褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 フリーダ(2002) メキシコ人女流画家の激動の人生

2014年03月30日 | 映画(は行)
 メキシコ人女流画家であるフリーダ・カーロの絵画と言えば、あくまで個人的な見解として、なんだか化け物が描かれているようなグロテスクな印象がある。そして見るからに痛々しい内容の絵が多い。
 実は俺は印象派の絵画が好きで、年に数回は美術展を観に行くぐらいの絵画鑑賞が趣味。しかしながら美術館に行って巨匠と呼ばれる人の作品を観たり、今まで知らなかった画家の素晴らしい絵画を観て感動しても、美術館を出てから数分後には展覧されていた絵画の殆んどを忘れてしまっている。その度に『せっかく、わざわざ金を払って観に来ても意味ねぇ~じゃん』なんて思うように、自分の記憶力の悪さに悲しい気分にさせられることがよくある。
 しかし、彼女の絵は一度観ると決して忘れることが出来ないような作品が何点かある(実は僕は彼女の絵は本でしか観たことがないのですが)。彼女の豊かなイマジネーション、そして痛々しい内容など他の画家には無い特徴があるのは確かだが、なぜ観ている者に強烈な印象を与えることができる絵画を彼女は描き続けることが出来たのか。そんな疑問を少々でも紐解けたような気分になるのが今回紹介する映画フリーダ。まさにタイトル通りフリーダ・カーロの波乱万丈の激動の人生を描いた伝記映画だ。

 
 正直なところピカソやルノワールほどの有名な人物でもなく、フリーダ・カーロの絵画のファンという特別な人なら別だが、それ以外には彼女の名前を聞いた事がある人か、余程の美術好きにしか興味が惹かれない題材。しかしながら非常に小粒な印象とは裏腹に豪華キャスト、美術的エッセンスを感じる映像、共産主義的な政治背景、ドラマチック過ぎる出来事の数々、そして気合いの入った主演女優サルマ・ハエックの演技と全裸シーンなどなど、映画好きには楽しめる作風になっているし、けっこうお金はかけている印象だ。
 とにかくサルマ・ハエックのこの映画にかける意気込みは相当なもので15歳から47歳までを演じきってしまい、しかも全裸でレズシーンまで演じるハッスルぶりを魅せつける。

  フリーダ・カーロの47年間の人生は、果たして数字が示す通り短かったのだろうか?人生の大半を肉体的にも精神的にも苦痛を感じさせる彼女の人生とはいかなるものか。
 普通の家庭に生まれ、青春を謳歌しているように思われたフリーダ・カーロ(サルマ・ハエック)だが18歳の時に、乗っていたバスが事故に巻き込まれ、瀕死の重傷に遭う。長らくベットの上での生活を強いられた彼女は、ひたすら絵を描くことに没頭する。
 なんとか自力で歩けるまでに回復した彼女は、当時メキシコの壁画画家として名を知られたディエゴ・リベラアルフレッド・モリーナ)の所へ自分の描いた絵を見せに行き、才能を認められる。
 やがて2人は結婚するのだが、フリーダ(ハエック)はディエゴ(モリーナ)の度重なる浮気に悩まされ、しかも事故の後遺症が次第に自らの体を蝕んでいく。そんな心身共に襲い掛かる苦痛を振り払うかのように絵を描き続けるのだが・・・

 フリーダ・カーロの事故による怪我が凄い。鉄の棒が腰から突き刺さってしまう等で一体何箇所骨折しているんだ彼女の絵画の傑作の数々はそんな大事故があったからこそ生まれた代物であり、人生の皮肉を感じざるを得ない。そして、彼女の夫となるディエゴ・リベラもメキシコでは有名な画家であるが、これがとんでもない女好き。この畜生振りもなかなか楽しめる。
 他にもアメリカの富の象徴であるロックフェラー一族が登場したり、ソ連の共産党内の権力争いに敗れてメキシコに逃亡してくるレフ・トロツキーが登場してくる等、1920年代~40年代にかけての思想的背景も少し学んだ気分にもなれる点も個人的には非常に興味深い。 
 そして、彼女の絵画の数々が映像の中で巧みに取り込まれているように非常に監督の美術的センスを感じる作品になっている。さらに民族的衣装は見ていて興味が惹かれるし、ラテン音楽も非常に心地良い気分にさせる。
 フリーダ・カーロのファン、小柄でボインな体形の女性が好みだという人は勿論楽しめるが、意外にも見どころの多い映画であるフリーダを今回はお勧め作品として挙げておこう

フリーダ DTS特別版 [DVD]
サルマ・ハエック,アルフレッド・モリーナ,アントニオ・バンデラス
アスミック


 こんな絵を描いています
フリーダ・カーロのざわめき (とんぼの本)
森村 泰昌,藤森 照信,芸術新潮編集部
新潮社


 監督はジュリー・テイモア。実はこの人が女性監督だということを始めて知りました。この人のお勧め作品は・・・逆に教えてください。

 フリーダ・カーロを演じるのがメキシコ出身のサルマ・ハエック。ラテン系美女であり、小柄で巨乳のセクシー女優。はっきり言ってどうでも良いことですが、ラテン系美女の素晴らしさを僕に初めて教えてくれた女性です。この人のお勧め作品はロバート・ロドリゲス監督、アントニオ・バンデラス主演の痛快アクション映画デスペラード、そしてデスペラードの続編でジョニー・デップも出演しているレジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード、他に 同じくロドリゲス監督、ジョージ・クルーニー主演のフロム・ダスク・ティル・ドーンも出演シーンは短いですが印象的。
 アクの強い作風で知られるケヴィン・スミス監督でマット・デイモン、ベン・アフレック共演のドグマも楽しめるかもしれません。

 ディエゴ・リベラを演じるのがアルフレッド・モリーナ。多くの大作から文芸作品に出演している名優。スパイダーマン2でドクター・オクトパス役が有名か。他にラッセ・ハルストレム監督のショコラ、ジェームズ・マンゴールド監督、豪華キャスト陣による傑作サスペンスアイデンティティーがお勧め。

 レフ・トロツキーを演じるのが名優ジェフリー・ラッシュ。今や最高の演技派俳優と言っても過言ではない。多くの名作、大作に出演していますが、ジョニー・デップ主演のパイレーツ・オブ・カリビアンシリーズのバルボッサ船長役が有名か。実在のピアニストを演じたシャイン、、ピレ・アウグスト監督、リーアム・ニーソン共演のレ・ミゼラブル、ケイト・ブランシェット共演のエリザベス、フィリップ・カウフマン監督、ケイト・ウィンスレット共演のクイルズ、他にも恋におちたシェイクスピア、スティーヴン・スピルバーグ監督のミュンヘン、コリン・ファース共演の英国王のスピーチなど主役は勿論、脇役に回っても強烈なインパクトを魅せつける。演じる役柄の幅の広さは常に次回作の楽しみな俳優です。

 他にレインマンでトム・クルーズの彼女役を演じたヴァレリア・ゴリノ

 他にもエドワード・ノートン、アントニオ・バンデラス、アシュレイ・ジャドなどが出演しています。

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