<Hungaroton>
HCD 32648 \2080
リスト:4手のためのハンガリー狂詩曲
(1)第1番ヘ短調(原曲・第14番)
(2)第2番嬰ハ短調(原曲・第12番)
(3)第3番ニ長調(原曲・第6番変ニ長調)
(4)第4番ニ短調(原曲・第2番嬰ハ短調)
(5)第5番ホ短調(原曲・第5番)
(6)第6番変ホ長調(原曲・第9番)
デュオ・エグリ&ペルティス
リストはピアノ独奏のためのハンガリー狂詩曲を19曲残しましたが、そのなか
から6曲を弟子のドップラーの協力で管弦楽化しています。それに基づきリス
ト自身が4手連弾にも編曲していますが、何故かあまり知られていません。音
も厚くなり、興味深い対旋律など連弾の効果を最大限に発揮しています。ハン
ガリーのおしどり夫婦デュオ、エグリ&ペルティスは1902年製の珍しい箱型の
プレイエル・ピアノ演奏で有名となりましたが、ここでは通常のスタインウェ
イでリストならではの豪快な響きを生み出しています。またハンガリー的な味
わいも絶妙で、むせかえるような民族色を楽しめます。
HCD 32634 \2080
(1)リスト(ヴェイネル編):ピアノソナタ ロ短調(オーケストラ版)
(2)ヴェイネル:前奏曲、夜曲と悪魔的スケルツォ
(3)同:パッサカリア
(4)同:おもちゃの兵隊
ラースロー・コヴァーチ(指)
北ハンガリー・ミシュコルチ響
ドラティやショルティの師でもあったハンガリーの作曲家レオー・ヴェイネル
(1885-1960)。近年フンガロトン・レーベルが力を入れているため、かなりの
作品に接することができるようになりました。当アルバムはいずれもピアノ版
の存在する作品を収めていて、ヴェイネルの卓越したオーケストレーションの
手腕を示しています。1955年に編曲されたロ短調ソナタはCAviにも録音があり
ますが、今回はハンガリーのオーケストラが演じているのが魅力です。
HCD 32471/2 2枚組 \4160
ショパン:ポロネーズ全集
ポロネーズ第1ー第16番
マズルカ第52ー59番、第49番Op.68の4
アレックス・シラジ(Pf、1886/90製プレイエル・コンサートグランド)
1968年イタリア生まれのピアニスト、アレックス・シラジによるショパンのポ
ロネーズ全集。シラジはブダペストのリスト音楽アカデミーでラドシュ、ファ
ルヴァイに師事。フランスのフゾー社のショパン全集楽譜の責任者でもありま
す。当アルバムでは1886-90年頃に製作されたプレイエルのコンサート・グラ
ンドで演奏しているのに注目。ショパンの最初の作といわれるト短調のポロネ
ーズと、最後の作といわれるマズルカ第49番の両方が収録されているのも注目
です。
HCD 32474 \2080
ショパン:歌曲全集
乙女の願い/春/悲しみの川/酒宴/彼女の好きな/私の見えぬ所へ/使者
/美しい若者/メロディ/闘士/二人の死/いとしい人/望みなく/指輪/
花婿/リトアニアの歌/舞落ちる木の葉/魅惑/ドゥムカ/乙女の願い(初版)
/酒宴(初版)/舞落ちる木の葉(フォンタナ再構築版)
アリツィア・ヴェンゴジェフスカ=ウィスカード(Ms)、
アレックス・シラジ(Pf、1886/90製プレイエル・コンサートグランド)
ショパンはほとんどピアノ曲だけを作曲しましたが、全部で19曲の歌曲を残し
ています。いずれもポーランド語の歌詞に基づき、華麗でもオシャレでもあり
ませんが、ピアノ曲以上に祖国への思いや暗い心情を綴った、彼の真実の言葉
に満ちています。さらにこのアルバムは3つの作品の異版が収められているの
も貴重です。ポーランドの若手メゾのヴェンゴジェフスカ=ウィスカードは非
常に美しい声で、民俗音楽起源の作品での表現の巧さは絶品です。19世紀製エ
ラール・ピアノの響きの美しさも特筆。
HCD 32544 \2080
ライタ:弦楽四重奏曲全集 Vol.3
(1)弦楽四重奏曲第6番 Op.36(1942)
(2)同第8番 Op.53(1951)
(3)同第10番「トランシルヴァニア組曲」 Op.58(1953)
アウアーSQ
バルトーク、コダーイに次いでハンガリーの民俗音楽を研究して作品に採り
入れたラースロー・ライタ(1892-1963)は全10曲の弦楽四重奏曲を残していま
すが、その全集録音の第3集。アウアー四重奏団は1990年に結成された実力派。
緻密なアンサンブルが光ります。
HCD 32632 \2080
ブラス5
(1)ドブロヴァイ:金管五重奏曲第3番
(2)マダラース:ハシッド物語
(3)ティハニ:情景
(4)ラーング:前奏曲、3モービルと後奏曲
(5)ペルティス:セレナーデ・イン・イエロー
(6)ホローシュ:パヴァーヌとガリアルド
エヴァルト金管五重奏団【レヴェンテ・バコー(Trp)、アンドラーシュ・
コヴァルチク(Hrn)、ペーテル・マジャル、ローベルト・カーイプ(Trb)、
タマーシュ・ケレメン、アッティラ・ペレステギ(Tub)】
現代ハンガリーの作曲家による金管五重奏曲集。いずれも親しみ易いものばか
りで、フンガロトン社社長マーテー・ホローシュの作品も入っているのがお茶
目です。1996年にリスト音楽アカデミーの学生たちで結成したエヴァルト金管
五重奏団は、いずれもソリスト級の奏者の集まりで、舌を巻く巧さです。
HCD 32598/9 2枚組 \4160
20世紀の響き
(1)シェーンベルク:月に憑かれたピエロ
(2)ラヴェル:マダガスカル土民の歌
(3)ストラヴィンスキー:
バリモントによる2つの詩/日本の3つの抒情詩/シェイクスピアによる3つの
詩/4つのロシアの歌/ふくろうと子猫ちゃん
(4)アルマンド・トート;喜びの鳥(14の俳句)
(5)クリスティナ・メジェリ:瞬間イメージ
(6)カミロ・レンドヴァイ:森の歌
(7)マーテー・ホローシュ:上に落ちる葉
(8)ペーテル・トート:ロルカ歌曲集
イルディコー・イヴァーン(Sop)、
ゲルゲーイ・マツトゥズ、ゾルターン・コヴァーチ(指)
器楽アンサンブル、アウアーSQ、ブダペストSQ
ハンガリーの中堅ソプラノ、イルディコー・イヴァーンのリサイタル・アル
バム。歌唱はドイツ語(1)、フランス語(2)(5)(6)、ロシア語(3)、英語(3)の
シェイクピアのみ、ハンガリー語(4)(7)(8)と国際的。興味深いのはハンガリ
ーの女性作曲家メジェリの「瞬間イメージ」。2002年の作で、石川啄木や正
岡子規の俳句の仏語訳が歌詞となっています。
<haenssler>=SWR MUSIC=
【シュヴェツィンゲン音楽祭エディション】
93 704 \2250
モノラル
「1959年ピアノ・リサイタル / フリードリヒ・グルダ」
J.S.バッハ:カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」変ロ長調BWV.992
ハイドン:アンダンテと変奏曲ヘ短調Hob.XVII-6
ハイドン:ピアノ・ソナタ第52番変ホ長調Hob.XVI-52
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第10番ト長調Op.14-2
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
フリードリヒ・グルダ(P)
録音:1959年6月3日シュヴェツィンゲン宮殿(ライヴ・モノラル)
2000年の歿後以来、グルダのリリースが盛んです。「初期RIAS録音集1950-
1959」(AU21404)と同じく、若きグルダがバリバリと猛烈な勢いでキャリアを
積み上げていたころに行われたシュヴェツィンゲンでのライヴ演奏は、J.S.
バッハとハイドンのソナタという初出のレパートリーを含むもので、けっし
て見逃せない内容です。
録音当時グルダ29歳。これが天才というものなのでしょうか。バッハのカプ
リッチョにおける沈潜のアリアもみごとで惹き込まれますが、それでもやは
りグルダといえばベートーヴェン。順に57年、58年とデッカへの第1回目の全
集セッション録音を経てのソナタ2曲は、こぼれ落ちるような煌めきと彫の深
さを兼ね備えた音色とともに、完成されたアプローチを実感させます。ちなみ
に、第10番は1967年のステレオ・セッション再録につづいて3種目。第31番は
全部で現状7種ある録音のうち4番目にあたるもの。
なお、1959年ウィーン、1968年ルガーノと2種のライヴ音源が存在するハイド
ンの変奏曲も初出の音源となります。
93 706 \2250
ステレオ
ブリテン:弦楽四重奏曲第3番Op.94
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調D.810「死と乙女」
アマデウス四重奏団
録音:1977年5月21日シュヴェツィンゲン宮殿、コンサートホール(ライヴ・ス
テレオ)
1947年に結成、1950年代から1970年代にかけて最盛期を迎え、英国を代表する
世界的アンサンブルとして活動したアマデウス四重奏団。1977年のシュヴェ
ツィンゲン音楽祭でのライヴは、このアンサンブルを知る方にとっては、たい
へん興味深いプログラムとなっています。
ブリテンの第3四重奏曲は、このライヴ演奏に先立つこと半年ほど前に、ほか
でもないアマデウスが世界初演を手がけた作品。1976年12月19日におこなわれ
たオールドバラ近郊のスネイプ、モルティングスでの世界初演に向けて、1976
年9月の段階で、アマデウスのメンバーはその準備にブリテンと共同作業をつ
づけていたエピソードが残されています。(ブリテン自身はその2週間前にすで
に他界していたため初演に立ち会うことはかないませんでした)。
そして、1956年2月のケルンでのライヴ・レコーディング(AN2160)や、1959年
を含め3度のセッション録音で知られる、シューベルトの「死と乙女」。ここ
での演奏も、きわめつけの演目にふさわしい出来栄えとなっています。
93 705 \2250
ステレオ
ハイドン:カンタータ「ナクソス島のアリアドネ」Hob.XXVIb-2
ムソルグスキー:歌曲集「子供部屋」
(ばあやと / 隅っこで / かぶと虫 / お人形と / おやすみの前に / 猫のマド
ロス / 木馬で出掛けた)
フォーレ:4つの歌曲
いなくなったひとOp.5-3 / マンドリンOp.58-1 / 月の光Op.46-2 / 捨てら
れた花Op.39-2
レスピーギ:3つの歌曲
いつかあのひとが帰ってきたら(1911)/ 霧(1906)/ストルネッロを歌う女(1906)
フランシスコ・ブラーガ:6つのノルデスチーナ歌曲(ブラジル民謡)
O'Kinimba / Capim Di Pranta(野良仕事の歌)/ Nigue Nigue Ninhas(子守歌)
/ S?o-Jo?o d?-ra-r?o(わらべ歌)/
A casinha pequenina(恋の歌)/ Engenho Novo(ある労働者の歌)
ロッシーニ:「タンクレーディ」より、アリア「大いなる不安と苦しみの後で」
テレサ・ベルガンサ(Ms)
フアン=アントニオ・アルヴァレス・パレホ(P)
録音:1985年5月6日シュヴェツィンゲン宮殿(ライヴ・ステレオ)
1935年マドリード生まれ、才色兼備で人気を博したメッツォ、ベルガンサの魅
力が詰まったすばらしいアルバムが登場します。1985年に行われた歌曲の夕べ
は、ハイドンにムソルグスキーから、アンコールのロッシーニに至るまで、あ
らためてレパートリーの広さを確かめられる内容ですが、さらに驚くべきはひ
とつひとつの完成度の高さ。ブラーガのゆたかな民俗色、やわらかな感触で夢
のようなフォーレと、ベルガンサは異なるパレットを使い分け、いきいきと描
写してゆきます。これはファンには一生の宝物になるに違いありません。
<PREISER>
PRCD 90762 3枚組 \\6240
MONO
モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」
ジョージ・ロンドン(Bs-Br ドン・ジョヴァンニ)
ワルター・ベリー(Bs レポレッロ)
ヒルデ・ツァデク(S ドンナ・アンナ)
レオポルド・シモノー(T ドン・オッターヴィオ)
セーナ・ユリナッチ(S ドンナ・エルヴィーラ)
エーベルハルト・ヴェヒター(Br マゼット)
グラツィエッラ・シュッティ(S ゼルリーナ)
ルートヴィヒ・ウェーバー(Bs 騎士長)
ルドルフ・モラルト(指)
ウィーン交響楽団,ウィーン室内合唱団
録音:1955年
+ジョージ・ロンドン、モーツァルト アリア集
モーツァルト:
「フィガロの結婚」からのアリア(5曲)
「お前と別れる今、ああ娘よ」 K.513
「この美しい手に」 K.612
「彼に眼を向けて」 K.584
ブルーノ・ワルター(指)
コロンビア交響楽団
録音:1953年
名盤、モラルトの「ドン・ジョヴァンニ」が復活!モーツァルト生誕200年の
1956年に向けてレコード会社各社はモーツァルトのオペラ全曲録音に取り組ん
でいました。PHILIPS社はウィーン交響楽団とダ・ポンテ三部作を録音、「フィ
ガロの結婚」はカール・ベーム、「ドン・ジョヴァンニ」と「コジ・ファン・
トゥッテ」はルドルフ・モラルト(1902-1958)が担当しました。中でも「ドン
・ジョヴァンニ」は、ロンドンの誇り高く颯爽としたタイトルロールを筆頭
に、、ベリー、ツァデク、シモノー、ユリナッチ、シュッティ、ウェーバー
と、空前のオールスターキャスト。後にドン・ジョヴァンニで名を馳せるウィ
ーンの名バリトン、ヴェヒターがマゼットを歌っているのですから驚きです。
モラルトの颯爽とした気持ちよい音楽は、今聞いてもまったく古びておらず、
ウィーン交響楽団も素敵なウィーンの音色を放っています。1990年代初めに
CD化され、1993年には国内盤CDも出たことがありますが、その後15年以上入
手難だったこの名盤、復活を喜ぶ人は多いことでしょう。余白に、ロンドンが
ワルターの指揮で録音したアリア集を収録。
PRCD 20055 2枚組 \2700
MONO
プッチーニ:「トスカ」
アントニエッタ・ステッラ(S トスカ)
ジャンニ・ポッジ(T カヴァラドッシ)
ジュゼッペ・タッデイ(Br スカルピア)
フェルッチョ・マッツォーリ(Bs アンジェロッティ)
レオ・パディス(Bs 堂守) ピエロ・デ・パルマ(T スポレッタ)
アントーニオ・サッケッティ(Bs シャルローネ)
ほか
トゥリオ・セラフィン(指)
ナポリ・サンカルロ劇場管弦楽団,合唱団
録音:1957年
幻の録音がついにCD化!1950年代にPHILIPSはナポリのサンカルロ劇場を用い
てオペラの録音をしましたが、その中でなぜかCD化されなかったのがこの「ト
スカ」。ステッラ、ポッジ、タッデイと、イタリアオペラのスター歌手を三人
も配し、スポレッタには名脇役デ・パルマ、そして指揮者は大御所セラフィン
と、超豪華。復活を喜びましょう!
PRCD 20056 2枚組 \2700
MONO
ドニゼッティ:「シャモニーのリンダ」
アントニエッタ・ステッラ(S リンダ)
チェーザレ・ヴァレッティ(T カルロ)
ジュゼッペ・タッデイ(Br アントーニオ)
フェドーラ・バルビエーリ(Ms ピエロット)
レナート・カペッキ(Bs ボアフレリー侯爵)
ピエロ・デ・パルマ(T 行政長官)
ジュゼッペ・モデスティ(Bs 司教)
トゥリオ・セラフィン(指)
ナポリ・サンカルロ劇場管弦楽団,合唱団
録音:1956年9月
PHILIPS録音。ステッラを筆頭に、ヴァレッティ、タッデイ、バルビエーリ、
カペッキ、デ・パルマと、よくぞこれだけ名歌手を揃えたもんだと言うくら
いの豪華キャストです。しかも指揮がセラフィンとくれば文句なし。PHILIPS
から1990年代の半ばに一度だけCD化されたことがありましたが、長らく廃盤。
粗悪な海賊すら入手難でしたので、嬉しい復活です。
PRCD 20057 2枚組 \2700
MONO
ロッシーニ:「モゼ」
ニコラ・ロッシ=レメーニ(Bs モーゼ)
ジュゼッペ・タッデイ(Br ファラオーネ)
アゴスティーノ・ラッザーリ(T エリゼーロ)
マリオ・フィリッペスキ(T アメーノフィ)
ピエロ・デ・パルマ(T アウフィーデ)
カテリーナ・マンチーニ(S アナイーデ)
プリーニオ・クラバッシ(Bs オジリデ)
ブルーナ・リッツォリ(S シナイーデ)
トゥリオ・セラフィン(指)
ナポリ・サンカルロ劇場管弦楽団,合唱団
録音:1956年6月
「モゼ」は、ロッシーニがパリのオペラ座のために作曲した「モイーズとファ
ラオン」(旧作「エジプトのモゼ」を大幅に改作したもの)がさらにイタリア語
に直されたもの。今日ではフランス語の上演が主流なので、イタリア語の録音
はかえって貴重です。イタリアオペラの巨匠セラフィンの指揮するロッシーニ
は珍しく、ライヴを含めても数種。この「モゼ」は、ロッシ=レメーニ、フィ
リッペスキ、タッデイと男声が充実しており、セラフィンのガッチリした音楽
ともども聞き応えがあります。ヒロインのアナイーデを歌うマンチーニは1924
年生まれ。カラスと同世代のイタリアのソプラノで、高い評価を得ていたもの
の、早くに病気引退したため録音が少なく、幻のソプラノと言われています。
これは彼女の全盛期の貴重な録音です。PHILIPSから1990年代の半ばに一度だ
けCD化されたことがあっただけなので、嬉しい復活です。
HCD 32648 \2080
リスト:4手のためのハンガリー狂詩曲
(1)第1番ヘ短調(原曲・第14番)
(2)第2番嬰ハ短調(原曲・第12番)
(3)第3番ニ長調(原曲・第6番変ニ長調)
(4)第4番ニ短調(原曲・第2番嬰ハ短調)
(5)第5番ホ短調(原曲・第5番)
(6)第6番変ホ長調(原曲・第9番)
デュオ・エグリ&ペルティス
リストはピアノ独奏のためのハンガリー狂詩曲を19曲残しましたが、そのなか
から6曲を弟子のドップラーの協力で管弦楽化しています。それに基づきリス
ト自身が4手連弾にも編曲していますが、何故かあまり知られていません。音
も厚くなり、興味深い対旋律など連弾の効果を最大限に発揮しています。ハン
ガリーのおしどり夫婦デュオ、エグリ&ペルティスは1902年製の珍しい箱型の
プレイエル・ピアノ演奏で有名となりましたが、ここでは通常のスタインウェ
イでリストならではの豪快な響きを生み出しています。またハンガリー的な味
わいも絶妙で、むせかえるような民族色を楽しめます。
HCD 32634 \2080
(1)リスト(ヴェイネル編):ピアノソナタ ロ短調(オーケストラ版)
(2)ヴェイネル:前奏曲、夜曲と悪魔的スケルツォ
(3)同:パッサカリア
(4)同:おもちゃの兵隊
ラースロー・コヴァーチ(指)
北ハンガリー・ミシュコルチ響
ドラティやショルティの師でもあったハンガリーの作曲家レオー・ヴェイネル
(1885-1960)。近年フンガロトン・レーベルが力を入れているため、かなりの
作品に接することができるようになりました。当アルバムはいずれもピアノ版
の存在する作品を収めていて、ヴェイネルの卓越したオーケストレーションの
手腕を示しています。1955年に編曲されたロ短調ソナタはCAviにも録音があり
ますが、今回はハンガリーのオーケストラが演じているのが魅力です。
HCD 32471/2 2枚組 \4160
ショパン:ポロネーズ全集
ポロネーズ第1ー第16番
マズルカ第52ー59番、第49番Op.68の4
アレックス・シラジ(Pf、1886/90製プレイエル・コンサートグランド)
1968年イタリア生まれのピアニスト、アレックス・シラジによるショパンのポ
ロネーズ全集。シラジはブダペストのリスト音楽アカデミーでラドシュ、ファ
ルヴァイに師事。フランスのフゾー社のショパン全集楽譜の責任者でもありま
す。当アルバムでは1886-90年頃に製作されたプレイエルのコンサート・グラ
ンドで演奏しているのに注目。ショパンの最初の作といわれるト短調のポロネ
ーズと、最後の作といわれるマズルカ第49番の両方が収録されているのも注目
です。
HCD 32474 \2080
ショパン:歌曲全集
乙女の願い/春/悲しみの川/酒宴/彼女の好きな/私の見えぬ所へ/使者
/美しい若者/メロディ/闘士/二人の死/いとしい人/望みなく/指輪/
花婿/リトアニアの歌/舞落ちる木の葉/魅惑/ドゥムカ/乙女の願い(初版)
/酒宴(初版)/舞落ちる木の葉(フォンタナ再構築版)
アリツィア・ヴェンゴジェフスカ=ウィスカード(Ms)、
アレックス・シラジ(Pf、1886/90製プレイエル・コンサートグランド)
ショパンはほとんどピアノ曲だけを作曲しましたが、全部で19曲の歌曲を残し
ています。いずれもポーランド語の歌詞に基づき、華麗でもオシャレでもあり
ませんが、ピアノ曲以上に祖国への思いや暗い心情を綴った、彼の真実の言葉
に満ちています。さらにこのアルバムは3つの作品の異版が収められているの
も貴重です。ポーランドの若手メゾのヴェンゴジェフスカ=ウィスカードは非
常に美しい声で、民俗音楽起源の作品での表現の巧さは絶品です。19世紀製エ
ラール・ピアノの響きの美しさも特筆。
HCD 32544 \2080
ライタ:弦楽四重奏曲全集 Vol.3
(1)弦楽四重奏曲第6番 Op.36(1942)
(2)同第8番 Op.53(1951)
(3)同第10番「トランシルヴァニア組曲」 Op.58(1953)
アウアーSQ
バルトーク、コダーイに次いでハンガリーの民俗音楽を研究して作品に採り
入れたラースロー・ライタ(1892-1963)は全10曲の弦楽四重奏曲を残していま
すが、その全集録音の第3集。アウアー四重奏団は1990年に結成された実力派。
緻密なアンサンブルが光ります。
HCD 32632 \2080
ブラス5
(1)ドブロヴァイ:金管五重奏曲第3番
(2)マダラース:ハシッド物語
(3)ティハニ:情景
(4)ラーング:前奏曲、3モービルと後奏曲
(5)ペルティス:セレナーデ・イン・イエロー
(6)ホローシュ:パヴァーヌとガリアルド
エヴァルト金管五重奏団【レヴェンテ・バコー(Trp)、アンドラーシュ・
コヴァルチク(Hrn)、ペーテル・マジャル、ローベルト・カーイプ(Trb)、
タマーシュ・ケレメン、アッティラ・ペレステギ(Tub)】
現代ハンガリーの作曲家による金管五重奏曲集。いずれも親しみ易いものばか
りで、フンガロトン社社長マーテー・ホローシュの作品も入っているのがお茶
目です。1996年にリスト音楽アカデミーの学生たちで結成したエヴァルト金管
五重奏団は、いずれもソリスト級の奏者の集まりで、舌を巻く巧さです。
HCD 32598/9 2枚組 \4160
20世紀の響き
(1)シェーンベルク:月に憑かれたピエロ
(2)ラヴェル:マダガスカル土民の歌
(3)ストラヴィンスキー:
バリモントによる2つの詩/日本の3つの抒情詩/シェイクスピアによる3つの
詩/4つのロシアの歌/ふくろうと子猫ちゃん
(4)アルマンド・トート;喜びの鳥(14の俳句)
(5)クリスティナ・メジェリ:瞬間イメージ
(6)カミロ・レンドヴァイ:森の歌
(7)マーテー・ホローシュ:上に落ちる葉
(8)ペーテル・トート:ロルカ歌曲集
イルディコー・イヴァーン(Sop)、
ゲルゲーイ・マツトゥズ、ゾルターン・コヴァーチ(指)
器楽アンサンブル、アウアーSQ、ブダペストSQ
ハンガリーの中堅ソプラノ、イルディコー・イヴァーンのリサイタル・アル
バム。歌唱はドイツ語(1)、フランス語(2)(5)(6)、ロシア語(3)、英語(3)の
シェイクピアのみ、ハンガリー語(4)(7)(8)と国際的。興味深いのはハンガリ
ーの女性作曲家メジェリの「瞬間イメージ」。2002年の作で、石川啄木や正
岡子規の俳句の仏語訳が歌詞となっています。
<haenssler>=SWR MUSIC=
【シュヴェツィンゲン音楽祭エディション】
93 704 \2250
モノラル
「1959年ピアノ・リサイタル / フリードリヒ・グルダ」
J.S.バッハ:カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」変ロ長調BWV.992
ハイドン:アンダンテと変奏曲ヘ短調Hob.XVII-6
ハイドン:ピアノ・ソナタ第52番変ホ長調Hob.XVI-52
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第10番ト長調Op.14-2
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
フリードリヒ・グルダ(P)
録音:1959年6月3日シュヴェツィンゲン宮殿(ライヴ・モノラル)
2000年の歿後以来、グルダのリリースが盛んです。「初期RIAS録音集1950-
1959」(AU21404)と同じく、若きグルダがバリバリと猛烈な勢いでキャリアを
積み上げていたころに行われたシュヴェツィンゲンでのライヴ演奏は、J.S.
バッハとハイドンのソナタという初出のレパートリーを含むもので、けっし
て見逃せない内容です。
録音当時グルダ29歳。これが天才というものなのでしょうか。バッハのカプ
リッチョにおける沈潜のアリアもみごとで惹き込まれますが、それでもやは
りグルダといえばベートーヴェン。順に57年、58年とデッカへの第1回目の全
集セッション録音を経てのソナタ2曲は、こぼれ落ちるような煌めきと彫の深
さを兼ね備えた音色とともに、完成されたアプローチを実感させます。ちなみ
に、第10番は1967年のステレオ・セッション再録につづいて3種目。第31番は
全部で現状7種ある録音のうち4番目にあたるもの。
なお、1959年ウィーン、1968年ルガーノと2種のライヴ音源が存在するハイド
ンの変奏曲も初出の音源となります。
93 706 \2250
ステレオ
ブリテン:弦楽四重奏曲第3番Op.94
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調D.810「死と乙女」
アマデウス四重奏団
録音:1977年5月21日シュヴェツィンゲン宮殿、コンサートホール(ライヴ・ス
テレオ)
1947年に結成、1950年代から1970年代にかけて最盛期を迎え、英国を代表する
世界的アンサンブルとして活動したアマデウス四重奏団。1977年のシュヴェ
ツィンゲン音楽祭でのライヴは、このアンサンブルを知る方にとっては、たい
へん興味深いプログラムとなっています。
ブリテンの第3四重奏曲は、このライヴ演奏に先立つこと半年ほど前に、ほか
でもないアマデウスが世界初演を手がけた作品。1976年12月19日におこなわれ
たオールドバラ近郊のスネイプ、モルティングスでの世界初演に向けて、1976
年9月の段階で、アマデウスのメンバーはその準備にブリテンと共同作業をつ
づけていたエピソードが残されています。(ブリテン自身はその2週間前にすで
に他界していたため初演に立ち会うことはかないませんでした)。
そして、1956年2月のケルンでのライヴ・レコーディング(AN2160)や、1959年
を含め3度のセッション録音で知られる、シューベルトの「死と乙女」。ここ
での演奏も、きわめつけの演目にふさわしい出来栄えとなっています。
93 705 \2250
ステレオ
ハイドン:カンタータ「ナクソス島のアリアドネ」Hob.XXVIb-2
ムソルグスキー:歌曲集「子供部屋」
(ばあやと / 隅っこで / かぶと虫 / お人形と / おやすみの前に / 猫のマド
ロス / 木馬で出掛けた)
フォーレ:4つの歌曲
いなくなったひとOp.5-3 / マンドリンOp.58-1 / 月の光Op.46-2 / 捨てら
れた花Op.39-2
レスピーギ:3つの歌曲
いつかあのひとが帰ってきたら(1911)/ 霧(1906)/ストルネッロを歌う女(1906)
フランシスコ・ブラーガ:6つのノルデスチーナ歌曲(ブラジル民謡)
O'Kinimba / Capim Di Pranta(野良仕事の歌)/ Nigue Nigue Ninhas(子守歌)
/ S?o-Jo?o d?-ra-r?o(わらべ歌)/
A casinha pequenina(恋の歌)/ Engenho Novo(ある労働者の歌)
ロッシーニ:「タンクレーディ」より、アリア「大いなる不安と苦しみの後で」
テレサ・ベルガンサ(Ms)
フアン=アントニオ・アルヴァレス・パレホ(P)
録音:1985年5月6日シュヴェツィンゲン宮殿(ライヴ・ステレオ)
1935年マドリード生まれ、才色兼備で人気を博したメッツォ、ベルガンサの魅
力が詰まったすばらしいアルバムが登場します。1985年に行われた歌曲の夕べ
は、ハイドンにムソルグスキーから、アンコールのロッシーニに至るまで、あ
らためてレパートリーの広さを確かめられる内容ですが、さらに驚くべきはひ
とつひとつの完成度の高さ。ブラーガのゆたかな民俗色、やわらかな感触で夢
のようなフォーレと、ベルガンサは異なるパレットを使い分け、いきいきと描
写してゆきます。これはファンには一生の宝物になるに違いありません。
<PREISER>
PRCD 90762 3枚組 \\6240
MONO
モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」
ジョージ・ロンドン(Bs-Br ドン・ジョヴァンニ)
ワルター・ベリー(Bs レポレッロ)
ヒルデ・ツァデク(S ドンナ・アンナ)
レオポルド・シモノー(T ドン・オッターヴィオ)
セーナ・ユリナッチ(S ドンナ・エルヴィーラ)
エーベルハルト・ヴェヒター(Br マゼット)
グラツィエッラ・シュッティ(S ゼルリーナ)
ルートヴィヒ・ウェーバー(Bs 騎士長)
ルドルフ・モラルト(指)
ウィーン交響楽団,ウィーン室内合唱団
録音:1955年
+ジョージ・ロンドン、モーツァルト アリア集
モーツァルト:
「フィガロの結婚」からのアリア(5曲)
「お前と別れる今、ああ娘よ」 K.513
「この美しい手に」 K.612
「彼に眼を向けて」 K.584
ブルーノ・ワルター(指)
コロンビア交響楽団
録音:1953年
名盤、モラルトの「ドン・ジョヴァンニ」が復活!モーツァルト生誕200年の
1956年に向けてレコード会社各社はモーツァルトのオペラ全曲録音に取り組ん
でいました。PHILIPS社はウィーン交響楽団とダ・ポンテ三部作を録音、「フィ
ガロの結婚」はカール・ベーム、「ドン・ジョヴァンニ」と「コジ・ファン・
トゥッテ」はルドルフ・モラルト(1902-1958)が担当しました。中でも「ドン
・ジョヴァンニ」は、ロンドンの誇り高く颯爽としたタイトルロールを筆頭
に、、ベリー、ツァデク、シモノー、ユリナッチ、シュッティ、ウェーバー
と、空前のオールスターキャスト。後にドン・ジョヴァンニで名を馳せるウィ
ーンの名バリトン、ヴェヒターがマゼットを歌っているのですから驚きです。
モラルトの颯爽とした気持ちよい音楽は、今聞いてもまったく古びておらず、
ウィーン交響楽団も素敵なウィーンの音色を放っています。1990年代初めに
CD化され、1993年には国内盤CDも出たことがありますが、その後15年以上入
手難だったこの名盤、復活を喜ぶ人は多いことでしょう。余白に、ロンドンが
ワルターの指揮で録音したアリア集を収録。
PRCD 20055 2枚組 \2700
MONO
プッチーニ:「トスカ」
アントニエッタ・ステッラ(S トスカ)
ジャンニ・ポッジ(T カヴァラドッシ)
ジュゼッペ・タッデイ(Br スカルピア)
フェルッチョ・マッツォーリ(Bs アンジェロッティ)
レオ・パディス(Bs 堂守) ピエロ・デ・パルマ(T スポレッタ)
アントーニオ・サッケッティ(Bs シャルローネ)
ほか
トゥリオ・セラフィン(指)
ナポリ・サンカルロ劇場管弦楽団,合唱団
録音:1957年
幻の録音がついにCD化!1950年代にPHILIPSはナポリのサンカルロ劇場を用い
てオペラの録音をしましたが、その中でなぜかCD化されなかったのがこの「ト
スカ」。ステッラ、ポッジ、タッデイと、イタリアオペラのスター歌手を三人
も配し、スポレッタには名脇役デ・パルマ、そして指揮者は大御所セラフィン
と、超豪華。復活を喜びましょう!
PRCD 20056 2枚組 \2700
MONO
ドニゼッティ:「シャモニーのリンダ」
アントニエッタ・ステッラ(S リンダ)
チェーザレ・ヴァレッティ(T カルロ)
ジュゼッペ・タッデイ(Br アントーニオ)
フェドーラ・バルビエーリ(Ms ピエロット)
レナート・カペッキ(Bs ボアフレリー侯爵)
ピエロ・デ・パルマ(T 行政長官)
ジュゼッペ・モデスティ(Bs 司教)
トゥリオ・セラフィン(指)
ナポリ・サンカルロ劇場管弦楽団,合唱団
録音:1956年9月
PHILIPS録音。ステッラを筆頭に、ヴァレッティ、タッデイ、バルビエーリ、
カペッキ、デ・パルマと、よくぞこれだけ名歌手を揃えたもんだと言うくら
いの豪華キャストです。しかも指揮がセラフィンとくれば文句なし。PHILIPS
から1990年代の半ばに一度だけCD化されたことがありましたが、長らく廃盤。
粗悪な海賊すら入手難でしたので、嬉しい復活です。
PRCD 20057 2枚組 \2700
MONO
ロッシーニ:「モゼ」
ニコラ・ロッシ=レメーニ(Bs モーゼ)
ジュゼッペ・タッデイ(Br ファラオーネ)
アゴスティーノ・ラッザーリ(T エリゼーロ)
マリオ・フィリッペスキ(T アメーノフィ)
ピエロ・デ・パルマ(T アウフィーデ)
カテリーナ・マンチーニ(S アナイーデ)
プリーニオ・クラバッシ(Bs オジリデ)
ブルーナ・リッツォリ(S シナイーデ)
トゥリオ・セラフィン(指)
ナポリ・サンカルロ劇場管弦楽団,合唱団
録音:1956年6月
「モゼ」は、ロッシーニがパリのオペラ座のために作曲した「モイーズとファ
ラオン」(旧作「エジプトのモゼ」を大幅に改作したもの)がさらにイタリア語
に直されたもの。今日ではフランス語の上演が主流なので、イタリア語の録音
はかえって貴重です。イタリアオペラの巨匠セラフィンの指揮するロッシーニ
は珍しく、ライヴを含めても数種。この「モゼ」は、ロッシ=レメーニ、フィ
リッペスキ、タッデイと男声が充実しており、セラフィンのガッチリした音楽
ともども聞き応えがあります。ヒロインのアナイーデを歌うマンチーニは1924
年生まれ。カラスと同世代のイタリアのソプラノで、高い評価を得ていたもの
の、早くに病気引退したため録音が少なく、幻のソプラノと言われています。
これは彼女の全盛期の貴重な録音です。PHILIPSから1990年代の半ばに一度だ
けCD化されたことがあっただけなので、嬉しい復活です。