福祉亭日記

日々の出来事を更新していきます.

無力

2019-10-06 07:18:15 | 日記
ラグビーは、サモア戦に勝利し、陸上男子リレーは、銅メダル。
CS阪神は、奇跡の大量逆転・・とスポーツ界は、東京五輪前の充実したニュースを流している。
うっかり、そちらばかりに目をやりがち。
その陰で、高齢化する団地は、様々な課題を突き付ける。
なんだか、どこか、深さがわからない都会のジャングルのような・・気配。
これだけ人口が密集していて、これだけ様々な制度上の仕組みがあって、人が動き、日々日常に何事もないように・・という思いが醸成されている・・と、つい、思って過ごしているこの地域。

一つ目。
朝、ふっと〇丁目で孤独死が出た・・というつぶやきが耳に。
えッ?
どこですか?
思い当たるは、一昨日朝、緊急を知らせる救急車、消防車のサイレンが団地に鳴り響いた。
サイレンの音は大きく、ふっと、なにがあったのかなあ・・という気持ちに襲われる。
でも、そのまま、いつもの日常。
一日遅れで、届いた孤独死のニュース。
それで、男性ですか、女性ですか・・と問うと、女性・・だと。
数か月放置で、下の階にその体液が落ちてきた・・と。
言葉少なに語られる、その内容の激しさ。
衝撃と、ガクゼン。

二つ目。
午後、人を探しに静岡からみえたかたが、駐車場を探している・・と厨房からボラさん。
うん?
たまたま空いている駐車場が、土曜午後は、休診の内科医先生のところ。
たまたま、内科医先生が、遅い昼食をとりに福祉亭にみえておられた。
ご了解をえて、その駐車場に止めて頂く。
数時間がたち、ご訪問のかたが戻られてみえた。
チャイムを鳴らしても出てみえず、
ご近所づきあいもしていない様子・・と。
おじに当たるかたが、手紙を出しても、なんの反応もされないので、尋ねてみえた・・と。
30年ぶりに・・と。
50代。
たぶん、男性。
表札は出ていて、引っ越しはされておられず、カーテンが閉まっていた・・と。
メモをポストに入れて、おかれたら?などと、思いつくことをお話してみる。
手に持っておられた菓子折りを、福祉亭のお礼に・・と。
いえ、それを、ドアノブにかけておかれたら?・・と、再度。
首を振られる。
よほど住所とお名前を伺おうか・・と、心の中で逡巡。
でも・・と、控える。
音信不通で、30年間・・なんとかやっておられるのでしょうが・・。
50代は、まだ、それでも仕事もされ、健康状態も保たれていることでしょう。
でも、その後に、60代、70代・・と人生が続きます。

福祉亭運営の15年間は、地域力の大事さと共に、ご家族、ご親族との関係性の大事さを教えてくれました。
家族はともかく、親族との関係性を問われれば、ワタシだって、十分とは言いかねる。
地域力が、その力を発揮するのは、情報。
なんらかのシグナルが出て、初めて、地域は、それまで見ず知らずに過ごしてきた関係性の空白の時間を埋めようと動きだすのです。
でも、シグナルが何もでないこんな二事例のような場合には、ただ、無力さだけが露呈する。

地域力を認識できるような地域づくり・・の大事さを改めて思います。
個人情報で守られるもの・・も、あります。
でも、それによって、失うものにも、そろそろみんなが気づいていかないと。
その気づきがないと、地域は、ただの「ベットタウン」のまま。
このままで、人生100年時代と言われるそれぞれのみなさんの暮らしが守られるのかどうか。



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