北海道地図を観ると
知床半島と根室半島の中間に
嘴の様なかすかに
海に消えそうな野付半島がある
日本一の砂嘴だそうで
実際見たくなった
網走からレンタカーで飛ばし
人も車もまったく見かけない
農耕地のどこまでも続く
一本道をこれが北海道だと
高速道路並みに走り
制限速度を超えて
ナビ到着時刻30分も短縮して
一人悦に・・・
野付半島に入って
まず目を惹くのは
草原の中に
枯れ木の群が白骨化した風景
樹齢約百二十年前後
ナラやトドマツが塩に侵され
無惨な姿
トドワラと言うらしい
やがて塩湿地草原花園に
置き換えられる
自然の摂理
足元には既に
センダイハギ、ハマナス、蝦夷シシウド、
等々咲き乱れ
原生花園の成り立ちを体感した
野付半島ネイチャーセンターに
車を止め
突端の砂浜まで往復9kmの
原生花園を歩く
浜辺にはあさりがあちこち散在して
所々に枯れ木の群落トドワラが
哀れを誘う
歩道橋の先端からさらに
風に喘ぎながら浜辺を歩き
始まったシマエビ漁の打瀬船が
見られるかと期待したが
海が広過ぎ発見できなかった
昼は
ネイチャーセンターで
旬の北海シマエビリを頼んだら
まだ生きて跳ねている
マスクをした手の美麗な
若いウエイトレスに
食べ方を教われば
頭の部分を割り
頭の味噌を食べ
胴体は尻尾を掴んで身を押出し
さびをつけて食べると
気をつけないと跳ねますので
注意して下さいと
ニコニコしながら親切に・・・
頭を取って左手で掴んだ尻尾は
まだピクっと跳ねて
いきの良さを痛感し
コリコリと甘い味は
さびなど必要としなかった
茹でた北海シマエビも
美味しかったが
生には敵わなかった
満腹後
潮風にあたりながら
砂浜で一寝入り
オホーツクの風景に浸る
野付半島だった
砂嘴に立つ電柱だけが
目立つ一直線の道を
また飛ばして
ひた走りルンルン気分で・・・