと想像する。ドラマーがパティ・スミス・グループのジェイ・ディー・ドハーティにチェンジした90年の『黄金の午後』もキャッチーなギターロックだったが、92年の『Priest=Aura』で内証的なコンセプチュアルな方向に変化。スティーヴ・キルビーとマーティー・ウィルソン=パイパーはそれぞれソロでも活動し、別プロジェクトのジャック・フロストというユニットもあった。






『Priest=Aura』以降は彼らを追うことはなかったが、本国で堅実に活動を続け、定期的に作品をリリースしている。2011年4月にシドニー・オペラハウスで結成30周年記念コンサートを開催、フル・オーケストラと共演。そのライヴCDとDVDが『サイケデリック・シンフォニー』というタイトルで今年4月にリリースされた。






日本でもたまにラジオでかかることがあるが、決してヒットした訳ではないので来日公演は無理だと思うが、これほどハイセンスなサウンドを展開するバンドを豪州だけのローカルシーンに留めておくのは勿体ない。世界から再発見されるのを待っている。
The Church Official Site
Shadow Cabinet Fan Site

教会に
鳴り響く
浪漫の歌

2011年に『パスト(過去)フューチャー(未来)パーフェクト(完全再現)ツアー』と銘打って全米ツアーを行った。

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