<OTAKEN RECORDS>
TKC-313 \2080
ベートーヴェン:
(1)交響曲 第3番「英雄」変ホ長調 作品55
(2)序曲「フィデリオ」 作品72B
(3)序曲「レオノーレ」 第3番 作品72A
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 指揮
ウィーン・フルハーモニー管弦楽団
録音:(1)1944年12月 ウィーン・ムジークフェラインザール
(2)(3)1950年8月 ザルツブルグ祝祭劇場
音源:ドイツ帝国放送局(1)オーストリア放送局(2)(3)
擬似ガラスCD方式で所謂「ウラニアのエロイカ」のような古い録音の名演の音
がどのようになるか?これはたいへん興味はあるが、半ばあきらめかけていた
事案でもありました。と言いますのは、この方式ではCDの元となるマスター音
源の音が良好であることが最低条件で、「ウラニアのエロイカ」においてこの
条件に見合う音源は存在しないと思っていたからです。現にこれまで英ユニコ
ーン社原盤の各LPや米ウラニア社のオリジナルLP、露メロディア及びオースト
リア経由のテープ系音源をあたりましたが、この方式に耐え得るものを見つけ
ることができませんでした。ところがこの度、さる信頼できる筋から当社に持
ち込まれたテープ系音源は、この方式に見事にマッチするものでした。ともか
くこの方式でCDに定着された当音源の音は、これまでに出たどの「ウラニアの
エロイカ」よりもダイナミックで音の巾も厚く、特に金管楽器の強奏部でのび
りつきは「ウラニアのエロイカ」のトレードマークともなっていましたが、そ
れがほとんどなくなったのは嬉しいかぎりです。また実際にはとてつもなく広
かったであろうと思われるフルトヴェングラーのダイナミックレンジを彷彿と
させるクレッシェンドのすさまじさも目を見張るものがあります。とにかく
1楽章のドン、ドンというあの「ウラニア・マーカー」がなければ、にわかに
「ウラニアのエロイカ」とは信じがたい音に仕上がっております。しかし今回
の最大の収穫は、音質改善が音楽的感動に直結したことで、このCDは今後のオ
ーディオと音楽のあり方について一石を投じたものにもなり得ましょう。ファ
ンの方はもちろん広く音楽愛好家の皆様に又、今回は特にオーディオ・ファン
の方にもご一聴願えたらと思われる「ウラニアのエロイカ」の登場です。
オタケン・レコード 太田憲志
<ORF(オーストリア放送協会)>
CD 3018 \2080
モーツァルト(ペーター・リヒテンタール編):
交響曲第40番 ト短調 K.550
モーツァルト(マリアンネ・ブルックナー編):
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
ストリングフィッツ: 【ヴェロニカ・ゴットリート(Vn)、ゾフィー・ガンシュ
(Vn)、イネス・ミクリン(Va)、マリアンネ・ブルックナー(Vc)】
ヴィクトリア・フォーニャド=ヨー(Va)
トーマス・ノートバウアー(Cl)
弦楽四重奏編曲版のレクイエムに続くストリングフィッツのモーツァルト。交
響曲第40番はペーター・リヒテンタール(1780-1853)による編曲。リヒテンター
ルは1780年ブラティスラヴァで生まれ、ウィーンとミラノで医師として活動し、
モーツァルトの音楽のイタリア紹介に功績のあった人物。クラリネット協奏曲
はメンバーのマリアンネ・ブルックナーの編曲。ストリングフィズは2000年創
立の女性弦楽四重奏団。
CD 495 \2080
ボッケリーニ:
弦楽五重奏曲 ニ長調 Op.39-3 G339
弦楽五重奏曲 変ロ長調 Op.39-1 G387
弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.64-2 G249
弦楽五重奏曲 ヘ長調 Op.39-2 G338
ピッコロ・コンチェルト・ウィーン
録音:2005年1月、DDD、
ボッケリーニの弦楽五重奏曲の録音。いずれの曲も世界初録音だと思われる。
ピッコロ・コンチェルト・ウィーンは1993年創立の団体。開放的な明るい音色
と、ドイツ語圏の古楽団体に共通した切れ味の良さがミックスされた演奏で、
軽快なフットワークとスピード感も相まって、たいへんに爽快なボッケリーニ
である。
CD 3020(1SACD+ボーナスDVD※PAL方式) \2080
バッハ:
前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV.998
リュート組曲 ハ短調 BWV.997
リュート組曲 ト短調 BWV.995
リュート組曲 ホ長調 BWV.1006a
ペーター・ワルドナー(ラウテンクラヴィーア)
録音:2007年2月18日(ライヴ)、
バッハのリュート曲を、ラウテンクラヴィーアで演奏したもの。ラウテンクラ
ヴィーアとは、リュートの音色を奏でる鍵盤楽器。文献では知られ、バッハの
遺品の中にもあったことが分かっている。ガット弦を使用していたと推測され
ているものの、現存する楽器が残っていないため、実態は謎に包まれている。
ここでは、18世紀の音楽理論学者ヤコブ・アドルングの記述に基づき、米国の
キース・ヒルが1999年に復元したナイロン弦を用いた楽器を使用。独特な音色
が美しく、リュート原曲の作品のみならず、無伴奏ヴァイオリン・パルティー
タ第3番の編曲作品も新たな魅力を得ている。ペーター・ワルドナーは、1966年、
南チロルのフィンシュガウ出身の鍵盤奏者。インスブルックを拠点として活躍
している。
※特典DVDはPAL方式のため通常の日本のDVDプレイヤーでは見ることはできませ
ん。
CD 3008(1SACD+ボーナスDVD※PAL方式) \2080
テレマン:組曲「ハンブルクの潮の干満」(水上の音楽)ハ長調 TWV.55:C3
ヴィヴァルディ:協奏曲 ニ短調 RV.566
バッハ:協奏曲 ヘ長調 BWV.1057(ブランデンブルク協奏曲第4番の編曲)
ファン・ヴァッセナール:コンチェルト・アルモニコ第5番 ヘ短調
ルベル:幻想曲
クラウディオ・リベイロ(指揮)
コレギウム・ムジクム・デン・ハーグ、
録音:2006年11月29,30日、
63m(SACD)、30m(DVD)
2006年に結成されたばかりの古楽団体、コレギウム・ムジクム・デン・ハーグ
のおそらく初の録音。ハーグ王立音楽院出身の仲間で結成された団体で、当然
メンバーは若く、古楽の中心地だけに国籍は多様だ。指揮を務めるクラウディ
オ・リベイロは、ブラジル、サンパウロ生まれのチェンバロ奏者。ドイツ、イ
タリア、フランスと様々な様式の音楽をいずれも見事にまとめており、さらに
チェンバロ独奏の妙技も繰り広げている。バッハのBWV.1057は、ブランデンブ
ルク協奏曲第4番からの編曲作品。
特典DVDはPAL方式のため通常の日本のDVDプレイヤーでは見ることはできません。
CD 447 \2080
ツォベル(1950-):孤立/世界を変える、彼女にそれが必要だ/ドナウ歌曲集/
眠り/ダッハウから/人生の階段
ケーテ・ヴィットリヒ(ピアノ)
ペーター・コイシュニヒ(指揮)
アンサンブル・コントラプンクテ
ペーター・アルトマン(指揮)
新ウィーン・ヴォーカルアンサンブル、
ほか
録音:1973-1995年
ウィーン生まれの現代作曲家、ヴィルヘルム・ツォベル(1950-)の作品集。「孤
立」(1970年)はピアノソロ。「世界を変える、彼女はそれを必要としている」
(1973年)はテープ編集。ドナウ歌曲集(1984年)は管弦楽曲(歌は無い)。「眠り」
は室内アンサンブル作品。「ダッハウから」は管弦楽曲。「人生の階段」合唱
と木管アンサンブルの音楽。
CD 3010 \2080
17世紀の作曲家のリュート作品集
ビットナー:前奏曲
デュビュ:無題の作品
デュフレスノ:アルマンド,クーラント
ガロ:サラバンド,ガヴォット
デュフォ:ジーグ
作者不詳:パルティア
作者不詳:パルティータ 変ロ長調
ヒンターレイトナー:パルティータ ニ長調,パルティータ イ短調
ロジー:サラバンド,チャコンナ
フーベルト・ホフマン(リュート)
録音:2007年6月、
17世紀の作曲家の作品を中心としたリュート作品集。ジャック・ビットナー(17
世紀)、ジャック・ガロ(?-1690)、フランソワ・デュフォ(?-1670)、フェル
ディナント・イグナツ・ヒンターライトナー(1659-1710)、ヤン・アントン・ロ
ジー(1650-1721)らの作品を収録。フーベルト・ホフマンは3種の楽器を弾き分
けている。
CD 3013 \2080
ヨーゼフ・マルクスの歌曲集
1950年代の歴史的録音から81年のオジェーまで収録
ヨーゼフ・マルクス(1882-1964):歌曲集
(1)マリアの歌/キリストの木/問いと答え/つつましい羊飼い/出会い/百合
/何のため/ヴェネツィアの子守歌/最愛の人が話す/井戸端で
(2)輝く日々/雨/ペレグリーナ第5番/美しさ/春の歩み
(3)聖マリア/記憶/ある娘の歌/ジプシー
(4)歌/あなたの眼差し/夜の祈り/夢の絶頂
(5)昨日彼は私にバラを持ってきた/日本の雨の歌/
ヴェネツィアの子守歌/マリアの歌/愛に心を動かされたなら
(1)ヴィルマ・リップ(S)
ヨーゼフ・マルク(Pf)
録音:1951年11月24日
(2)ワルデマール・クメント(T)
ヨーゼフ・マルク(Pf)
1952年5月28日
(3)イルムガルト・ゼーフリート(S)
エリック・ウェルバ(Pf)
1951年10月5日
(4)ワルデマール・クメント(T)
エリック・ウェルバ(Pf)
1951年12月15日
(5)アリーン・オジェー(S)
ミルティアデス・カルディス(指揮)
ニーダーエスターライヒ・トンキュンストラー管弦楽団
1981年5月15日
オーストリアの作曲家、ヨーゼフ・マルクス(1882-1964)の歌曲集。マルクスは
150の歌曲を残したと言われ、後期ロマン派を受け継いだ作風は再評価されつつ
ある。ここには、ヴィルマ・リップ、ワルデマール・クメント、イルムガルト
・ゼーフリートらの歴史的録音と、アリーン・オジェーが歌った管弦楽伴奏歌
曲が収録されている。
CD 3017 \2080
名女優に捧げるため女装した男性歌手のキャバレー・ソング集
イルムガルト・クネフ「私のウィーン」
(キャバレーソング、シャンソン、ガーシュウィン、ポーター)
ウルリヒ・ミヒャエル・ハイシッヒ(歌)
シュトラールクラフト(光の力)バンド
録音:2007年9月7日,ライヴ
ウルリヒ・ミヒャエル・ハイシッヒは、ドイツの歌手、俳優。イルムガルト・
クネフとは、往年のドイツの名女優、歌手のヒルデガルト・クネフを真似て彼
が女装して演じる人物。キャバレーソング、シャンソン、さらにガーシュウィ
ン、ポーターなどの曲を歌っている。
<DIVOX>
CDX25254 \1980
グリエール:チェロとピアノの為の12ページのアルバムOp51
プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調Op119
エステル・ニッフェネッガー(チェロ)
ミラーナ・チェルンヤフスカ(ピアノ)
録音:2007年7月
演奏者は共に、流麗で息がぴったりと合った演奏です。ニッフェネッガーは好
評を得ているバッハ無伴奏チェロ組曲(CDX25249/50)などDIVOXレーベルに多数
の録音を行っています。グリエールの12ページのアルバムは小品集で明るい部
分が多い作品です。他に録音があまり無い貴重なものです。名曲プロコフィエ
フのチェロ・ソナタは作曲者独特のコミカルさが時折顔を出すユニークな作品
です。
CDX 70602 \1980
「ヴェネツィアへの旅」
ヘンデル:シンフォニア 変ロ長調 HWV338、アリア ハ短調 HWV355、組曲
変ロ長調 HWV 354から
アルビノーニ:シンフォニア ト短調、協奏曲 ト長調Op.4-5
ポルポラ:協奏曲 ホ短調
カルダーラ:「我らの主イエス・キリスト」-導入,アンダンテ
マルチェッロ:シンフォニア ト長調
ガスパリーニ:「運命の予言」序曲
ハッセ:「クレオフィーデ」序曲
ポルポラ:協奏曲 ト長調(Op.11より)
ステーファノ・モラルディ(指揮,Cemb)
イ・ヴィルトゥオージ・デッレ・ムーゼ(ピリオド楽器)
録音:2006年4月12-15日
ヴィヴァルディのオペラ序曲集(CDX70501 SACD hybrid)に続く、イ・ヴィルトゥ
オージ・デッレ・ムーゼのバロックアルバム。「ヴェネツィアへの旅」と題さ
れ、ヴェネツィアに縁のある作曲家の作品が集められている。モラルディとイ・
ヴィルトゥオージ・デッレ・ムーゼの演奏は、優れた様式感と、ゆとりを保っ
た愉悦感に独特の味わいがある。
CDX 70603 \1980
「フィリア・プレクララ」
神の僕、クララ/喜べ、天の聖職者よ/今日キリストは起きたまえり/おお、
宵に輝く乙女よ/許しのため私は行くだろう/澄んだ光で輝く/新たな玉座が
/主を讃えよう/おお喜びの報せ/留まるがよい/やんごとなき乙女/マリア
に祝福あれ/慈愛の神を讃えよ/ほか
アンサンブル・ペレグリーナ(女声アンサンブル)
録音:2007年4月16-20日
13世紀から15世紀にかけての宗教声楽曲を収録。いずれもアッシジの聖クララ
に因んだ内容である。アンサンブル・ペレグリーナは1997年創立の女声四人に
よるグループ。中世宗教音楽は混成、もしくは男声アンサンブルによるものが
多数だが、透明な女声だけのアンサンブルの美しさは格別である。
<Caprice>
CAP 21776 \2300
ピアノによるインプロヴィゼーショナルI ――
カール・ミカエル・ベルマン(1740-1795)の「フレドマンの手紙と歌」をテーマ
とした即興曲(15曲)
二クラス・シヴェレーフ(ピアノ)
「ピアノによるインプロヴィゼーショナル」とは、3年間で全10タイトルのリリ
ースが予定されているピアノによる完全な即興演奏のシリーズ。このシリーズ
全体に一貫して適用される重要な理念とは、
(1)インプロヴィゼーション(即興)であること。
(2)10タイトル全てで同一のコンサートホール、同一のピアノを使用(ピアニス
トは各タイトルで変更となる)。
(3)レコーディングの直前(ホールに入ってから)にテーマが提示される。事前提
示は一切なし。
(4)セッションは全て真夜中に行われる(人間の脳の活動時間に着目)。
という徹底された4項目。
ピアニスト自身の備えたテクニックや即興能力はもちろんのこと、音楽性や人
間性もが試され演奏に直接反映されるという部分も非常に興味深い。
この「ピアノによるインプロヴィゼーショナル」に挑む最初のピアニストは、
スウェーデンの実力者ニクラス・シヴェレーフ。
そのシヴェレーフに提示された注目のテーマは、18世紀スウェーデンの高名な
詩人であるカール・ミカエル・ベルマンの「手紙と歌」。
シヴェレーフの閃きによって次々と放たれるベルマンをテーマとした即興演奏
は圧巻の一言。まったく新しい視点とアイディアによるシリーズがいま始まる。
2006年8月28日-30日、ニーブローカイエン(ストックホルム)での録音。
<Danacord>
DACOCD 660 \2300
パヴェル・パブスト(1854-1897):ピアノ協奏曲変ホ長調Op.82
リムスキー=コルサコフ:ピアノ協奏曲嬰ハ短調Op.30
スクリャービン:ピアノ協奏曲嬰へ短調Op.20
オレグ・マルシェフ(ピアノ)、
ウラディーミル・ジヴァ(指揮)、南ユラン交響楽団
旧ソ連のアゼルバイジャンの首都バクー生まれで生まれたヴィルトゥオーソ・ピ
アニスト、オレグ・マルシェフ。
その実力に着目したメジャー・レーベルからのオファーを断り、ダナコード
(Danacord)一筋で優れた演奏を発表し続けるマルシェフが新たなに「3つのロシ
アのピアノ協奏曲」を録音!
ルビンシテインに認められモスクワ音楽院に教授として招聘されたパヴェル・
パブスト。同世代のチャイコフスキーからもその才能を高く評価されたパブス
トのピアノ協奏曲は、ロマンティックで技巧的な作風と雄大なロシアの大地を
想像させる大きなスケールを持った知られざる名曲である。
リムスキー=コルサコフとスクリャービンの2作品でもマルシェフの生命力に満
ちた音色と見事なテクニックが余すことなく発揮されている。ジヴァと南ユラ
ン響の温かなサポートも美しい。
※ダナコード・2008年カラーカタログ付き(40ページ)。
<Sterling>
CDS 1075-2 \2300
ヨアヒム・ラフ(1822-1882):
ヴァイオリンと管弦楽のための性格的な演奏会用小品《愛の妖精》Op.67
ヴァイオリンと管弦楽のための組曲Op.181
ヴァイオリン協奏曲第1番Op.161(原典版)
トビアス・リングボリ(ヴァイオリン)、
アンドレア・クイン(指揮)、ノールランド歌劇場交響楽団
長年に渡ってその存在と作品が不当なまでに忘れられてきたが、近年再評価の
気運が一気に高まっている作曲家ヨアヒム・ラフのヴァイオリン協奏曲集が登
場!スイスのチューリッヒ近くに位置する町ラッヘンで生まれドイツを活躍の
場としたラフの作品には、11曲の交響曲に代表される大規模な作品から室内楽
作品まで多くの傑作が見受けられる。
今回収録された「ヴァイオリン協奏曲第1番」では1870年に作曲された原典版が
用いられている。アウグスト・ウィルヘルミに献呈された難曲でスウェーデン
のヴィルトゥオーソ、リングボリが熱演を繰り広げている。
2005年11月からノールランド歌劇場響の音楽監督の任にあるイギリスの女流指
揮者アンドレア・クインの手綱捌きにも要注目。
CDS 1074-2 \2300
デュカス:
序曲《ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン》/序曲《リア王》/交響曲ハ短調
ファブリス・ボロン(指揮)、
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団
代名詞でもある交響詩「魔法使いの弟子」や「ピアノ・ソナタ」といった現存
する傑作や、晩年には自らの作品の大半を破棄してしまうという完璧主義者と
してのエピソードでも知られるフランスの大作曲家ポール・デュカス。
2008-2009シーズンからフライブルク歌劇場の音楽監督に着任するフランス人
指揮者ファブリス・ボロンとヴュルテンベルク・フィルのタッグによるデュカ
スの管弦楽作品集では、1883年に若かりし日のデュカスが書き上げた2つの序
曲と、1896年に作曲された唯一の交響曲をカップリング。
「交響曲」での優れた作曲技法はもちろんのこと、序曲のみが発見され1995年
に初演が行われた「リア王」や「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」からも完
璧を求めたデュカスの類希なオーケストレーションを聴きとることができる。
<Rondeau>
ROP 4024/25 2枚組 \4600
J・S・バッハ:ヨハネ受難曲BWV.245
マーカス・ウルマン(福音史家/テノール)、
ゴットホルト・シュワルツ(イエス/バス)、
ルース・ホルトン(ソプラノ)、マティアス・レックスロート(アルト)、
ヘンリク・ベーム(バス)、
ゲオルク・クリストフ・ビラー(指揮)、
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、聖トーマス教会少年合唱団
J・S・バッハが第15代目のカントール(音楽監督)を務めるなど、バッハに最も
縁の深い教会として知られるライプツィヒ聖トーマス教会の少年合唱団。近年
はバッハの作品だけでも「ロ短調ミサ」や「マタイ受難曲」(初期稿)などのリ
リースを実現させるなど、活発なレコーディングにも取り組んでいる聖トーマ
ス教会少年合唱団の最新盤はこれまた期待の高まる「ヨハネ受難曲」!
現在のカントールであるビラーの指揮の下、名門ゲヴァントハウス管や福音史
家のスペシャリストとして名を馳せるテノールのマーカス・ウルマンなど聖ト
ーマス教会の「ヨハネ受難曲」に相応しい演奏者陣が集っている点も見逃せな
い。2007年4月6日-7日、聖トーマス教会でのライヴ録音。
ROP 7006 \2300
ブクステフーデ:
7つの連作カンタータ《われらがイエスの四肢》BuxWV.75/カンタータ《安ら
ぎと喜びもてわれは逝く》BuxWV.76/カンタータ《天使に委ねよ》BuxWV.10
イェルク・ブライディング(指揮)、
ハノーファー少年合唱団、ヒムリッシェ・カントライ、
バロックアンサンブル・ラルコ
世界初録音となったハンマーシュミットの作品集(ROP 7001)では権威あるエコ
ー賞を受賞。2007年にはジョン・ラッターの「マニフィカト」(ROP 7004)のリ
リースを行うなど、聖トーマス教会少年合唱団やウィンズバッハ少年合唱団と
並ぶロンドー(Rondeau)の中心的存在に急浮上してきたハノーファー少年合唱団
の最新録音。
ハノーファー少年合唱団の汚れのない澄んだハーモニーがブクステフーデの大
作を感動的に仕上げている。
<Christophorus>
CHR 77288(SACD-Hybrid) \2850
パレストリーナ:
チェチーリアは楽器を奏で、曙が領主を照らし時、ソロモンの雅歌より、
第1旋法のマニフィカト、その頭にいただきたる金色の冠は
パレストリーナを含む「ローマ音楽家名人会」による共作:
ミサ《チェチーリアは楽器を奏で》
ヴィルフリート・ロンバッハ(指揮)、アンサンブル・オフィチウム
これまでに「パレストリーナ」や「ヴァイセンブルクのオトフリート」の作品
集など、数多くの意欲的なプログラムを打ち出してきたロンバッハ率いるドイ
ツのアンサンブル「アンサンブル・オフィチウム」は、ルネサンス時代の宗教
音楽、グレゴリオ聖歌のスペシャリスト集団。
このロンバッハとアンサンブル・オフィチウムによる新しいパレストリーナの
作品集には、「ローマ音楽家名人会」の共作である「ミサ《チェチーリアは楽
器を奏で》」を収録。「ミサ《チェチーリアは楽器を奏で》」とは、教皇の庇
護のもとに1584年に創立された「ローマ音楽家名人会」の会員であるスタビレ、
ソリアーノ、ドラゴーニ、ジョヴァンネッリ、サンティーニ、マンチーニ、そ
してパレストリーナが各楽章を分担して手懸けた12声のためのミサ曲である。
全曲を通してアンサンブル・オフィチウムの高い歌唱力が豊かなハーモニーを
生み出しており、天まで響き渡るであろうその歌声は感動的と言う他ない。
TKC-313 \2080
ベートーヴェン:
(1)交響曲 第3番「英雄」変ホ長調 作品55
(2)序曲「フィデリオ」 作品72B
(3)序曲「レオノーレ」 第3番 作品72A
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 指揮
ウィーン・フルハーモニー管弦楽団
録音:(1)1944年12月 ウィーン・ムジークフェラインザール
(2)(3)1950年8月 ザルツブルグ祝祭劇場
音源:ドイツ帝国放送局(1)オーストリア放送局(2)(3)
擬似ガラスCD方式で所謂「ウラニアのエロイカ」のような古い録音の名演の音
がどのようになるか?これはたいへん興味はあるが、半ばあきらめかけていた
事案でもありました。と言いますのは、この方式ではCDの元となるマスター音
源の音が良好であることが最低条件で、「ウラニアのエロイカ」においてこの
条件に見合う音源は存在しないと思っていたからです。現にこれまで英ユニコ
ーン社原盤の各LPや米ウラニア社のオリジナルLP、露メロディア及びオースト
リア経由のテープ系音源をあたりましたが、この方式に耐え得るものを見つけ
ることができませんでした。ところがこの度、さる信頼できる筋から当社に持
ち込まれたテープ系音源は、この方式に見事にマッチするものでした。ともか
くこの方式でCDに定着された当音源の音は、これまでに出たどの「ウラニアの
エロイカ」よりもダイナミックで音の巾も厚く、特に金管楽器の強奏部でのび
りつきは「ウラニアのエロイカ」のトレードマークともなっていましたが、そ
れがほとんどなくなったのは嬉しいかぎりです。また実際にはとてつもなく広
かったであろうと思われるフルトヴェングラーのダイナミックレンジを彷彿と
させるクレッシェンドのすさまじさも目を見張るものがあります。とにかく
1楽章のドン、ドンというあの「ウラニア・マーカー」がなければ、にわかに
「ウラニアのエロイカ」とは信じがたい音に仕上がっております。しかし今回
の最大の収穫は、音質改善が音楽的感動に直結したことで、このCDは今後のオ
ーディオと音楽のあり方について一石を投じたものにもなり得ましょう。ファ
ンの方はもちろん広く音楽愛好家の皆様に又、今回は特にオーディオ・ファン
の方にもご一聴願えたらと思われる「ウラニアのエロイカ」の登場です。
オタケン・レコード 太田憲志
<ORF(オーストリア放送協会)>
CD 3018 \2080
モーツァルト(ペーター・リヒテンタール編):
交響曲第40番 ト短調 K.550
モーツァルト(マリアンネ・ブルックナー編):
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
ストリングフィッツ: 【ヴェロニカ・ゴットリート(Vn)、ゾフィー・ガンシュ
(Vn)、イネス・ミクリン(Va)、マリアンネ・ブルックナー(Vc)】
ヴィクトリア・フォーニャド=ヨー(Va)
トーマス・ノートバウアー(Cl)
弦楽四重奏編曲版のレクイエムに続くストリングフィッツのモーツァルト。交
響曲第40番はペーター・リヒテンタール(1780-1853)による編曲。リヒテンター
ルは1780年ブラティスラヴァで生まれ、ウィーンとミラノで医師として活動し、
モーツァルトの音楽のイタリア紹介に功績のあった人物。クラリネット協奏曲
はメンバーのマリアンネ・ブルックナーの編曲。ストリングフィズは2000年創
立の女性弦楽四重奏団。
CD 495 \2080
ボッケリーニ:
弦楽五重奏曲 ニ長調 Op.39-3 G339
弦楽五重奏曲 変ロ長調 Op.39-1 G387
弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.64-2 G249
弦楽五重奏曲 ヘ長調 Op.39-2 G338
ピッコロ・コンチェルト・ウィーン
録音:2005年1月、DDD、
ボッケリーニの弦楽五重奏曲の録音。いずれの曲も世界初録音だと思われる。
ピッコロ・コンチェルト・ウィーンは1993年創立の団体。開放的な明るい音色
と、ドイツ語圏の古楽団体に共通した切れ味の良さがミックスされた演奏で、
軽快なフットワークとスピード感も相まって、たいへんに爽快なボッケリーニ
である。
CD 3020(1SACD+ボーナスDVD※PAL方式) \2080
バッハ:
前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV.998
リュート組曲 ハ短調 BWV.997
リュート組曲 ト短調 BWV.995
リュート組曲 ホ長調 BWV.1006a
ペーター・ワルドナー(ラウテンクラヴィーア)
録音:2007年2月18日(ライヴ)、
バッハのリュート曲を、ラウテンクラヴィーアで演奏したもの。ラウテンクラ
ヴィーアとは、リュートの音色を奏でる鍵盤楽器。文献では知られ、バッハの
遺品の中にもあったことが分かっている。ガット弦を使用していたと推測され
ているものの、現存する楽器が残っていないため、実態は謎に包まれている。
ここでは、18世紀の音楽理論学者ヤコブ・アドルングの記述に基づき、米国の
キース・ヒルが1999年に復元したナイロン弦を用いた楽器を使用。独特な音色
が美しく、リュート原曲の作品のみならず、無伴奏ヴァイオリン・パルティー
タ第3番の編曲作品も新たな魅力を得ている。ペーター・ワルドナーは、1966年、
南チロルのフィンシュガウ出身の鍵盤奏者。インスブルックを拠点として活躍
している。
※特典DVDはPAL方式のため通常の日本のDVDプレイヤーでは見ることはできませ
ん。
CD 3008(1SACD+ボーナスDVD※PAL方式) \2080
テレマン:組曲「ハンブルクの潮の干満」(水上の音楽)ハ長調 TWV.55:C3
ヴィヴァルディ:協奏曲 ニ短調 RV.566
バッハ:協奏曲 ヘ長調 BWV.1057(ブランデンブルク協奏曲第4番の編曲)
ファン・ヴァッセナール:コンチェルト・アルモニコ第5番 ヘ短調
ルベル:幻想曲
クラウディオ・リベイロ(指揮)
コレギウム・ムジクム・デン・ハーグ、
録音:2006年11月29,30日、
63m(SACD)、30m(DVD)
2006年に結成されたばかりの古楽団体、コレギウム・ムジクム・デン・ハーグ
のおそらく初の録音。ハーグ王立音楽院出身の仲間で結成された団体で、当然
メンバーは若く、古楽の中心地だけに国籍は多様だ。指揮を務めるクラウディ
オ・リベイロは、ブラジル、サンパウロ生まれのチェンバロ奏者。ドイツ、イ
タリア、フランスと様々な様式の音楽をいずれも見事にまとめており、さらに
チェンバロ独奏の妙技も繰り広げている。バッハのBWV.1057は、ブランデンブ
ルク協奏曲第4番からの編曲作品。
特典DVDはPAL方式のため通常の日本のDVDプレイヤーでは見ることはできません。
CD 447 \2080
ツォベル(1950-):孤立/世界を変える、彼女にそれが必要だ/ドナウ歌曲集/
眠り/ダッハウから/人生の階段
ケーテ・ヴィットリヒ(ピアノ)
ペーター・コイシュニヒ(指揮)
アンサンブル・コントラプンクテ
ペーター・アルトマン(指揮)
新ウィーン・ヴォーカルアンサンブル、
ほか
録音:1973-1995年
ウィーン生まれの現代作曲家、ヴィルヘルム・ツォベル(1950-)の作品集。「孤
立」(1970年)はピアノソロ。「世界を変える、彼女はそれを必要としている」
(1973年)はテープ編集。ドナウ歌曲集(1984年)は管弦楽曲(歌は無い)。「眠り」
は室内アンサンブル作品。「ダッハウから」は管弦楽曲。「人生の階段」合唱
と木管アンサンブルの音楽。
CD 3010 \2080
17世紀の作曲家のリュート作品集
ビットナー:前奏曲
デュビュ:無題の作品
デュフレスノ:アルマンド,クーラント
ガロ:サラバンド,ガヴォット
デュフォ:ジーグ
作者不詳:パルティア
作者不詳:パルティータ 変ロ長調
ヒンターレイトナー:パルティータ ニ長調,パルティータ イ短調
ロジー:サラバンド,チャコンナ
フーベルト・ホフマン(リュート)
録音:2007年6月、
17世紀の作曲家の作品を中心としたリュート作品集。ジャック・ビットナー(17
世紀)、ジャック・ガロ(?-1690)、フランソワ・デュフォ(?-1670)、フェル
ディナント・イグナツ・ヒンターライトナー(1659-1710)、ヤン・アントン・ロ
ジー(1650-1721)らの作品を収録。フーベルト・ホフマンは3種の楽器を弾き分
けている。
CD 3013 \2080
ヨーゼフ・マルクスの歌曲集
1950年代の歴史的録音から81年のオジェーまで収録
ヨーゼフ・マルクス(1882-1964):歌曲集
(1)マリアの歌/キリストの木/問いと答え/つつましい羊飼い/出会い/百合
/何のため/ヴェネツィアの子守歌/最愛の人が話す/井戸端で
(2)輝く日々/雨/ペレグリーナ第5番/美しさ/春の歩み
(3)聖マリア/記憶/ある娘の歌/ジプシー
(4)歌/あなたの眼差し/夜の祈り/夢の絶頂
(5)昨日彼は私にバラを持ってきた/日本の雨の歌/
ヴェネツィアの子守歌/マリアの歌/愛に心を動かされたなら
(1)ヴィルマ・リップ(S)
ヨーゼフ・マルク(Pf)
録音:1951年11月24日
(2)ワルデマール・クメント(T)
ヨーゼフ・マルク(Pf)
1952年5月28日
(3)イルムガルト・ゼーフリート(S)
エリック・ウェルバ(Pf)
1951年10月5日
(4)ワルデマール・クメント(T)
エリック・ウェルバ(Pf)
1951年12月15日
(5)アリーン・オジェー(S)
ミルティアデス・カルディス(指揮)
ニーダーエスターライヒ・トンキュンストラー管弦楽団
1981年5月15日
オーストリアの作曲家、ヨーゼフ・マルクス(1882-1964)の歌曲集。マルクスは
150の歌曲を残したと言われ、後期ロマン派を受け継いだ作風は再評価されつつ
ある。ここには、ヴィルマ・リップ、ワルデマール・クメント、イルムガルト
・ゼーフリートらの歴史的録音と、アリーン・オジェーが歌った管弦楽伴奏歌
曲が収録されている。
CD 3017 \2080
名女優に捧げるため女装した男性歌手のキャバレー・ソング集
イルムガルト・クネフ「私のウィーン」
(キャバレーソング、シャンソン、ガーシュウィン、ポーター)
ウルリヒ・ミヒャエル・ハイシッヒ(歌)
シュトラールクラフト(光の力)バンド
録音:2007年9月7日,ライヴ
ウルリヒ・ミヒャエル・ハイシッヒは、ドイツの歌手、俳優。イルムガルト・
クネフとは、往年のドイツの名女優、歌手のヒルデガルト・クネフを真似て彼
が女装して演じる人物。キャバレーソング、シャンソン、さらにガーシュウィ
ン、ポーターなどの曲を歌っている。
<DIVOX>
CDX25254 \1980
グリエール:チェロとピアノの為の12ページのアルバムOp51
プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調Op119
エステル・ニッフェネッガー(チェロ)
ミラーナ・チェルンヤフスカ(ピアノ)
録音:2007年7月
演奏者は共に、流麗で息がぴったりと合った演奏です。ニッフェネッガーは好
評を得ているバッハ無伴奏チェロ組曲(CDX25249/50)などDIVOXレーベルに多数
の録音を行っています。グリエールの12ページのアルバムは小品集で明るい部
分が多い作品です。他に録音があまり無い貴重なものです。名曲プロコフィエ
フのチェロ・ソナタは作曲者独特のコミカルさが時折顔を出すユニークな作品
です。
CDX 70602 \1980
「ヴェネツィアへの旅」
ヘンデル:シンフォニア 変ロ長調 HWV338、アリア ハ短調 HWV355、組曲
変ロ長調 HWV 354から
アルビノーニ:シンフォニア ト短調、協奏曲 ト長調Op.4-5
ポルポラ:協奏曲 ホ短調
カルダーラ:「我らの主イエス・キリスト」-導入,アンダンテ
マルチェッロ:シンフォニア ト長調
ガスパリーニ:「運命の予言」序曲
ハッセ:「クレオフィーデ」序曲
ポルポラ:協奏曲 ト長調(Op.11より)
ステーファノ・モラルディ(指揮,Cemb)
イ・ヴィルトゥオージ・デッレ・ムーゼ(ピリオド楽器)
録音:2006年4月12-15日
ヴィヴァルディのオペラ序曲集(CDX70501 SACD hybrid)に続く、イ・ヴィルトゥ
オージ・デッレ・ムーゼのバロックアルバム。「ヴェネツィアへの旅」と題さ
れ、ヴェネツィアに縁のある作曲家の作品が集められている。モラルディとイ・
ヴィルトゥオージ・デッレ・ムーゼの演奏は、優れた様式感と、ゆとりを保っ
た愉悦感に独特の味わいがある。
CDX 70603 \1980
「フィリア・プレクララ」
神の僕、クララ/喜べ、天の聖職者よ/今日キリストは起きたまえり/おお、
宵に輝く乙女よ/許しのため私は行くだろう/澄んだ光で輝く/新たな玉座が
/主を讃えよう/おお喜びの報せ/留まるがよい/やんごとなき乙女/マリア
に祝福あれ/慈愛の神を讃えよ/ほか
アンサンブル・ペレグリーナ(女声アンサンブル)
録音:2007年4月16-20日
13世紀から15世紀にかけての宗教声楽曲を収録。いずれもアッシジの聖クララ
に因んだ内容である。アンサンブル・ペレグリーナは1997年創立の女声四人に
よるグループ。中世宗教音楽は混成、もしくは男声アンサンブルによるものが
多数だが、透明な女声だけのアンサンブルの美しさは格別である。
<Caprice>
CAP 21776 \2300
ピアノによるインプロヴィゼーショナルI ――
カール・ミカエル・ベルマン(1740-1795)の「フレドマンの手紙と歌」をテーマ
とした即興曲(15曲)
二クラス・シヴェレーフ(ピアノ)
「ピアノによるインプロヴィゼーショナル」とは、3年間で全10タイトルのリリ
ースが予定されているピアノによる完全な即興演奏のシリーズ。このシリーズ
全体に一貫して適用される重要な理念とは、
(1)インプロヴィゼーション(即興)であること。
(2)10タイトル全てで同一のコンサートホール、同一のピアノを使用(ピアニス
トは各タイトルで変更となる)。
(3)レコーディングの直前(ホールに入ってから)にテーマが提示される。事前提
示は一切なし。
(4)セッションは全て真夜中に行われる(人間の脳の活動時間に着目)。
という徹底された4項目。
ピアニスト自身の備えたテクニックや即興能力はもちろんのこと、音楽性や人
間性もが試され演奏に直接反映されるという部分も非常に興味深い。
この「ピアノによるインプロヴィゼーショナル」に挑む最初のピアニストは、
スウェーデンの実力者ニクラス・シヴェレーフ。
そのシヴェレーフに提示された注目のテーマは、18世紀スウェーデンの高名な
詩人であるカール・ミカエル・ベルマンの「手紙と歌」。
シヴェレーフの閃きによって次々と放たれるベルマンをテーマとした即興演奏
は圧巻の一言。まったく新しい視点とアイディアによるシリーズがいま始まる。
2006年8月28日-30日、ニーブローカイエン(ストックホルム)での録音。
<Danacord>
DACOCD 660 \2300
パヴェル・パブスト(1854-1897):ピアノ協奏曲変ホ長調Op.82
リムスキー=コルサコフ:ピアノ協奏曲嬰ハ短調Op.30
スクリャービン:ピアノ協奏曲嬰へ短調Op.20
オレグ・マルシェフ(ピアノ)、
ウラディーミル・ジヴァ(指揮)、南ユラン交響楽団
旧ソ連のアゼルバイジャンの首都バクー生まれで生まれたヴィルトゥオーソ・ピ
アニスト、オレグ・マルシェフ。
その実力に着目したメジャー・レーベルからのオファーを断り、ダナコード
(Danacord)一筋で優れた演奏を発表し続けるマルシェフが新たなに「3つのロシ
アのピアノ協奏曲」を録音!
ルビンシテインに認められモスクワ音楽院に教授として招聘されたパヴェル・
パブスト。同世代のチャイコフスキーからもその才能を高く評価されたパブス
トのピアノ協奏曲は、ロマンティックで技巧的な作風と雄大なロシアの大地を
想像させる大きなスケールを持った知られざる名曲である。
リムスキー=コルサコフとスクリャービンの2作品でもマルシェフの生命力に満
ちた音色と見事なテクニックが余すことなく発揮されている。ジヴァと南ユラ
ン響の温かなサポートも美しい。
※ダナコード・2008年カラーカタログ付き(40ページ)。
<Sterling>
CDS 1075-2 \2300
ヨアヒム・ラフ(1822-1882):
ヴァイオリンと管弦楽のための性格的な演奏会用小品《愛の妖精》Op.67
ヴァイオリンと管弦楽のための組曲Op.181
ヴァイオリン協奏曲第1番Op.161(原典版)
トビアス・リングボリ(ヴァイオリン)、
アンドレア・クイン(指揮)、ノールランド歌劇場交響楽団
長年に渡ってその存在と作品が不当なまでに忘れられてきたが、近年再評価の
気運が一気に高まっている作曲家ヨアヒム・ラフのヴァイオリン協奏曲集が登
場!スイスのチューリッヒ近くに位置する町ラッヘンで生まれドイツを活躍の
場としたラフの作品には、11曲の交響曲に代表される大規模な作品から室内楽
作品まで多くの傑作が見受けられる。
今回収録された「ヴァイオリン協奏曲第1番」では1870年に作曲された原典版が
用いられている。アウグスト・ウィルヘルミに献呈された難曲でスウェーデン
のヴィルトゥオーソ、リングボリが熱演を繰り広げている。
2005年11月からノールランド歌劇場響の音楽監督の任にあるイギリスの女流指
揮者アンドレア・クインの手綱捌きにも要注目。
CDS 1074-2 \2300
デュカス:
序曲《ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン》/序曲《リア王》/交響曲ハ短調
ファブリス・ボロン(指揮)、
ロイトリンゲン・ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団
代名詞でもある交響詩「魔法使いの弟子」や「ピアノ・ソナタ」といった現存
する傑作や、晩年には自らの作品の大半を破棄してしまうという完璧主義者と
してのエピソードでも知られるフランスの大作曲家ポール・デュカス。
2008-2009シーズンからフライブルク歌劇場の音楽監督に着任するフランス人
指揮者ファブリス・ボロンとヴュルテンベルク・フィルのタッグによるデュカ
スの管弦楽作品集では、1883年に若かりし日のデュカスが書き上げた2つの序
曲と、1896年に作曲された唯一の交響曲をカップリング。
「交響曲」での優れた作曲技法はもちろんのこと、序曲のみが発見され1995年
に初演が行われた「リア王」や「ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン」からも完
璧を求めたデュカスの類希なオーケストレーションを聴きとることができる。
<Rondeau>
ROP 4024/25 2枚組 \4600
J・S・バッハ:ヨハネ受難曲BWV.245
マーカス・ウルマン(福音史家/テノール)、
ゴットホルト・シュワルツ(イエス/バス)、
ルース・ホルトン(ソプラノ)、マティアス・レックスロート(アルト)、
ヘンリク・ベーム(バス)、
ゲオルク・クリストフ・ビラー(指揮)、
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、聖トーマス教会少年合唱団
J・S・バッハが第15代目のカントール(音楽監督)を務めるなど、バッハに最も
縁の深い教会として知られるライプツィヒ聖トーマス教会の少年合唱団。近年
はバッハの作品だけでも「ロ短調ミサ」や「マタイ受難曲」(初期稿)などのリ
リースを実現させるなど、活発なレコーディングにも取り組んでいる聖トーマ
ス教会少年合唱団の最新盤はこれまた期待の高まる「ヨハネ受難曲」!
現在のカントールであるビラーの指揮の下、名門ゲヴァントハウス管や福音史
家のスペシャリストとして名を馳せるテノールのマーカス・ウルマンなど聖ト
ーマス教会の「ヨハネ受難曲」に相応しい演奏者陣が集っている点も見逃せな
い。2007年4月6日-7日、聖トーマス教会でのライヴ録音。
ROP 7006 \2300
ブクステフーデ:
7つの連作カンタータ《われらがイエスの四肢》BuxWV.75/カンタータ《安ら
ぎと喜びもてわれは逝く》BuxWV.76/カンタータ《天使に委ねよ》BuxWV.10
イェルク・ブライディング(指揮)、
ハノーファー少年合唱団、ヒムリッシェ・カントライ、
バロックアンサンブル・ラルコ
世界初録音となったハンマーシュミットの作品集(ROP 7001)では権威あるエコ
ー賞を受賞。2007年にはジョン・ラッターの「マニフィカト」(ROP 7004)のリ
リースを行うなど、聖トーマス教会少年合唱団やウィンズバッハ少年合唱団と
並ぶロンドー(Rondeau)の中心的存在に急浮上してきたハノーファー少年合唱団
の最新録音。
ハノーファー少年合唱団の汚れのない澄んだハーモニーがブクステフーデの大
作を感動的に仕上げている。
<Christophorus>
CHR 77288(SACD-Hybrid) \2850
パレストリーナ:
チェチーリアは楽器を奏で、曙が領主を照らし時、ソロモンの雅歌より、
第1旋法のマニフィカト、その頭にいただきたる金色の冠は
パレストリーナを含む「ローマ音楽家名人会」による共作:
ミサ《チェチーリアは楽器を奏で》
ヴィルフリート・ロンバッハ(指揮)、アンサンブル・オフィチウム
これまでに「パレストリーナ」や「ヴァイセンブルクのオトフリート」の作品
集など、数多くの意欲的なプログラムを打ち出してきたロンバッハ率いるドイ
ツのアンサンブル「アンサンブル・オフィチウム」は、ルネサンス時代の宗教
音楽、グレゴリオ聖歌のスペシャリスト集団。
このロンバッハとアンサンブル・オフィチウムによる新しいパレストリーナの
作品集には、「ローマ音楽家名人会」の共作である「ミサ《チェチーリアは楽
器を奏で》」を収録。「ミサ《チェチーリアは楽器を奏で》」とは、教皇の庇
護のもとに1584年に創立された「ローマ音楽家名人会」の会員であるスタビレ、
ソリアーノ、ドラゴーニ、ジョヴァンネッリ、サンティーニ、マンチーニ、そ
してパレストリーナが各楽章を分担して手懸けた12声のためのミサ曲である。
全曲を通してアンサンブル・オフィチウムの高い歌唱力が豊かなハーモニーを
生み出しており、天まで響き渡るであろうその歌声は感動的と言う他ない。