褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 情事(1960) 釈然としないですが・・・ 

2020年10月29日 | 映画(さ行)
 政界、芸能界、スポーツ界にと次々に不倫をしてしまうゲス男のニュースが報道されている。寄りによって、どうして誰もが羨むような奥さんがいながら男は浮気をしてしまうのか?家庭だけでなくカネや名誉まで捨てて浮気してしまう彼らの行動だが、愛する女性には一途に尽くす俺には到底理解できない。しかしながら、一方で不思議なのがさっさと離婚しない奥様の方。こんなサイテーな旦那なんか捨てちまえと俺なんかは思ったりするのだが、夫婦のみならず男女の仲というのは本当に難しい。そんな男女関係を描いた名作といえば今回紹介する映画情事。前述した日本男子達もかなりヒドイ奴に思えるが、本作の主人公である男性イタリア人も相当にイタイ。ところがもっと興味深いのがモノクロの画像の中でも輝くブロンド女優であるモニカ・ヴィッティ演じる女性の行動及び心理。個人的には非常に釈然としないものがあったのだが・・・。

 さて、揺れ動く男女関係に戸惑いを感じさせるストーリーの紹介を簡単に。
 恋人同士であるが倦怠期を迎えつつあった建築家のサンドロ(ガブリエーレ・フェルツェッティ)と上流階級の娘であるアンナ(レア・マッサリ)。そんな2人ははアンナの親友であるクラウディア(モニカ・ヴィッティ)を誘って孤島へのバカンスにでる。ところが突然アンナは姿を消してしまう。ヨットに同乗していた友人達や捜索隊を呼び出して孤島及びその周辺を探し回るが見つからない。しかし、サンドロとクラウディアは僅かな望みをかけてアンナを探し出す旅にでるのだが、次第に2人の仲が急接近してしまい・・・

 サンドロなんかは恋人のアンナが消えた途端にクラウディアにキスを迫る不届き者。それに対してクラウディアは親友が行方不明になっているのに、そんな疚しいことはできないとの想いを持っている。しかしながらクラウディアも後ろめたさを感じながらもサンドロに惹かれていく。一歩近づいて、半歩遠のくような男女間の微妙な距離の接近が興味深く観ることができた。世間は男性の不倫を徹底的に叩くが、男女の関係なんて案外こんなものかも?なんて俺には思えた。しかし、本作の真骨頂はラストの結末。なんだか釈然としない気がするが、一方で女性に対して感謝の気持ちが芽生えてきた。
 内容だけでなく映像的にはイタリアの建造物が活かされているし、男の視線を一斉に浴びるモニカ・ヴィッティの女っぷりも良い。そりゃ~、こんな女性と行動を共にしてたら俺もやっぱり惹かれてしまう、というのは冗談。観る人によって賛否両論あるだろうし、女性は本作に対してどのように感じるのか個人的には興味がある。エンターテイメントさは全く無いに等しいが、気だるい映画が観たい気分の人に今回は情事をお勧め映画に挙げておこう。

 監督はイタリア映画の巨匠ミケランジェロ・アントニオーニ。本作が彼の出世作品になるが、個人的にはそれ以前に監督したさすらいがお勧めです。






 

 


 



 
 
 

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