褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 シティ・オブ・ゴッド(2002) リオ五輪の舞台です

2016年09月05日 | 映画(さ行)
 先日リオオリンピックが終り、これからリオパラリンピックが行われる。五輪開催の地であるリオデジャネイロは当初から治安に対する不安が懸念されていたが、今のところ各国の選手団、応援団が大きな被害が遇ったという話は出ていないようでひとまずは安心。しかし、今回紹介する映画シティ・オブ・ゴッドを観たことがある人には、リオデジャネイロで五輪が開催されることに、ホントに大丈夫かよ!と感じ、絶対にこんな所へは選手としても行きたくないと思う人が多いはずだ。とにかく本作を観ていると銃声が乾いた音でパン、パ~ンと常に鳴り響いている印象がある。とんでもない悪ガキが登場し、日常茶飯事で強盗、麻薬の売買、そして人殺しが行われている様子が描かれている。警察も殆んど手に負えない様子を窺い知ることもできるし、暴力の連鎖による悲劇は驚きの衝撃を持って我々に見せつける。しかも、これが実話を基にしているのだから、暗澹たる気持ちにさせられそうだ。

 さて、オリンピックが開催されたリオデジャネイロのスラム街であるシティ・オブ・ゴッド(何とも皮肉な名前がつけられているが)を舞台にしたストリートチルドレン達の抗争劇の内容を簡単に紹介を!
 1960年代の後半における、ブラジルはリオデジャネイロ、貧民街であるシティ・オブ・ゴッドにおいて毎日の如くストリートチルドレンによる強盗が多発している。そこに住むストリートチルドレンであり青年であるカベイラ(ジョナタン・ハーゲンセン)ら3人組と彼らの弟分でありまだ少年であるリトル・ダイス(ドグラス・シルヴァ)はモーテル襲撃を計画し、実行。その場は血まみれの死体で一杯となってしまう。カベイラ達は金を強奪して逃げるつもりだったのだが、モーテルの従業員から客を殺しまくったのは少年のリトル・ダイスだった。
 1970年代に入り、シティ・オブ・ゴッドから逃れていたリトル・ダイスはリトル・ゼ(レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ)と名前を変えて戻って来た。その性格は更に凶暴さを増し、シティ・オブ・ゴッドの縄張りを乗っ取るために、壮絶な抗争を繰り広げるのだが・・・

 子供の頃から麻薬が癖になって辞められないというのは、世界各地のスラム街でよく見られる光景。しかし、シティ・オブ・ゴッドのガキは銃で人を殺す快感を味わってしまってからは、とにかく気に入らない奴に出会うと直ぐに銃を向ける。この辺りの負の連鎖の描き方は日本人が見れば相当ショッキングだ。
 否応無く子供達が暴力に巻き込まれるシーンが多くて残酷な映画かと思いきや、実は観ている最中はそれほど不快な気分にならない。むしろラテン系のノリはどことなく明るくてテンポも良いし、カメラワークが抜群で娯楽作品として楽しめる。永遠に続くかのような子供達の暴力に絶望するだけでなく、ちょっとした希望も見せてくれるのが良い。
 こんな映画を見せられたらリオデジャネイロ五輪が今のところ特に大きな問題もオリンピックが終り、こらからパラリンピックが行われることに不思議な気すらするが、今回の五輪で改めてスポーツは世界を平和をもたらし、暴力を取っ払う可能性も感じた。いかにリオデジャネイロで五輪が開催されることが凄いかを知り、ブラジルにおけるストリートチルドレンの問題の深刻さを勉強した気分になり、おまけに明るく、ノリの良いラテン系の良さを感じることができる映画シティ・オブ・ゴッドは非常にタイムリーなお勧め映画として今回は挙げておこう

シティ・オブ・ゴッド DTSスペシャルエディション (初回限定2枚組) [DVD]
アレッシャンドレ・ロドリゲス
アスミック


 監督はブラジル人のフェルナンド・メイレレス。本作によって一躍世界で有名になる。ジョン・ル・カレ原作の映画化作品であるナイロビの蜂、突如世界中が失明の人々で覆われてしまうパニック映画ブラインドネスがお勧め。




 
 

 
 

 




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