折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

種まき

2007-06-30 | 読書
よく見かける

『孤島に1冊だけ本を持って行けるとすれば、あなたはどんな本を持って行きますか?』

と言う質問には、即座に

『三国志』(吉川英治)

と答える。


吉川英治の『三国志』との出会いが何時頃のことだったかはっきりとは覚えていない。
多分、小学校4、5年生の頃だったのではないかと思う。

学校の図書館から借りてきた『三国志』を、それこそ時間が経つのも忘れて、貪るように読んだ記憶がある。
子供なりにイメージをふくらませ、手に汗を握り、胸をときめかせて思い切り空想の世界に羽ばたいた時間は、まさに「愉悦」の一時だった。

読書の面白さ、楽しさ、素晴らしさを最初に教えてくれたのが、『三国志』であった。

以後、何回『三国志』を読んだことだろう。

中学、高校、大学そして社会人になってからも、折に触れて『三国志』を読んだ。

この間、吉川英治の『三国志』の他に柴田錬三郎、三好 徹、陳舜臣、北方謙三と言った作家が書いた『三国志』も買い集め、読み比べたりもした。

そして、本箱はいつの間にか何種類もの『三国志』の本で埋まっていた。

               
                写真:上、左 吉川英治『三国志』、
                   上、右 柴田錬三郎『柴錬三国志』
                   下、北方謙三『三国志』

息子がいつ頃から本箱にある『三国志』を読み始めたのか、よく覚えていないが、気が付くと彼も『三国志』にすっかり『はまって』いた。多分、彼が読書の楽しみを知ったのは、『三国志』だったに違いない。
小生の後をなぞるように彼が次々に本箱にある色々な作家の書いた三国志を読み漁っているのを眺めて密かに、『俺の<DNA>は、間違いなく受け継がれた』とうれしく思ったものである。

今年、孫が小学校に上がった。

小生から息子、そして孫へと愛読書が受け継がれて行ってくれたらいいな、という思いが胸のうちにある。
一つの小さな願いである。そして今、その願いの実現に向けて『種まき』の時が来たのかなと思っている。

                
                 写真は、横山光輝『三国志』(愛蔵版)

まだ、1年生だから吉川英治の『三国志』は少し早いと思うので、漫画家・横山光輝が心血を注いで書き上げた傑作『三国志』を孫たちが夏休みに来た時に読ませたいと計画している。(この横山『三国志』、今年『愛蔵版』(全30巻・毎月1巻発売)が新装発売されたので、これを購入した。)

そして、孫たちが小学校の高学年になり、小生から息子へと読み継がれ、今も我が家の本箱に納まっている吉川英治の『三国志』(全8巻)を孫に手渡できる日が来るのを今から楽しみにしている。

一方、娘夫婦にも昨年孫が誕生した。
娘は『三国志』には全く興味がないが、婿殿の愛読書が吉川英治の『三国志』とのことなので、こちらの孫にも愛読書『三国志』を引き継いでくれる可能性は大いにありそうだが、何と言ってもまだ9ヶ月、こちらの方は、気が遠くなるほど、ずっと先の話である。

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1 コメント

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Unknown (としいえ)
2007-07-03 00:29:33
実は最近図書館で再び吉川英治の三国志を借りて呼んでいるところです。血沸き肉踊る、ですYo。

横山光輝すごーく興味アリ。
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