褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ドクトル・ジバゴ(1965) 大河メロドラマです

2019年01月18日 | 映画(た行)
 ソ連時代の代表的作家であるボリス・パステルナークの同名タイトル小説の映画化作品が今回紹介するドクトル・ジバゴ。ちなみに小説の方は1957年に出版されているが、自国ソ連においてはその内容がソ連共産党のお偉方の逆鱗に触れて発禁処分になってしまい、外国で先に出版されて人気がでた。
 さて、本作の時代背景はロシア革命の動乱期。皇帝専制か共産主義革命かで揺れ動いていた時代のうねりの真っ只中を医者であり詩人である一人の男であるジバゴの生涯を描いている。このジバゴという男だが、ついつい不倫に走ってしまう以外は優しい気持ちを持っている本当に良い人。しかし、時代の波と厳しいロシアの大自然が容赦なくジバゴに襲い掛かってくる。この映画を観ているとこんな時代のロシアに産まれなくて良かったと自分の運の良さに感謝した。
 
 次から次へと災難ばかりやってくるジバゴの人生から観ている我々は何を感じれば良いのか!それでは三時間を超えるストーリーをできるだけ簡単に紹介しよう。
 幼い頃に両親を亡くしたユーリー・ジバゴ(オマー・シャリフ)は、父の知り合いだという人に引き取られて育ち医者になる傍らとして詩人としても知られるようになる。やがてその娘であるトーニャ(ジェラルディン・チャップリン)と愛し合い結婚する。
 一方で若き女性ラーラ(ジュリー・クリスティ)は母親と二人暮らし。母親にはコマロフスキー(ロッド・スタイガー)という愛人がいたのだがコマロフスキーが狙っていたのはラーラ。ラーラには共産主義に燃える革命に生きようとするパーシャ(トム・コートネイ)という彼氏がいたのだが、コマロフスキーに犯されてしまう。
 ある日のクリスマスの夜のパーティーにおいて。コマロフスキーが居るところにラーラが銃を持って現れる。ラーラはあの時の恨みを晴らすためにコマロフスキーに向けて発砲するが、腕を撃つが命を奪うことができなかった。コマロフスキーの負傷を治療したのがユーリー・ジバゴだった。
 それから数年後、ロシア革命の内戦において従軍看護婦として戦場に参加していたラーラ。そこに軍医として野戦病院にいたのが医者として働いていたジバゴ。ラーラはジバゴのことを全く覚えていなかったのだが、ジバゴはクリスマスの日のことを鮮明に覚えていたので彼女のことを一目でわかった。今では二人とも結婚しており子供もいる身だったのだが、この再会を切っ掛けにして・・・

 実はこの映画はユーリー・ジバゴが出ている場面を含めて全て回想シーン。ユーリー・ジバゴの義兄であり共産党の偉いさんであるエフグラフ(アレック・ギネス)が少女を呼び出して、お前のお父さんは・・・!と詰め寄るが、それは観ている我々も『この女の子は何で?』なんて興味も持たしてくれる。
 しかし、本作の多くの見せ場はジバゴの生き様。ロシア革命の波にさらわれて、次々に悲惨な出来事に襲われながらも人間としての良心を持ち続けることができたのは何故なのか?俺に言わせれば、きっとそれは愛があるからだな。しかし、この世の中において愛をカネで売り飛ばす奴がいるのが本当に嘆かわしい。
 そしてこの映画はデヴィッド・リーン監督の作品なだけに映像が素晴らしい。ロシアの大自然を描きだすだけでなく、列車の中で人がぎゅうぎゅう詰めにされていたり、寒そうな家の中など狭い空間にも配慮されたシーンも注目して欲しいところだ。そして名作には名曲が付きものだが『ラーラのテーマ』の音楽が良い。映画のタイトルは聞いたことが無いという人でも音楽は耳にしたことがあるって言う人は多いはずだ。
 けっこうな登場人物が出てくる割に、幸せそうな人は俺が見たところ出てこないが、バラライカと呼ばれる弦楽器の使い方が上手くて少しばかりの希望を感じさせるのが素敵だ。
 ロシアを舞台にした映画が好きな人、大自然が好きな人、ロシア革命に興味を持っている人、現在不倫中である人・・・等などに今回はドクトル・ジバゴをお勧め映画として挙げておこう

ドクトル・ジバゴ 特別版 [DVD]
オマー・シャリフ,ジュリー・クリスティ,ジェラルディン・チャップリン
ワーナー・ホーム・ビデオ


 監督は前述したようにデヴィッド・リーン。彼の奥行きを感じさせる映像は大画面でこそ観たいと思わせる。そして、不倫映画の傑作が多いのも特徴。彼が描く不倫映画として旅情ライアンの娘をお勧めに挙げておこう。そして、この監督の普及の名作としてアラビアのロレンスも挙げておこう。
 
 


 

 
 
 
 
 
 
 


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