折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

めぐり、めぐって

2008-07-05 | 家族・母・兄弟
常日頃、娘夫婦には毎月高い家賃を払うより、手ごろな物件があったら思い切って買った方がいいよ、と言ってきた。

その娘から、1年ほど前に契約したマンションが完成し、入居することになったと言う話を聞いていたので、そのうち『お金、貸して』ということになるだろうと予想していたら、かみさんに話しがあった。
「やっぱりな」と思った。


そして、今から38年前に田舎に住むおやじさんとおふくろさんに結婚の報告に行った時のことを懐かしく思い出した。


当時、小生は会社に勤務して4年目の27歳。
結婚するというのに、預貯金はゼロ、結婚式の費用さえなかった。(お金はすべて当時夢中になっていた『オーディオ』と『レコード』に化けてしまっていた)

おやじさんが言った。
『所帯を持つのでは、住む家がいるな。どうせ、お金はないんだろう。そっちの方は、何とかしてあげるから家を探がしな』と。

かたわらで、おふくろさんが言葉を添えた。
『おとうさんの退職金があるから、お金を貸してあげられるんだよ。おとうさんに感謝しなくてはね』

その時は、運良くというか、たまたま、おやじさんが長年勤めた教師の職を辞めて、退職金が手元にあったのだ。

当時は、自分のことを考えるだけで精一杯で、退職金がおやじとおふくろ二人の老後の生活の支えとして大切なお金であることには思い至らず、「結婚後の生活はアパート暮らしが関の山」と覚悟していた小生にとって、信じられないほどありがたく、嬉しい話であった。


そして、その時に借りたお金で小さな中古の家を買った。(その後、その家を処分して今の家を購入した。)
その家がわれわれ夫婦の生活の原点となった。

あの時、あの小さな中古の家を買っていなかったら、甲斐性のない小生のこと多分、戸建の家を持つことはできなかったことだろう。

そう考えると、今の恵まれた生活があるのは、あの時、おやじさんとおふくろさんが、自分たちの老後の備えである退職金をわれわれ二人の新生活のために貸してくれて、生活の足場とも呼べる『自宅』を手に入れる援助をしてくれたお陰であり、おやじさんとおふくろさんには感謝の言葉もない。

あれから時が流れ、めぐりめぐって今度は自分が親としておやじさんと同じように自分の退職金の一部を娘夫婦に貸す立場になった。
そのめぐり合わせに今、感慨を新たにしている。

そして、結婚し、親となって、同じような立場になってはじめて、おやじさんとおふくろさんの気持ちがちょっぴりわかったような気がして、『親の思い』はいつの時代も変わらないものなのだ、と改めて実感した次第である。


今日、7月5日はブログを書き始めて満2年目に当たる。
そして、231回目の投稿である。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
231回目を読んで (原田芳春)
2008-07-05 13:08:18
ブログ年満2歳おめでとうございます。今後とも徒然なるままにお続けください。楽しみにしています。
最初のお宅を購入されて間もない頃、東京出張時に立ち寄って、ロールキャベツを御馳走になり、「英雄」を聞いているうちに眠ってしまったことなど懐かしく思い出しました。
返信する
コメントありがとう (fit-723)
2008-07-05 22:08:59
ご無沙汰です。
年なのですかね、最近は書く内容が昔を懐かしむことが多くなっています。
もっとも、古くなった記憶を止めておくのも本ブログの目的の一つでもあるのですが・・・・

8月のゴルフ楽しみにしています。
返信する

コメントを投稿