褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ライフ・イズ・ビューティフル(1997) 父親の役割がよくわかる

2018年02月16日 | 映画(ら行)
 父親が一家の大黒柱なんて言われていたのは、もう昔のこと。今や父親なんていうのはお年頃の娘さんが居る家の人にとってはウザい存在だし、外であくせく働いて金を稼いできても、家事などロクにせずに家でゴロゴロしてばかりいるお父さんに至っては粗大ゴミも同然の扱い。しかし、いつの世でも親父だってココゾ!という時には家族を守るために火事場の馬鹿力を発揮するのは一緒。家族がとんでもない事態に陥ってしまっているが、そんなことで息子に不安を感じさせないように口八丁手八丁で気丈に振る舞う姿に、父親の存在価値ってコレだよコレ!と大いに納得できる映画が今回紹介するライフ・イズ・ビューティフル
 最近は何かと自己保身のために、他人を陥れてまで嘘をついて誤魔化そうとする卑怯者を目にする機会が多いが、そういう人間には是非ともこの映画を観てもらいたい。本作の主人公である父親が子供を安心させるため、そして助けるために嘘をつく姿を見れば、きっと自分の行いを大いに反省するはずだ。せめて嘘をつくにしても自分の泣き言ばかりではなく、希望を与えてくれるような嘘を言ってほしい。

 とにかく喋りまくるのがうるさくて、ナンパしている姿がチャラいだけの陽気すぎるロベルト・ベ二ーニ演じる主人公。悩みなどまるで無さそうなイタリア人の男だが、後半は一転してピンチな状況に陥りながらも持ち前の明るさを失わずに父親の威厳を見せつけるストーリーの紹介を。
 1939年イタリアの北部において。ユダヤ系イタリア人のグイド(ロベルト・ベニーニ)は友人と一緒に叔父を頼りにやってくる。そんな道中で運命的(?)な出会いをした小学校の教師をしているドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)にストーカー顔負けのナンパをし、猛烈な求愛。やがて2人は結婚し息子ジョズエ(ジョルジョ・カンタリーニ)をもうける。
 幸せそうな生活を送っていた三人だが、やがてナチス・ドイツが北イタリアに進軍。ユダや人迫害が激しくなる中で、三人は強制収容所に送られてしまう。母親のドーラと引き離されて不安に怯える息子ジョズエに対して、少しでも元気づけるためにアレコレと嘘をついて安心させようとするのだが・・・

 実は主人公のグイドを演じるロベルト・ベニーニとドーラを演じるニコレッタ・ブラスキは私生活においても夫婦である。そんなことを知っていると、映画の中の話とはいえロベルト・ベニーニがニコレッタ・ブラスキを『お姫様~!』なんて言ってナンパしているシーンを見ていると少々気持ち悪くなる。しかし強制収容所に送られてからは、俄然緊迫感が出てくる。次々にピンチを迎えるロベルト・ベニーニだが、持ち前の明るさと家族愛で困難な状況を打破していく。息子の不安や恐怖を取り除くために嘘を言うが、これが結末への伏線になっていたりして感動を得ることもできるが、脚本の上手さも感じることができる。
 良い映画というのは、ユーモアと感動の両方を兼ね備えていることが多いが、本作がまさにソレ。前半はユーモアというよりもコメディ路線に走りすぎているように感じたりもしたが、収容所での父子のやり取りはこれが本来あるべき父親像というものを見せてくれる。父親になった者には自らの命を投げうってでも、大切な物があるということを本作を観ればよく理解できるだろう。
 笑いと感動の両方を求めている人、自分が嘘つきだと思って嫌になっている人、最近は家に居ても楽しいことが何もないと少々うつ病気味のお父さん、家族愛に飢えている人などに今回は映画ライフ・イズ・ビューティフルをお勧め映画として紹介しておこう

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 監督は本作で主演も兼ねるロベルト・ベニーニ。監督としては個人的には人生は、奇跡の詩がお勧め。俳優としても活躍しておりジム・ジャームッシュ監督のダウン・バイ・ローは夫婦共演で個人的にはお勧めです。


 
 
 
 

 
 



 
 
 


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