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映画 バラキ(1972) マフィアの実態がわかります

2023年05月07日 | 映画(は行)
 タイトル名はジョゼフ・ヴァラキという人物名に由来する。ギャングとマフィアを混在している人がいるが、実はその由縁とするところは大きく異なる。ギャングというのも近寄りたくないが、マフィアというのはイタリアのシチリア諸島を起源とする犯罪集団のこと。欧州から多くの人達が新大陸アメリカを目指すが、マフィアも例外ではなく彼らもアメリカへ渡り勢力を広げた。
 そして彼らがアメリカでやっていることと言えば、人殺しのみならず麻薬、賭博など犯罪に手を染めていた。しかし、なかなか犯罪を取り締まるFBIも警察もマフィアの実態がよくわからない。そんなマフィアの実態を全国放送のテレビで放映された公聴会でバラしたのが、マフィアの構成員の1人であったジョゼフ・ヴァラキ
 なかなか内容が内容なだけに映画化となるとマフィアからの報復が怖いので、この映画の企画を持ち込まれた多くのハリウッドのプロデューサー達は断ったようだが、そこで立ち上がったのがマフィア発祥の地であるイタリア人の名プロデューサーであるディノ・デ・ラウレンティス。それでもマフィア連中からの脅迫はあったようだが、まさに命がけで撮った作品が今回紹介するバラキ。生々しい描写、マフィアの怖さ、そして死の接吻オメルタ(血の掟)、コーサ・ノストラという組織、マフィアの内部事情まで教えてくれる映画だ。

 それではマフィアの本当の怖さを知らされるストーリーの紹介を。
 1962年、アトランタの刑務所に服役していたヴァラキ(チャールズ・ブロンソン)は、かつての仲間から刑務所の中でも命を狙われる。ヴァラキの大ボスであるヴィト・ジェノヴェーゼリノ・ヴァンチュラ)も同じ刑務所に服役しており、ヴァラキは助けを求めるためにヴィト・ジェノヴェーゼに面会を求める。実はヴァラキの殺害を指示していたのはヴィト・ジェノヴェーゼであり、ある事件について密告していたのはヴァラキだと思い違いをしていたのだ。ヴァラキがジェノヴェーゼに疑いを晴らそうとするが、ジェノヴェーゼはヴァラキの首に賞金を懸け、手下に殺害を指示する。
 ヴァラキは別の刑務所へ護送され、そこでFBI捜査官のライアン(ジェラルド・S・オローリン)と面会する。ヴァラキはライアンにコソ泥をして生活をしていたことに始まり、マフィアに入る切っ掛け、最初は幹部の運転手からスタートして、やがて殺害にも加わるようになったこと、そしてマフィアの争い、コーザ・ノストラというマフィアの組織、そしてオメルタ(血の掟)で結ばれたマフィアの同士の結束等などを話していく・・・

 チャーリー・ルチアーノサルヴァトーレ・マランツァーノ等、大物マフィアも実名で登場する。ドキュメンタリータッチで描かれているだけに、生々しいシーンもあったりする。この映画の制作開始時は、まだヴィト・ジェノヴェーゼジョゼフ・ヴァラキも存命中。しかも、ヴィト・ジェノヴェーゼは刑務所の中からでも殺害指令を下すことができる等、本作を映画化しようとしたスタッフ達もマフィアの連中から脅迫されてしまい、結局はヴァラキもジェノヴェーゼも獄中で死を迎えてから本作は公開された。
 本作を観ればマフィアの怖さを知るのは当然として、一般市民の生活の中にもマフィアが入り込んでいることがわかる。一部の警察と組んでいたり、労働組合にも入り込んでいたりするので突然不当なことで仕事を解雇されたりする。そして、マフィアの世界にも時代の流れがあり、マフィアの変遷も少しは理解できる仕組みになっている。オメルタ(血の掟)なんかは、日本のヤクザとも共通点が見いだされるし、一度泥沼に嵌ってしまった人生から抜け出すことの難しさをラストで痛感する。
 今回はちょっと怖いマフィアの世界を覗いてみたいという人、マフィア映画が好きな人等に映画バラキをお勧めとして挙げておこう

 監督はテレンス・ヤング。007シリーズの初期の作品が有名。同じチャールズ・ブロンソン主演でサスペンス映画夜の訪問者がお勧め。
 
  
 




 
 

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