<2L>
2L 67SABD(SACD-Hybrid)+ Blu-ray(audio track only) \3650
DXD(24/352.8kHz)録音
Blu-ray: 5.1 surround
DTS HD MA(24bit/192kHz),
7.1 surroundDTS HD MA(24bit/96kHz),
2.0 stereo LPCM(24bit/192kHz)
オーレ・ブル(1810-1880):ヴァイオリンと管弦楽のための作品集
セーテルの娘の日曜日(ヨハン・スヴェンセン編)
ヴァイオリン協奏曲 イ長調(ニコライ・リセ、オラヴ・アントン・トメセン、
ヴォルフガング・プラッゲ編)
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調「幻想協奏曲」夜-夜明け-昼
孤独の時に「メランコリー」
(ヨハン・ハルヴォシェン、ヴォルフガング・プラッゲ編)
幻想曲「サン・フアンのベルベナ」
セーテル訪問
アンナル・フォレソー(Vn)
ノルウェー放送管弦楽団
オーレ・クリスチャン・ルード(指)
録音:2009年6月 ヤール教会(ベールム、ノルウェー)
[制作:ヴォルフガング・プラッゲ、録音:モッテン・リンドベルグ、
ハンス・ペーテル・ロランジュ]
ノルウェー最初の国際的に名を知られた偉大な音楽家オーレ・ブル。2010年は
生誕200年を迎え本国ノルウェーでは様々なイベントが開催されています。オ
ーレ・ブルはヴィルトゥオーゾ・スタイルのヴァイオリン、即興の技術、そし
てカリスマ性をもったステージ姿に世界がひれ伏し「パガニーニの再来」とも
言われていました。ヨーロッパ大陸からアメリカへと活動の場をひろげ、その
活躍ぶりは、グリーグ、スヴェンセン、イプセンら、世界に出て行く芸術家た
ちのモデルにもなりました。
作品にノルウェー音楽的要素を取り入れ、ノルウェー音楽の発展に尽力したノ
ルウェーの大スター、このオーレ・ブルの作品集は、2曲のヴァイオリン協奏
曲がメインプログラムです。1834年に作曲されたヴァイオリン協奏曲イ長調は、
演奏の秘密が公になることを心配したブルがソロパートを譜面にしなかったと
推測され、この録音には、現存する3種類の楽譜【リーソーエン島のオーレ・
ブル博物館にある手稿譜、同じく博物館所蔵のヨハン・ヘンヌムが改訂の手を
加えたとされる不完全な手稿譜、ベルゲン郊外、ヴァレストランのブルの家に
保存されるブル自身による改訂版】を基にニコライ・リセが作曲家のオラヴ・
アントン・トメセンとヴォルフガング・プラッゲの協力で作成した演奏譜が使
われました。
アンナル・フォレソーは、オスロのバラット=ドゥーエ音楽学校でスーンミ・
チョンとスティーヴン・バラット=ドゥーエにヴァイオリンを教わったのち、
ブルーミントンのインディアナ大学に留学。マウリシオ・フックスにヴァイオ
リン、スタンリー・リッチーにバロックヴァイオリン、メナーエム・プレスラ
ーとジェルジ・シェベクに室内楽を学びました1998年にはサルツブルクの国際
サマーアカデミーに参加し、バルトークの無伴奏ヴァイオリンソナタを弾いて
ヴァイオリン賞を獲得しました。作曲者の心のうちにあるロマンティシズムを
ヴィルトゥオジティとバランスよく紡いでいます。
オーレ・クリスチャン・ルード指揮のノルウェー放送管弦楽団が参加した録音
セッションは、オスロに近い町、ベールムにある煉瓦と木で造られたヤール教
会で行われました。"2L クオリティ" のすばらしい録音です。
<harmonia mundi>
HMC 902056 2枚組 \3780
フランク・マルタン(1890-1974):ゴルゴタ
[第1部](CD1)
1. 合唱「父よ!父よ!」 2. 枝(エルサレム入城) 3. 寺院でのイエス
4. 最後の晩餐 5. ゲッセマネの丘
[第2部](CD2)
6. 瞑想 7. 大祭司の前のイエス 8. ピラトとイエス
9. ゴルゴタの丘(カルヴァリの丘) 10. 復活(「おお、死よ」)
ユディト・ゴーティエ(S)、マリアンヌ・ベアーテ・キーランド(A)、
アドリアン・トンプソン(T)、
マッティス・ファン・デ・ヴェール(Br)、コンスタンティン・ヴォルフ(Bs)
カペラ・アムステルダム
エストニア・フィルハーモニー室内合唱団、エストニア国立交響楽団
ダニエル・ロイス(指)
録音:2009年4月
フランク・マルタンの大作「ゴルゴタ」の登場。ゴルゴタは、イエスが十字架
にかけられた丘の名前。マルタンは、宗教作品を書くことを避けていましたが、
レンブラントの「3つの十字架(1653年)」のエッチングを見て、この作品を書
くに至りました。マルタン自身敬愛していたバッハの影を常に感じながら、
1945年から58年、10年以上の歳月をかけて、このイエスの受難の物語の音楽を
生み出しました。バッハの受難曲で福音史家にあたる語り部は、基本的にバス
のソリストが担当。イエスはバスが担当します。新約聖書のみでなく、旧約聖
書などからの引用も多くみられるのが特徴です。冒頭の「P?re!(父よ!)」の
不協和音は、実に鮮烈。第2部の、8分以上続くピラトの尋問の場面は圧巻で、
ピラトの心の揺れ、「イエスに死を」と叫ぶ民衆の叫びなどが、大規模なオー
ケストラとともに聴く者に突き刺さります。終曲の神への賛美の合唱も、時に
メシアンを思わせるような極彩色の世界。全体的に幻想的かつ大規模に描かれ
ており、バッハの受難曲を聴きなれた耳に大変鮮烈に響くこのフランスの巨匠
による受難曲、是非ご体験いただきたい世界です。
HMC 901959 \2450
W.A.モーツァルト:
(1)交響曲第39番 変ホ長調 K543
(2)交響曲第40番 ト短調 K550
フライブルク・バロック・オーケストラ
ルネ・ヤーコプス(指揮)
録音:2008年10月
ヤーコプス、会心のモーツァルト交響曲新録音の登場です。第39番メヌエット
のソロ楽器の旋律の立たせ方など、オペラもシンフォニーも知り尽くしたヤー
コプスにしかできないもの。続くフィナーレも細部にいたるまで丁寧にアー
ティキュレーションやディナーミクが施され、同時に大きな和声の動きのダイ
ナミックさも併せ持つ快演。第40番の冒頭の有名な音型は、美しいディナーミ
クの弧を描きます。終楽章フーガでは、ホルンの咆哮もパオーンと効果的に響
きます。ヤーコプスの緻密な指揮と、フライブルク・バロック・オーケストラ
の面々の巧さが絶妙にマッチした、見事なモーツァルトの登場です!
<ACCENT>
ACC 25310(SACD-Hybrid) \2580
J.S.バッハ:カンタータ集Vol.10-復活節後のためのカンタータ集
カンタータ第108番「わが去るは汝らの益なり」BWV108
カンタータ第86番「まことに、まことに汝らに告ぐ」BWV86
カンタータ第11番「神をそのもろもろの国にて頌めよ」BWV11
カンタータ第44番「ひとびと汝らを除名すべし」BWV44
シギスヴァルト・クイケン(指)
ラ・プティット・バンド
シーリ・トルンヒル(S) ペトラ・ノスカイオヴァ(A)
クリストフ・ゲンツ(T) ヤン・ファン・デル・クラッベン(B)
録音:2008年4月30日、5月1日
S・クイケンとラ・プティット・バンドによるOVPP方式(各声部1人)によるカン
タータ集シリーズの第10弾。今回は復活節後のカンタータを集めたアルバム。
復活節後第4日曜日のためのカンタータ第108番はアルトの味わい深いアリアが
印象的。慰めに満ちた冒頭のアリオーソの響き、アルトのアリアで魅せるS.ク
イケンの見事なソロは聴きごたえがあります。また、ミサ曲ロ短調に転用され
たアルトのアリアを含む昇天節に演奏されるカンタータ第11番。明るいソプラ
ノのアリアが美しい第44番は復活節後第6日曜日のためのカンタータ。シリー
ズ中盤に差し掛かり、一層円熟した至芸が聴けるアルバムです。
ACC 24213 \2300
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集Vol.3(オリジナル楽器による)
ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ長調 Op.12- 1
ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.12- 2
ヴァイオリン・ソナタ第3番 変ホ長調 Op.12- 3
ピアノとヴァイオリンのためのロンド ト長調 WoO 41
ヒロ・クロサキ(Vn) 使用楽器:1700年頃北イタリア製 製作者不明
リンダ・ニコルソン(P) 使用楽器:アントン・ワルター1979年製ウィーン
ヒロ・クロサキとリンダ・ニコルソンの名手2人によるベートーヴェン、ヴァ
イオリン・ソナタ集第3弾。オリジナル楽器を用いた意欲的なシリーズは、2人
の磨き抜かれた高い音楽性で各方面から注目を集めています。
今回はベートーヴェンの初期のソナタで、躍動感あふれる生き生きとした演奏
が、音楽を自然と浮かび上がらせています。この作品群はモーツァルトの影響
を強く受けていて、明るいヴァイオリンの色調を前面に出した若々しい雰囲気
に満ちています。
<VAI>
VAIDVD 4513(DVD-Video) \4550
字幕:英仏伊西露
ボロディン:「イーゴリ公」(第3幕省略版)
エフゲニー・ネステレンコ(Bs イーゴリ公)
エレナ・クロフスカヤ(S ヤロスラーヴナ)
ウラディーミル・シシェルバコフ(T ウラディーミル)
アレクサンドル・ヴェデルニコフ(Bs ガリツキィ公)
ボリス・モロゾフ(Bs コンチャーク)
タマーラ・シニャフスカヤ(Ms コンチャーコヴナ)
ほか
マルク・エルムレル(指)
ボリショイ劇場管弦楽団,合唱団
演出:オレグ・モラレフ
装置:フェドール・フェドロフスキー
収録:1981年,クレムリン宮殿
「だったん人の踊り」で有名なボロディンの「イーゴリ公」、録音はたくさん
あるのに、何故か映像は少なく、DVDは僅か。今回VAIがDVDにしたのは、1981
年にクレムリン宮殿のコンサートホールで上演された際のライヴ収録。1970、
80年代のロシアを代表する名バス、ネステレンコがイーゴリ公を歌っていると
いうのが大きな魅力です。指揮は、1950年代から長くボリショイを指揮し続け
た名匠エルムレルというのも魅力です。ボリショイ劇場などで一般的に用いら
れている第3幕省略版を使用。
VAIDVD 4512(DVD-Video) \4550
MONO
字幕:英仏伊西露
リムスキー=コルサコフ:「サトコ」
ウラディーミル・アトラントフ(T サトコ)
イリーナ・アルヒポワ(Ms リュバーヴァ)
ボリス・モロゾフ(Bs 海の王)
タマーラ・ミラシキナ(S ヴォルホヴァ)
ニナ・グリゴエワ(Ms ニジェータ)
ほか
ユーリ・シモノフ(指)
ボリショイ劇場管弦楽団,合唱団
演出:ボリス・ポクロフスキー
装置:フェドール・フェドロフスキー
収録:1980年
「サトコ」は、1898年に初演されたリムスキー=コルサコフのオペラ。歌手サ
トコは、海の王女ヴォルホヴァの助けで海から黄金を引き上げる。それを元手
に船旅へと出たサトコは、12年後に海中へと向かいヴォルホヴァと再会。二人
は結婚式を挙げるが、その最中に巡礼が現れ祝宴は消え失せる。ヴォルホヴァ
はサトコの妻リュバーヴァを思い、自らは身を引き、川へと変身する。少し
「浦島太郎」を思わせる物語は、日本人に受け入れやすいでしょう。このDVD
に収録されているのは、1980年にボリショイ劇場で上演されたもの。アトラン
トフ、アルヒポワ、ミラシキナと1970、80年代のボリショイを代表する歌手に、
当時の主席指揮者シモノフ、そして演出は昨年亡くなったロシア・オペラの大
御所演出家ポクロフスキーと、この上ないもの。ロシアオペラファンならずと
も興味をかきたてられる映像でしょう!
VAIDVD 4510(DVD-Video) \4550
MONO
字幕:英仏伊西露
リムスキー=コルサコフ:「五月の夜」
ディミトリ・ウリヤーノフ(Bs 村長)
オレグ・ポルプディン(T レフコ)
ナタリア・ウラディミルスカヤ(Ms ハンナ)
イリーナ・チスチャコワ(Ms 村長の義理の姉)
ロマン・ウリビン(Bs 書記)
ヴィアチェスラフ・ヴォイナロフスキ(T 酒造人)
アナトーリ・ロシャク(Bs カレーニク)
ワレリア・ザイチワ(S パンノチカ)
ほか
フェリックス・コロボフ(指)
スタニスラフスキー&
ネミローヴィチ=ダンチェンコ・モスクワ・アカデミー音楽劇場管弦楽団,
合唱団,バレエ団
演出:アレクサンドル・ティテル
装置,衣装:ウラディーミル・アレフィエフ
収録:2008年3月9日(ライヴ)
リムスキー=コルサコフはオペラに多数の名作を残しています。中でも「五月
の夜」は、ニコライ・ゴーゴリの原作に基づいた傑作。愉快な物語の中にルサ
ルカ伝説のロマンティックなエピソードが巧みに盛り込まれ、ロシアでは非常
に人気が高い演目です。ウクライナのある村の五月。村長の息子レフコには恋
人ハンナがいるが、妻を亡くした父の村長が彼女にちょっかいを出している。
怒ったレフコは仲間たちを動員して村長や書記をからかい、そのとばっちりで
村長の亡妻の姉まで散々な目に遭う。そんな時、レフコは夢の中で、伝説に語
り継がれている、継母(実は魔女)に虐められて湖に身を投げルサルカになった
という娘(パンノチカ)に出会う。仲間に化けて紛れ込んでいる魔女を見つけ出
したレフコに、パンノチカは感謝し手紙を渡す。夢から覚めると、レフコが持
っているのは村長の上司から、レフコとハンナの結婚を認めるという手紙。
二人が結ばれてめでたし。ウクライナ民謡を多く用いた音楽はたいへん親しみ
やすいものです。CDでは、フェドセーエフの指揮した名盤がReliefから出てい
ましたが(CR 991044)、DVDはこれが初。スタニスラフスキー&ネミローヴィチ
=ダンチェンコ・モスクワ・アカデミー音楽劇場による充実した上演のライヴ
収録です。
VAIDVD 4514(DVD-Video) \4550
MONO
字幕:英仏伊西露
チャイコフスキー:「イオランタ」
ガリーナ・カリーニナ(S イオランタ)
アルトゥール・エイゼン(Bs レネ王)
レフ・グズネツォフ(T ヴォデモン)
イーゴリ・モロゾフ(Br ロベルト)
ウラディーミル・マルチェンコ(Br エブン=ハキヤ)
ニーナ・グリゴリエワ(Ms マルタ)
ほか
ルーベン・ヴァルダニアン(指)
ボリショイ劇場管弦楽団,合唱団
演出:オレグ・モラレフ
舞台美術:ニコライ・ゾロアタレフ
収録:1982年
「イオランタ」は、チャイコフスキーの最後のオペラで、バレエ「くるみ割り
人形」との二本立て用に書かれた作品。プロヴァンスの王の盲目の娘イオラン
タが、ヴォデモンと出会い、辛い手術に堪えて視力を得るという物語。物語も
音楽も大変ロマンティックな作品です。このDVDに収録されているのは、1982年
のボリショイ劇場での上演で、舞台映像としては初DVD。当時のボリショイ劇
場のプリマドンナで、ウィーンやミュンヘンなど西側でも活躍したカリーニナ
を始め、旧ソ連の優れた歌手が揃っています。
2L 67SABD(SACD-Hybrid)+ Blu-ray(audio track only) \3650
DXD(24/352.8kHz)録音
Blu-ray: 5.1 surround
DTS HD MA(24bit/192kHz),
7.1 surroundDTS HD MA(24bit/96kHz),
2.0 stereo LPCM(24bit/192kHz)
オーレ・ブル(1810-1880):ヴァイオリンと管弦楽のための作品集
セーテルの娘の日曜日(ヨハン・スヴェンセン編)
ヴァイオリン協奏曲 イ長調(ニコライ・リセ、オラヴ・アントン・トメセン、
ヴォルフガング・プラッゲ編)
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調「幻想協奏曲」夜-夜明け-昼
孤独の時に「メランコリー」
(ヨハン・ハルヴォシェン、ヴォルフガング・プラッゲ編)
幻想曲「サン・フアンのベルベナ」
セーテル訪問
アンナル・フォレソー(Vn)
ノルウェー放送管弦楽団
オーレ・クリスチャン・ルード(指)
録音:2009年6月 ヤール教会(ベールム、ノルウェー)
[制作:ヴォルフガング・プラッゲ、録音:モッテン・リンドベルグ、
ハンス・ペーテル・ロランジュ]
ノルウェー最初の国際的に名を知られた偉大な音楽家オーレ・ブル。2010年は
生誕200年を迎え本国ノルウェーでは様々なイベントが開催されています。オ
ーレ・ブルはヴィルトゥオーゾ・スタイルのヴァイオリン、即興の技術、そし
てカリスマ性をもったステージ姿に世界がひれ伏し「パガニーニの再来」とも
言われていました。ヨーロッパ大陸からアメリカへと活動の場をひろげ、その
活躍ぶりは、グリーグ、スヴェンセン、イプセンら、世界に出て行く芸術家た
ちのモデルにもなりました。
作品にノルウェー音楽的要素を取り入れ、ノルウェー音楽の発展に尽力したノ
ルウェーの大スター、このオーレ・ブルの作品集は、2曲のヴァイオリン協奏
曲がメインプログラムです。1834年に作曲されたヴァイオリン協奏曲イ長調は、
演奏の秘密が公になることを心配したブルがソロパートを譜面にしなかったと
推測され、この録音には、現存する3種類の楽譜【リーソーエン島のオーレ・
ブル博物館にある手稿譜、同じく博物館所蔵のヨハン・ヘンヌムが改訂の手を
加えたとされる不完全な手稿譜、ベルゲン郊外、ヴァレストランのブルの家に
保存されるブル自身による改訂版】を基にニコライ・リセが作曲家のオラヴ・
アントン・トメセンとヴォルフガング・プラッゲの協力で作成した演奏譜が使
われました。
アンナル・フォレソーは、オスロのバラット=ドゥーエ音楽学校でスーンミ・
チョンとスティーヴン・バラット=ドゥーエにヴァイオリンを教わったのち、
ブルーミントンのインディアナ大学に留学。マウリシオ・フックスにヴァイオ
リン、スタンリー・リッチーにバロックヴァイオリン、メナーエム・プレスラ
ーとジェルジ・シェベクに室内楽を学びました1998年にはサルツブルクの国際
サマーアカデミーに参加し、バルトークの無伴奏ヴァイオリンソナタを弾いて
ヴァイオリン賞を獲得しました。作曲者の心のうちにあるロマンティシズムを
ヴィルトゥオジティとバランスよく紡いでいます。
オーレ・クリスチャン・ルード指揮のノルウェー放送管弦楽団が参加した録音
セッションは、オスロに近い町、ベールムにある煉瓦と木で造られたヤール教
会で行われました。"2L クオリティ" のすばらしい録音です。
<harmonia mundi>
HMC 902056 2枚組 \3780
フランク・マルタン(1890-1974):ゴルゴタ
[第1部](CD1)
1. 合唱「父よ!父よ!」 2. 枝(エルサレム入城) 3. 寺院でのイエス
4. 最後の晩餐 5. ゲッセマネの丘
[第2部](CD2)
6. 瞑想 7. 大祭司の前のイエス 8. ピラトとイエス
9. ゴルゴタの丘(カルヴァリの丘) 10. 復活(「おお、死よ」)
ユディト・ゴーティエ(S)、マリアンヌ・ベアーテ・キーランド(A)、
アドリアン・トンプソン(T)、
マッティス・ファン・デ・ヴェール(Br)、コンスタンティン・ヴォルフ(Bs)
カペラ・アムステルダム
エストニア・フィルハーモニー室内合唱団、エストニア国立交響楽団
ダニエル・ロイス(指)
録音:2009年4月
フランク・マルタンの大作「ゴルゴタ」の登場。ゴルゴタは、イエスが十字架
にかけられた丘の名前。マルタンは、宗教作品を書くことを避けていましたが、
レンブラントの「3つの十字架(1653年)」のエッチングを見て、この作品を書
くに至りました。マルタン自身敬愛していたバッハの影を常に感じながら、
1945年から58年、10年以上の歳月をかけて、このイエスの受難の物語の音楽を
生み出しました。バッハの受難曲で福音史家にあたる語り部は、基本的にバス
のソリストが担当。イエスはバスが担当します。新約聖書のみでなく、旧約聖
書などからの引用も多くみられるのが特徴です。冒頭の「P?re!(父よ!)」の
不協和音は、実に鮮烈。第2部の、8分以上続くピラトの尋問の場面は圧巻で、
ピラトの心の揺れ、「イエスに死を」と叫ぶ民衆の叫びなどが、大規模なオー
ケストラとともに聴く者に突き刺さります。終曲の神への賛美の合唱も、時に
メシアンを思わせるような極彩色の世界。全体的に幻想的かつ大規模に描かれ
ており、バッハの受難曲を聴きなれた耳に大変鮮烈に響くこのフランスの巨匠
による受難曲、是非ご体験いただきたい世界です。
HMC 901959 \2450
W.A.モーツァルト:
(1)交響曲第39番 変ホ長調 K543
(2)交響曲第40番 ト短調 K550
フライブルク・バロック・オーケストラ
ルネ・ヤーコプス(指揮)
録音:2008年10月
ヤーコプス、会心のモーツァルト交響曲新録音の登場です。第39番メヌエット
のソロ楽器の旋律の立たせ方など、オペラもシンフォニーも知り尽くしたヤー
コプスにしかできないもの。続くフィナーレも細部にいたるまで丁寧にアー
ティキュレーションやディナーミクが施され、同時に大きな和声の動きのダイ
ナミックさも併せ持つ快演。第40番の冒頭の有名な音型は、美しいディナーミ
クの弧を描きます。終楽章フーガでは、ホルンの咆哮もパオーンと効果的に響
きます。ヤーコプスの緻密な指揮と、フライブルク・バロック・オーケストラ
の面々の巧さが絶妙にマッチした、見事なモーツァルトの登場です!
<ACCENT>
ACC 25310(SACD-Hybrid) \2580
J.S.バッハ:カンタータ集Vol.10-復活節後のためのカンタータ集
カンタータ第108番「わが去るは汝らの益なり」BWV108
カンタータ第86番「まことに、まことに汝らに告ぐ」BWV86
カンタータ第11番「神をそのもろもろの国にて頌めよ」BWV11
カンタータ第44番「ひとびと汝らを除名すべし」BWV44
シギスヴァルト・クイケン(指)
ラ・プティット・バンド
シーリ・トルンヒル(S) ペトラ・ノスカイオヴァ(A)
クリストフ・ゲンツ(T) ヤン・ファン・デル・クラッベン(B)
録音:2008年4月30日、5月1日
S・クイケンとラ・プティット・バンドによるOVPP方式(各声部1人)によるカン
タータ集シリーズの第10弾。今回は復活節後のカンタータを集めたアルバム。
復活節後第4日曜日のためのカンタータ第108番はアルトの味わい深いアリアが
印象的。慰めに満ちた冒頭のアリオーソの響き、アルトのアリアで魅せるS.ク
イケンの見事なソロは聴きごたえがあります。また、ミサ曲ロ短調に転用され
たアルトのアリアを含む昇天節に演奏されるカンタータ第11番。明るいソプラ
ノのアリアが美しい第44番は復活節後第6日曜日のためのカンタータ。シリー
ズ中盤に差し掛かり、一層円熟した至芸が聴けるアルバムです。
ACC 24213 \2300
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集Vol.3(オリジナル楽器による)
ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ長調 Op.12- 1
ヴァイオリン・ソナタ第2番 イ長調 Op.12- 2
ヴァイオリン・ソナタ第3番 変ホ長調 Op.12- 3
ピアノとヴァイオリンのためのロンド ト長調 WoO 41
ヒロ・クロサキ(Vn) 使用楽器:1700年頃北イタリア製 製作者不明
リンダ・ニコルソン(P) 使用楽器:アントン・ワルター1979年製ウィーン
ヒロ・クロサキとリンダ・ニコルソンの名手2人によるベートーヴェン、ヴァ
イオリン・ソナタ集第3弾。オリジナル楽器を用いた意欲的なシリーズは、2人
の磨き抜かれた高い音楽性で各方面から注目を集めています。
今回はベートーヴェンの初期のソナタで、躍動感あふれる生き生きとした演奏
が、音楽を自然と浮かび上がらせています。この作品群はモーツァルトの影響
を強く受けていて、明るいヴァイオリンの色調を前面に出した若々しい雰囲気
に満ちています。
<VAI>
VAIDVD 4513(DVD-Video) \4550
字幕:英仏伊西露
ボロディン:「イーゴリ公」(第3幕省略版)
エフゲニー・ネステレンコ(Bs イーゴリ公)
エレナ・クロフスカヤ(S ヤロスラーヴナ)
ウラディーミル・シシェルバコフ(T ウラディーミル)
アレクサンドル・ヴェデルニコフ(Bs ガリツキィ公)
ボリス・モロゾフ(Bs コンチャーク)
タマーラ・シニャフスカヤ(Ms コンチャーコヴナ)
ほか
マルク・エルムレル(指)
ボリショイ劇場管弦楽団,合唱団
演出:オレグ・モラレフ
装置:フェドール・フェドロフスキー
収録:1981年,クレムリン宮殿
「だったん人の踊り」で有名なボロディンの「イーゴリ公」、録音はたくさん
あるのに、何故か映像は少なく、DVDは僅か。今回VAIがDVDにしたのは、1981
年にクレムリン宮殿のコンサートホールで上演された際のライヴ収録。1970、
80年代のロシアを代表する名バス、ネステレンコがイーゴリ公を歌っていると
いうのが大きな魅力です。指揮は、1950年代から長くボリショイを指揮し続け
た名匠エルムレルというのも魅力です。ボリショイ劇場などで一般的に用いら
れている第3幕省略版を使用。
VAIDVD 4512(DVD-Video) \4550
MONO
字幕:英仏伊西露
リムスキー=コルサコフ:「サトコ」
ウラディーミル・アトラントフ(T サトコ)
イリーナ・アルヒポワ(Ms リュバーヴァ)
ボリス・モロゾフ(Bs 海の王)
タマーラ・ミラシキナ(S ヴォルホヴァ)
ニナ・グリゴエワ(Ms ニジェータ)
ほか
ユーリ・シモノフ(指)
ボリショイ劇場管弦楽団,合唱団
演出:ボリス・ポクロフスキー
装置:フェドール・フェドロフスキー
収録:1980年
「サトコ」は、1898年に初演されたリムスキー=コルサコフのオペラ。歌手サ
トコは、海の王女ヴォルホヴァの助けで海から黄金を引き上げる。それを元手
に船旅へと出たサトコは、12年後に海中へと向かいヴォルホヴァと再会。二人
は結婚式を挙げるが、その最中に巡礼が現れ祝宴は消え失せる。ヴォルホヴァ
はサトコの妻リュバーヴァを思い、自らは身を引き、川へと変身する。少し
「浦島太郎」を思わせる物語は、日本人に受け入れやすいでしょう。このDVD
に収録されているのは、1980年にボリショイ劇場で上演されたもの。アトラン
トフ、アルヒポワ、ミラシキナと1970、80年代のボリショイを代表する歌手に、
当時の主席指揮者シモノフ、そして演出は昨年亡くなったロシア・オペラの大
御所演出家ポクロフスキーと、この上ないもの。ロシアオペラファンならずと
も興味をかきたてられる映像でしょう!
VAIDVD 4510(DVD-Video) \4550
MONO
字幕:英仏伊西露
リムスキー=コルサコフ:「五月の夜」
ディミトリ・ウリヤーノフ(Bs 村長)
オレグ・ポルプディン(T レフコ)
ナタリア・ウラディミルスカヤ(Ms ハンナ)
イリーナ・チスチャコワ(Ms 村長の義理の姉)
ロマン・ウリビン(Bs 書記)
ヴィアチェスラフ・ヴォイナロフスキ(T 酒造人)
アナトーリ・ロシャク(Bs カレーニク)
ワレリア・ザイチワ(S パンノチカ)
ほか
フェリックス・コロボフ(指)
スタニスラフスキー&
ネミローヴィチ=ダンチェンコ・モスクワ・アカデミー音楽劇場管弦楽団,
合唱団,バレエ団
演出:アレクサンドル・ティテル
装置,衣装:ウラディーミル・アレフィエフ
収録:2008年3月9日(ライヴ)
リムスキー=コルサコフはオペラに多数の名作を残しています。中でも「五月
の夜」は、ニコライ・ゴーゴリの原作に基づいた傑作。愉快な物語の中にルサ
ルカ伝説のロマンティックなエピソードが巧みに盛り込まれ、ロシアでは非常
に人気が高い演目です。ウクライナのある村の五月。村長の息子レフコには恋
人ハンナがいるが、妻を亡くした父の村長が彼女にちょっかいを出している。
怒ったレフコは仲間たちを動員して村長や書記をからかい、そのとばっちりで
村長の亡妻の姉まで散々な目に遭う。そんな時、レフコは夢の中で、伝説に語
り継がれている、継母(実は魔女)に虐められて湖に身を投げルサルカになった
という娘(パンノチカ)に出会う。仲間に化けて紛れ込んでいる魔女を見つけ出
したレフコに、パンノチカは感謝し手紙を渡す。夢から覚めると、レフコが持
っているのは村長の上司から、レフコとハンナの結婚を認めるという手紙。
二人が結ばれてめでたし。ウクライナ民謡を多く用いた音楽はたいへん親しみ
やすいものです。CDでは、フェドセーエフの指揮した名盤がReliefから出てい
ましたが(CR 991044)、DVDはこれが初。スタニスラフスキー&ネミローヴィチ
=ダンチェンコ・モスクワ・アカデミー音楽劇場による充実した上演のライヴ
収録です。
VAIDVD 4514(DVD-Video) \4550
MONO
字幕:英仏伊西露
チャイコフスキー:「イオランタ」
ガリーナ・カリーニナ(S イオランタ)
アルトゥール・エイゼン(Bs レネ王)
レフ・グズネツォフ(T ヴォデモン)
イーゴリ・モロゾフ(Br ロベルト)
ウラディーミル・マルチェンコ(Br エブン=ハキヤ)
ニーナ・グリゴリエワ(Ms マルタ)
ほか
ルーベン・ヴァルダニアン(指)
ボリショイ劇場管弦楽団,合唱団
演出:オレグ・モラレフ
舞台美術:ニコライ・ゾロアタレフ
収録:1982年
「イオランタ」は、チャイコフスキーの最後のオペラで、バレエ「くるみ割り
人形」との二本立て用に書かれた作品。プロヴァンスの王の盲目の娘イオラン
タが、ヴォデモンと出会い、辛い手術に堪えて視力を得るという物語。物語も
音楽も大変ロマンティックな作品です。このDVDに収録されているのは、1982年
のボリショイ劇場での上演で、舞台映像としては初DVD。当時のボリショイ劇
場のプリマドンナで、ウィーンやミュンヘンなど西側でも活躍したカリーニナ
を始め、旧ソ連の優れた歌手が揃っています。