今月30日に行われるオランダ国王の即位式に招かれている皇太子ご夫妻のご返事が遅れていることについて、宮内庁長官が「一刻も早く決めていただきたい」と異例の苦言を呈したという。オランダ側からは3月初旬に招待があったが、雅子さまが長距離の旅行や重要な儀式に出席が可能か医師団と検討していて、未だに返事ができないという。「オランダ側にも準備の都合があるのに、返事が大幅に遅れている」と長官が苦言を呈するほど状況は深刻だと感じられる。最近では月刊誌「新潮45」3月号に宗教学者の山折哲夫氏の『皇太子殿下 ご退位なさいませ』という投稿が載って大きな話題になったし、それ以前から皇太子ご夫婦に皇位継承ができる男子がいないため、女性天皇や女性の宮家設立を求める議論などがくすぶっている。
雅子妃のご病状については余り新聞やテレビでは報じらず、私などは専ら女性週刊誌の広告の見出し等で推し量る程度だが、今は皇太子と婚約した頃の面影は微塵もない。雅子さまのお父君小和田恒氏は外務省事務次官、国連大使、国際司法裁判所所長などを歴任した外務官僚の大物中の大物。小和田雅子さんもハーバード大学卒で外務省初のキャリア官僚であり、結婚のお相手候補だった頃の大股で颯爽と歩く姿は今でも印象深い。私は、こんな人が新しい皇室にはふさわしいかもしれないと大いなる期待を抱いた。その後体調を崩されたことが報じられた時も、あの美智子妃殿下もご結婚前のふっくらした顔立ちが皇室に入られて一時はげっそりお痩せになったことを考え、「これが皇室の重みなのだ。しかしきっと立ち直る」と思っていた。しかしながら、なかなか芳しいご様子が伝わって来ない。皇太子も雅子妃も決して個人的なわがままを通しているわけではないだろうが、国民の信望が遠のいて行くのが残念である。
話題がガラッと変わって、朝日新聞の昨日の夕刊に「日本船マグロ ハイテク味」という記事があった。日本の遠洋マグロ漁船が冷凍マグロの味の向上に取り組んでいるという。マグロと言えば、青森・大間のマグロのように国産の生マグロに人気があり、遠洋の冷凍ものは味が落ちるとして価格も安い。それを、冷凍前の処理の技術を凝らすことで生のマグロと遜色のないものしようという取組みである。具体的には、酸素濃度の高い海水の中に生きたマグロ入れて心臓の活動を長引かせ、血抜きを徹底するとか、獲ってすぐ凍結せず、予め氷水で冷やしてから凍結するなどの”ハイテク”を漁船の中で施すというものである。マグロ大好き日本人の好みに合った味で、輸入ものとの差別化を図ろうという努力に拍手を送りたい。
一昔前にはこんな技術が紹介されたのを覚えている。養殖のタイやフグを水槽付きのトラックで生きたまま消費地へ運ぶことは珍しくはなくなった。しかし狭い水槽内で一昼夜も揺られると魚が弱って、味が落ちるのだそうだ。そこで、鍼灸の針の応用で生きた魚を針で眠らせて運び、到着後にまた針で眠りを覚ますと魚は弱らずしかも同じ水槽でたくさんの魚を運ぶことが出来るという・・・今もこんなことをしているのだろうか、知りたくなった。
[スミレ展―マニア自慢の菫]
「春の野草」と言えば、真っ先にスミレ(菫)を思い浮かべる人が多いかもしれない。かと言って目立つ花ではない。まだ草むらが伸びない時期にひっそりと咲いている風情だが、そのひそやかさ、可憐さが何とも”たまらない”、”いとおしい”。一口にスミレと言ってもその種類は多い。神代植物園で開かれていたスミレの鉢植え展にはマニア達が出展した鉢は二百くらいはあったろうか。種類も数十はあった。以下、コンパクトデジカメの写真では魅力が十分に伝えられないが・・・