褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 若草の萌えるころ(1968) 青春映画ですが・・・

2023年07月26日 | 映画(わ行)
 原題をいじくって、ロクでもない邦題で公開される外国映画があるが、今回紹介する映画若草の萌えるころがまさにそれ。この邦題のおかげで本作の魅力まで損なわれてしまった。ちなみに原題はTante Zita。意味はフランス語で『ジタ叔母さん』。確かにこの原題を知ると、このまま邦題として使う気など起こらないのもわかる。まあ、俺だったら『優しかった叔母さん』なんて邦題を付けたかな。
 本作は邦題のタイトル名からして青春映画のように思う人が多いだろう。確かにそのような側面はある。しかしながら青春映画だけで片づけてしまうと、観終わった後に全く感動が無い映画。むしろ原題が『ジタ叔母さん』だということを知ってから観ると、少しばかり感動を得られる。
 
 早速だが、ストーリーの紹介を。
 少女にピアノを教えていたオバサンが、レッスンを終えて少女が帰った後に昔の悪夢を思い出してしまい倒れてしまう。そこへ帰ってきてオバサンが倒れているのに気づいたのがアニー(ジョアンナ・シムカス)。倒れていたのはアニーにとっては母親よりも大好きなジタ叔母(カティーナ・パクシー)さんだったのだ。アニーの素早い対応のおかげでその場はなんとかジタ叔母さんは助かるが、脳梗塞を患い、麻痺は残り、喋れない状況に陥ってしまった。
 それ以来、アニーは何事もやる気が起きず彼氏との仲も気まずいものになっていく。心配で夜も眠れないアニーは、真夜中にもかかわらず外へ飛び出してしまい・・・

 アニーを演じるジョアンナ・シムカスが若くて美人。この人は後に黒人俳優の名優シドニー・ポワチエと結婚するが、こんな女性が真夜中に思い付きで外に飛び出したら危ない。ちょっとばかりイケメンのストーカーをしていたら、そのまま賑やかなバーに入ると見知らぬオッサンからナンパされるし、バーから1人で出ると浮浪者に襲われそうになった挙句に自分も警察へ連れていかれるし、警察署からそのまま家に帰れば良いのに再度バーに戻ってしまいイケメンと知り合いになれたのは良いが、不良に危うく絡まれたり・・・等、ロクでもない展開が途中はダラダラ続く。非常にはた迷惑な行動を起こしてしまうように観ていて面倒くさいが、ジョアンナ・シムカスが美人なので男性には目の保養になるし、その様なシーンも用意されているのが嬉しい。
 しかし、本作が素晴らしいのがラストシーン。ここで原題を思い出すとイライラするような展開を思わず忘れてしまい、実は若き女性の一晩で経験する不安、恐怖、そして素敵な恋が情緒的に描かれていることに気付くだろう。
 まあ、メンタルが弱っている時に観て気力が湧いてくるような映画ではないが、男ならジョアンナ・シムカスを見て目の保養に、女性ならば更に感性が豊かになれる?映画として今回は若草の萌えるころをお勧め映画に挙げておこう

 監督はロベール・アンリコ。青春的なタッチで描く作風が気持ちいい。本作と同じくジョアンナ・シムカスとアラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ共演のアドベンチャー、青春映画の趣をもった冒険者たち、ジャン=ポール・ベルモンドがレーサー崩れからマフィアの大物へ成り上がろうとするオー!Ho!、そして妻子を殺されたオジサンが復讐の鬼と化す追想がお勧め







 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 映画 黄金の腕(1955) 麻... | トップ | 映画 アメリカン・ドリーマ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(わ行)」カテゴリの最新記事