福祉亭日記

日々の出来事を更新していきます.

老いかたの受容

2015-10-31 05:32:47 | 日記
福祉亭の運営が10年を越し、ボラさんたちもそれぞれ80の坂を上り始められた。
80の坂を越えられたかたは4人も。
80の坂を上りつつあるかたは、複数人。
70の坂を上りつつあるワタシは、70代の諸相にいつも接しているので、老いることに不安感はない。
今のところ。
だって、この集団にいると、まだ、若手グループのお姉さん役程度。
それでいて、朝の鏡に映る自分の顔には、毎日、び~~くり!!
ありゃ~~・・
たいへんだぞ~~・・と、慌てて髪型を直し、表情をちょっとばかり、はっきりさせる。
その繰り返し。

80になられたばかりのボラさんから尋ねられた。
施設に入られ、生きる気力をなくされたかのように見えるご利用者であった90歳さんの処遇について。
ワタシ自身、判断に間違いはなかったかどうか・・と、時折、振り返りをしている。
総合的に、間違いは、なかった・・とは、思う。
でも、まだ、何かやるべきことをジツは、見逃しているのではないか・・と。
周囲の90歳さんの独居生活への不安から、ご本人が望まないまま無理やり介護施設に入って頂くことになった今年の夏。
3度の食事と、週一度か二度の入浴、十分ではないけれど幾分のお楽しみタイムもあって、なによりの安心として、24H介護の目があることを、その時の最善として、ケアマネさんとの相談と共に、選んで頂いた。
でも、まだ、やるべきことは、ないのかと気をもむ善意の周囲。
最大の懸案は、気力。
生に対する。

マズローの欲求のピラミッドの頂点には、生きがいの充足が置かれている。
つい先日、そのピラミッドの頂点の、さらに上にあるものを教えて頂いたばかり。
それは、自己の超越・・だった。
どきッ!!
しかし、生きがいにしろ、超越にしろ、それは、高度で、「人」としての究極のもの。
既に、介護施設に身を置くかたに、今、それを語ってみたところで、すべはない。

今はない母の見舞いに行っていた時、傍らで他のかたのサポートをしていた介護施設の職員が、もっと施設内の対応の改善を・・と、勧告するTVのニュースの内容に対して、ふっと、「それ以上のことを望むのであれば、もっと、お金を使ってください・・」と、言っていた。
ちょっと、びっくりもした。
あるいは、職員として不適切な言葉であったかもしれない。
でも、最低限の生命の保障があることに、もっと、目を向けてもいい・・と、言いたかったのかもしれない。
既に、家族介護の限界に達して、施設にきている高齢者を相手に、日々、ぎりぎりまでの処遇を強いられている施設職員。

はてさて、どこに、それぞれの充足と満足を置けばいいのか。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする