褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 女と男の名誉(1985) イタリアンマフィアの血の結束

2013年04月09日 | 映画(あ行)
 イタリアンマフィアを描いた映画にゴッド・ファーザー(シリーズ)という名作があったが、あの映画にはイタリア系社会の固い血の結束が全編的に描かれていた。血のつながった子供達のためにはあらゆる手段を使って守り通そうとするが、血のつながっていない奥さんには『ハイ、バイバイ』といって追い出すシーンは、イタリア系社会の恐ろしさを感じる。
 ゴッド・ファーザーは冷徹なイタリアンマフィア社会を描いた硬派なドラマだが、今回紹介する映画女と男の名誉もイタリアンマフィアを描いているが、こちらはコメディ調で笑える。しかし、観終わった後によ~く考えるとイタリアンマフィアの社会の厳しい掟を痛感するのは案外女と男の名誉の方かもしれない。
 マフィア社会がこだわる血の結束がもたらす名誉によって、究極の選択に悩まされる男の苦しみを描くハードボイルド映画。どこか間抜けな奴ばかり出て来て笑えるが、それでいて結末は哀愁を感じさせる映画だ。

 ニューヨーク、ブルックリンを支配しているイタリア系マフィアのブリッツ家のドン、コラード(ウィリアム・ヒッキー)に可愛がられ、ブリッツ家の殺し屋稼業を請け負っているチャーリー(ジャック・ニコルソン)。彼はドン、コラード(ヒッキー)の孫の結婚式に参加しているとラベンダー色の服を着た美女アイリーン(キャサリン・ターナー)に一目惚れ。やがて2人は愛し合い、結婚するが実はアイリーン(ターナー)はフリーランスの殺し屋だった。
 ブリッツ家の一員の者が殺されたり、金が盗まれていたり等のトラブル事にアイリーン(ターナー)が関係していることが明るみに出てくるのに、コラード(ヒッキー)達のブリッツ家の幹部からアイリーン(ターナー)を殺害するように指示されたチャーリー(ニコルソン)は、ブリッツ家の名誉を守るために愛するアイリーン(ターナー)を殺すか、それとも彼女と一緒に海外へ逃げてしまうかの究極の選択に悩まされるのだが・・・

 冒頭におけるイタリア式のファミリーの結束の仕方を見せるシーンから軽く笑える。本来はガチガチに結束されているイタリア系社会なのに、ポーランド系の女が入ってくることによって、内輪モメの様相を帯びてくるところがなかなか面白い。
 ボスは顔が白すぎて貧弱だし、主人公の殺し屋は凄腕?の割に命令されるままだし、幹部の連中も貫禄などまるで無い。ちょっと見たところ、いつ壊滅しても不思議で無いくらいのショボイ組織のように感じるが、そんな雰囲気もこの映画の面白いところか。
 そして暗殺者同士の結婚による男と女の心理的駆け引きは面白く、女の嫉妬深さは男から見れば怖く、他にも色々と興味深い点が多くある。似たようなお年寄りが多くて人物関係の把握がちょっと難しいが、登場人物達のそれぞれに異なる名誉とは何かを考えながら観ると非常に面白い
 サスペンス、恋愛、マフィア、笑いなどを求めている人には女と男の名誉はお勧めです

女と男の名誉 [DVD]
リチャード・コンドン,リチャード・コンドン,ジャネット・ローチ
角川映画


 監督はハリウッド黄金期を支え続けた名匠ジョン・ヒューストン。骨太なサスペンス映画に名作を連発しています。ハンフリー・ボガード主演の切れ味鋭いサスペンスの傑作マルタの鷹、集団強盗サスペンスアスファルト・ジャングルがお勧め。

 主演は多くの名作に出演する名優ジャック・ニコルソン。管理社会を批判したようなカッコーの巣の上で、ロマン・ポランスキー監督の渋い雰囲気が漂うチャイナタウン、ハートウォーミング・コメディの傑作恋愛小説家がお勧め。

 女暗殺者を演じるのがキャスリン・ターナー。とてもセクシーな女優さんですが、容姿が衰えるのも早かったのが本当に残念。妙にエロイ感じの白いドレスの女がお勧め。

 ジョン・ヒューストン監督の娘さんのアンジェリカ・ヒューストンが1番おいしい役で出演しています。アダムス・ファミリーで有名ですが、個人的にスティーヴン・フリアーズ監督のグリフターズ/詐欺師たちがお勧め。悪女役が本当に上手い女優さんです。

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