真面目が一番、と思って生きてきた人がいる。多分そうであると言い変えよう。みるからに、真面目であり、不器用であり、いつも安定的にしていて、どこか我慢しているふうがあって、正論しか言わない。
世間の事情にも詳しいとはいえない。だが、世間の事情に詳しく、敏感でなければならない立場なのである。彼は政治家である。実際に政治家になったことがないかもしれない。立候補ばかりである。
そうしているうちに、時代に追い越された感が強い。パソコンもやらないし、スマホとも縁がない。
しかしながら、本質は逃してはいない。政治のことに関しては、関心もあり、指導者の立場にあるのだ。勉強もしている。演説もする。子供にも自分の信念を伝えてあって、子供は後継者として育っている。
どこまでも不器用なのである。若い頃から変わらない。誠実そのもの、裏表なく、いつもニコニコしている。安心できる人柄である。地味である。彼こそ政治家にふさわしい。彼には、本当に幸せになってほしい。